JPH0539707U - ロ−ラ−テ−ブル上高温材料の下面側保温体 - Google Patents
ロ−ラ−テ−ブル上高温材料の下面側保温体Info
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- JPH0539707U JPH0539707U JP9373491U JP9373491U JPH0539707U JP H0539707 U JPH0539707 U JP H0539707U JP 9373491 U JP9373491 U JP 9373491U JP 9373491 U JP9373491 U JP 9373491U JP H0539707 U JPH0539707 U JP H0539707U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ロ−ラ−テ−ブル上を移送される高温材料の
温度効果を顕著に抑制できる手段を確立する。 【構成】 内部に保温材を収納すると共に、 実質的上側
面を水平面に対し傾斜させてロ−ラ−エプロン3に装着
された“複数個の耐熱鋼製箱体4”でロ−ラ−テ−ブル
上の高温材料に対する下面側保温体を構成し、 これによ
りテ−ブルロ−ラ−1,1間からロ−ラ−テ−ブル上へ
冷気が侵入するのを防止する。
温度効果を顕著に抑制できる手段を確立する。 【構成】 内部に保温材を収納すると共に、 実質的上側
面を水平面に対し傾斜させてロ−ラ−エプロン3に装着
された“複数個の耐熱鋼製箱体4”でロ−ラ−テ−ブル
上の高温材料に対する下面側保温体を構成し、 これによ
りテ−ブルロ−ラ−1,1間からロ−ラ−テ−ブル上へ
冷気が侵入するのを防止する。
Description
【0001】
この考案は、例えば熱延工場における粗圧延機と仕上圧延機間等に設置された ロ−ラ−テ−ブル上を移動する高温材料(粗バ−,直鋳材,スラブのような高温 鋼材等)の温度降下を防止するための、高温材料の下面側に配置する保温体に関 するものである。
【0002】
近年、鋼材や非鉄材料を製造する際に良好な材質を確保しつつ省エネルギ−, 省力化を推し進めるに当り、製造ライン上での高温材料の放熱防止が重要な課題 となっている。このため、例えば特開平2−147113号公報に記載されてい るように、高温材料を搬送するロ−ラ−テ−ブルの上部に保温カバ−を設置する 対策が採られるようになってきた。
【0003】 確かに、ロ−ラ−テ−ブルの上部に保温カバ−を設置することで高温材料の熱 放散は著しく抑制されるようになったが、それでも一段と厳しさの度合いを増し ている省エネルギ−・省力化要求に応えるには不十分な状況となりつつあった。
【0004】 このようなことから、本考案者等は、放熱対策として上部に保温カバ−が設置 されたロ−ラ−テ−ブルを用い、このロ−ラ−テ−ブル上を移送される高温材料 の放熱状況について詳細な調査を実施したところ、「ロ−ラ−テ−ブルの上部に 保温カバ−を設置すると、 上昇傾向にある暖気が閉じ込められてロ−ラ−テ−ブ ル上を覆うのでロ−ラ−テ−ブル上へ冷気が侵入しにくくはなるものの、 やはり テ−ブルロ−ラ−の間を抜けてその下部から冷気が侵入するのを防止することは 難しく、 しかもこのロ−ラ−テ−ブル下部から侵入した冷気による奪熱作用は予 想以上に大きい」との結論を下す結果となった。
【0005】 そこで、従来は考慮されることがなかった高温材料下面側の保温対策も重要で あることを認識し、ロ−ラ−テ−ブルの下部にも保温カバ−を設置する検討を行 った。しかし、ロ−ラ−テ−ブルの下部に保温カバ−を設置することは、設備の 保守や作業性等の点で到底容認できる手立てとは言えないものであった。
【0006】 そのため、本考案者等は、既設のロ−ラ−テ−ブルでは隣合うテ−ブルロ−ラ 間にロ−ラエプロン金物(搬送材料が落下したりロ−ラに突き当たるのを防止す るガイドの役割を担う)が設置されていることに着目し、「このロ−ラエプロン 金物に保温材を取付けて隣合うテ−ブルロ−ラ間の隙間を埋めれば、 該テ−ブル ロ−ラ間から冷気が侵入するのを防止することができる上、 ロ−ラ−テ−ブルの 保守や作業性等に大きな悪影響を与えることもない」と考えた。
