JPH0541751U - 射出成形装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、金型のキャビティ内の樹脂の圧力と
温度とにより樹脂成形収縮量を補填する適正で、かつ微
妙な保圧制御と、保圧異常による不具合を防止可能とし
た射出成形装置を提供する。 【構成】金型１のキャビティ２内の圧力を検出する圧力
センサ１１と、この圧力センサ１１による圧力検出信号
により射出成形機３のスクリュー４を前進軸移動させる
ための油圧シリンダ６へ供給する油圧を方向切換弁で制
御して前記キャビティ２内の樹脂成形収縮量を補填する
保圧制御装置とを備えた射出成形装置において、キャビ
ティ２内の樹脂温度を検出する樹脂温度センサ２０を設
け、キャビティ内樹脂圧力と温度の両方の変化により小
容量，高精度，高速サーボ弁２１に切り換えて前記油圧
シリンダへの供給油圧を制御する保圧制御装置を付加
し、前記油圧シリンダ６内に保圧異常を検出する油圧シ
リンダ内圧センサ２２を設けた構成を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、合成樹脂製品を製造する射出成形装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

合成樹脂製品の射出成装置は図２で示すように、キャビティ２を有する金型１ と、スクリュー４をモータ５によって回転駆動し、かつ油圧シリンダ６によって 前進軸移動力を付与して樹脂を前記金型１のキャビティ２内に射出充填する射出 成形機３とから構成され、前記キャビティ２内の圧力を圧力センサ１１によって 検出し、このキャビティ内圧力検出信号により前記油圧シリンダ６に供給する油 圧を回路イで示す如く大容量サーボ弁２４を制御して前記キャビティ２内の樹脂 成形収縮量を補填する保圧制御装置とを備えている。

【０００３】 前記保圧装置における油圧シリンダ６に供給する油圧の制御機構は、オイルポ ンプ７から吐出する圧油の流量を最大流量とする流量制御弁８と、この流量制御 弁８を通過する圧油を前記油圧シリンダ６に給排制御する大容量サーボ弁２４と 、前記オイルポンプ７の吐出圧を設定圧にする圧力制御弁１０とからなり、これ らの制御回路は、前記圧力センサ１１のキャビティ内圧力検出信号を増幅する型 内圧力センサアンプ１２と、圧力設定器１３で設定した圧力と前記型内圧力セン サアンプ１２からの信号とを比較する比較器１４と、この比較器１４からの信号 を入力して前記大容量サーボ弁２４をキャビティの内圧に応じて樹脂成形収縮量 が適正に補填されるよう制御するサーボアンプ２３とから構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記保圧制御装置はスクリュー４の前進軸移動力を油圧シリンダ６で付与する ために大容量の油圧サーボ弁を使用しているので、射出充填工程の流量制御から 保圧工程での圧力制御への応答速度が遅いため、型内樹脂圧変化に対しタイムリ ーな対応動作ができず、制御が不安定となり、樹脂成形収縮量に応じた適正な補 填制御を行う微妙な保圧を掛けることが難しい問題がある。また、大容量サーボ 弁は高価である。

【０００５】 前記保圧制御にはキャビティ２内の樹脂圧力を検出して制御しているが、図３ で示すように、樹脂充填完了後にゲート１ａの樹脂が冷却固化してゲートシール した場合、保圧状態を続行すると射出成形機３のノズル３ａが樹脂圧によって後 退し、ノズル３ａのタッチ部１ｂより樹脂漏れＡが発生する。ノズル３ａ部の樹 脂密度が異常に高まり、ノズル３ａが金型１から離れなくなる不具合がある。

【０００６】 本考案の目的は、上記従来の問題点を解消した射出成形装置を提供することで ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の要旨とするところは、金型と、スクリュ ーをモータによって回転駆動し油圧シリンダによって前進軸移動力を付与して樹 脂を前記金型のキャビティ内に射出充填する射出成形機と、前記キャビティ内の 圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサによるキャビティ内圧力検出信号 により前記油圧シリンダに供給する油圧を制御して前記キャビティ内の樹脂成形 収縮量を補填する保圧制御装置とを備えた射出成形装置において、前記キャビテ ィ内の樹脂温度を検出する樹脂温度センサと、キャビティ内樹脂圧力と温度の両 方の変化により前記油圧シリンダへの供給油圧を制御する小容量，高精度，高速 サーボ弁とからなる保圧制御装置と、前記油圧シリンダ内に取り付けられた保圧 異常を検出する油圧シリンダ内圧センサとを備えたものである。

