JPH0539280A - サツカロアスコルビン酸誘導体および血栓症予防治療剤 - Google Patents

サツカロアスコルビン酸誘導体および血栓症予防治療剤

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JPH0539280A
JPH0539280A JP17834291A JP17834291A JPH0539280A JP H0539280 A JPH0539280 A JP H0539280A JP 17834291 A JP17834291 A JP 17834291A JP 17834291 A JP17834291 A JP 17834291A JP H0539280 A JPH0539280 A JP H0539280A
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acid
compound
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benzyl
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Withdrawn
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JP17834291A
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English (en)
Inventor
Koichi Kato
光一 加藤
Hironaga Masuya
浩大 桝屋
Kyohiko Moriya
教彦 守谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 〔上記式中、R1およびR2はそれぞれ炭化水素残基を示
し、R3はスルホ基またはホスホノ基を示し、−CO−
4はエステル化されているカルボキシル基,チオール
エステル化されているカルボキシル基またはアミド化さ
れているカルボキシル基を示し、〜は絶対配位Rまたは
Sを示す。〕で表わされる化合物またはその塩。 【効果】この化合物は血栓症予防治療として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なサッカロアスコ
ルビン酸誘導体および該化合物を含有する血栓症予防治
療剤に関する。さらに詳しくは、本発明の血栓症予防治
療剤はサッカロアスコルビン酸誘導体を血管内皮細胞に
作用させて線維素溶解(線溶)反応を亢進させるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】血液は常に流動性を維持しながら血管内
を循環しているが、炎症,外傷,血管内皮障害などの病
的状態においては種々の凝固系因子の関与する凝固カス
ケード反応が進行して、最終段階でフィブリノーゲンか
らフィブリンへの変換が起こり凝固する。その著しい例
が血管内凝固であり、局所的には血栓症が代表的な例と
してあげられる。血管内に析出したフィブリンは血管を
閉塞して、心筋梗塞や脳梗塞などの時として致命的な疾
患の原因となる。
【0003】循環血液中にはプラスミノーゲンと呼ばれ
る酵素前駆体が存在し、プラスミノーゲンアクティベー
タによる限定分解を受けてプラスミンへ変換されること
が知られている。プラスミンはフィブリンに親和性を有
するセリンプロテアーゼであって、フィブリンを分解し
溶解する。これら一連の反応を線維素溶解(線溶)反応と
呼ぶ。線溶反応を亢進する薬剤は一度生成したフィブリ
ンを溶解、除去するので、血栓症の治療や再発の防止に
有効である。酵素前駆体であるプラスミノーゲンを活性
化してプラスミンを生成することによって線溶反応を亢
進させる薬剤として、従来からウロキナーゼ,組織プラ
スミノーゲンアクティベータ,ストレプトキナーゼ,プ
ロウロキナーゼなどのプラスミノーゲン活性化製剤もし
くは蛋白製剤が使用されてきた(バイオキミカ・エト・
バイオフィジカ・アクタ,24,278,1957、ジ
ャーナル・オブ・バイオ ロジカル・ケミストリー,
56,7035,1981、トレンズ・イン・バイオケ
ミカル・サイエンシズ,,1,1979、ブラッド,
67,1215,1986)。また、L−アスコルビン
酸のレチノイルエステル(特開昭63−66160)やレ
チノイン酸とL−アスコルビン酸(特開昭62−13)と
を有効成分とする血栓症の予防および治療用組成物も知
られている。また、スタノゾロールなどのステロイドが
抗血栓作用を持つという報告もある(フィブリノリシス
第1巻,29−32頁(1987年))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの薬剤のうち、
例えばウロキナーゼや組織プラスミノーゲンアクティベ
ータなどの酵素製剤は、血中半減期が短かく、大量に投
与された場合には全身性の出血傾向を招来する。ストレ
プトキナーゼは細菌由来の異種蛋白質であるために免疫
原性を有している。アスコルビン酸とレチノイン酸等は
作用を発揮するために高濃度を必要とする。ステロイド
類は副作用が強い。既存の薬物はこのような欠点を有し
ており、さらに効果が高く副作用の少ない新しい治療薬
の出現が望まれた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血管内皮
細胞の産生するプラスミノーゲンアクティベータがプラ
スミノーゲンに作用してプラスミンを生成する事実に着
目し、血管内皮細胞のプラスミノーゲンアクティベータ
産生を促進誘導する物質を広く探索した結果、サッカロ
アスコルビン酸の誘導体の創製に成功すると共に、この
誘導体が該活性を有することを発見し、さらに鋭意研究
を重ねて本発明を完成するに至った。本発明は、新規な
サッカロアスコルビン酸誘導体および該化合物を含有す
る血栓症予防治療剤を提供するものである。本発明に係
る血栓症とは、血液の血管内凝固を伴なう病的状態すべ
てを云い、その結果引き起こされる疾患のすべては本発
明の対象疾患に含まれる。
【0006】本発明は一般式(I):
【化4】 〔上記式中、R1およびR2はそれぞれ炭化水素残基を示
し、R3はスルホ基またはホスホノ基を示し、−CO−
4はエステル化されているカルボキシル基,チオール
