JPH0540936A - カードの識別用マークの形成方法 - Google Patents

カードの識別用マークの形成方法

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JPH0540936A
JPH0540936A JP3197899A JP19789991A JPH0540936A JP H0540936 A JPH0540936 A JP H0540936A JP 3197899 A JP3197899 A JP 3197899A JP 19789991 A JP19789991 A JP 19789991A JP H0540936 A JPH0540936 A JP H0540936A
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JP
Japan
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card
diffraction grating
recording layer
laser beam
reflection type
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JP3197899A
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English (en)
Inventor
Osahisa Matsudaira
長久 松平
Takehide Kita
武秀 喜多
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カードに、それぞれのカードに固有の識別マー
クを容易に形成する方法を提供する。 【構成】カード1に形成された感熱記録層12に、レー
ザー光線i1を集光し、ストライプ状に走査して、交互
に配置された線状に記録することにより、反射型回折格
子を形成する。再生レーザー光線を照射することによ
り、形成された反射型回折格子に特有の方向に一次反射
回折光線を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカードの識別用マークの
形成方法に関する。更に詳しくは、IDカード、プリペ
イドカード等のカードの一部分に設けられたマークで、
カード表面に垂直にこのマークに赤外線等のレーザー光
線を入射し、その入射光線に起因する反射回折光線の回
折方向を検知し、検知した回折方向でカードを識別する
マークを、それぞれのカードに応じて個別に、しかも容
易に形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックカード表面に設けられたマ
ークで、入射光線に対する反射回折光線の回折方向でカ
ードを識別する反射回折格子から構成される識別マーク
は公知であり、特開平3−71384号公報に記載され
ている。
【0003】この特開平3−71384号公報によれ
ば、図8に示すように、カード1表面に垂直な方向か
ら、カード1表面に設けられた反射型回折格子aから構
成されるマーク1aに対し、平行光線から成る再生レー
ザー光線i2を照射する。マーク1aは固有の反射特性
を有し、このカード1が真正のカードの場合には、予め
設定された方向に反射回折光線jが生じる。この回折格
子の複製は困難であり、カード1が偽造品である場合に
は、通常、真正のカードの場合と同じ方向に反射回折光
線jが生じることはないから、上記反射回折光線jの回
折方向を検知することにより、カードの真偽を識別する
ことができる。
【0004】この特開平3−71384号公報において
は、回折格子aから成る識別マーク1aがいかなる理由
により固有の反射特性を獲得するかについては詳細な説
明がないが、この現象は光学により次のように説明でき
る。すなわち、図9は反射型回折格子aの平面図を示し
ており、この図から分かるように、カード1表面にスト
ライプ状に形成された反射型回折格子aに、カード1表
面に垂直に(紙面に垂直に)再生レーザー光線i2が入
射した場合、反射回折光線jはこの反射型回折格子aを
構成する線の方向xに垂直な方向yに生じる。また、図
10は反射回折格子aの正面図を示しており、反射回折
光線jと入射光線i2のなす角度(偏角)θは、入射光
線i2の波長λと、反射回折格子aを構成する線の幅d
により、一般にはnλ=d・sinθで表される式(n
は整数で、反射回折光線の次数を意味する)を満足する
角度を構成する。すなわち、反射回折光線jは、回折格
子aを構成する線に垂直で、しかも式nλ=d・sin
θによって決定される偏角θを有する対称的な二方向に
生じるのである(図8参照)。
