JPH0541926A - フランキア根粒植物の育成法 - Google Patents

フランキア根粒植物の育成法

Info

Publication number
JPH0541926A
JPH0541926A JP35280191A JP35280191A JPH0541926A JP H0541926 A JPH0541926 A JP H0541926A JP 35280191 A JP35280191 A JP 35280191A JP 35280191 A JP35280191 A JP 35280191A JP H0541926 A JPH0541926 A JP H0541926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
medium
genus
frankia
belonging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35280191A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Fukumoto
勉 福本
Naoki Muto
直紀 武藤
Kazumasa Kikuta
一正 菊田
Yasuhiro Sudachi
康博 巣立
Miyuki Gotou
深幸 後藤
Atsushi Miyazawa
淳 宮沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP35280191A priority Critical patent/JPH0541926A/ja
Publication of JPH0541926A publication Critical patent/JPH0541926A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハンノキ属に属する植物を宿主として根粒を
形成するフランキア属に属する微生物を用いて、該ハン
ノキ属に属する植物を育成するに当り、該フランキア属
に属する微生物と該ハンノキ属に属する植物とを接触せ
しめて、該ハンノキ属に属する植物を窒素含量が10m
M以下の培地を用いた水耕栽培または固体養液培養にて
フランキア根粒の形成を促進して育成することを特徴と
するフランキア根粒植物の育成方法。 【効果】 フランキア根粒を再現性よく効率的に形成
し、植物の育成が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カバノキ科ハンノキ属
Alnus属)に属する植物を宿主として根粒を形成
するフランキア(Frankia)属に属する微生物を
用いて、該ハンノキ属に属する植物にフランキア根粒の
効率的な形成を促進して育成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最も代表的な生物的窒素固定は、マメ科
植物の共生菌による窒素固定であり、生物的窒素固定の
総量の約半分を占めると言われている。従来より、マメ
科植物の共生菌が該マメ科植物に形成する根粒について
は、精力的に多くの研究がなされてきた。一方、非マメ
科植物であるハンノキやグミなどに根粒が形成されるこ
とは古くから知られていたが、マメ科植物と違ってその
経済的価値が低く、しかも内生菌の分離が困難なため、
あまり研究されていない状態であった。ハンノキを代表
とするカバノキ科ハンノキ属(Alnus属)に属する
植物は、フランキア(Frankia)属に属する微生
物の宿主としてフランキア型の根粒を形成する落葉樹で
あり、その落葉が窒素分に富むため別名を肥料木ともい
い、環境条件の悪い自然生態系における先駆樹木とし
て、山地、やせ地、砂地などの緑化や地力の改善に利用
されてきており、また生長が速いため、パルプ材として
も近年注目されつつある。これらの状況の下、フランキ
ア型の根粒からフランキア属に属する微生物を分離した
とする報告が多くなされるに至っている。フランキア型
の根粒を形成するフランキア属に属する微生物は、上記
マメ科植物の共生菌とは菌学的に異なり、宿主特異性も
相違するが、フランキア型の根粒を形成する植物以外の
非マメ科植物の共生菌とも異なり、さらには同じフラン
キア属に属する微生物においても宿主特異性の相違する
ものがあると言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、林業や農
業等に好ましい性状を有するハンノキ属(Alnus
属)に属する植物において、フランキア属に属する微生
物を植物体へ接種することにより効率的に根粒を形成せ
しめることは極めて困難な状況にあった。例えば、農業