エステル化されているカルボキシル基またはアミド化さ
れているカルボキシル基を示し、〜は絶対配位Rまたは
Sを示す。〕で表わされるサッカロアスコルビン酸誘導
体またはその塩に関する。上記式(I)において5位のO
3基が右側にあるとき(絶対配置R)はL−グロサッカ
ロアスコルビン酸誘導を表わし、左側にあるとき(絶対
配置S)はD−グルコサッカロアスコルビン酸誘導体を
表わす。
【0007】R1およびR2で表される炭化水素残基は、
式(I)の2位または3位の酸素原子を介してエーテル結
合しているものが挙げられる。通常、炭化水素残基は炭
素数1〜24である。具体的には、アルキル基やアラル
キル基などが挙げられる。
【0008】該アルキル基としては、炭素数1〜24の
直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が使用され、例
えば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペ
ンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニ
ル基,デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシ
ル基,テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル
基,ヘプタデシル基,オクタデシル基,ノナデシル基,
エイコシル基,ヘニコシル基,ドコシル基,トリコシル
基,テトラコシル基,シクロプロピル基,シクロヘキシ
ル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル基などが挙げ
られる。これらの基は置換基を有していてもよく、例え
ば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン、カル
ボキシル基またはそのエステル、カルバモイル基、ニト
ロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げら
れる。また、シクロアルキル基の場合、上記した置換基
の他にも、炭素数1〜4の直鎖状または分枝状のアルキ
ル基が置換されていても良い。該アラルキル基として
は、通常、炭素数1〜4などの低級アルキル基にフェニ
ル基等の芳香族基が置換したものが挙げられ、総炭素数
は7〜24のものが好ましい。代表的にはベンジル基,
フェネチル基,フルフリル基,フェニルプロピル基,フ
ェニルブチル基などが挙げられる。なかでも、ベンジル
基が好ましくは用いられる。このようなアラルキル基も
置換基を有していてもよく、通常はアラルキル基の芳香
族基上に置換されている。
【0009】該置換基としては、フッ素,塩素,臭素,
ヨウ素などのハロゲン、カルボキシル基またはそのエス
テル、カルバモイル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンにより置換
されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基などが挙げ
られる。−CO−R4で示すエステル化されているカル
ボキシル基およびチオールエステル化されているカルボ
キシル基の場合、−CO−O−R5および−CO−S−
6の式で表わされる。この時、R5およびR6はそれぞ
れ炭素数1〜24の炭化水素残基を示す。この炭化水素
残基の具体例は上記と同じである。また、−CO−R4
で示すアミド化されているカルボキシル基の場合、
【化5】 該置換基は、前記したR1,R2の置換基と同様のものが
挙げられる。
【0010】R5,R6,R7,R8で示す炭化水素残基と
しては、上記したように直鎖状または分枝状のアルキル
基,シクロアルキル基,アルケニル基,アルキニル基,
アラルキル基およびアリール基などが挙げられる。該ア
ルキル基,シクロアルキル基およびアラルキル基として
はR1,R2で示したものと同じ炭素数1〜24のものが
使用される。該アルケニル基としては、ビニル基,アリ
ル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基,ヘプ
テニル基,オクテニル基,ノネニル基,デセニル基,ウ
ンデセニル基,ドデセニル基,トリデセニル基,テトラ
デセニル基,ペンタデセニル基,ヘキサデセニル基,オ
クタデセニル基,ノナデセニル基,エイコセニル基,ヘ
ニコセニル基,トリコセニル基,テトラコセニル基など
の炭素数2〜24のアルケニル基が挙げられる。該アル
キニル基としては、エチニル基,プロピニル基,ブチニ
ル基,ペンチニル基,ヘキシニル基,ヘプチニル基,オ
クチニル基,ノニニル基,デシニル基,ウンデシニル
基,トリデシニル基,テトラデシニル基,ペンタデシニ
ル基,ヘキサデシニル基,ヘプタデシニル基,オクタデ
シニル基,ノナデシニル基,アイコシニル基,ヘニコシ
ニル基,トリコシニル基,テトラコシニル基などの炭素
数2〜24のアルキニル基が挙げられる。該アリール基
としては、炭素数4〜24の炭素環系芳香族基や異項環
系芳香族基が挙げられる。具体的には、フェニル基、フ
リル基、チエニル基、ピリジル基、ナフチル基などが挙
げられる。
【0011】また、これらは置換基を有していてもよ
い。該置換基は、前記したR1,R2の置換基と同様のも
のが挙げられる。上記一般式(I)またはその塩で表わさ
れる化合物として具体的には例えば、2,3−ジ−O−
ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアス
コルビン酸n−オクタデシルアミド ナトリウム塩、
2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グ
ルコサッカロアスコルビン酸ベンゼンチオールエステル
ナトリウム塩、2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−
ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸N,N−
ペンタメチレンアミド ナトリウム塩、2,3−ジ−O
−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロア
