JPH0539768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はプレス機械のバツクゲージ装置に係
り、更に詳細にはバツクゲージ装置の移動位置決
め部材の駆動部分に粉塵が付着するのを防止する
防塵装置に関する。

（従来の技術） 従来、プレス機械例えばプレスブレーキにおい
て、板材の後縁を突当てて位置決めするストツパ
部材を備えたバツクゲージ装置が下部金型ホルダ
の後方側に設けられている。

そのバツクゲージ装置は前記下部金型ホルダに
対して前後方向へ接近・離反自在に移動可能とな
つている。

そのバツクゲージ装置の移動位置決め部材を駆
動する駆動部分に粉塵が侵入するのを防ぐために
防塵装置が設けられている。

その防塵装置としては、移動位置決め部材を上
方から防塵カバーで覆つたものや、移動位置決め
部材の駆動部分を上面カバーと下面カバーで覆つ
たものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の防塵装置のうち、前者の
防塵カバーは上方から防塵カバーで移動位置決め
部材を覆つているものの、移動位置決め部材は左
右の防塵カバーの開口溝を貫いて突出しているた
めその開口溝から粉塵が侵入してしまい完全な防
塵装置となつていない。

また、後者の防塵カバーは上面カバーと下面カバ
ーとに分けられており、上面カバーと下面カバー
との間に下向き開放溝が残り、その開放溝より粉
塵が侵入する恐れがあつてこれまた完全な防塵装
置となつていない。

その結果、移動位置決め精度が劣化し、駆動部
分の摩耗が短期間に発生し、バツクゲージ装置の
寿命を短縮せしめる原因となつている。

本考案は上記問題点を改善するため、移動位置
決め部材を駆動する駆動部分に粉塵が侵入するの
を防止するほぼ完全な防塵装置を設けて移動位置
決め精度の劣化を防止すると共にバツクゲージ装
置自体の長寿命化を図つたプレス機械のバツクゲ
ージ装置を提供することにある。

［考案の効果］ （問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、プレス機
械の下部金型ホルダに後方へ延伸したベースを取
付け、そのベースに対し前後方向へ移動自在な移
動位置決め部材を設け、その移動位置決め部材に
設けられた左右方向へ延伸したストレツチに板材
の後縁を突き当て位置決めするストツパ部材を備
えたプレス機械のバツクゲージ装置にして、前記
移動位置決め部材は第１水平部と、第２水平部お
よび第１水平部と第２水平部を連接する垂直部と
からなり、その垂直部および第２水平部を通過さ
せる開口溝を残して前記ベースに支承された上面
カバーと下部カバーを設け、その開口溝を覆う環
状ベルトを前後方向に前記垂直部の前後面に取付
け、前記移動位置決め部材の垂直部、第２水平部
に対向した上面カバー、下面カバーの対向面に磁
性体を設けてプレス機械のバツクゲージ装置を構
成した。

（作用） 本考案のバツクゲージ装置を採用することによ
り、移動位置決め部材が下部金型ホルダの後方へ
延伸して取付けられたベースに対して前後方向に
移動し、移動位置決め部材にストレツチを介して
取付けられたストツパ部材に板材の後縁が突き当
てられて板材が正確に位置決めされる。板材が位
置決めされる際、移動位置決め部材が前後方向に
移動される。その移動位置決め部材の移動に対し
て外部ら開口部を通して粉塵が侵入するのを上面
カバー、下面カバーおよび環状ベルトの作用によ
り防止している。さらに鉄粉などの粉塵が開口部
から侵入したとしても、上面カバー、下面カバー
に設けた磁性体に吸着せしめることにより、粉塵
は駆動部分に到達しない。したがつて、位置決め
精度の劣化を防ぐと共にバツクゲージ装置自体の
長寿命化を図ることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図および第２図および参照するに、プレス
ブレーキなどのプレス機械におけるバツクゲージ
装置１は、下部金型ホルダ３の後方側第１図にお
いて右側に設けられている。その下部金型ホルダ
３の後方第１図において右方には支持プレート５
に一体化されたベース７が前後方向第１図におい
て左右方向へ延伸して設けられている。その支持
プレート５は複数のボルトで前記下部金型ホルダ
３の右側面に取付けられている。

そのベース７は第２図に示されているようにほ
ぼＨ形断面を有しており、ベース７の上面中央部
にはリニアモータの二次側極子９が複数のボルト
でベース７の下方から固定されている。