【０００８】

【作用】

上記の構成により、保圧制御をキャビティ内樹脂圧力と温度の比容積の変化と 型内圧力に合わせたフィードバック制御により方向切換弁と流量制御弁及び圧力 制御弁の制御から小容量，高精度，高速サーボ弁に切り替えて、樹脂成形収縮量 を補填すべく微妙で、かつ適正な保圧制御を可能とする。また、ゲートシールに よる保圧異常を検知して樹脂漏れ等を防止するものである。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１において、１は金型であ り、製品を成形するためのキャビティ２を有している。３は前記キャビティ２内 に樹脂を射出充填する射出成形機であり、モータ５によって回転駆動され、油圧 シリンダ６で前進方向に軸移動力が付与されるスクリュー４を有している。

【００１０】 ７はオイルポンプ、８は前記オイルポンプから吐出する圧油の流量を制御する 流量制御弁、９は前記流量制御弁８によって制御された圧油を前記油圧シリンダ ６に給排制御するメインの方向切換弁である。１０は前記オイルポンプ７の吐出 圧油をレリーフして油圧シリンダ６に供給している圧油の圧力を制御して保圧制 御する圧力制御弁である。

【００１１】 前記方向切換弁９と油圧シリンダ６との間の配管路と、前記圧力制御弁１０と の間に保圧制御用の小容量，高精度，高速サーボ弁２１が設けられている。また 、油圧シリンダ６には油圧シリンダ６内の圧力を検出する油圧シリンダ内圧セン サ２２が取り付けられている。

【００１２】 １１は前記キャビティ２内の樹脂圧力を検出する圧力センサ、２０は樹脂温度 を検出する温度センサである。１２は圧力センサ１１、温度センサ２０及び油圧 シリンダ内圧センサ２２と接続しているセンサアンプであり、このセンサアンプ １２は比較器１４とコントローラ１５に接続されている。１３は圧力並びに温度 設定器であり、前記比較器１４に接続されている。２３は前記比較器１４と接続 されているサーボアンプであり、前記小容量，高精度，高速サーボ弁２１に接続 されている。１５は前記センサアンプ１２の出力側と接続しているコントローラ であり、前記流量制御弁８、圧力制御弁１０に接続されている。

【００１３】 本考案は上記の通りの構造であるから、射出成形機３のスクリュー４はモータ ５によって所定の回転数で回転駆動され樹脂を混練し、射出時には方向切換弁９ によって油圧シリンダ６に油圧を加え前記スクリュー４を前進方向に軸移動して 樹脂を金型１のキャビティ２内に射出充填する。

【００１４】 前記キャビティ２内に充填された樹脂の圧力を圧力センサ１１で検出し、同時 に温度も温度センサ２０で検出する。これ等検出した圧力信号と温度信号はセン サアンプ１２で増幅され、比較器１４に入力して圧力並びに温度設定器１３で予 め設定した圧力設定値と温度設定値と比較してサーボアンプ２３に入力される。 コントローラ１５は射出充填中のスクリュー４の前進速度と、前進駆動圧力を流 量制御弁８と圧力制御弁１０に指令する装置である。保圧工程中は方向切換弁９ を中立状態とし、小容量、高精度、高速サーボ弁２１の圧力源（Ｐポート）の油 圧力を圧力制御弁１０により制御する。