【0005】このことから、反射回折格子aを構成する
線の方向を調整することにより、また反射回折格子aを
構成する線の幅dを調整することにより、反射回折光線
jの回折方向は自由に設定することができ、固有の反射
特性(反射回折方向)を有する反射回折格子を設計でき
ることになる。
【0006】ところで、かかる識別マークを、カードの
真偽判別用マークとして使用する場合には、一般には、
特定の種類のカードについて特定の識別マークを用意す
れば足りる。
【0007】一方、それぞれのカードに応じて、氏名等
の固有の情報をこのマークに記録する場合には、それぞ
れの情報に応じて回折方向の異なる固有の識別マークを
カード上に設ける必要がある。
【0008】また、カードの真偽判別マークとして利用
する場合でも、カード発行期日や価額等のカードの内容
に応じてそれぞれのカードに固有の真偽判別マークを設
ける必要が生じることがある。
【0009】また、それぞれのカードがこのような特有
の識別マークを有する場合には、この識別マークに記録
された情報は秘密情報であり、かかる秘密情報がカード
に存在すること自体を秘密とする必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−71384号公報には識別マークを形成する方
法は記載されておらず、したがって、それぞれのカード
に応じて固有の識別マークを形成することも極めて困難
であるという問題点があった。
【0011】また、上記特開平3−71384号公報記
載の発明においては、反射型回折格子が表面に露出して
いるため、肉眼で判読できない秘密情報を記録する識別
マークであるにも係わらず、かかるマークが秘密情報を
有することが一目瞭然であり、また人目を引きつけると
いう問題点をも有していた。
【0012】本発明は、このような事情に応じてなされ
たもので、それぞれのカードに応じて回折方向の異なる
上記識別マークを容易に形成することのできる方法を提
供することを目的とする。
【0013】また、本発明は、かかる識別マークの存在
が外見から分からず、従って秘密情報の存在も容易に判
別できない識別マークを容易に形成する方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明は、カード基体の少なくとも一部分に設けられ、
カード表面に略垂直に入射した光線の反射回折光の回折
方向でカードを識別するストライプ状の反射型回折格子
から成る識別マークを形成する方法において、カード基
体上に設けられた感熱記録層に集光したレーザー光線を
ストライプ状に走査して交互に配置された線状に記録す
ることにより、上記反射型回折格子を形成することを特
徴とする。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のカードの識別マークの形成方法を前提とし、カード
が、カード基体と、このカード基体上に設けられた感熱
記録層と、この感熱記録層を被覆して設けられ、赤外線
を透過すると共に可視光線を遮断する保護層とを備え、
この感熱記録層に集光した赤外線レーザー光線をストラ
イプ状に走査して交互に配置された線状に記録すること
により、上記反射型回折格子を形成することを特徴とす
る。
【0016】以下、図面を参照して、本発明を説明す
る。図1は本発明に係るカード1を説明するための平面
図、図2はその断面図であり、カード1は主としてカー
ド基体11と感熱記録層12とから構成されている。
【0017】このような技術的手段において、カード1
とは、IDカード、キャッシュカード、クレジットカー
ド、プリペイドカード等の主にプラスチックカードをい
い、カード基体11はこれらのプラスチックから構成さ
れるシートをいう。このようなプラスチックとしてはポ
リエステル、硬質ポリ塩化ビニル等を使用することがで
きる。
【0018】またこのような技術的手段において感熱記
録層12とは、カード基体11に備えられ、熱により物
理的または化学的に入射光線の反射率が変化するものを
いう。感熱記録層12は図1に示すようにカード基体1
1の一部分に設けられてもよく、また全面に設けられて
もよい。
【0019】このような感熱記録層12としては、熱に
より発色または消色する感熱インキ組成物の層を使用す
ることができる。感熱インキ組成物としては電子供与性
染料とフェノール性化合物を主成分とする公知の感熱イ
ンキを使用でき、電子供与性染料としてはクリスタルバ
イオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、3
−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−アセトアミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ブロムフルオラン等を使
