JPH0541531A - CuInSe2 系薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

CuInSe2 系薄膜太陽電池およびその製造方法

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JPH0541531A
JPH0541531A JP3305155A JP30515591A JPH0541531A JP H0541531 A JPH0541531 A JP H0541531A JP 3305155 A JP3305155 A JP 3305155A JP 30515591 A JP30515591 A JP 30515591A JP H0541531 A JPH0541531 A JP H0541531A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】同一条件で成膜したCuInSe2 薄膜を活性層に用
いて製造した薄膜太陽電池の特性にばらつきが生ずるの
で、CuInSe2 薄膜の適切な中間評価方法を見出して良品
率を高める。 【構成】CuInSe2 薄膜にレーザ光を照射したときに発す
るルミネッセンス光を測定し、その発光強度から評価を
行う。具体的には液体ちっ素温度あるいは液体ヘリウム
温度に冷却した試料のルミネッセンス光スペクトルの0.
8〜0.9eV領域での最大発光強度が所定値以上である
か、あるいは0.9〜1.0eV領域での最大発光強度に比し
て0.8〜0.9eV領域での最大発光強度が大きいロットを
用いれば良品が得られる。また、このことを利用して製
造工程終了後の製品の格付けもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CuInSe2 系化合物薄膜
を活性層として用いたCuInSe2 系薄膜太陽電池およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CuInSe2 系薄膜太陽電池は非晶質シリコ
ン薄膜太陽電池と共に低コストで大面積の太陽電池とし
て実用化が期待されている。特にCuInSe2 膜の光学的バ
ンドギャップEgが約1.0eVと狭いので、Egが約1.7eVで
あるa−Si膜では利用できない長波長光を有効に光電変
換できる。それ故、a−Si太陽電池とCuInSe2 薄膜太陽
電池を積層することにより高効率のタンデム型薄膜太陽
電池とする方式も有望である。
【0003】図2はCuInSe2 薄膜太陽電池の代表的な構
造を示す。図において、表面平滑なものが入手しやすい
ガラス板1の上に裏面電極としてのMo薄膜2が被着され
ている。そのMo薄膜の上に1〜4μm程度の厚さのp型
のCuInSe2 膜3、0.05〜0.1μm程度の厚さのn型のCd
S膜4またはCdZnS膜および約1.0μmの厚さの透明導
電膜であるZnO膜5が積層されている。この積層構造に
光9が入射したときに生ずる起電力は、裏面電極2に設
けられた端子6とZnO膜5に設けられた電極端子7から
負荷8に供給される。
【0004】この太陽電池の製造における最も重要な工
程は活性層であるCuInSe2 膜3の形成である。このCuIn
Se2 膜の形成方法としては、三源同時蒸着法, 二段階セ
レン化法, H2 Seを用いたセレン化法、スパッタ法, ス
プレー法あるいは電着法など種々の方法が試みられてい
る。このうち、良好な太陽電池特性が得られているの
は、例えば雑誌「材料科学」第25巻, P.168(1988年) に
中田らによって述べられている三源同時蒸着法などであ
る。三源同時蒸着法は、真空槽中にCu蒸発源、In蒸発源
およびSe蒸発源を備えた蒸着装置を用い、350 〜400 ℃
に加熱した基板上にそれぞれの蒸発源から同時に蒸発さ
せたCu、In、Seを蒸着する方法である。いずれの方法を
用いても、形成されるCuInSe2 膜中のCu、In、Seの組成
を制御することが重要であることが知られている。
【0005】図3は従来のCuInSe2 薄膜太陽電池の製造
工程を示す。この工程で、CuInSe2膜の上にCdS膜を積
層した後でO2 または空気中で200 ℃程度で熱処理する
ことが重要であることも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際にCuInSe
2 膜を三源同時蒸着法で形成し、図3の工程により図2
の構造をもつCuInSe2 薄膜太陽電池を試作したところ、