と園芸 第64巻、第4号、第550頁、1989年
に、「わが国においても、植村が、ハンノキ、ヤマモ
モ、グミ、モクマオウ、ドクウツギ、Ceanothu
属植物根粒より各樹特有の内生菌を分離し、それらの
形態学的、生理学的特性について研究を行ったが、再接
種試験にはいずれも成功するには至らなかった。」等の
記載に表れている。ある種のフランキア属に属する微生
物は採取元の宿主に対し再感染し得ないものもあること
から、感染能力の有無がフランキア属の決定的な根拠と
はなっていない現状において、具体的に如何にすれば効
率的に、しかも再現性よくカバノキ科ハンノキ属(Al
nus属)に属する植物にフランキア型の根粒を形成し
得るのか解明されておらず、さらに根粒を形成し得たと
しても実際に窒素が固定され、その窒素分を植物が利用
できるのか、林業や農業に利用できる良好な育成が可能
かについては、全く知見がない状態であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハンノキ
属(Alnus属)に属する植物の育成方法を種々検討
していたが、畑土中で該植物にフランキア属に属する微
生物を接種したところ根粒を形成せしめることができ
ず、結果として好ましい育成がなし得なかった。本発明
者らは、この問題点を解決する方法を種々検討した結
果、意外にも、水耕栽培によりフランキア根粒の形成を
効率的に促進せしめる最適な条件を見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、ハンノキ属に属する植物
を宿主として根粒を形成するフランキア属に属する微生
物を用いて、該ハンノキ属に属する植物を育成するに当
り、該フランキア属に属する微生物と該ハンノキ属に属
する植物とを接触せしめて、該ハンノキ属に属する植物
を窒素含量が10mM以下の培地を用いた水耕栽培また
は固体養液培養にてフランキア根粒の形成を促進して育
成することを特徴とするフランキア根粒植物の育成法で
ある。
【0006】本発明のハンノキ属に属する植物は、フラ
ンキア属に属する微生物の宿主としてフランキア根粒を
形成する落葉樹植物であり、カバノキ科ハンノキ属に属
する。この植物は、ヤシャブシ類とハンノキ類に大きく
分類され、ヤシャブシ類としては、オオバヤシャブシ
Alnus sieboldiana Matsu
m.)、ヤシャブシ(Alnus firma Sie
b.et Zucc.)、ヒメヤシャブシ(Alnus
pendula Matsum.)が、ハンノキ類と
しては、ハンノキ(Alnus japonica
teud.)、ヤマハンノキ(Alnus hirsu
ta Turcz.)、ヤハズハンノキ(Alnus
matsumurae Call.)、カワラハンノキ
Alnusserrulatoides Cal
l.)、ミヤマハンノキ(Alnusmaximowi
czii Call.)、ミヤマカワラハンノキ(Al
nusfauriei Lev. et Vant.)
が知られている。本発明において宿主として使用される
植物は、根粒が形成されていない植物であり、例えば種
子や幼苗等の植物体が挙げられるが、少なくとも発芽か
ら発芽60日後程度の間の植物体はいずれも用いること
ができる。
【0007】本発明においてフランキア属に属する微生
物とは、ハンノキ属に属する植物、およびその他の植物
を宿主としてフランキア型の根粒(フランキア根粒)を
形成し得る放線菌に属する微生物である。フランキア属
に属する微生物は、ハンノキ属に属する植物を宿主とす
るものと、宿主とし得ないものがある。現在、フランキ
ア属に関しては、種を決定するための分類基準が存在し
ないため、全てFrankia sp.とされている
〔バージーマニュアル(BERGEY’S MANUA
L OF SYSTEMATIC BACTERIOL
OGY)第4巻、第2410〜2417頁、1989
年)〕。本発明において用いられるハンノキ属に属する
植物を宿主とするフランキア属に属する微生物の形態的
特徴を以下に示す。 (1)直径約0.5〜1.0μmで分岐を伴った菌糸を
形成して成長する。 (2)菌糸の先端に大きさ約2.5〜5.0μmで、球
状の小胞体(vesicle)を形成する。 (3)菌糸の先端または中間に根棒状または不定型形状
の胞子嚢(sporangia)を形成し、その大きさ
は短径が約5〜10μm、長径が最大50μmである。
成熟した胞子嚢中には球状もしくは亜球形で、大きさ約
1×2.5〜3μmの胞子(spore)を多数形成す
る。 (4)液体培地で静置すると、液の底に沈んだ状態でい
くつかの塊(球形または不定型)を形成して生育する。 (5)寒天平板培地で培養すると、1〜2カ月後に0.