用できる。またフェノール性化合物としてはt−ブチル
フェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、
ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、ビスレゾルシノール
エチレンエーテル、ジレゾシノール、β−レゾルシン酸
エタノールアミド、没食子酸メチル、2,4,6−トリ
ヒドロキシ安息香酸、ナフトールAS等を使用すること
ができる。これらの電子供与性染料とフェノール性化合
物を適当なビヒクル及び溶剤と混合してインキ化し、カ
ード基体11上に部分的または全面に印刷することによ
り感熱記録層12を形成することができる。この感熱イ
ンキ組成物から構成される感熱記録層12は、選択的に
適用された熱により発色または消色し、発色部分はレー
ザー光線を吸収し易くなり、従って反射率が低下する。
【0020】また、このような感熱記録層12として、
熱により融解、蒸発、分解または結晶構造の変化する金
属または金属の化合物の薄膜を使用することもできる。
このような金属としては、ビスマス、アルミニウム、
金、銅、亜鉛、カドミウム、コバルト、鉛、マグムシウ
ム、インジウム、ゲルマニウム、錫、アンチモン、テル
ルもしくはこれらの合金等を使用することができ、また
金属の化合物としては酸化テルル、酸化インジウム等が
使用できる。具体的には例えば化学式Te−C、CS2
−Te、Pb−Te−Se、TeTiAgSe、TeO
x(x=1.1)、TeOxとPdとAuの混合物、S
2 Se3 とBi2 Te3 とSb2 Se3 の混合物で表
される金属や金属化合物等である。感熱記録層12を形
成するためには、これらの金属または金属の酸化物を常
法によりカード基体11上に蒸着、スパッタリング、ま
たはイオンプレーティングして、薄膜形成すればよい。
この金属薄膜から構成される感熱記録層12は、選択的
に適用された熱により融解、蒸発、または分解して消滅
し、あるいは結晶構造が変化し、この部分のレーザー光
線反射率は熱の適用されなかった部分と異なったものに
変化する。また、感熱記録層12として金属の薄膜のか
わりに熱により融解、蒸発、分解または結晶構造の変化
する色素の薄膜を使用することもできる。このような色
素としては、シアニン系色素、スクワリリウム系色素、
フタロシアニン色素、ナフトキノン色素、アンスラキノ
ン色素等が例示でき、具体的には、下記式〔1〕で表さ
れるシアニン系色素を使用することができる。
【0021】
【化1】
【0022】また下記式〔2〕で表されるスクワリリウ
ム系色素を使用することもできる。
【0023】
【化2】
【0024】また下記式〔3〕で表されるフタロシアニ
ン色素を使用することもできる。
【0025】
【化3】 (式中、Mは金属原子、Rはアルキル基を意味する。)
【0026】また下記式〔4〕で表されるナフトキノン
色素を使用することもできる。
【0027】
【化4】 (式中Xはハロゲン原子を意味する。)
【0028】また下記式〔5〕で表されるアンスラキノ
ン色素を使用することもできる。
【0029】
【化5】 (式中、Rはアルキル基を意味する。)
【0030】また下記式〔6〕で表されるアンスラキノ
ン色素を使用することもできる。
【0031】
【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)
【0032】これらの熱により融解、蒸発、または分解
する色素も、これらをカード基体11上に常法により蒸
着、スパッタリング、またはイオンプレーティングし
て、薄膜形成することにより感熱記録層12を形成する
ことができる。また、このような色素の薄膜から構成さ
れた感熱記録層12は、選択的に適用された熱により融
解、蒸発、または分解して消滅し、あるいは結晶構造が
変化し、この部分のレーザー光線反射率が熱の適用され
なかった部分と異なったものに変化する。この点は、上
記金属や金属化合物の薄膜の場合と同様である。
【0033】なお、感熱記録層12は、周知の接着剤層
14を介してカード基体11上に形成することができ
る。
【0034】図3は請求項2記載の発明にかかるカード
を説明するための断面図であり、感熱記録層12を被覆
して設けられ、赤外線を透過すると共に可視光線を遮断
する保護層13を備える他は図2のカード1と同様であ
る。
【0035】このような保護層13の材料としてはオラ
ゾールブラック2RG、オラゾールブラックB−V(チ
バガイギー社製)等の染料や、印刷に使用される周知の
プロセスインキを使用することができる。