良品率が低かった。それは、CuInSe2 膜の成膜ロットに
より特性が大きく異なり、CuInSe2 膜の組成がほぼ等し
いにもかかわらず、特性の良いものと悪いものがあるこ
とによることが判明した。イオンマイクロアナライザに
よりCuInSe2 膜の厚さ方向の組成分布、電子プローブマ
イクロアナライザにより膜面内の組成分布、走査型電子
顕微鏡により膜表面の形状観察、X線回折あるいはレー
ザラマン分光によりCuInSe2 結晶構造、ICPプラズマ
発光分析により膜の組成定量分析を行ったが、いずれの
場合も得られたデータに特性の良・不良の間の有意差を
見出すことはできなかった。この試作の詳細は次の通り
である。
【0007】ガラス基板1の上のMoからなる裏面電極2
はスパッタ法で約1.0μmの厚さに形成した。その上の
p型CuInSe2 薄膜3は、組成を少し変えた2層構造で、
全体の厚さを2〜4μmになるようにした。1層目のCu
InSe2 膜はCu/In=1.1の設定で基板温度350 ℃で形成
し、2層目のCuInSe2 膜はCu/In=0.7の設定で基板温
度450 ℃で形成した。形成された二層構造のCuInSe2
の平均の組成はICPプラズマ発光分析を用いた化学分
析の結果、多くのCuInSe2 ロットにおいてCu/In=0.85
〜1.0, Se/ (Cu+In) =1.0〜1.1とほぼ一定であっ
た。n型CdS膜4は電子ビーム蒸着法により約0.1μm
の厚さに成膜し、ZnO膜5はAl2 3 を約2〜3%含有
するZnOをターゲツトとしてスパッタ法により約1μm
の厚さに形成した。熱処理は乾燥空気中、230 ℃で2〜
10時間行った。
【0008】このようにして作製したCuInSe2 薄膜太陽
電池の特性、すなわち変換効率はCuInSe2 膜の形成ロッ
トにより大きく異なった値を示した。このうちCuInSe2
の化学分析結果の組成のCu/In=0.85〜1.0, Se/(Cu
+In) =1.0〜1.1とほぼ一定であるロットだけでみて
も、変換効率ηの値がη〜10%程度と良いものと、η<
0.1%と非常に悪いものがあった。表1はCuInSe2 膜の
組成がCu/In=0.85〜1.0、Se/ (Cu+In) =1.0〜1.
1の間にあり、そのセル特性が良いものおよび悪いもの
合計6ロットについてのCuInSe2 膜の組成とセル特性の
値を示したものである。
【0009】
【表1】
【0010】この6ロットのCuInSe2 膜について組成の
化学分析の他にイオンマイクロアナライザによる深さ方
向元素分布分析, 電子プローブマイクロアナライザによ
る元素の面内分布分析、走査型電子顕微鏡による表面形
状観察、X線回折およびレーザラマン分光による結晶構
造解析などを行った。しかし、いずれの分析あるいは解
析結果にも特性 (変換効率)の良品ロットと不良品ロッ
トとの間の有意差は認められなかった。
【0011】本発明の目的は、上述の問題を解決し、Cu
InSe2 系薄膜の成膜後、その膜の効果的評価を行うこと
によって良品率を向上させることのできるCuInSe2 系薄
膜太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のCuInSe2 系薄膜太陽電池は、1.0eV以上
の光子エネルギーを持つ光を所定の温度で照射した場合
に発するルミネッセンス光のスペクトルの0.8〜0.9eV
の領域での最大発光強度が所定の値以上であるCuInSe2
系薄膜を有するものとする。あるいは、1.0eV以上の光
子エネルギーを持つ光を所定の温度で照射した場合に発
するルミネッセンス光のスペクトルの0.8〜0.9eVの領
域での最大発光強度が0.9〜1.0eVの領域での最大発光
強度より大きいCuInSe2 系薄膜を有するものとする。さ
らには、少なくとも一方の表面層が導電性である基板の
その表面層上に形成されたCuInSe2 系薄膜と、その薄膜
の上に積層されたその薄膜と接合を形成するCdS薄膜あ
るいはCdZnS薄膜と、さらにその上に積層されたZnO薄
膜とを有するCuInSe2 系薄膜太陽電池であって、1.0eV
以上の光電子エネルギーを持つ光を所定の温度でZnO薄
膜側から照射した場合に発するルミネッセンス光のスペ
クトルの0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が所定の
値以上であるか、あるいは0.9〜1.0eVの領域での最大
発光強度より大きいものとする。それらのCuInSe2 系薄