5〜1.0mmの大きさのコロニーを形成する。
【0008】本発明におけるフランキア属に属する微生
物を調製するに際しては、公知の文献にしたがってフラ
ンキア根粒から分離して調製すればよく、ハンノキ属に
属する植物に対する感染能力と窒素固定能力の確認を行
って用いることが好ましい。またフランキア属に属する
微生物として、フランキア根粒の粉砕物を使用してもよ
い。さらに簡便には、既に分離されたフランキア属菌株
を用い適当な培地にて培養されたものが好ましい。具体
的には、Frankia sp.AvcI1(ATCC
33255)が例示される。この微生物の分離法および
菌学的性質は、Can.J.Microbiol.
:1066−1071(1980)およびNatur
281:76−78(1979)に記載されている。
【0009】本発明において水耕栽培とは、前述の植物
を水溶液状の水耕栽培用の培地(水耕栽培液とも言う)
にて栽培するものをいい、培地中に該植物根部が単に沈
められているものや、培地中に該植物根部の支持担体を
存在せしめ該根部が該支持担体に固定されているもの、
さらには濾紙等による毛管現象、または培地の滴下によ
り培地が根部に供給されるものが例示される。上記根部
の支持担体としては、綿、スポンジ、ガラスファイバ
ー、ロックウール、ガラスビーズ、砂などが例示され
る。また、固体養液培養とは、水耕栽培液と同様の組成
の溶液に寒天やアルギン酸ゲル、カラギーナンゲル、ゼ
ラチン等を存在せしめることにより固形ないし半固形状
態とした培地を用いて培養することをいう。水耕栽培ま
たは固体養液培養においては、必要に応じて植物体を公
知の方法にて支持してもよい。
【0010】本発明において用いられる培地としては、
窒素含量が10mM以下、特に好ましくは5mM以下の
培地を用いることにより、極めて効率的な根粒の形成を
認められるものである。また、窒素濃度を0.001m
M以上とすると良好な育成を示すことから特に好まし
い。窒素含量の窒素形態としては植物が利用できる形態
の窒素分であればよく、通常硝酸態窒素が好ましく、そ
の他亜硝酸態窒素等が例示される。水耕栽培に用いられ
る培地としては、改良ホーグランド培地、クローン培地
(1l中に、KNO3 ;1.0g、Ca3 (P
4 2 ;0.25g、CaSO4 ・2H2 O;0.2
5g、Fe3 (PO4 2・8H2 O;0.25g、M
gSO4 ・7H2 O;0.25g)、ホーグランド培
地、Sachs培地、Detmer培地等が例示される
が、特に改良ホーグランド培地、クローン培地が好まし
い。また、固体養液培養の培地としては、上記培地に寒
天、アルギン酸塩、カラギーナン、ゼラチン等を添加し
て調製した固形ないし半固形状の培地が挙げられる。
【0011】フランキア属に属する微生物とハンノキ属
に属する植物とを接触する方法としては、例えば植物に
微生物を直接接種しても、培地に微生物を接種して接触
せしめてもよい。宿主植物に直接接種する方法として
は、宿主植物が種子である場合には、通常は種子の廻り
に微生物をコーティングする方法が挙げられ、宿主植物
が幼苗等の植物体である場合には、微生物懸濁液中に浸
漬する方法、微生物懸濁液を滴下、噴霧する方法が例示
される。微生物の代わりに根粒の粉砕物を用いる場合に
は、該粉砕物の懸濁液を同様に用いればよい。また、懸
濁液を用いる代わりに粉末状菌体または粉末状粉砕物を
用いてもよい。植物体を微生物懸濁液中に浸責する場合
には、充分微生物が付着し、且つ植物体の育成に悪影響
がない程度の時間浸漬すればよく、通常数秒から1晩程
度が例示される。浸漬する温度等は、植物体の育成に悪
影響がない限りは特に限定されない。
【0012】使用する微生物の量に関しても適宜の量と
すればよく、通常は過剰量である(パックドボリューム
として)0.1μlから100μlの菌体を植物当たり
与えればよいが、培地に微生物を接種する場合に使用す
る量に比較して、直接植物に接種する場合に使用する量
の方が少な目とし得るが、培地に接種する方法も簡便性
から好ましいものである。植物を微生物と接触せしめた
後育成を続けると、効率的に根粒を形成した本発明のフ
ランキア根粒植物が得られる。このフランキア根粒植物
は、極めて良好な生育を示す。
【0013】以上の操作を行い、水分条件や日照・温度
条件等の植物体の適当な育成条件に約1〜3カ月程度置
くと、効率的に根粒が形成され、本発明のフランキア根
粒植物を得ることができる。適当な日照・温度条件とし