【0007】 即ち、図8及び図9はロ−ラ−テ−ブルに配設される一般的なロ−ラ−エプロ ン金物の例を示した説明図で、図8は要部平面図、図9はそのA−A断面図であ るが、従来のロ−ラ−テ−ブルでは、図示した如く、搬送材料が落下したりロ− ラに突き当たるのを防止するためにテ−ブルロ−ラ−1,1間に30〜40mm厚の 鋼板で作られたロ−ラ−エプロン金物2が設置されている。しかし、高温材料の 下面保熱に関する考慮がなされていないので、ロ−ラ−エプロン金物2を通過し て下部からの冷気の侵入は自由であり、上部に保温カバ−を設けても保温対策は 十分でない。そこで、このロ−ラ−エプロン金物2に保温材を取付けて下部から の冷気の侵入を防止しようと考えた訳である。
【0008】 ところが、ロ−ラ−エプロン金物に保温材を設けようとしても、次に示すよう な新たな問題を克服しなければならなかった。 a) 例えば粗バ−,スラブ等の高温鋼材を搬送するロ−ラ−テ−ブルでは種々 の要因でテ−ブルロ−ラ−が外部冷却されることが多いが、この時噴射される冷 却水や発生する水蒸気は当然に保温材にもかかってしまい、従って保温材には高 温鋼材による急加熱と冷却水等による急冷とが繰り返されるため、その傷みが非 常に激しい,
【0009】 b) また、保温材の表面は、例えば高温鋼材を搬送している時は高温(600 〜800℃)になり、鋼材を搬送しない時は常温雰囲気のため温度降下するが、 このように常に大きな温度変化を受けているため熱歪が大きく、そのため保温材 の劣化が激しい,
【0010】 c) 例えば高温鋼材を搬送していると鋼材が酸化するためにスケ−ル落下が生 じ、保温材の上に多量のスケ−ルが蓄積する。
【0011】
本考案は、上記問題を解決し、ロ−ラ−テ−ブル上を移動する高温材料の下面 側における保温を簡易かつ効果的に行うことができる手段を提供すべくなされた もので、 「内部に保温材を収納すると共に、 実質的上側面を水平面に対し傾斜させてロ −ラ−エプロンに装着された“複数個の耐熱鋼製箱体”でロ−ラ−テ−ブル上の 高温材料に対する下面側保温体を構成し、 これによりテ−ブルロ−ラ−間からロ −ラ−テ−ブル上へ冷気が侵入するのを防止して高温材料の保温に大きく資する ようにした点」 を特徴とするものである。
【0012】 ここで、耐熱鋼製箱体はその形状が格別に制限されるものではないが、製作の 容易性や取扱の点からすれば円柱形,三角柱形或いは四角柱形が適当である。そ して、箱体の材質も耐熱鋼であれば種類を問わないが、湿潤雰囲気中での耐食性 等を考慮すれば1〜6mm厚程度のステンレス鋼板で作成するのが良い。 また、耐熱鋼製箱体の内部に収納する保温材としては、搬送する高温材料の熱 影響に耐えるものであれば格別にその種類は制限されないが、収納の容易性や冷 却水浸入による劣化が少ない等の観点からセラミックファイバ−のブランケット かバルクを使用するのが好適であると言える。
【0013】 なお、耐熱鋼製箱体の「実質的上側面」とは、上側に面した「スケ−ル等の堆 積が問題となる比較的広い面」のことであって、平面又は曲面を問うものではな いが、「スケ−ル等の堆積が問題とならない程度の狭い面」までをも含むもので はない。
【0014】 次に、本考案を実施例に基づいてその作用・効果と共により詳細に説明する。 図1及び図2は本考案保温体の1例に係わる説明図で、図1はロ−ラ−テ−ブ ル搬送設備のテ−ブルロ−ラ−間に配設された保温体の配置状態を示す要部平面 図、図2はそのB−B断面図である。 この例で示す保温体は、既設のロ−ラエプロン金物を兼用した架台3に複数個 の三角柱型断熱体4が配列され係止金具5で係止されて成るものであるが、前記 三角柱型断熱体4は落下するスケ−ルが溜まらないように上側面が水平面に対し て傾斜した姿勢で配置されている。なお、図示した三角柱型断熱体4は上部稜角 部が水平に面取りされているが、この程度の小さい水平面であれば実質的なスケ −ルの堆積が生じることはない。勿論、面取り部は必須のものではない。
【0015】 図3は上記三角柱型断熱体4の寸法及び断面構造の例を示しているが、この断 熱体は耐熱鋼製の鋼板で作られた三角柱型箱体6の中にセラミックファイバ−製 の保温材7(耐熱温度:1400℃)を充填して成るもので、セラミックファイ バ−製保温材7が用いられているが故に十分な保温効果を有する。また、保温材 7が耐熱鋼製の鋼板で包まれているので耐水・耐雰囲気性は十分である上、上部 からスケ−ルが落ちてきても保温材の内に混入するのが防げるので保温効果が低 下せず、しかも強度的にも満足できるものとなっている。