ベース７の上方には移動位置決め部材１１が設
けられており、その移動位置決め部材１１の前記
ベース７における両フランジ部に対向した下面に
は４個のローラ１３が回転自在に支承されてい
る。また、移動位置決め部材１１の前後両側に
は、前記ベース７の両フランジ部の両側面に沿つ
て案内される４個のローラ１５が回転自在に支承
されている。

移動位置決め部材１１は第２図において上下方
向へ延伸した上部の第１水平部１１Ａと、その第
１水平部の両端から左右方向へ延伸した各垂直部
１１Ｂと、その各垂直部１１Ｂからそれぞれ上下
方向へ延伸した下部の第２水平部１１Ｃとを連接
し一体化されている。

前記移動位置決め部材１１における第１水平部
１１Ａの下部には第２図に示す如く永久磁石１７
を介してＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの４本の極歯からなるリ
ニアモータの一次側極子１９が取付けられてお
り、その一次側極子１９は前記二次側極子９と一
定のギヤツプを保つている。

前記リニアモータの一次側極子１９はＡとＣの
極歯が永久磁石１７の例えばＮ極に磁化されてお
り、同時に同じコアに直列に巻かれたコイルによ
つてパルス的に相反する励磁がなされるようにな
つている。またＢとＤの極歯は永久磁石１７でＳ
極に磁化される他は、ＡとＣとの場合と同様に励
磁される。

さらに、例えばＡとＢ，ＣとＤの極歯との位相
差を１／4P（波長）に設け、二相パルスで電磁磁
励するならば１／8Pまで微少歩進が正確に得ら
れるようになつている。

第１図において上方側の第１水平部１１Ａにはケ
ーブルトラフ２１が取付けられており、ケーブル
トラフ２１内にはリニアモータを駆動するための
電線が収納されている。

前記移動位置決め部材１１の各第２水平部１１Ｃ
にはモータ２３が取付けられており、そのモータ
２３にはチエーンやスプロケツトなどの伝達手段
を介してし昇降装置２５が連結されている。その
各昇降装置２５の上部第２図において左部には、
上下方向へ延伸したストレツチ２７が一体化され
ている。

そのストレツチ２７には複数のストツパ部材２
９が取付けられており、その各ストツパ部材２９
はストレツチ２７の長手方向に位置調整自在とな
つている。

前記ベース７の一端第１図において下端には、
ラック３１が左右方向に延伸して設けられてお
り、そのラック３１にはピニオン３３が噛合され
ている。しかも、そのピニオン３３の回転軸３５
にはエンコーダ３７が装着されている。

前記ベース７の第１図において右端には支持プ
レート３９が上下方向に一体化されており、その
支持プレート３９と前記支持プレート５との上下
部にはそれぞれローラブラケット４１，４３が取
付けられている。より詳細には第３図、第４図に
示されているように、ローラブラケット４１，４
３には回転自在なローラ４５，４７が支承されて
いる。そのローラ４５，４７には環状ベルト４９
が巻回され、第４図に示す如く、環状ベルト４９
の両端は前記各第１水平部１１Ａの両端にＬ字形
状のベルト押えプレート５１で取付けられてい
る。

上記構成により、リニアモータを作動させる
と、二次側極子９に対して一次側極子１９が第１
図において左右方向に４個のローラ１３，１５で
案内されて移動する。一次側極子１９は移動位置
決め部材１１における第１水平部１１Ａの下部に
取付けられており、かつ移動位置決め部材１１に
はストレツチ２７を介して複数のストツパ部材２
９が取付けられているから、一次側極子１９の移
動と共に、同方向へストツパ部材２９が位置決め
され、そのストツパ部材２９に第１図において左
側から板材Ｗを移動させてきて突当てることによ
り板材Ｗが正確に位置決めされることになる。

移動位置決め部材１１の移動距離はエンコーダ
３７によつて正確に検出される。

前記移動位置決め部材１１の第１水平部１１Ａ
の上面と、垂直部１１Ｂの外側を覆つた上面カバ
ー５３が前記ベース７に突設された支柱５５に取
付けられている。また、移動位置決め部材１１の
垂直部１１Ｃの下部まで覆つた下面カバー５７が
前記ベース７の下面に取付けられており、移動位
置決め部材１１の駆動部分を上面カバー５３と下
面カバー５７によつて覆つている。