【００１５】 前記射出充填された樹脂が冷却固化するまでの間、樹脂成形収縮量を補填する ため保圧する。これは樹脂成形収縮量が適正に充填されるよう油圧シリンダ６に よりスクリュー４を所定圧で前進軸移動状態を保持させる。それには前記圧力設 定値と温度設定値とが入力される温度設定器１３より比較器１４に接続されてい るサーボアンプ２３により、小容量、高精度、高速サーボ弁２１を制御してキャ ビティ２内の樹脂圧力に応じて樹脂成形収縮量を補填すべく油圧シリンダ６への 供給圧力を所定の圧力に調整制御し、キャビティ２内の樹脂温度の変化に応じて サーボアンプ２３からの指令により小容量，高精度，高速サーボ弁２１にて油圧 シリンダ６に供給している圧油の圧力を加減調整制御し、保圧工程に入っている スクリュー４の前進軸移動力を加減して微妙で、かつ適正な保圧制御を行うので ある。

【００１６】 また、ゲートシールやノズル部の樹脂密度が異常に高くなったときには、スク リュー４には後退軸移動の反力が作用し、これにより油圧シリンダ６の内圧が上 昇する。これを油圧シリンダ内圧センサ２２が検知してセンサアンプ１２に信号 を送り、油圧シリンダ６の圧力と型内圧力を比較し、コントローラ１５は圧力制 御弁８を制御して油圧シリンダ６への圧力を低下させるか、又は保圧を続行する かを決定する。これにより、ノズルタッチ部からの樹脂漏れが防止される。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案は、金型キャビティ内の圧力を検出する圧力センサと、こ の圧力センサによる圧力検出信号により射出成形機のスクリューを前進軸移動さ せるための油圧シリンダへ供給する油圧を制御して前記キャビティ内の樹脂成形 収縮量を補填する保圧制御装置とを備えた射出成形装置において、キャビティ内 の樹脂温度を検出する樹脂温度センサを設け、この樹脂温度センサによるキャビ ティ内樹脂温度検出信号により小容量，高精度，高速サーボ弁によって前記油圧 シリンダへの供給油圧を制御する保圧制御装置を付加し、前記油圧シリンダ内に 保圧異常を検出する油圧シリンダ内圧センサを設けた構成であるから、キャビテ ィ内の樹脂成形収縮量を樹脂の型内圧力と樹脂温度の両方の変化により小容量， 高精度，高速サーボ弁によってフィードバック制御を行い適正で、かつ微妙な保 圧制御が実現され、製品を成形品質を向上する。

【００１８】 また、保圧異常も検出してこれを解消するので、ノズルタッチ部からの樹脂漏 れがなくなり、金型からのノズルの離れを容易な状態に保持する等の効果を有し ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による射出成形金型の断面図

【図２】従来の射出成形装置の断面図

【図３】従来の不具合の説明図

【符号の説明】

１ 金型 ２ キャビティ ３ 射出成形機 ４ スクリュー ５ モーター ６ 油圧シリンダ ７ オイルポンプ ８ 流量制御弁 ９ 方向切換弁 １０ 圧力制御弁 １１ 圧力センサ ２０ 温度センサ ２１ 小容量，高精度，高速サーボ弁 ２２ 油圧シリンダ内圧センサ ２３ サーボアンプ ２４ 大容量サーボ弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大村 信勝 静岡県沼津市大岡2068の３ 東芝機械株式 会社沼津事業所内 (72)考案者 本原 常男 静岡県沼津市大岡2068の３ 東芝機械株式 会社沼津事業所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型と、スクリューをモータによって回
   転駆動し油圧シリンダによって前進軸移動力を付与して
   樹脂を前記金型のキャビティ内に射出充填する射出成形
   機と、前記キャビティ内の圧力を検出する圧力センサ
   と、この圧力センサによるキャビティ内圧力検出信号に
   より前記油圧シリンダに供給する油圧を制御して前記キ
   ャビティ内の樹脂成形収縮量を補填する保圧制御装置と
   を備えた射出成形装置において、前記キャビティ内の樹
   脂温度を検出する樹脂温度センサと、キャビティ内樹脂
   圧力と温度の両方の変化により前記油圧シリンダへの供
   給油圧を制御する小容量，高精度，高速サーボ弁とから
   なる保圧制御装置と、前記油圧シリンダ内に取り付けら
   れた保圧異常を検出する油圧シリンダ内圧センサとを備
   えたことを特徴とする射出成形装置。