JPH054143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、フロツピーデイスクと互換性を有
するような外形に形成されているテープカセツト
にかかわり、特に走行路を規制したテープカセツ
トに関するものである。

〔考案の概要〕

上ハーフと、下ハーフによつて形成されている
偏平なカートリツジ内に、回転駆動されるセンタ
コアと、サプライリール、およびテークアツプリ
ールを回動するための前記センタコアと連動され
ている回転駆動部と、前記サプライリールから引
き出されている磁気テープをカートリツジ内の偏
平な空間に沿つて案内してテークアツプリールに
戻すようなテープ走行路が形成されているテープ
カセツトにおいて、前記カートリツジの開口部を
通過する磁気テープの位置を規制するために、フ
ランジがテープの側面を押圧するように付勢され
ているガイドピンを設け、開口部を通過する磁気
テープに蛇行が発生しないようにしたものであ
る。

〔従来の技術〕

フロツピーデイスクは、フレキシブルな磁性円
板を偏平なカートリツジ内に収容し、この磁性円
板を回転して信号の記録・再生を行うようにして
いる。

したがつて、形状がコンパクトになり、かつ、
迅速に高密度のデータを書き込みまたは読み出す
ことができるから、マイクロコンピユータを始
め、各種のOA機器等にも直接装着することもで
きる。

第５図は、かかるフロツピーデイスクの一例を
斜視図としたもので、上ハーフH₁と下ハーフH₂
を重ね合わせたカートリツジの内部の空間には磁
性円板Ｄが回転可能に収容されており、一端には
磁気ヘツド（パツド）に当接するための開口部Ｋ
を開閉するようなシヤツタＳが取り付けられてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようなフロツピーデイスクは磁性円板Ｄの
円周方向に記録トラツクが形成されるため、アク
セス時間は早いが、特に、小型になると記憶容量
が足りなくなるという問題がある。

そこで、以下に述べるように、フロツピーデイ
スクと互換性を有する大容量型のテープカセツト
を開発したが、このテープカセツトはデイスクの
代わりに磁気テープが使用されているので従来の
記録・再生装置で信号の記録又は再生を行なうと
き、磁気テープが僅かでも蛇行すると磁気ヘツド
が所定の記録トラツクを走査することがきわめて
困難であるという問題がある。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、磁気テープを案内するガイドピン
を改良して磁気テープの走行路を高い精度で位置
決めできるようにしたテープカセツトを提供する
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案のテープカセツトは、カートリツジの
開口部を通過する磁気テープに対して、フランジ
が一方向に付勢されているガイドピンを当接し、
走行している磁気テープの側面をガイドに沿つて
押圧するように構成したものである。

〔作用〕

磁気テープを案内するためのガイドピンは通
常、磁気テープの幅と同一の幅のフランジを形成
することによつてテープの走行位置を規正してい
るがテープ幅に僅かでも誤差があると、テープパ
スが乱れ、テープの蛇行を招くことになる。しか
し、この考案のテープカセツトはガイドピンのフ
ランジがスプリングコイル等によつてテープ側面
に押圧されるように構成したので、テープの走行
路を安定にすることができるようになる。

〔実施例〕

第１図は、この考案が対象とするテープカセツ
ト（別途出願中）の平面図を示したもので、破断
線Ｒより下方の部分は上ハーフを除去してカセツ
ト内の様子を示している。また、第２図は第１図
の中心線Ｌ−Ｌの断面を示す。

これらの図面によつて、まず、テープカセツト
の説明を行うと、１０は同一寸法の下ハーフ１０
ａと上ハーフ１０ｂを重ね合わせることによつて
形成されたカートリツジを示している。

カートリツジ１０の寸法は、一点鎖線Ｑから左
側の寸法が、例えば、3.5インチのマイクロフロ
ツピーデイスクのカートリツジと同一形状とされ
ている。下ハーフ１０ａには、ほぼ中央部に駆動
用のセンタコア１がモータの回転軸と係合する駆
動穴１０Ａに設けられており、さらに、上，下ハ
ーフ１０ａ，１０ｂの双方には、従来のフロツピ
ーデイスクカートリツジと同様に磁気ヘツド（パ
ツド）が臨むような開口部１０Ｂが形成されてい
る。

１０Ｃはこのテープカセツトと、従来のマイク
ロフロツピーデイスクの識別を行うために設けら
れている突出部、１０Ｄ，１０Ｄは位置決め用の
ダボ穴である。

１０Ｅは後述するテープのリール、および回動
機構を覆うように形成されているドーム部を示
す。

さらに上，下ハーフ１０ａ，１０ｂを貫通する
ような検出穴１０F₁，１０F₂が設けられ、この
検出穴１０F₁．１０F₂でテープの走行状態を監
視する。

１は駆動穴１０Ａに対接する上ハーフ１０ｂの
内面に、例えば、オイルレスメタル等を介して回
転可能に取り付けられているセンタコアで、この
センタコア１の中心部には記録・再生装置の回動
軸が衝合する軸穴１Ａと駆動ピンが嵌入する穴１
Ｂが設けられ、その外周はタイミングベルト２が
巻回されるように凹状のフランジ１Ｃが形成され
ている。

