JPH05398U - カード自動型抜きケース詰め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カードの角丸を型抜きする工程とカードをケ
ースに詰める作業を自動化して、作業性を大幅に向上さ
せ、製造コストの低減を図るものである。 【構成】 スリッターで四角形状に裁断されて積み重ね
られた複数枚のカード１を搬送するコンベア３、４と、
このコンベアの搬送路に設けられ、搬送されて来たカー
ド１を把持して、角丸２を形成する抜き型に供給するカ
ード供給機８と、前記抜き型を構成する押し型18および
角筒状の下型19と、前記抜き型に隣接して設けられ、ケ
ース部と蓋部が一体に成型された複数個のカードケース
25を収納するケースストッカー24と、このケースストッ
カー24からカードケース25を１個ずつ前記下型19の下方
に供給するプッシャー27と、角丸２を抜いたカード１が
詰められたカードケース25の蓋部を閉じる蓋部折り曲げ
機33とからなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトランプなどのカードを製造する工程で、角丸を型抜きしてからカー ドケースに自動的にカードを詰める装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般にトランプを製造する場合、複数枚のカードを１枚の大きな紙に印刷し、 これをスリッターで四角形状に１枚ずつ裁断してから、順番に並べて丁合して図 ９に示すように積み重ねる。次いでこの積み重ねたカード１を抜き型で抜いて縁 部１ａを取って図１０に示すように、カード１の四隅にアールを設けた角丸２を 形成する。この後、角丸２を形成したカード１をカードケースに詰めて製品とし ている。

【０００３】 この製造工程で、従来はスリッターで四角形状に１枚ずつ裁断してから、丁合 して積み重ねる工程までを自動的に行なう機械はあるが、連続して角丸２を型抜 きする機械や、角丸２を形成したカード１をカードケースに自動的に詰める機械 がなく、特にケースに詰める作業は手作業により行なっているため作業性が悪く 、１日に2500組製造するのが限度でありコストが高くなる問題があった。また近 年、高速のスリッターが開発され１時間に2000組のトランプを裁断、丁合するこ とができるようになったが、角丸２を型抜きする工程や手作業によるケース詰作 業が遅く、連続的に大量生産する上でネックとなっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はかかる点に鑑み種々研究を行なった結果、角丸を型抜きする工程とカ ードをカードケースに詰める作業を自動化して、作業性を大幅に向上させ、製造 コストを低減することができるカード自動型抜きケース詰め機を提供するもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はスリッターで四角形状に裁断されて積み重ねられた複数枚のカードを 搬送するコンベアと、このコンベアの搬送路に設けられ、搬送されて来たカード を把持して、角丸を形成する抜き型に供給するカード供給機と、前記抜き型を構 成する押し型および角筒状の下型と、前記抜き型に隣接して設けられ、ケース部 と蓋部が一体に成型された複数個のカードケースを収納するケースストッカーと 、このケースストッカーからカードケースを１個ずつ前記下型の下方に供給する プッシャーと、下型の下方に配置され角丸を抜いたカードが詰められたカードケ ースの蓋部を閉じる蓋部折り曲げ機とからなることを特徴とするものである。

【０００６】 更に本考案はカードを把持して、角丸を形成する抜き型に供給するカード供給 機のアームのフィンガーに、エアー吸引部を設けてカードの側面を吸着支持する 構造にしたものでも良い。

【０００７】

【作用】

本考案のカード自動型抜きケース詰め機は、先ず図示しないスリッターで四角 形状に裁断し、積み重ねられた複数枚のカードをコンベアで搬送してくる。この 搬送されてきたカードをカード供給機で把持する。次に把持したカードを押し型 と角筒状の下型とで構成された抜き型に供給して、ここでカードの縁部を切断し て角丸を形成する。この後、ケースストッカーから下型の下方に供給されていた カードケースに角丸を形成したカードを詰めてから、蓋部折り曲げ機でカードケ ースの蓋部を閉じて完成し、これを排出するようにしたものである。