【0036】以下、この感熱記録層12に反射型回折格
子aから構成される識別マーク1aを形成する方法につ
いて説明する。図4は記録時の要部説明断面図で所定の
レーザー発振機から発振した記録レーザー光線i1を、
レンズ4を使用して集光し、その集光点pを感熱記録層
12に位置合わせする。集光された部位は記録レーザー
光線i1のエネルギーにより加熱され、非集光部位と再
生レーザー光線i2の反射率が異なる状態に変化する。
すなわち、感熱記録層12の材質に応じて、集光された
部分は発色し、融解し、蒸発し、分解し、あるいは結晶
構造が変化し、この結果として再生レーザー光線i2の
反射率が変化するのである。記録レーザー光線i1とし
ては、波長780nmまたは830nmの赤外線半導体
レーザー光線等が使用でき、図2に示すように反射型回
折格子がカード1表面に露出している場合にはより波長
の短い可視領域のレーザー光線や紫外線レーザー光線を
使用することもできる。なお、レンズ2の代わりに他の
集光素子を使用できることは勿論である。
【0037】記録レーザー光線i1を集光した状態で、
この記録レーザー光線i1をストライプ状に走査する。
ストライプ状に走査するとは、レーザー光線i1の集光
点pまたはカード1自体を移動することにより、この集
光点pを感熱記録層12に沿って線状に移動させてこの
線状に感熱記録層12の反射率を変化させ、一定距離集
光点pを移動した後、この反射率の変化した線と平行に
しかも若干の間隔を置いて再び集光点pを感熱記録層1
2に沿って線状に移動させて感熱記録層12の反射率を
変化させ、これを繰り返して、記録レーザー光線i1の
集光により反射率の変化した部位a1と変化していない
部位a2とを交互に、しかも線状に形成することをい
う。集光点pの移動は、周知の光学系を用いて可能であ
り、またカード自体を機械的に移動させることによって
もよい。
【0038】上述のように、再生の際の反射回折光線j
の偏角θは式nλ=d・sinθを満足し、しかも一次
反射回折光線(n=1)の強度は二次以上(n>1)の
反射回折光線の強度に比べて格段に大きいことから、か
かる一次反射回折光線が予め設定した偏角θに生じるよ
うに、反射率の変化した部位a1の幅d1と変化してい
ない部位a2の幅d2を定めることができる。なお、一
次反射回折光線jの偏角θを所定の角度に確実に制御す
るため、反射率の変化した部位a1の幅d1と変化して
いない部位a2の幅d2は同一であることが望ましい。
【0039】また、上述のように再生の際の反射回折光
線jは上記反射率の変化した部位a1と変化していない
部位a2の線に垂直な方向に生じることから、記録レー
ザー光線i1の集光点pは予め設定した方向に線状に走
査して、一次反射回折光線の回折方向を制御することが
できる。
【0040】図5は、感熱記録層12を3つのエリアに
分割し、このエリア毎に線幅d1、d2又は線の方向を
変えてた第1の反射型回折格子12a、第2の反射型回
折格子12b及び第3の反射型回折格子12cから構成
される3つの反射型回折格子から成る識別マーク1aを
形成した例である。このため、この3つの反射型回折格
子12a、12b及び12cからは互いに異なる角度に
一次反射回折光線が生じる結果となる。
【0041】このカードは従来のカードと同様に図8に
示すように、再生レーザー光線i2を、カード1表面に
対し垂直な方向から照射して使用することができる。こ
の再生レーザー光線i2をカード1表面に垂直に入射さ
せるため、再生レーザー光線i2を平行光線束とするこ
とが望ましい。再生レーザー光線i2としては、波長7
80nmまたは830nmの赤外の半導体レーザー光線
が使用できる。この再生レーザー光線i2を平行光線束
とするためには、周知のコリメーターを使用すればよ
い。
【0042】図6は再生レーザー光線i2がカード1表
面に対し垂直な方向から、識別マーク1aに入射した場
合の一次反射回折光線の方向を示す説明図である。この
例では、記録レーザー光線i1により感熱記録層12に
形成された3つの反射型回折格子12a、12b及び1
2cにおける反射型回折格子aを構成する線a1、a2
は、いずれも、互いに90度の角度を有する2つの方向
から選択された方向に形成されている。従って、この3
つのエリアのいずれかに再生レーザー光線i2が入射さ
れると、一次反射回折光線jはこの反射型回折格子aを
構成する線a1、a2に垂直な4つの方向のいずれかに
発生する。また、反射型回折格子aを構成する線a1、
a2の幅d1、d2は、予め設定された2種類のものの
いずれかであり、従ってこの3つのエリアのいずれかに
再生レーザー光線i2が入射すると、その幅d1、d2
に応じて、一次反射回折光線jは偏角θ1またはθ2の
いずれかの方向に発生する。