ては、通常は自然の条件が挙げられる。該フランキア根
粒植物は、短時間に育成され、荒れ地、山地、やせ地、
砂地などに移植しても良好な生長が期待できる。
【実施例】以下に本発明に関する具体的な実施例を挙げ
るが、本発明はこれらによって何等限定されるものでは
ない。
【0014】実施例1 1) フランキアの培養 フランキア・エスピー(Frankia sp.)Av
cI1(ATCC33255)一白金耳を、後述の滅菌
した改良クモード培地40ml入りの150ml容三角
フラスコに植菌し、30℃の暗所で2月間の静置培養を
行った。培養後、培養液を1550×g、10分間の遠
心分離を行い、菌体を沈澱させ、その菌体を5mlの改
良クモード培地で懸濁し、該懸濁液各1mlを予め滅菌
した改良クモード培地40ml入りの150ml容三角
フラスコ5本にそれぞれ植菌し、上記と同様に静置培養
した。培養後、培養液を合わせて遠心分離し、25ml
の改良クモード培地で懸濁し、該懸濁液各2.5mlを
予め滅菌した改良クモード培地100ml入りの500
ml容ルービン10本にそれぞれ植菌し、上記と同様に
静置培養した。培養後、培養液を合わせて1760×
g、20分間の遠心分離を行い、パックドボリューム
(packed volume)として約4.0mlの
フランキア培養菌体を得た。改良クモード培地の組成
は、〔K2 HPO4 ;300mg/l,NaH2
4 ;200mg/l,MgSO4 ・7H2 O;200
mg/l,KCl;200mg/l,H3 BO4 ;1.
5mg/l,MnSO4 ・7H2 O;0.8mg/l,
ZnSO4 ・7H2 O;0.6mg/l,CuSO4
7H2 O;0.1mg/l,(NH4 6 Mo7 24
4H2 O;0.2mg/l,CoSO4 ・7H2 O;
0.1mg/l,1%クエン酸鉄;1.0mg/l,C
aCO3 ;100mg/l,グルコース;10000m
g/l,酵母エキス;500mg/l,バクトペプト
ン;5000mg/l,L−α−レシチン;25mg/
l,チアミン−HCl;0.1mg/l,ニコチン酸;
0.5mg/l,ピリドキシン−HCl;0.5mg/
l,ビオチン;0.5mg/l,p−アミノ安息香酸;
0.1mg/l(pH6.8−7.0)〕である。
【0015】2) フランキアの根粒形成試験 前記のフランキア培養菌体を用いて、オオバヤシャブシ
に対する根粒形成試験を下記の通り行った。また、ヤマ
ハンノキに対する根粒形成試験も同様に行った。オオバ
ヤシャブシ(またはヤマハンノキ)の種子を飽和さらし
粉の溶液に30分間浸して表面殺菌した後、該種子を滅
菌水で洗浄した。次いで、0.7%寒天のみからなる無
菌固形培地上に上記種子を播種し、25℃に設定した栽
培室に静置したところ、7〜14日後に発芽を認めた。
一方、アドバンテック社製定性濾紙No.2を用いて長
さ15cm、巾1.3cmの短冊を作成し、該短冊の上
端部から約3.5cm、右横端から2mm程度のところ
と、同様に左横端から2mm程度のところに各1つ計2
つの、該短冊の縦方向に約3mmの切り込みを入れ、予
め別に用意した巾2.5mm、長さ2cm程度の帯状片
の両端を該切り込みに差し込んで、幼苗固定用濾紙を予
め作成した。該幼苗固定用濾紙は、直径1.8cm、長
さ18cmの試験管に入れ、乾熱滅菌をした。前記にて
調製された発芽後4〜5日の幼苗の双子葉下部位を該幼
苗固定用濾紙にて固定し、速やかに滅菌した後記の改良
ホーグランド培地で幼苗を濡らすようにして、該培地5
mlを該試験管内に注入した。注入後、該試験管にステ
ンレスキャップを被せ、人工気象器(日本医科器械製作
所製、LPH−300−RDSCT)中で、25℃の1
4時間明栽培(約30000ルクス)と20℃の10時
間暗栽培を繰り返す条件で栽培した。3週間栽培後、各
幼苗根部にパックドボリューム(packed vol
ume;1760×g、20分間の遠心分離)として5
μlのフランキア培養菌体を含む改良ホーグランド培地
の懸濁液0.5mlを、駒込ピペットで滴下して接種区
とした。なお対照区としては、フランキア培養菌体無添
加の改良ホーグランド培地0.5mlを用いた。いずれ
の試験区も幼苗10本を用いて行った。根粒形成試験の
評価は、接種後1月栽培した後の根粒形成苗の本数の測
定にて行った。その結果は、表1に示す通り、オオバヤ
シャブシおよびヤマハンノキの接種区においては10本
中10本の根粒形成を認めたが、対照区においては全く