【０００８】 更に本考案では、抜き型にカードを供給するカード供給機のアームに、カード を把持するフィンガーを設け、ここにエアー吸引部を設けてカードの側面を吸着 支持することにより、カードを確実に支持できると共に、角丸を裁断した後、切 り放されたカードの縁部もエアー吸引部で吸着して保持することができる。

【０００９】

【実施例】 以下本考案の実施例を図１ないし図８を参照して詳細に説明する。図におい て３は帯ベルトコンベアで、図示しないスリッターで四角形状に裁断し、丁合さ れて積み重ねられた複数枚のカード１を搬送してくるものである。４は帯ベルト コンベア３に連続する紐ベルトコンベアで、両側に２本の紐ベルトを回転自在に 設けてこの間に空間部が形成され、カード１の両端を支持して搬送するようにな っている。

【００１０】 この紐ベルトコンベア４の中間の空間部にはストッパー５が上下動自在に設け られ、紐ベルトコンベア４上を搬送されてくるカード１を所定の位置で停止させ るようになっている。このストッパー５の手前側には図２に示すようにカード１ を持ち上げるリフター６が設けられ、カード１が停止したら図示しないセンサー により作動してカード１を持ち上げるようになっている。更にこのリフター６の 上方の紐ベルトコンベア４の両側には押えシリンダー７、７が設けられ、リフタ ー６で持ち上げられたカード１の短辺側を挟持して位置決めするようになってい る。

【００１１】 ８はカード供給機で、上下動および回動自在の本体駆動部９に２本のアーム10 、10が水平に突設され、更にこのアーム10は左右にスライドして開閉するように なっている。更にアーム10の先端内側には図３および図４に示すように夫々２個 のフィンガー11、11が取付けられている。このフィンガー11の下部に爪12が内側 に突設され、カード１の下部を係止して支持するようになっている。またこのフ ィンガー11の側面にはスリット13が形成され、この内側にエアー吸引部14が形成 されている。このエアー吸引孔14はホース15により図示しない真空エジェクター を介してコンプレッサーに接続されて、スリット13からエアーを吸引しながら重 ねたカード１の側面を吸着するようになっている。

【００１２】 16は油圧抜き型部で図１に示すように、カード供給機８のアーム10が 180度回 転した位置に設置されている。この油圧抜き型部16は図２に示すように油圧シリ ンダー17に取付けられた押し型18と、この下方に固定された四角筒状の下型19と で構成されている。前記押し型18は断面逆凸型の中央部が開口し、この開口部に 中押し型20が挿着されシリンダー21により上下動自在に支持されている。また前 記下型19は、図５に示すように四隅に角丸２を設けたテーパー刃22が上端に形成 された四角筒状をなし、更にテーパー刃22の短辺側の側面に、縁切り刃23、23が 上下方向に形成されている。

【００１３】 24は角筒状をなすケースストッカーで、図２に示すように内部に多数のカード ケース25が装着されている。このカードケース25は図７に示すようにケース部25 ａと蓋部25ｂとが開閉自在にプラスチックで一体に形成されている。またケース ストッカー24の下端は図６に示すように開口され、ここにロッドレスシリンダー 26に支持された板状のプッシャー27が通過してカードケース25を１個ずつ下型19 の下方に押し出すようになっている。このケースストッカー24とプッシャー27は 夫々２組が図１に示すようにガイドレール29の上に可動自在に取付けられ、一方 のケースストッカー24のカードケース25が空になったときに、シリンダー30によ りガイドレール29上を移動して他方のケースストッカー24からカードケース25が 供給されるようになっている。

【００１４】 31は下型19の下方に設けられた吸着リフターで、図６に示すようにカードケー ス25の底面をエアーで吸引して吸着しながら下降させるようになっている。吸着 リフター31を取付けたテーブル32の上には図７に示すように蓋部折り曲げ機33が 設けられている。この蓋部折り曲げ機33はシリンダー35の先端にローラ34を取付 けた構造をなし、ローラ34が前進して蓋部25ｂを折り曲げて閉じるようになって いる。

