JPH054160A - 研削切断方法及び装置 - Google Patents

研削切断方法及び装置

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JPH054160A
JPH054160A JP15721891A JP15721891A JPH054160A JP H054160 A JPH054160 A JP H054160A JP 15721891 A JP15721891 A JP 15721891A JP 15721891 A JP15721891 A JP 15721891A JP H054160 A JPH054160 A JP H054160A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外周部12に大径砥粒23を有し、側面部1
4に小径砥粒13を有する薄型のメタルボンド切断砥石
11を用いて、切断砥石の異常な摩耗を抑制しつつ、ガ
ラスやセラミックス等の高精度,高能率な切断や溝入れ
を行う。 【構成】 大量の研削代を除去加工する外周部12には
多量の電解ドレッシングを作用させ、切断面を僅かに研
削するだけの側面部14には僅かな電解ドレッシングを
作用させる。外周部12と側面部14の砥粒の突き出し
量は、それぞれ適切に維持され、切断砥石11の異常な
摩耗を抑制することが可能となる。また、電解電極16
に逃げ部25を設け、角部26にさらに僅かな電解ドレ
ッシング量を作用させ、問題となるアールの発生や、そ
れにともなう異常摩耗の発生を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外周部に大径砥粒を有
し、側面部に小径砥粒を有する薄型メタルボンド切断砥
石を用いて、ガラスやセラミックス等の切断や溝入れを
行うための研削切断方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄型の切断砥石を高速回転させてガラス
やセラミックス等の材料を切断や溝入れ加工する場合、
切断砥石の曲がり等によって切断砥石の側面部が切断面
と接触し、砥石側面部が切断面を僅かに研削することに
なる。その際、砥石側面部の目詰まり現象や、あるいは
ボンド材と切断面の接触によって、切断面に“むしれ”
や“チッピング”が生じ、切断面の表面粗さが増加す
る。
【0003】切断面の“むしれ”や“チッピング”の量
は、切断砥石に分布する砥粒を小径化することで低減で
き、切断面性状を向上することが可能となる。しかし、
砥粒の小径化は、切断速度の低下をまねくことになるた
め、従来は所望する切断面の粗さと切断速度の両者を考
慮して、切断砥石の砥粒径が決定されていた。
【0004】上記課題を解決し、切断面性状と切断速度
を両立する方法として、主として切断代の除去加工を行
う砥石外周部に大径砥粒を有し、主として切断面の僅か
な研削のみを行う側面部に小径砥粒を有する切断砥石
(特開昭63−174877号公報参照)を用いた研削
切断方法が知られている。
【0005】この方法は、主として砥石外周部の大径砥
粒によって切断速度が決定され、砥石側面部の小径砥粒
の研削によって切断面粗さが決定されるため、切断速度
を低下することなく切断面性状を向上することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
外周部に大径砥粒を有し、側面部に小径砥粒を有する切
断砥石を用いた研削切断方法では、砥石に異常な摩耗が
発生しやすかった。異常な摩耗の結果、切断砥石の外周
部に欠損が発生しやすく、頻繁な切断砥石のツルーイン
グが必要となるため、この切断砥石が有する効果を高い
再現性で得ることができなかった。
【0007】本発明の目的は、このような従来の課題を
解決し、切断速度を低下することなく、切断面に発生す
る“むしれ”や“チッピング”を低減して切断面性状を
向上でき、かつそれらを高い再現性で達成できる研削切
断方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、外周部に
大径砥粒を有し、両側面部に小径砥粒を有するメタルボ
ンド切断砥石を用いた研削切断方法において、前記切断
砥石の両側面部と外周部に電解ドレッシングを作用さ
せ、かつ前記切断砥石の両側面部には外周部に作用させ
る電解ドレッシング量に対して少量の電解ドレッシング
を作用させることを特徴とする。
【0009】第2の発明は、外周部に大径砥粒を有し、
両側面部に小径砥粒を有するメタルボンド切断砥石を用
いた研削切断装置において、前記切断砥石の両側面部と