根粒形成が認められなかった。
【0016】
【表1】
【0017】改良ホーグランド培地の組成は、〔1l中
にCaSO4 ・2H2 O;0.82g、MgSO4 ・7
2 O;0.49g、KH2 PO4 ;0.14g、0.
5%酒石酸鉄液1ml、A−Z液;1mlを含み、pH
5.5〜6.0に調製〕である。なお、A−Z液とは、
〔18l中に、Al3 (SO4 2 ;1.0g,TiO
2 ;1.0g,MnCl2 ・4H2 O;7.0g、Cu
SO4 ・5H2 O;1.0g、KI;0.5g、SnC
2 ・2H2 O;0.5g、H3 BO4 ;11.0g、
NiSO4 ・6H2 O;1.0g、KBr;0.5g、
LiCl;0.5g、ZnSO4 ・7H2 O;1.0g
を含むもの〕である。
【0018】3) フランキアの窒素固定試験 前記で調製したオオバヤシャブシおよびヤマハンノキの
接種区および対照区の窒素固定能を、窒素固定酵素であ
るニトロゲナーゼによるアセレン還元活性として測定し
た。即ち、被検体であるオオバヤシャブシ(以下、ヤマ
ハンノキも同様に行った)苗を直径1.8cm、長さ1
8cmの試験管に入れ、シリコンダブルキャップを嵌め
て密栓し、試験管内の空気の10%容を注射器で抜き出
し、同容量のアセチレンガスに置き換えた。この試験管
を30℃の暗所に静置し、試験開始から6時間まで1時
間毎に試験管内のガスをシリンジで1mlずつ採取し、
生成したエチレン量をガスクロマトグラフィーにより定
量した(島津製作所製、GC−15A、カラム;60〜
80メッシュの活性アルミナを充填した2.1m×3m
m、キャリアーガス・流速;ヘリウムガス50ml/m
in、カラム温度;130℃)。窒素固定能(エチレン
n mol/hr)と比活性(エチレンμ mol/h
r/新鮮根粒重量g)を測定した結果、表2に示される
通り、オオバヤシャブシおよびヤマハンノキいずれにお
いても根粒形成により窒素固定能を有した。
【0019】
【表2】
【0020】参考例1 静岡県田方郡大仁町の畑より採土した畑土90%(V/
V)に対し、バーミキュライト(新生熱研工業製)を1
0%(V/V)添加・混合した作土および畑土のみから
なる作土450mlを、直径10.5cm、深さ9.5
cmのビニール製ポットに入れ、各ポットにオオバヤシ
ャブシの種子10粒を播種した。実施例1で調製したフ
ランキア培養菌体(1760×g、20分間の遠心分離
後のパックドボリュームとして)0.15mlを改良ホ
ーグランド培地に懸濁し全量を700mlとした懸濁液
を予め調製し、該懸濁液50mlを播種3週間後(発芽
率30〜50%程度)の上記ポット上に一様に散布し、
接種区とした。また、畑土のみからなる作土のポット
に、フランキア培養菌体無添加の改良ホーグランド培地
50mlを同様に散布したものを対照区とした。接種後
6月目に、各ポットの苗(3〜5本)の生育状況および
根粒数を調査し、その平均値を求めた。その結果は表3
に示される通り、畑土のみからなる作土においては接種
区および対照区ともに根粒形成は認められなかった。一
方、バーミキュライトの10%添加された作土での接種
区においては、根粒形成が認められた。
【0021】
【表3】
【0022】参考例2 バーミキュライトのみからなる作土に、オオバヤシャブ
シの種子を播種し、発芽時、発芽後5日、15日、30
日、60日の各苗(10本)に、フランキア培養菌体各
30μl(液量50ml)を接種し、播種後130日後
における苗の生育状況および根粒形成数の平均値を求め
た。なお、対照区は菌体を接種しなかった。その結果は
表4に示される通り、発芽時〜発芽後60日までの間の
苗における接種区のいずれも良好な生育状況と根粒形成
が認められた。
【0023】
【表4】
【0024】実施例2 実施例1−2)フランキアの根粒形成試験と同様の条件
により、オオバヤシャブシの水耕栽培を行った。即ち、
実施例1−2)において用いた改良ホーグランド培地の
代わりに、改良ホーグランド培地に対して、硝酸カリウ
ムを0、0.001、0.1、1、2、5、10、15
mMの各濃度となるように添加して調製した各水耕栽培
液を用い、接種菌量を5μl(液量0.5ml)から
0.3μl(液量0.3ml)とし、測定時期を接種後
1月から接種後3月とした以外は、実施例1−2)と同
様の条件により行った。接種後3月経過後における結果
は、表5に示される通り、窒素(硝酸)濃度が0〜10
mMの間で好ましい根粒形成率を示し、特に5mM以下