歯付のタイミングベルト２の一端は第２図に示
すように軸P₁に軸支されているプーリ３に連結
され、このプーリ３に刻設されているギヤ３Ａは
軸P₁に軸支されている首振りギヤ４と噛合うよ
うに形成されている。５は軸P₂とスリツプ板４
Ａ，スプリングコイル４Ｂを介してクラツチ機構
で結合されている首振り板で、その一端は軸P₁
に遊嵌されている。

このような伝達機構は、テープレコーダの正逆
転機構にみられるようにプーリ３の回転方向によ
つて首振り板５が左右に揺動し、首振りギヤ４を
隣接する歯車（傘歯車）６ａまたは６ｂに噛み合
うように制御する。

７ａは前記傘歯車６ａとほぼ直行する軸９に軸
支されている傘歯車で、テープ１１を巻回してい
るサプライリール８ａを駆動する。

サプライリール８ａから引き出されたテープ１
１は平面状態でカートリツジ内の偏平な空間を周
回するようにテープガイド１２ａ，１３ａ，１４
ａ，１５ａ，１６ａ，１７ａ，によつて案内さ
れ、図示されていないがテークアツプリール８ｂ
にテープガイド１２ｂ，１３ｂ，１４ｂ，１５
ｂ，１６ｂ，１７ｂで案内されて戻される。な
お、上記プーリ、首振りギヤー、傘歯車、サプラ
イリール等からなるテープの駆動部の機構は、他
の構造の伝達機構とすることもできる。

１８は前記上，下ハーフ１０ａ，１０ｂの開口
部１０Ｂを遮弊するように構成されている摺動形
のシヤツタで、このシヤツタ１８は公知のマイク
ロフロツピーデイスクに使用されているものと同
様に制御される。

この考案の対象としているテープカセツトは上
述したような構造とされているので、従来と同様
なマイクロフロツピーデイスク再生装置に装着す
ると、装置内の回転軸がセンタコア１の軸穴１Ａ
に衝合し、回転軸の回動と共に駆動ピンが穴１Ｂ
に突入してセンタコア１をドライブすることがで
きる。すると、タイミングベルト２を介してプー
リ３が回転し、首振りギヤ４、傘歯車６ａ，７ａ
を介してサプライリール８ａが回動する。この場
合センタコア１が正転（矢印方向）している場合
はよく知られているように首振りギヤ４および首
振り板５が矢印方向に揺動するため、首振りギヤ
４と傘歯車６ｂが噛み合い、図示されていない傘
歯車７ｂを介してテークアツプリール８ｂを回転
する。そのためテープ１１は矢印方向にサプライ
リール８ａから引き出され、コーナにあるテープ
ガイド１５ａによつてほぼ90°方向転換され、テ
ープガイド１６ａ，１７ａで位置規制されて開口
部１０Ｂを通過し、図示されていないが、コーナ
にあるテープガイド１５ｂにおいてほぼ90°方向
転換してドーム部１０Ｅの中に配置されているテ
ークアツプリール８ｂに巻きとられる。

したがつて、通常のフロツピーデイスク記録・
再生装置にみられるように、カートリツジ１０の
上下から開口部１０Ｂに臨ませている磁気ヘツド
とパツドによつてテープ１１を狭接すると、磁気
ヘツドによつてテープ１１の走行方向（長手方
向）に信号を記録し、またはテープ１１に記録さ
れている信号を再生することができる。

この場合、テープ１１の幅を約3/4インチに設
定すると、3.5インチのフロツピーデイスクと対
応して長手方向に形成されるトラツク数は約80本
設定できる。しかしながら、このようなテープカ
セツトは記録媒体がデイスクからテープに変換さ
れているため、１トラツクの記録容量はデイスク
の数10倍となり、例えば、テープ長を12ｍに設定
すると約20Mバイトの記憶容量を一個のテープカ
セツトで得ることができる。

そのため、ハードデイスクのバツクアツプメモ
リとしても利用でき、また、大容量のデータが必
要とされるフアイリングシステムにも応用できる
ようになる。

ところで、テープ１１に形成される記録トラツ
クの本数を例えば80本に設定すると、１トラツク
のトラツク幅はほぼ0.12mm程度になるから、テー
プ１１が開口部１０Ｂにおいて僅かでも蛇行する
と、磁気ヘツドによつてテープ１１の記録トラツ
クを正確に走査することができなくなり、クロス
トークによつてエラー信号の発生率が高くなると
いう問題がある。

