JPH0539900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は原紙を捲着して回転する版胴を備えた
謄写輪転機に関する。

（従来技術） プレスローラに圧接され、内部にインクが入れ
られた版胴に原紙を捲着し、この版胴とプレスロ
ーラ間に挿入された印刷用紙に原紙の孔部よりイ
ンクを押し出し、インク転写が行えるようにした
謄写輪転機は知られている。

ところで従来この謄写輪転機の版胴には、イン
クの残存量等のその版胴が有する情報量を検出す
る検出手段を備える一方、その電源は版胴外部に
備えられた電源よりブラシ等を介して供給される
ようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記ブラシ等を介して電源を供給
する場合にはブラシによるノイズが発生し、これ
が検出手段による検出信号に悪影響を及ぼすとい
う不具合があり、又、長期間の使用によりブラシ
が摩耗し、その耐久性及び安定性に問題がある。

そこで本考案の目的とする処は、回転体である
版胴の内部に設けられた検出手段と外部の電源と
を電気的に接続する必要がなく、もつてノイズが
発生することなく又、耐久性及び安定性にも優れ
た謄写輪転機を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本考案は、原紙を捲
着して回転する版胴２を備えた謄写輪転機１にお
いて、前記版胴２にはインク量検出手段１４と原
紙の有無を検出する原紙検出手段１５の少なくと
も一方を備えるとともに、これらの検出手段１
４，１５に電源を供給する電源供給手段１２を備
え、該電源供給手段１２は前記版胴の側面に設け
た光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽
電池１２で構成した。

（作用） 版胴２内に電源供給手段１２を設けたため、版
胴２と外部とを電源供給のために電気的接続する
必要がなく、従つてその接続部における上記ノイ
ズの発生、耐久性及び安定性等の問題点は解決さ
れる。

又、版胴２内にインク量検出手段１４と原紙検
出手段１５の少なくとも一方を備えたので、イン
ク量と原紙の少なくとも一方の有無を確認でき
る。

（実施例） 以下に本考案の好適実施例を添付図面に基づい
て説明する。

第１図は本考案に係る謄写輪転機の主要部を示
す構成図、第２図は版胴を示す簡略図である。

謄写輪転機１において、符号２は円筒形状をし
た版胴であり、この外表面２ａには不図示の原紙
が捲着され、その長さ方向にはこの版胴外表面２
ａを圧接すべくプレスローラ３が設けられてい
る。この版胴２は駆動軸４との間に設けられたベ
ルトプーリ機構５により回転せしめられ、この版
胴２とプレスローラ３との間に挿入される印刷用
紙にインク転写を行う。

符号６はこの版胴２に印刷用紙７を給紙するた
めの給紙装置を示し、符号８は印刷用紙７を版胴
２とプレスローラ３との間に挿入する給紙ロー
ラ、また符号１０は印刷用紙７をカセツト１１か
ら給紙ローラ８まで移動させるローラである。

さて斯かる構成において版胴３の一側面２ｂに
は回転軸を中心とするリング状に太陽電池１２を
付設する一方、版胴２の内部にはその適所に信号
制御機１３、インク量検出器１４及び原紙（不図
示）の有無を検知する検出器１５が設けられると
ともにこれらと版胴２の外部とで交信を行うため
の送受信手段１６が設けられる。

インク量検出器１４はフロート式あるいは静電
容量式等の検出方式に基づくレベルスイツチから
なり版胴２内のインク量の上限及び下限レベルを
検出するものである。

原紙の有無を検知する検出器１５は超低グラム
動作型のマイクロスイツチであり不図示のスイツ
チノブ部が版胴２の外表面に臨んでいる。

送受信手段１６はフオトダイオード等の発光素
子１７ａからなる送信器１７と、フオトトランジ
スタ等の受光素子１８ａからなる受信器１８とか
らなり、これらは夫々版胴外部の謄写輪転機側に
設けられた受光素子１９及び発光素子２０の間で
パルス信号による送受信が行われる。

信号制御器１３は受信器１８により得られた受
信信号に基づき、検出器１４と検出器１５とを選
別し、選別された検出器の検出信号を送信器１７
により外部に送信するものであり、検出器１４，
１５の選別は外部信号のパルス数に基づいて行わ
れる。このパルス数は例えばインク量の検出器１
４の場合は５、原紙の有無も検出器１５の場合は
10であり、これに対する各検出器１４，１５の出
力信号は検出器１４の場合はインク量の上限（満
杯）、下限（不足）、平常（良好）を示す３種（パ
ルス数）のパルス信号が、一方検出器１５の場合
は原紙の装着完了及び未装着を示す２種（パルス
数）のパルス信号であり、これらが夫々送信器１
７により外部に送信される。

そして太陽電池１２は謄写輪転機側に設けられ
た光源２１の光エネルギを電気エネルギに変換
し、制御機器１３、検出器１４，１５及び送受信
器１７，１８に電源を供給する電源供給手段であ
る。

以上本実施例によれば外部から版胴２への電源
供給のための接触部を持たないばかりか、各種信
号の送受信を光信号により行うようにしたため交
信のための接触部をも必要とせず、従つてノイズ
等に極めて優れた情報の送受信が行い得る。

（考案の効果） 以上の説明より明らかな如く本考案によれば、
版胴の側面に太陽電池を設け、この太陽電池で検
出手段に電源を供給したので電源供給によりノイ
ズが発生することがなく版胴内外の良好な情報交
換ができ、又、耐久性、安定性の向上も図ること
ができる。一方、版胴にインク量検出手段と原紙
検出手段の少なくとも一方を備えたのでインク量
と原紙の少なくとも一方の有無も確認でき、更
に、これらの検出手段とともに太陽電池も版胴に
備えたことから装置の小型化が図り易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る謄写輪転機の主要部を示
す構成図、第２図は版胴を示す簡略図である。 そして図面中、１……謄写輪転機、２……版
胴、１２……太陽電池（電源供給手段）、１３…
…制御機器、１４……インク量検出器、１５……
原紙の検出器、１６……情報の送受信手段、であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原紙を捲着して回転する版胴を備えた謄写輪転
   機において、前記版胴にはインク量検出手段と原
   紙の有無を検出する原紙検出手段の少なくとも一
   方を備えるとともに、これらの検出手段に電源を
   供給する電源供給手段を備え、該電源供給手段は
   前記版胴の側面に設けた光エネルギーを電気エネ
   ルギーに変換する太陽電池であることを特徴とす
   る謄写輪転機。