の隙間は前記切断砥石の外周部との隙間より大きく設定
し、かつ前記切断砥石の両角部との隙間はさらに大きく
設定した電解電極を用い、前記切断砥石に電解ドレッシ
ングを印加する機構を有することを特徴とする。
【0010】第3の発明は、外周部に大径砥粒を有し、
両側面部に小径砥粒を有するメタルボンド切断砥石を用
いた研削切断装置において、切断砥石の両側面部と外周
部をそれぞれに、互いに独立した電解電極部を隣接して
設置し、これらの電解電極部それぞれに、砥石回転軸方
向と砥石半径方向に移動する機構を設けて電解ドレッシ
ングを印加することを特徴とする。
【0011】
【作用】図4は、外周部に大径砥粒を有し、両側面部に
小径砥粒を有するメタルボンド切断砥石を用い、従来の
方法で切断した場合に発生する代表的な異常摩耗の断面
形状を示す。
【0012】砥石側面部14に分布する小径砥粒13
は、主として切断面を僅かに研削するだけであり、適切
なセルフドレッシングの効果は期待できない。また砥粒
が小径なため、十分な突き出し量を維持することが困難
である。図4に示すような摩耗形状は、上記要因の結
果、側面部14に目詰まり現象が生じて過大な研削抵抗
が作用し、切断砥石11の角部が急激に摩耗した結果と
して生じる。切断加工の進行による機械的なセルフドレ
ッシングによって、外周部12と側面部14の砥粒の突
き出し量を、それぞれ適切に維持することは困難であ
る。
【0013】そこで、第1の発明の研削切断方法では、
コの字型の電極16を用いて、切断砥石11の外周部1
2と側面部14に、それぞれ異なる電解ドレッシングを
作用する方法を採っている。一実施例として、図1に示
すように、砥石側面部14と電極16の隙間を、外周部
12と電極16の隙間より大きくすることで、側面部1
4には外周部12に対して僅かな電解電流が流れること
になる。
【0014】この方法によって、大量の研削代を除去加
工する外周部12には多量の電解ドレッシングを作用さ
せ、切断面を僅かに研削するだけの側面部14には僅か
な電解ドレッシングを作用させることができる。外周部
12と側面部14の砥粒の突き出し量は、砥粒径が異な
るにもかかわらず、それぞれ適切に維持され、切断砥石
11の異常な摩耗を抑制することが可能となる。
【0015】またコの字型の電解電極16によって切断
砥石11に電解ドレッシングを作用させると、角部26
に電解反応が生じ易く、メタルボンド17が急速に溶出
する。このため、角部26にアールが発生し易く、やが
て図4に示すような異常摩耗が生じる。
【0016】そこで第2の発明の研削切断装置では、外
周部12と側面部14それぞれに適切な電解ドレッシン
グを印加し、かつ切断砥石11の角部26に過大な電解
ドレッシングが印加されないよう、図1に示すように電
解電極16に逃げ部25を設け、切断砥石11の角部2
6と電極16の隙間をさらに大きく設定している。その
結果、角部26に過大な電解ドレッシング量が作用する
ことはなくなり、問題となるアールの発生や、それにと
もなう異常摩耗の発生を抑制することが可能となる。
【0017】さらに第3の発明では、切断砥石11の両
側面部14と外周部12それぞれに電解ドレッシングを
印加する電解電極は、図3に示すように、電解電極部1
6a,16b,16cに分割されて互いに独立した状態
で設置し、各XYステージ27a,27b,27cによ
って砥石回転軸方向と磁石半径方向に移動する機構を設
けてある。
【0018】この装置によって、研削切断条件の変化に
伴い外周部12と側面部14の必要とする電解ドレッシ
ング量が変化しても、その都度、電解電極16a,16
b,16cとの隙間を調節することで、適切な電解ドレ
ッシングを印加することができる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の実施例で用いた切断砥石と
電解電極の断面拡大図を示し、図2は装置加工部の構成
を示す。
【0020】まず図1に示すように、逃げ部25を有す
るコの字型の電極16を切断砥石11に隣接して設置
し、弱導電性を有する水溶性研削液15を、カバー22
に設けた供給孔から切断砥石11の側面部14に向けて
供給した。
【0021】切断砥石11の外周部12の大径砥粒23
は、粒径約20μm、側面部14の小径砥粒13は粒径
約4μm、小径砥粒層の厚みは0.5mm程度とした。
ここで外周部12と電極16の隙間は0.3mm、側面
部14と電極16の隙間は0.8mmとし、研削液は毎
分3リッタで供給した。
【0022】次に、図2に示すように切断砥石11と電