膜太陽電池における所定の温度が67〜87Kあるいは10K
以下であることが望ましい。また、本発明のCuInSe2
薄膜太陽電池の製造方法は、活性層に用いるCuInSe2
薄膜の評価を、その薄膜に1.0eV以上の光子エネルギー
を持つ光を所定の温度で照射した場合に発するルミネッ
センス光の発光強度の測定結果により行うものとする。
ルミネッセンス発光のための光の照射を露出したCuInSe
2 系薄膜へ行っても、少なくとも一方の表面層が導電性
である基板のその表面層上に形成したCuInSe2 系薄膜の
上に成膜したCdS膜あるいはCdZnS膜を通して行って
も、もしくはCdS膜あるいはCdZnS膜とその上にさらに
成膜したZnO膜とを通して行ってもよい。そして、少な
くとも一方の表面層が導電性である基板のその表面層上
に少なくともCuInSe2 系薄膜を形成する工程が終了後、
同一工程で作製したCuInSe2 系薄膜試料を液体ちっ素温
度に冷却し、レーザ光を照射してその試料の発するルミ
ネッセンス光を測定し、そのスペクトルの光子エネルギ
ー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が所定の値以上
にある場合にそれ以後の工程に進むことが効果的であ
る。あるいは0.9〜1.0eVの領域での最大発光強度より
大きい場合にそれ以後の工程に進むことが効果的であ
る。もしくは、上述のCuInSe2 系薄膜試料を液体ヘリウ
ム温度に冷却し、レーザ光を照射してその試料の発する
ルミネッセンス光を測定し、そのスペクトルの光子エネ
ルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が所定の値
以上にある場合にそれ以後の工程に進むことが効果的で
ある。あるいは0.9〜1.0eVの領域の最大発光強度より
大きい場合にそれ以後の工程に進むことが効果的であ
る。なお、照射レーザ光の光源としては、Arレーザある
いはHe−Neレーザを用いるとよい。
【0013】
【作用】薄膜太陽電池の活性層として用いるCuInSe2
薄膜としては、どのような格子欠陥の存在が望ましくな
いのか、あるいはバンドギャップ内にどういう準位に存
在するのが望ましいのかがわかっていない。そのため、
各種の分析あるいは解析の結果を製造されたCuInSe2
薄膜太陽電池の特性に結び付けることができなかった。
一方、フォトルミネッセンスは発光材料の発光特性, 発
光スペクトルあるいはバンドギャップ内の準位の状態と
関係づけられていたが、CuInSe2 系薄膜の膜質との関係
は知られていなかった。しかし、フォトルミネッセンス
の測定はCuInSe2 系薄膜の太陽電池の活性層として適当
な準位の状態を検知するのに役立つことがわかったの
で、これを利用してCuInSe2 系薄膜の評価を行うことが
可能になった。
【0014】
【実施例】図1は本発明の一実施例のCuInSe2 薄膜太陽
電池の製造工程を示す。図3と比較すれば明らかなよう
に、この実施例ではCuInSe2 膜成膜後にテストピースの
フォトルミネッセンス測定工程が挿入されている。
【0015】図4は表1に示した6ロットのCuInSe2
について測定したフォトルミネッセンスのスペクトルを
示す。測定条件は次の通りである。 (1) 励起光: Arレーザ光 (514.5nm), 10〜300mW (2) 試料温度: 77K (液体ちっ素に浸漬) (3) 測定波長域:1〜1.7μm (4) 検出器: Ge検出器 図4の実線はηが約10%の特性の良い3ロットのスペク
トルを示し、点線はη<0.1%の特性不良の3ロットの
スペクトルを示す。特性の良いロットのルミネッセンス
強度は特性不良のルミネッセンス強度に比べ大きい。ま
た、特性の良いロットでは0.8〜0.9eVの領域で発光が
強く、0.9eV〜1.0eVでは発光が非常に弱いのに対し、
特性不良のロットでは0.9〜1.0eVの領域にも比較的強
い発光成分が存在する。
【0016】図5は同じ6ロットのCuInSe2 膜について
試料温度を液体ヘリウムに浸漬することによって4.2K
にした以外は上述と同じ条件で測定したフォトルミネッ
センスのスペクトルを示し、実線, 点線の別は図4と同
じである。77Kとは異なり、すべてのロットのCuInSe2
膜で0.9〜1.0eVと0.8〜0.9eVの双方の領域にルミネ
ッセンス強度のピークが見られる。しかし、特性不良の
ロットでは0.9〜1.0eVの領域のピーク強度が0.8〜0.