【0016】 架台3に取付ける断熱体としては、図4に示したような四角柱型のもの(面取 りが施されていなくても差支えはない)を図示の如き姿勢で配置したり、或いは そのほか任意形状のものを適用することもできる。なお、図4に示す四角柱型断 熱体も、耐熱鋼製の四角柱型箱体8にセラミックファイバ−製の保温材7を充填 することにより容易に製作することができる。
【0017】 そして、上述した本考案に係わる保温体では、断熱部材が配置箇所全面を覆う 一体型のものではなくて小分割された箱体(断熱体)の寄せ集めで構成されてい るため、熱歪の影響が極めて小さい。 なお、断熱体の形状を正三角柱型や四角柱型にすると、上側面が熱によって歪 んで痛んだとしても、これを反転させて裏側面を上面にして使用すれば寿命が倍 増するという利点が生まれる。
【0018】 ところで、図5及び図6は本考案保温体の別例に係わる説明図で、図5は円柱 型断熱体を用いた保温体の配置状態を示す要部平面図、図6はそのC−C断面図 である。 この例で示した保温体は、既設のロ−ラエプロン金物を兼用した架台3に固設 された受け金具9の上に複数個の円柱型断熱体10を載置・配列して成るものであ るが、前記円柱型断熱体10は図7に示す如き断面構造を有している。
【0019】 即ち、この断熱体は耐熱鋼製の鋼板で作られた円筒型箱体11(市販のステンレ ス鋼製鋼管を使用できる)の中にセラミックファイバ−製の保温材7(耐熱温度 :1400℃)を充填して成るもので(符号12は空気孔)、箱体を円筒形とした ため前述した三角柱型や四角柱型のものに比して熱歪に対する抵抗力が一段と向 上する。勿論、上側面が円筒曲面となっているためスケ−ルの堆積はない。 更に、円柱型の断熱体では、上側面が熱で傷んでも断熱体を回転させるだけで 上側に正常な面を向けることができるので(受熱面を90度ずつ変えて使用する ことができる)、使用寿命もより長くなる。
【0020】 以上に説明した本考案の主要効果を整理すると、次の通りである。 イ) ロ−ラ−テ−ブルのテ−ブルロ−ラ−間に本考案に係わる下面保温体を設置 すると、下面から高温材料搬送部への空気の侵入を遮断することができ、ロ− ラ−テ−ブル上を搬送される高温材料(高温鋼板等)の温度降下が極めて少な くなる。また、作業の進行に伴って下面保温体を構成する断熱体の保温材に熱 が蓄熱されるため、その保温効果は一層高まる。 ロ) 下面保温体を構成する断熱体は複数に小分割(小型)化されているので1個 当りの熱影響が小さく、そのために熱歪に強くて寿命が長い。 ハ) 断熱体を構成する保温材は耐熱鋼製の箱体の中に充填されているので、冷却 水がかかっても水分浸入による保温材の劣化は防止できる。 ニ) 保温材の外周が耐熱鋼で囲われているので上部からスケ−ルが落ちてきても 保温材の内部に混入することがなく、そのため保温効果に変化がない。 ホ) 断熱体の熱を受ける面が熱歪等で傷んだとしても該断熱体を回転させれば傷 みのない正常面を容易に上側へ対向させることができ、そのため使用寿命は更 に長くなる。 ヘ) 断熱体を架台の受け金具の上に単に載せる構成とできるので、その回転,取 替が極めて容易である。
【0021】 さて、前記図1及び図2、並びに図5及び図6に示した下面側保温体を、熱延 ラインの粗圧延機と仕上圧延機間の“上部に特開平2−147113号公報所載 の保温カバ−が設置されたロ−ラ−テ−ブル”に設置して圧延作業を実施したと ころ、下面側保温体を設置しなかった従来作業時に比べて保温効果が著しく向上 することが確認された。
【0022】 しかも、本考案に係わる下面側保温体では、断熱体上にスケ−ルが堆積するこ ともなく、また断熱体が小分割化されたものの寄せ集め体で構成されているため に熱歪が小さくて極めて長い寿命を示した。更に、前記断熱体は金物の上に単に 載置してあるだけなので、補修時の交換を非常に簡単に実施することができた。
【0023】