そこで、この考案では特に開口部１０Ｂを通過
するテープ１１の走行系路を規正するためのテー
プガイド１６ａ，１７ａにテープ規正作用を持た
せるようにする。

第３図は、前記第１図のカートリツジの前方開
口部１０Ｂの附近を拡大した平面図でテープガイ
ド１５ａ，１５ｂは傾斜ガイドピン２３ａ，２３
ｂとして示されている。これらの傾斜ガイドピン
２３ａ，２３ｂはカートリツジ１０と別体に構成
されている翼状のガイド基板２０に支持されてお
り、このガイド基板２０の凸部２１，２２ａ，２
２ｂによつて磁気記録再生装置の磁気ヘツド（図
示せず）と位置決めをすることができるようにし
たものである。（別途出願中） ２４ａ，２４ｂは開口部１０Ｂの前後でテープ
１１の走行路を規正しているガイドピンを示し、
このガイドピン２４ａ，２４ｂの両端にはテープ
１１の側面に衝合するフランジ２５，２６が嵌合
されている。一方のフランジ２６はガイド基板２
０に固定されているが、他方のフランジ２５の側
には突起２７が設けられてあり、この突起２７に
は小さなスプリングコイル２８を遊嵌させること
によつてフランジ２５をテープ１１の側面に押圧
するような構造にする。

したがつて、傾斜ガイドピン２３ａ，２３ｂの
間を走行しているテープ１１は一方のフランジ２
５によつて、他方のフランジ２６側に押圧された
状態で位置規正されるから、テープ幅寸法に多少
の誤差がある場合もクリアランスがない状態で走
行路を規正することができ、開口部１０Ｂから磁
気テープ１１に当接する磁気ヘツドとの相対的な
位置関係も正確にコントロールすることができ
る。

なお、テープが出口側で矢印Ｆ方向に引かれる
と、傾斜ガイド２３ｂによつてテープ１１がガイ
ドピン２４ｂのフランジ２６を支点としてが時計
方向に傾くような力が働くが、ガイドピン２４ａ
のフランジ２５側がスプリングコイル２８によつ
てテープ側に付勢されているので、この回動力を
充分に抑圧することができ、テープパスが向上す
るという効果がある。

この実施例では、フランジ２５に対して突起２
７を形成しスプリングコイル２８を遊嵌させるよ
うに構成したが、第４図に示すようにスプリング
コイル２８をガイドピン２４ｂに遊嵌させてもよ
いことはいうまでもない。

又、ガイド基板２０を省略して、ガイドピン２
４ｂ，２４ａをカートリツジの下ハーフ１０ａに
取り付けることもできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のテープカセツ
トは特に、カートリツジの開口部を通過する磁気
テープの走行方向を規正するために、テープ側面
に圧接するように付勢されているフランジ付のガ
イドピンが使用されているので、テープパスの乱
れ、テープの蛇行を防止することができ、磁気ヘ
ツドと磁気テープの記録トラツクの位置関係を正
確に規正することができるという効果がある。又
フロツピーデイスクと同じように取り扱うことが
できると共に、その記憶容量を増大させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のテープカセツトの全体を
示す平面図、第２図はＬ−Ｌ線からみた第１図の
断面図、第３図はカートリツジの開口部附近のテ
ープ走行路を示す平面図、第４図はこの考案の他
の実施例を示すガイドピンの上面図、第５図は従
来のフロツピーデイスクの斜視図である。 図中、１０Ｂはカートリツジの開口部、１１は
テープ、２３ａ，２３ｂは傾斜ガイド、２４ａ，
２４ｂはガイドピン、２５は可動側のフランジ、
２６は固定側のフランジ、２８はスプリングコイ
ルを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前端側の略中央部に開口部１０Ｂを設け、ほぼ
   中央部にセンタコア１が配置されているカートリ
   ツジ１０と、 このカートリツジ１０の後端側のドーム部１０
   Ｅ内に配された前記テープ１１が巻回された一対
   のテープリール８ａ，８ｂと、 ドライブ装置の駆動軸と係合し、回転駆動され
   るセンターコア１と、 このセンターコア１の回転駆動力を前記一対の
   テープリール８ａ，８ｂに対して回転方向に応じ
   て選択的に伝達することによりカートリツジ１０
   内の扁平な空間に沿つてテープが走行し、このテ
   ープ１１の記録面が前記開口部１０Ｂを往復通過
   するように駆動する駆動部２，３，６ａ，６ｂ，
   ７ａ，７ｂと、 前記開口部１０Ｂの両側部に配置され、前記カ
   ートリツジ１０の両側面に沿つて走行している前
   記テープ１１の走行方向を前記開口部１０Ｂを経
   由して前記カーツトリツジの前側面に沿つて走行
   するように変更する一対の傾斜ガイドピン２３
   ａ，２３ｂと、 前記開口部と前記一対の傾斜ガイドピンの間に
   配置されている一対のガイドピン２４ａ，２４ｂ
   と、 前記一対のガイドピン２４ａ，２４ｂ、の各々
   の両端部に設けられ、テープの端部を規制する一
   対のフランジ部２５，２６を備え、 この一対のフランジ部２５，２６の少なくとも
   一方を付勢手段２８により前記テープの側面側に
   移動可能にしたことを特徴とするテープカセツ
   ト。