で高い根粒形成率を示していた。また、植物の生育に関
しては、窒素濃度が0である場合と、窒素濃度が0.0
01mM以上である場合を比較すると、若干前者よりは
後者の方が好ましく、根粒を形成し生育も良好な窒素濃
度は0.001mM以上であった。
【0025】
【表5】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ハンノキ属に属する植
物に対し、フランキア属に属する微生物の根粒の形成を
効率的に促進せしめ、良好な育成をする該植物を提供す
ることが可能である。以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 淳 静岡県田方郡函南町塚本312−7

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンノキ属に属する植物を宿主として根
    粒を形成するフランキア属に属する微生物を用いて、該
    ハンノキ属に属する植物を育成するに当り、該フランキ
    ア属に属する微生物と該ハンノキ属に属する植物とを接
    触せしめて、該ハンノキ属に属する植物を窒素含量が1
    0mM以下の培地を用いた水耕栽培または固体養液培養
    にてフランキア根粒の形成を促進して育成することを特
    徴とするフランキア根粒植物の育成法。
  2. 【請求項2】 窒素含量が、0.001mM以上5mM
    以下の養液培地である請求項1記載の育成法。
  3. 【請求項3】 培地が、改良ホーグランド培地、クロー
    ン培地、ホーグランド培地、Sachs培地、およびD
    etmer培地からなる群より選択された養液培地であ
    る請求項1記載の育成法。
  4. 【請求項4】 ハンノキ属に属する植物が、ヤシャブシ
    類、ハンノキ類からなる群より選択された植物である請
    求項1記載の育成法。
JP35280191A 1991-12-16 1991-12-16 フランキア根粒植物の育成法 Pending JPH0541926A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35280191A JPH0541926A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 フランキア根粒植物の育成法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35280191A JPH0541926A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 フランキア根粒植物の育成法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4444391A Division JPH04349825A (ja) 1991-02-15 1991-02-15 フランキア根粒植物の育成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0541926A true JPH0541926A (ja) 1993-02-23

Family

ID=18426533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35280191A Pending JPH0541926A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 フランキア根粒植物の育成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0541926A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3106541A1 (de) * 1981-02-21 1982-10-21 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von kupferphthalocyanin
US6103896A (en) * 1996-12-27 2000-08-15 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Process for the production of metal phthalocyanine