9eVの領域のピーク強度より大きいのに対し、特性良品
のロットでは0.8〜0.9eVの領域のピーク強度が0.9〜
1.0eVの領域のピーク強度より大きい。
【0017】このように、CuInSe2 膜の組成・構造を調
べる他の方法では良品ロットと不良品ロットとの間に有
意差を見出すことができなかったが、フォトルミネッセ
ンスでは両者に顕著な差がみられ、フォトルミネッセン
スによりCuInSe2 膜の評価ができることがわかった。Cu
InSe2 膜の組成・構造を調べる他の方法では差がみられ
なかったのに対し、フォトルミネッセンスにおいて差が
みられたのはフォトルミネッセンスが結晶格子欠陥や結
晶粒界欠陥に敏感であるためと考えられる。CuInSe2
における0.8〜1.0eVの発光はCuInSe2 の光学的バンド
ギャップである約1.0eVより若干小さなエネルギーを有
するものである。これはレーザ光で励起された光生成キ
ャリアがバンドギャップ近傍の浅い準位にトラップさ
れ、そのトラップされた電子とホール素子が再結合する
際に発光するものである。その浅い準位は結晶の格子欠
陥に起因すると考えらる。また、結晶粒界の欠陥が光を
放出しない再結合中心となるので、ルミネッセンス強度
を低下させるものと考えられる。
【0018】以上の結果に基づき、CuInSe2 膜形成後、
フォトルミネッセンスによる中間評価を行ってロット選
別を行えば良品率を向上させることができる。中間評価
の方法としては、薄膜太陽電池製造のために同一条件で
CuInSe2 膜を形成した複数枚の基板のうちの1枚をテス
トピースとし、そのテストピースを液体ちっ素に浸漬し
てレーザ光を照射してそのルミネッセンス光のスペクト
ルの光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強
度が所定値、例えば50mV以上であるロットを良品ロット
と、それ以外のロットを不良品ロットとしてもよい。不
良品ロットは以後の工程で使用しないようにする。ある
いは光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強
度が0.9〜1.0eVの領域での最大発光強度より大きいロ
ットのみを良品ロットとし、それ以外のロットを不良品
ロットとしてもよい。テストピースを液体ヘリウムに浸
漬した場合には、同様にルミネッセンス光のスペクトル
の光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度
が50mV以上であるものあるいは0.9〜1.0eVの領域での
最大発光強度より大きいものを良品ロットとする。この
ような選別によれば、変換効率ηが約10.0%の太陽電池
が製造できることは表1から明らかである。もちろん、
このような中間評価の結果をCuInSe2 膜形成条件へフィ
ードバックすれば、良品率は一層向上する。
【0019】なお、p型CuInSe2 膜3の上に形成するn
型CdS膜4あるいはCdZnS膜はフォトルミネッセンスの
励起光であるArの波長514.5nm の光およびCuInSe2 膜か
らのルミネッセンス光を共に透過する。従って、フォト
ルミネッセンスの測定は図6のようにCdS膜あるいはCd
ZnS膜形成後に行っても良い。同様にしてフォトルミネ
ッセンスの測定はZnO膜5形成後に行うこともできる。
さらにまた、セル製作の最終工程である熱処理後に行う
こともできる。
【0020】図7はそのようにセル製作後に測定したフ
ォトルミネッセンスのスペクトルを示し、セル製作に
は、先ず図1に示したようにガラス基板1の上に被着し
たMo電極膜2のp型CuInSe2 膜3を形成した。次に、そ
の上に約0.1μmの厚さのn型CdS膜4を形成し、その
上にさらに約1.0μmの厚さのZnO膜5を形成した。図
7に示した線71、72、73のフォトルミネッセンスのスペ
クトルは、同様の工程で製作した3個の薄膜太陽電池に
ついて、液体ヘリウム温度 (4.2K) でZnO膜5の側か
ら波長514.5nm のArレーザの光を照射して得たものであ
る。フォトルミネッセンスのスペクトルを線71、72、73
に示した太陽電池の変換効率はそれぞれ10. 0%、8.5
%、0.1%であった。0.9〜1.0eVの領域での発光ピー
クに比して0.8〜0.9eVの領域での発光ピークが強いも
のほど、セルの変換効率が高い。
【0021】このようにフォトルミネッセンスの測定は
製作が完了したCuInSe2 薄膜太陽電池に対しても行うこ
とができるため、CuInSe2 薄膜太陽電池の検査法として
も使用できると共に、フォトルミネッセンス測定結果に
よりCuInSe2 薄膜太陽電池を特徴付けることが可能であ