上面カバー５３と下面カバー５７とによつて、
第５図に示されているように、前記垂直部１１Ｂ
と第２水平部１１Ｃの上下面が覆われている。す
なわち、上面カバー５３と下面カバー５７で覆わ
れた垂直部１１Ｂとの間にはわずかな開口溝部５
９が形成されると共に、第２水平部１１Ｃの上下
面との間にはわずかな開口部６１が形成されてい
る。

その垂直部１１Ｂと第２水平部１１Ｃを覆つた
上面カバー５３と下面カバー５７におけるそれぞ
れの内面には、磁性体としてのマグネツトテープ
６３が取付けられている。

上記構成により、開口部６１より侵入した鉄粉
などの粉塵は、上面カバー５３，下面カバー５７
の内面に取付けられたマグネツトテープ６３に付
着する。したがつて、磁性体である鉄粉などの粉
塵に対してマグネツトテープ６３に付着すること
で、開口溝部５９から内部へ粉塵が侵入すること
を防止することができる。

さらに、開口溝部５９へ侵入しようとする粉塵
に対しては、環状ベルト４９により内部への侵入
が防止できる。

したがつて、移動位置決め部材１１を移動させ
る駆動部分には、ほぼ完全に粉塵を外部から侵入
するのを防止できるため、移動位置決め部材の位
置決め精度が劣化することなく、駆動部分の摩耗
も少なくなり、バツクゲージ装置自体の長寿命化
を図ることができる。

マグネツトテープ６３を上面カバー５３，下面
カバー５７の内面に取付けた他の実施例が第６図
および第７図に示されている。第６図および第７
図において上面カバー５３，下面カバー５７の内
面に取付けたマグネツトテープ６３が垂直部１１
Ｂに接触してかつマグネツトテープ６３同志を重
ね合せることによつて、前述した実施例よりも、
さらに、開口溝部５９から内部へ粉塵が侵入され
ることがほとんどなくなり好ましいものである。

なお、本考案は前述した実施例に限定されるこ
となく、適宜の変更を行なうことにによつて、そ
の他の態様で実施し得るものである。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、本考案によれば、実用新案登録請求の範囲に
記載された構成のとおりであるから、バツクゲー
ジ装置のストツパ部材を移動せしめる移動位置決
め部材の駆動部分に外部がら粉塵などが侵入する
ことを防止することができる。而して、位置決め
精度が劣化することなく、かつ駆動部分の摩耗も
少なくなり、バツクゲージ装置の長寿命化を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した一実施例のプレス機
械のバツクゲージ装置の平面図、第２図は第１図
における−線に沿つた断面図である。第３図
は第１図に示した環状ベルトの拡大平面図、第４
図は第３図における正面図である。第５図は第４
図における−線に沿つた拡大断面図、第６図
は第５図に代る他の実施例を示す図、第７図は第
６図における−線に沿つた拡大断面図であ
る。 １……バツクゲージ装置、３……下部金型ホル
ダ、７……ベース、１１……移動位置決め部材、
１１Ａ……第１水平部、１１Ｂ……垂直部、１１
Ｃ……第２水平部、２７……ストレツチ、２９…
…ストツパ部材、４９……環状ベルト、５３……
上面カバー、５７……下面カバー、５９……開口
溝部、６１……開口部、６３……マグネツトテー
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス機械の下部金型ホルダに後方へ延伸した
   ベースを取付け、そのベースに対し前後方向へ移
   動自在な移動位置決め部材を設け、その移動位置
   決め部材に設けられ左右方向へ延伸したストレツ
   チに板材の後縁を突き当て位置決めするストツパ
   部材を備えたプレス機械のバツクゲージ装置にし
   て、前記移動位置決め部材は第１水平部と、第２
   水平部および第１水平部と第２水平部を連接する
   垂直部とからなり、その垂直部および第２水平部
   を通過させる開口溝を残して前記ベースに支承さ
   れた上面カバーと下部カバーを設け、その開口溝
   を覆う環状ベルトを前後方向に前記垂直部の前後
   面に取付け、前記移動位置決め部材の垂直部、第
   ２水平部に対向した上面カバー、下面カバーの対
   向面に磁性体を設けてなることを特徴とするプレ
   ス機械のバツクゲージ装置。