【００１５】 更に図８に示すように蓋部折り曲げ機33に近接してテーブル32の上にプッシャ ー36が設けられ、蓋部25ｂを閉じたカードケース25をシューター37に落とすよう になっている。このシューター37は傾斜して取付けられ、この下方に排出コンベ ア38が設置されている。上記カード自動型抜きケース詰め機は紐ベルトコンベア ４に添って複数台設置されている。

【００１６】 次に上記装置の動作を説明する。印刷機で１枚の大きな紙に数十のトランプ模 様を印刷した後、この紙を図示しないスリッターで四角形状に裁断し、丁合され て積み重ねられた複数枚のカード１を図１に示すように帯ベルトコンベア３で搬 送してくる。この後、カード１は紐ベルトコンベア４に移り、ここでカード１の 両端が支持されながら搬送されてくる。カード１が搬送されてきて図示しないセ ンサーでこれを検知すると、ストッパー５が上昇してカード１がストッパー５で 停止させられる。カード１が停止したら図 2に示すようにリフター６が作動して 、カード１を持ちあげて紐ベルトコンベア４から外し、上方の紐ベルトコンベア ４の両側に設けた押えシリンダー７、７によりカード１の短辺側を挟持して位置 決めする。

【００１７】 この状態で、待機していたカード供給機８のアーム10、10が下降し、更に内側 に水平移動して図４に示すようにフィンガー11の爪12がカード１の下を係止する と共に、両側からフィンガー11で挟持して、カード１を把持する。この時、図示 しない真空エジェクターに接続されたホース15からエアーを吸引すると、フィン ガー11に設けたエアー吸引部14のスリット13からエアーが吸引されて重ね合わせ たカード１、１の間の空気が高速で通過するためカード１同志が密着して固定さ れると共に、カード１の側面がフィンガー11に吸着される。

【００１８】 この後、カード供給機８のアーム10が 180度回転して、図６に示すように把持 したカード１を油圧抜き型部16の下型19の上に移動させる。この状態で、油圧シ リンダー17が作動して押し型18を下降させると、カード１の縁部１ａが下型19の テーパー刃22との間で裁断されて角丸２が形成され、四角筒状をなす下型19の内 側に押し込まれる。

【００１９】 この時、図５に示すようテーパー刃22の外側に残る縁部１ａは、押し広げられ ながら下降する間に縁切り刃23、23で短辺側の中央部分で切断されて分離するが 、この分離した縁部１ａの側面は、フィンガー11のスリット13からエアーで吸着 しているので、落下せずにフィンガー11で支持されたままの状態でいる。この後 、シリンダー21が作動して、図６に仮想線で示すように押し型18の内側に挿着し た中押し型20が下降すると、下型19内に挟まれているカード１の中央部分を押し てカード１をカードケース25内に押し込める。

【００２０】 一方、前記カードケース25は、予めケースストッカー24内に装着されており、 ロッドレスシリンダー26が作動してプッシャー27が移動すると、ケースストッカ ー24の下端に詰められていた１個のカードケース25が下型19の下方に設けた吸着 リフター31の上に移動する。この時カードケース25の底面は吸着リフター31で吸 着されて固定されている。このようにカードケース25が待機している状態で油圧 抜き型部16で縁部１ａが裁断されたカード１が、中押し型20でカードケース25内 に押し込められる。

【００２１】 この後、吸着リフター31が下降してテーブル32の位置にカードケース25がくる と、図７に示すように蓋部折り曲げ機33のシリンダー35が作動し、先端のローラ 34が前進して蓋部25ｂを仮想線で示すように折り曲げて蓋部25ｂを閉じる。次に 蓋部25ｂを閉じたカードケース25を吸着していた吸着リフター31の吸引が解除さ れると、図８に示すようにプッシャー36が作動してカードケース25をシューター 37に落し、カードケース25は傾斜したシューター37を滑って下方に排出コンベア 38に移り、これによって外部に排出される。