【0043】具体的には、例えば、カード1の長手方向
に平行に線a1、a2が形成され、しかも比較的幅d
1、d2を狭く形成された反射型回折格子aを有するカ
ード1の場合には、一次反射回折光線jは、図6中j1
1及びj13の二方向に発生する。また、カード1の長
手方向に平行に線a1、a2が形成され、しかも比較的
幅d1、d2を広く形成された反射型回折格子aを有す
るカード1の場合には、一次反射回折光線jはj21及
びj23の二方向に発生する。
【0044】また カード1の長手方向に垂直に線a
1、a2が形成され、しかも比較的幅d1、d2を狭く
形成された反射型回折格子aを有するカード1の場合に
は、一次反射回折光線jは、図6中j12及びj14の
二方向に発生する。また、カード1の長手方向に垂直に
線a1、a2が形成され、しかも比較的幅d1、d2を
広く形成された反射型回折格子aを有するカード1の場
合には、一次反射回折光線jはj22及びj24の二方
向に発生する。
【0045】このため、受光素子3をこの一次反射回折
光線の進路に当たる位置に配置し、一次反射回折光線の
有無を検知することによりこの感熱記録層12に回折格
子aのマークの形で記録された情報を読み取ることがで
きる。この情報は、例えばカードの真偽を判別するため
の情報であり、また氏名、発行時期、あるいは価額等の
それぞれのカードに固有の情報である。
【0046】図7は、感熱記録層12に形成する反射型
回折格子を構成する線a1、a2の方向を、互いに45
度の角度で交わる4つの方向のいずれかから選択できる
ように設定したカードの再生時の説明図であり、一次反
射回折光線は8方向のいずれかに生じ、その進路に当た
る位置にそれぞれ受光素子3が計8台配置されている。
受光素子としてはフォトダイオードが使用できる。
【0047】
【作用】請求項1記載の発明は、以上のように構成され
ており、感熱記録層に集光したレーザー光線で反射型回
折格子を記録するから、それぞれのカードに応じて固有
の秘密情報を有する回折格子を記録することが容易に可
能となる。
【0048】また、請求項2記載の発明によれば、この
反射型回折格子を被覆して、赤外線を透過し、可視光線
を遮断する保護層が設けられているから、この反射型回
折格子の存在自体が肉眼によっては判別できず、秘密情
報の存在が分からない。
【0049】
【実施例】カード基体としてポリエステルシートを使用
し、このポリエステルシートの片面の一部に、図1及び
図3に示すように、前記化学式〔1〕で示される化合物
の蒸着膜を1μmの厚さに形成した。
【0050】次いでこの蒸着膜を被覆して、常用のプロ
セスインキを使用して、シアン、マゼンタ、イエローの
三色から構成される保護層を印刷して、図1及び図3に
示すカードを得た。
【0051】一方、この蒸着膜の形成された部位を3つ
のエリアに区画し、波長780nmの赤外線半導体レー
ザー光線を、周知の光学系を使用してこのカード面の第
1のエリアに導くと共に、レンズを使用してこのレーザ
ー光線を上記蒸着膜に集光した。蒸着膜面上のビーム径
は1μmである。レーザー光線を蒸着膜上に集光したま
まカードを予め設定した方向に移動させ、この蒸着膜を
幅1μmの線状に消失させた。予め設定した一定距離カ
ードを移動させた後、一旦レーザー光線の照射を停止し
てカードをこれに直交する方向に移動した後、再びレー
ザー光線を蒸着膜に集光させながら、上記蒸着膜の消失
した線と平行に、しかもこの消失した線から1μmの間
隔をあけてカードを移動させて線状に蒸着膜を消失させ
た。これを繰り返して、蒸着膜の残存する部分と消失し
た部分をいずれも幅1μmの線状に交互に設けて、この
第1のエリアに第1の反射型回折格子を形成した。
【0052】次いで、この第1のエリアに隣接する第2
のエリアに上記レーザー光線を集光し、第1のエリアと
同様に第2の反射型回折格子を形成した。第2の反射型
回折格子の蒸着膜の残存する部分と消失した部分の幅は
第1の反射型回折格子と同一であり、これらの線の方向
は第1の反射型回折格子を構成する線と直交する方向で
ある。
【0053】また、更に第3のエリアにも同様に第3の
反射型回折格子を形成した。この第3の反射型回折格子
の蒸着膜の残存する部分と消失した部分の幅はいずれも
1.5μmであり、これらの線の方向は第1の反射型回
折格子を構成する線と平行な方向である。
【0054】波長780nmの赤外線半導体レーザー光
線を、周知の光学系とコリメーターを使用して平行光線
束とし、得られたカードの第1のエリアに導き、カード
表面から発生する第1の反射回折光線の方向を記録し
た。次いでカードを移動して上記レーザー光線束を第2
のエリアに導き、生じた第2の反射回折光の方向を上記