JP2013051963A (ja) * 2008-12-09 2013-03-21 Naoshi Monma もやしの製造方法
KR101308556B1 (ko) * 2011-09-29 2013-09-13 주식회사 신일 수경재배용 여과기

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
PLANT AND SOIL=1985 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3106541A1 (de) * 1981-02-21 1982-10-21 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von kupferphthalocyanin
US6103896A (en) * 1996-12-27 2000-08-15 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Process for the production of metal phthalocyanine
JP2013051963A (ja) * 2008-12-09 2013-03-21 Naoshi Monma もやしの製造方法
KR101308556B1 (ko) * 2011-09-29 2013-09-13 주식회사 신일 수경재배용 여과기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fortin et al. Technique for the observation of early morphological changes during ectomycorrhiza formation
CN101204131B (zh) 褐环粘盖牛肝菌人工栽培方法
CN114456981B (zh) 一株耐盐碱地固氮大豆根瘤菌及其应用
CN113943660A (zh) 一株用于防控连作土传枯萎病的篮状菌属真菌njau-l8及其应用
Zhongze et al. Studies of an effective strain of Frankia from Allocasuarina lehmanniana of the Casuarinaceae
CN114175996B (zh) 一种丛枝菌根真菌的扩繁方法
JP2835598B2 (ja) 育苗培土及びその製造方法並びに耐病性苗の育成方法
EP0209627A2 (en) Method for producing axenic vesicular arbuscular mycorrhizal fungi in association with root organ cultures
CN110551664A (zh) 一种根瘤促生菌微杆菌属x-18及其应用
Burgess et al. In vitro synthesis of Pisolithus-Eucalyptus ectomycorrhizae: synchronization of lateral tip emergence and ectomycorrhizal development
CN109486711B (zh) 一种根瘤菌axlq16 及其应用
CN110218657B (zh) 一株长枝木霉md30及其研制的生物有机肥
CN101781630B (zh) 一种根瘤固氮菌株系ry1菌株及其应用
CN111269841A (zh) 新属内生真菌tk815及其应用
CN108841761B (zh) 促进三叶草生长和/或提高三叶草产量的方法及其所用菌剂
JPH0541926A (ja) フランキア根粒植物の育成法
CN108148768B (zh) 一株球托霉菌菌株及其应用
CN114350559B (zh) 一株耐盐促生的辽宁慢生根瘤菌ry6菌株及其应用
US3704546A (en) Symbiotic fixation of atmospheric nitrogen
CN109355235B (zh) 一种根瘤菌famb126及其应用
CN109355234B (zh) 一种根瘤菌yzm0144及其应用
CN109439589B (zh) 一种根瘤菌yzlh133及其应用
JPH06225636A (ja) フランキア資材
CN114350546A (zh) 假单胞菌属细菌及其在促进植物生长和开花坐果中的应用
JP3574685B2 (ja) マメ科植物用微生物製剤