上述のように、この考案によれば、ロ−ラ−テ−ブル上を移送される高温材料 の保温効果が大きくて補修も容易な上、使用による保温機能の低下が殆どない長 寿命の高温材料用下面側保温体を提供することができ、高品質鋼材等の省エネル ギ−,省力生産に大きな貢献が期待されるなど、産業上有用な効果がもたらされ る。
【図1】本考案の1例に係わる保温体の配置状態を示す
要部平面図である。
要部平面図である。
【図2】図1における装置のB−B断面図である。
【図3】三角柱型断熱体の断面説明図である。
【図4】四角柱型断熱体の断面説明図である。
【図5】本考案の別例に係わる保温体の配置状態を示す
要部平面図である。
要部平面図である。
【図6】図5における装置のC−C断面図である。
【図7】円柱型断熱体の断面説明図である。
【図8】従来のロ−ラ−テ−ブルにおけるロ−ラ−エプ
ロン金物を説明した要部正面図である。
ロン金物を説明した要部正面図である。
【図9】図8におけるロ−ラ−エプロン金物のC−C断
面図である。
面図である。
1 テ−ブルロ−ラ− 2 ロ−ラ−エプロン金物 3 架台 4 三角柱型断熱体 5 係止金具 6 三角柱型箱体 7 保温材 8 四角柱型箱体 9 受け金具 10 円柱型断熱体 11 円筒型箱体 12 空気孔
Claims (2)
- 【請求項1】 ロ−ラ−テ−ブル上の高温材料を保温す
るためのテ−ブルロ−ラ−間に配置する保温体であっ
て、内部に保温材が収納され、ロ−ラ−エプロンに装着
された複数個の耐熱鋼製箱体から成り、かつ前記箱体の
実質的上側面が水平面に対して傾斜していることを特徴
とする、高温材料の下面側保温体。 - 【請求項2】 前記箱体が円柱,三角柱又は四角柱の何
れかであることを特徴とする、請求項1に記載の高温材
料の下面側保温体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9373491U JPH0539707U (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ロ−ラ−テ−ブル上高温材料の下面側保温体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9373491U JPH0539707U (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ロ−ラ−テ−ブル上高温材料の下面側保温体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539707U true JPH0539707U (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=14090644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9373491U Pending JPH0539707U (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ロ−ラ−テ−ブル上高温材料の下面側保温体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0539707U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010240684A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延ラインにおけるテーブルロールのエプロンおよびその運転方法ならびに熱延金属帯の製造方法 |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP9373491U patent/JPH0539707U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010240684A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延ラインにおけるテーブルロールのエプロンおよびその運転方法ならびに熱延金属帯の製造方法 |
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