第1のエリアから発生した反射回折光線の方向と比較し
た。入射したレーザー光線と第1の反射回折光線のなす
偏角θと入射したレーザー光線と第2の反射回折光線の
なす偏角θは同一であり、しかも両反射回折光線は互い
に直交する方向であった。
【0055】また、更にカードを移動して上記レーザー
光線束を第3のエリアに導き、発生した第3の反射回折
光線の方向を上記第1の反射回折光線の方向と比較し
た。カード真上から見ると、両反射回折光線の方向は同
一であったが、入射したレーザー光線と第1のなす反射
回折光線の偏角θ1と入射したレーザー光線と第2の反
射回折光線のなす偏平θ2は異なっており、しかも重な
ることなくはっきりと区別できた。
【0056】更に、上記第1、第2及び第3の反射回折
光線の発生する方向にフォトダイオードを配置して、カ
ードを所定の速度で移動させ、フォトダイオードにより
反射回折光線が感知できるか否かについて確認した。第
1のエリアにレーザー光線が照射されている時には上記
第1の反射回折光線の発生する方向に配置したフォトダ
イオードのみが光を感知し、また第1のエリアにレーザ
ー光線が照射されている時には上記第1の反射回折光線
の発生する方向に配置したフォトダイオードのみが光を
感知した。第3のエリアについても同様であった。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、それぞれ
のカードに応じて回折方向の異なる上記識別マークを容
易に形成することができるため、カード発行の際に氏
名、価額、発行期日、固有の識別マーク等の秘密情報を
形成することが容易となるという効果を奏する。
【0058】また請求項2記載の発明によれば、これに
加えて、上記秘密情報の存在自体が肉眼で検知できない
から、一層情報の秘密保持が確実となるという効果を奏
する。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカードを説明するための平面図で
ある。
【図2】図1に係るカードの断面図である。
【図3】請求項2記載の発明にかかるカードを説明する
ための断面図である。
【図4】記録時の要部説明断面図である。
【図5】反射型回折格子の形成された本発明に係るカー
ドの平面図である。
【図6】再生レーザー光線がカード表面に対し垂直な方
向から入射した場合の一次反射回折光線の方向を示す説
明図である。
【図7】回折格子を構成する線の方向を、互いに45度
の角度で交わる4つの方向のいずれかから選択できるよ
うにしたカードの再生時の説明図である。
【図8】識別マーク読み取り時の説明用斜視図である。
【図9】反射型回折格子の平面図である。
【図10】反射回折格子の正面図である。
【符号の説明】 1 カード。 1a 識別マーク。 11 カード基体。 12 感熱記録層。 12a 第1の反射回折格子。 12b 第2の反射回折格子。 12c 第3の反射回折格子。 13 保護層。 14 接着剤層。 2 レンズ。 3 受光素子。 a 反射回折格子。 a1 反射率の変化した部位。 a2 反射率の変化していない部位。 d1 反射率の変化した部位a1の幅。 d2 反射率の変化していない部位a2の幅。 i1 記録レーザー光線。 i2 再生レーザー光線。 p 記録レーザー光線の集光点。 θ 偏角。 θ1 第1の偏角。 θ2 第2の偏角。 j 反射回折光線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カード基体の少なくとも一部分に設けら
    れ、カード表面に略垂直に入射した光線の反射回折光の
    回折方向でカードを識別するストライプ状の反射型回折
    格子から成る識別マークを形成する方法において、 カード基体上に設けられた感熱記録層に集光したレーザ
    ー光線をストライプ状に走査して交互に配置された線状
    に記録することにより、上記反射型回折格子を形成する
    ことを特徴とする、 カードの識別用マークの形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカードの識別マークの形成
    方法において、 カードが、カード基体と、このカード基体上に設けられ
    た感熱記録層と、この感熱記録層を被覆して設けられ、
    赤外線を透過すると共に可視光線を遮断する保護層とを
    備え、 この感熱記録層に集光した赤外線レーザー光線をストラ
    イプ状に走査して交互に配置された線状に記録すること
    により、上記反射型回折格子を形成することを特徴とす
    る、 カードの識別用マークの形成方法。
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