る。
【0022】フォトルミネッセンスの測定の励起光とし
てはArレーザの他に、波長633nm のHe−Neレーザを用い
てもよいし、CuInSe2 膜のキャリアを励起できるように
光子エネルギーが1eV以上の他のレーザ光を用いてもよ
い。ただし、良品ロット選別のための0.8〜0.9eVの領
域での最大発光強度の所定値は、フォトルミネッセンス
測定のための装置が変わるごとに決めなければならな
い。
【0023】また、活性層であるCuInSe2 のInの一部を
Gaで置き換えたものやSeの一部をSで置き換えた場合に
おいても同様にフォトルミネッセンスによる評価は有効
である。
【0024】あるいは、活性層であるCuInSe2 系薄膜の
形成方法に三源同時蒸着法の他の二段階セレン化法、H
2 Seを用いたセレン化法、スパッタ法、スプレー法、電
着法などを用いた場合にも本発明を実施することができ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、CuInSe2 系薄膜の膜質
評価にフォトルミネッセンスを採用することにより、ル
ミネッセンス光の発光強度によって成膜されたCuInSe2
系薄膜を活性層に用いた薄膜太陽電池の特性を予測する
ことができる。従って、製造工程の中間段階での不良ロ
ットの除外あるいはフォトルミネッセンス測定結果のフ
ィードバックによる成膜工程の制御が可能となった。そ
の結果、CuInSe2 系薄膜太陽電池の製造における良品率
の向上を達成することができた。そのほか、CuInSe2
薄膜太陽電池の製品の格付けにも利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のCuInSe2 薄膜太陽電池の製
造工程図
【図2】本発明によって製造される太陽電池の断面図
【図3】従来のCuInSe2 薄膜太陽電池の製造工程図
【図4】CuInSe2 薄膜の77Kでのフォトルミネッセンス
スペクトル図
【図5】CuInSe2 薄膜の4.2Kでのフォトルミネッセン
ススペクトル図
【図6】本発明の別の実施例のCuInSe2 薄膜太陽電池の
製造工程図
【図7】製造工程を完了したCuInSe2 薄膜太陽電池によ
って得た4.2Kでのフォトルミネッセンスベクトル図
【符号の説明】
1 基板 2 裏面電極 3 CuInSe2 膜 4 CdS膜 5 ZnO膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.0eV以上の光子エネルギーを持つ光を所
    定の温度で照射した場合に発するルミネッセンス光のス
    ペクトルの0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が所定
    の値以上であるCuInSe2 系薄膜を有することを特徴とす
    るCuInSe2 系薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】1.0eV以上の光子エネルギーを持つ光を所
    定の温度で照射した場合に発するルミネッセンス光のス
    ペクトルの0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が0.9
    〜1.0eVの領域での最大発光強度より大きいCuInSe2
    薄膜を有することを特徴とするCuInSe2 系薄膜太陽電
    池。
  3. 【請求項3】少なくとも一方の表面層が導電性である基
    板のその表面層上に形成されたCuInSe2 系薄膜と、その
    薄膜の上に積層されたその薄膜と接合を形成するCdS薄
    膜あるいはCdZnS薄膜と、さらにその上に積層されたZn
    O薄膜とを有するものであって、1.0eV以上の光電子エ
    ネルギを持つ光を所定の温度でZnO薄膜側から照射した
    場合に発するルミネッセンス光のスペクトルの0.8〜0.
    9eVの領域での最大発光強度が所定の値以上であること
    を特徴とするCuInSe2 系薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】少なくとも一方の表面層が導電性である基
    板のその表面層上に形成されたCuInSe2 系薄膜と、その
    薄膜の上に積層されたその薄膜と接合を形成するCdS薄
    膜あるいはCdZnS薄膜と、さらにその上に積層されたZn
    O薄膜とを有するものであって、1.0eV以上の光電子エ
    ネルギを持つ光を所定の温度でZnO薄膜側から照射した
    場合に発するルミネッセンス光のスペクトルの0.8〜0.