【００２２】 一方、縁切り刃23、23で切断されたコ字形状の縁部１ａを吸着しているフィン ガー11は、図１に仮想線で示すように90度回転して戻り、ここで両フィンガー11 、11が開くと共に、真空エジェクターの弁を切り替えてエアー吸引部14から逆に エアーを噴射して縁部１ａを落下させる。この後再び90度回転して押えシリンダ ー７、７の上方に戻り、ここで待機して次に搬送されてくるカード１を把持する ようになっている。

【００２３】 なお上記実施例では、カード供給機８がアーム10を回転して油圧抜き型部16に カード１を供給する構造について示したが、平行移動して供給する構造でも良い 。また蓋部折り曲げ機33はローラ34を前進させて蓋部25ｂを折り曲げる構造に限 らず他の折り曲げ機構でも良い。また上記実施例ではトランプのカード１を製造 する場合について示したが、ゲームのカードやテレホンカードなど角丸を抜いて ケースに詰めるものであれば何れのカードの製造にも使用することができる。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案に係るカード自動型抜きケース詰め機によれば、角丸 を型抜きする工程とカードをケースに詰める作業を自動化して、高速スリッター と組合わせて使用することにより、１時間で2000組も製造することができ、作業 性を大幅に向上して製造コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例によるカード自動型抜きケース
詰め機を示す平面図である。

【図２】図１に示すカード自動型抜きケース詰め機の正
面図である。

【図３】本考案のカード供給機を構成するアーム先端部
分を拡大して示す斜視図である。

【図４】本考案のカード供給機を構成するアーム先端部
分を示す側面図である。

【図５】本考案の抜き型を構成する下型を拡大して示す
斜視図である。

【図６】本考案の油圧抜き型部を拡大して示す正面図で
ある。

【図７】本考案の蓋部折り曲げ機を拡大して示す側面図
である。

【図８】本考案の蓋部折り曲げ機とプッシャー部分を拡
大して示す平面図である。

【図９】角丸を抜く前の状態のトランプカードを示す斜
視図である。

【図１０】角丸を抜いた後の状態のトランプカードを示
す斜視図である。

【符合の説明】

１ カード １ａ 縁部 ２ 角丸 ３ 帯ベルトコンベア ４ 紐ベルトコンベア ６ リフター ７ 押えシリンダー ８ カード供給機 ９ 本体駆動部 10 アーム 11 フィンガー 13 スリット 16 油圧抜き型部 18 押し型 19 下型 20 中押し型 22 テーパー刃 24 ケースストッカー 25 カードケース 25ｂ 蓋部 31 吸着リフター 33 蓋部折り曲げ機 34 ローラ 36 プッシャー 37 シューター 38 排出コンベア

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリッターで四角形状に裁断されて積み
   重ねられた複数枚のカードを搬送するコンベアと、この
   コンベアの搬送路に設けられ、搬送されて来たカードを
   把持して、角丸を形成する抜き型に供給するカード供給
   機と、前記抜き型を構成する押し型および角筒状の下型
   と、前記抜き型に隣接して設けられ、ケース部と蓋部が
   一体に成型された複数個のカードケースを収納するケー
   スストッカーと、このケースストッカーからカードケー
   スを１個ずつ前記下型の下方に供給するプッシャーと、
   下型の下方に配置され角丸を抜いたカードが詰められた
   カードケースの蓋部を閉じる蓋部折り曲げ機とからなる
   カード自動型抜きケース詰め機。
2. 【請求項２】 カード供給機のカードを把持するアーム
   のフィンガーに、エアー吸引部を設けたことを特徴とす
   る請求項１記載のカード自動型抜きケース詰め機。