極16を電解電源19に接続し、切断砥石11を150
00RPMで回転させ、送りテーブル18に固定した厚
さ5mmのガラス基板20を、送り速度10mm/mi
nで研削切断した。本実施例では切断砥石11へ電解電
源19を供給する方式として、主軸21の端面にカーボ
ンブラシ24を接触させる方式を採った。
【0023】以上の結果、本実施例では、砥粒径20μ
m程度の通常の切断砥石を用いた場合に匹敵する速度で
研削切断することができ、粒径4μmの通常の切断砥石
を用いた場合の2倍以上の速度で研削切断できた。また
切断面粗さは、粒径4μm程度の通常の切断砥石を用い
た場合と同等のRmax 0.08μmが得られた。
【0024】電解ドレッシングを印加しない従来方法で
発生していた切断砥石の異常な摩耗の進行は抑制され、
切断砥石の寿命は2倍以上となった。これより、ツルー
イングの頻度は従来の方法の半分以下となり、前述した
効果を高い再現性で達成できることが確認できた。
【0025】また、電解電極16に逃げ部25を設け切
断砥石11の角部26の電解ドレッシング量を抑制する
ことで、切断面粗さや切断速度が悪化することなく、砥
石アールの発生が低減された。逃げ部25を設けたこと
による切断砥石の寿命の増加は、本実施例では1.2倍
程度であった。
【0026】さらに、図3に示すように、分割されて互
いに独立した電解電極16a,16b,16cを用い、
XYステージ27a,27b,27cによって砥石回転
軸方向と砥石半径方向に移動する機構を設けることで、
研削切断条件が変化しても、外周部12と側面部14そ
れぞれに適切な電解ドレッシングを印加することができ
た。この装置では、研削切断条件ごとに電解電極部16
a,16b,16cを交換する必要がなくなり、切断パ
ス間のロスタイムを大幅に低減することができた。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の研削切断方
法及び装置では、切断速度を低下することなく、切断面
に発生する“むしれ”や“チッピング”を低減して切断
面粗さを低減でき、かつ切断砥石の異常な摩耗を抑制す
ることで、前記の効果を高い再現性で達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いた切断砥石と電解電極の断面拡大
図である。
【図2】本発明の研削切断装置の構成を表す側面図であ
る。
【図3】第3の発明の研削切断装置の実施例で用いた電
解電極と切断砥石の詳細を示す断面図である。
【図4】外周部に大径砥粒を有し、両側面部に小径砥粒
を有するメタルボンド切断砥石を用い、従来の方法で切
断した場合に発生する代表的な異常摩耗の断面形状を示
す図である。
【符号の説明】
11 切断砥石 12 外周部 13 小径砥粒 14 側面部 15 研削液 16 電解電極 16a,16b,16c 電解電極部 17 メタルボンド 18 送りテーブル 19 電解電源 20 ガラス基板 21 主軸 22 カバー 23 大径砥粒 24 ブラシ 25 逃げ部 26 角部 27 XYステージ 27a,27b,27c XYステージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周部に大径砥粒を有し、両側面部に小径
    砥粒を有するメタルボンド切断砥石を用いた研削切断方
    法において、前記切断砥石の両側面部と外周部に電解ド
    レッシングを作用させ、かつ前記切断砥石の両側面部に
    は外周部に作用させる電解ドレッシング量に対して少量
    の電解ドレッシングを作用させることを特徴とする研削
    切断方法。
  2. 【請求項2】外周部に大径砥粒を有し、両側面部に小径
    砥粒を有するメタルボンド切断砥石を用いた研削切断装
    置において、前記切断砥石の両側面部との隙間は前記切
    断砥石の外周部との隙間より大きく設定し、かつ前記切
    断砥石の両角部との隙間はさらに大きく設定した電解電
    極を設け、前記切断砥石に電解ドレッシングを印加する
    機構を有することを特徴とする研削切断装置。
  3. 【請求項3】前記電解電極は、切断砥石の両側面部と外
    周部それぞれに、互いに独立して隣接して設置された電
    解電極部よりなり、これらの電解電極部それぞれに、砥
    石回転軸方向と砥石半径方向に移動する機構を設けて電
    解ドレッシングを印加することを特徴とする請求項2記
    載の研削切断装置。
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