    9eVの領域での最大発光強度が0.9〜1.0eVの最大発光
    強度より大きいことを特徴とするCuInSe2 系薄膜太陽電
    池。
  5. 【請求項5】所定の温度が67〜87Kである請求項1ない
    し4のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】所定の温度が10K以下である請求項1ない
    し4のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】活性層に用いるCuInSe2 系薄膜の評価を、
    その薄膜に1.0eV以上の光子エネルギーを持つ光を所定
    の温度で照射した場合に発するルミネッセンス光の発光
    強度の測定結果により行うことを特徴とするCuInSe2
    薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 【請求項8】ルミネッセンス発光のための光の照射を露
    出したCuInSe2 系薄膜へ行う請求項7記載のCuInSe2
    薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 【請求項9】ルミネッセンス発光のための光の照射を少
    なくとも一方の表面層が導電性である基板のその表面層
    上に形成したCuInSe2 系薄膜の上に成膜したCdS薄膜あ
    るいはCdZnS薄膜を通して行う請求項7記載のCuInSe2
    系薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 【請求項10】ルミネッセンス発光のための光の照射を
    少なくとも一方の表面層が導電性である基板のその表面
    層上に形成したCuInSe2 系薄膜の上に成膜したCdS薄膜
    あるいはCdZnS薄膜とその上にさらに成膜したZnO薄膜
    を通して行う請求項7記載のCuInSe2 系薄膜太陽電池の
    製造方法。
  11. 【請求項11】少なくとも一方の表面層が導電性である
    基板のその表面層上に少なくともCuInSe2 系薄膜を形成
    する工程が終了後、同一工程で作製したCuInSe2 系薄膜
    試料を液体ちっ素温度に冷却し、レーザ光を照射してそ
    の試料の発するルミネッセンス光を測定し、そのスペク
    トルの光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光
    強度が所定の値以上の場合にそれ以後の工程に進む請求
    項7ないし10のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜太陽電
    池の製造方法。
  12. 【請求項12】少なくとも表面層が導電性である基板の
    その表面層上に少なくともCuInSe2 系薄膜を形成する工
    程が終了後、同一工程で作製したCuInSe2 系薄膜試料を
    液体ちっ素温度に冷却し、レーザ光を照射してその試料
    の発するルミネッセンス光を測定し、そのスペクトルの
    光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発光強度が
    0.9〜1.0eVの領域での最大発光強度より大きい場合に
    それ以後の工程に進む請求項7ないし10のいずれかに記
    載のCuInSe2 系薄膜太陽電池の製造方法。
  13. 【請求項13】少なくとも一方の表面層が導電性である
    基板のその表面層上に少なくともCuInSe2 系薄膜を形成
    する工程が終了後、同一工程で作製したCuInSe2 系薄膜
    試料を液体ヘリウム温度に冷却し、レーザ光を照射して
    その試料の発するルミネッセンス光を測定し、そのスペ
    クトルの光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発
    光強度が所定の値以上にある場合にそれ以後の工程に進
    む請求項7ないし10のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜
    太陽電池の製造方法。
  14. 【請求項14】少なくとも一方の表面層が導電性である
    基板のその表面層上に少なくともCuInSe2 系薄膜を形成
    する工程が終了後、同一工程で作製したCuInSe2 系薄膜
    試料を液体ヘリウム温度に冷却し、レーザ光を照射して
    その試料の発するルミネッセンス光を測定し、そのスペ
    クトルの光子エネルギー0.8〜0.9eVの領域での最大発
    光強度が0.9〜1.0eVでの最大発光強度より大きい場合
    にそれ以後の工程に進む請求項7ないし10のいずれかに
    記載のCuInSe2 系薄膜太陽電池の製造方法。
  15. 【請求項15】照射レーザ光の光源がArレーザである請
    求項11ないし14のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜太陽
    電池の製造方法。
  16. 【請求項16】照射レーザ光の光源がHe−Neレーザであ
    る請求項11ないし14のいずれかに記載のCuInSe2 系薄膜
    太陽電池の製造方法。
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