スコルビン酸n−デシルアミド ナトリウム塩、2,3
−ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサ
ッカロアスコルビン酸アミド ナトリウム塩、2,3−
ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッ
カロアスコルビン酸メチル ナトリウム塩、2,3−ジ
−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカ
ロアスコルビン酸tert−ブチル ナトリウム塩、2,3
−ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサ
ッカロアスコルビン酸n−オクタデシル ナトリウム
塩、2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−スルホ−D−
グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタデシルアミド
ナトリウム塩、2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−
スルホ−D−グルコサッカロアスコルビン酸N,N−ペ
ンタメチ レンアミド ナトリウム塩、2,3−ジ−O−
ベンジル−5−O−スルホ−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸n−デシルアミド ナトリウム塩、2,3−ジ
−O−ベンジル−5−O−スルホ−D−グルコサッカロ
アスコルビン酸アミド ナトリウム塩、2,3−ジ−O
−ベンジル−5−O−スルホ−D−グルコサッカロ ア
スコルビン酸メチル ナトリウム塩、2,3−ジ−O−
ベンジル−5−O−スルホ−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸tert−ブチル ナトリウム塩、2,3 −ジ−O
−ベンジル−5−O−スルホ−D−グルコサッカロアス
コルビン酸n−オクタデシルナトリウム塩等が挙げられ
る。
【0012】これら本発明に用いる化合物のうち、
1,R2がベンジル基であり、−CO−R4が−CO−
O−R5で表わされるエステル化されているカルボキシ
ル基を有するサッカロアスコルビン酸誘導体は特開平1
−85970号明細書に記載の方法で得ることができ
る。また、これら本発明に用いるサッカロアスコルビン
酸誘導体は次式(II):
【化6】 で表わされるサッカロアスコルビン酸を出発原料として
製造される。
【0013】式(II)において、5位の水酸基が右側にあ
るとき(絶対配置R)はL−グロサッカロアスコルビン
酸を表わし、公知の物質である(たとえばアメリカ特許
第2,428,438号など)。また、5位の水酸基が左
側にあるとき(絶対配置S)はD-グルコサッカロアス
コルビン酸を表わし、2-ケト-D-グルカル酸(2−Keto
−D−Glucaric acid,D-アラビノ-2-ヘキスロサル
酸:D−arabino−2−hexulosaric acid)または その
2,3-O-アセタールまたはケタールを酸で処理するこ
とにより製造するこ とができる(特開昭62−228
091)。前記一般式(I)のチオールエステル型化合
物(-CO-S-R6)の製造中間体は次式1のように製造
することができる。
【0014】式1
【化7】 [上記、R1,R2,R6は前述と同義。R3'は水素またはア
シル基を示す。]式1に示すように、化合物(III)と一般
式(IV)で表わされるチオールとを反応させると、一般式
(V)で表わされる化合物が得られる。次いで必要により
1,R2またはR3'を脱離反応に付すこともできる。式
1における原料化合物(III)は、サッカロアスコルビン
酸(II)から製造でき、その製造法は既に、本発明者によ
って確立されている(特開平1-85970)。 また、公
知化合物以外の製法は後述する式4および5に示された
方法によって製造される。
【0015】化合物(III)と化合物(IV)の反応による化
合物(V)の製造は、それ自体公知のチオールエステル合
成の方法で行なうことができる。例えば、有機溶媒中、
カルボキシル基活性化試薬を用いることによって、該反
応は行われる。該カルボキシル基活性化試薬としては、
N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド,シアノリン酸
ジエチル,カルボニルジイミダゾール,1-メチル-2-
ハロピリジニウムアイオダイドなどが挙げられる。該有
機溶媒としては、ヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの
炭化水素類、クロロホルム,ジクロロメタン,1,2ージ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエ
ーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテ
ル類や酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルホルムア
ミドなどが挙げられる。化合物(III)は、五塩化リン,
塩化チオニル,臭化チオニル,トリフェニルフォスフィ
ンジブロミドなどのハロゲン化剤によって酸ハライドに
して、反応に付してもよい。このチオールエステル化反
応は、反応温度−10〜120℃の範囲、反応時間1〜
5時間の範囲で行われる。また、化合物(V)のR1およ
び/またはR2が置換基を有していてもよいベンジル基
(例えば、ベンジル,p-メチルベンジル,o-ニトロベン
ジル,p-ニトロベンジル,p-クロロベンジル,p-ブロモ
ベンジル,p-シアノベンジル,ジフェニルメチルなど)
である場合は、必要により該基を脱離することもでき
る。該脱離反応は、通常、ルイス酸によって行われる。
【0016】ルイス酸の例としては、塩化アルミニウ
ム,四塩化チタン,四塩化スズ,三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体,三臭化ホウ素,塩化亜鉛などが挙げられる。こ
の反応においても使用される溶媒は反応に影響を及ぼさ
ないものであれば、特に限定されない。例えば、クロロ
ホルム,ジクロロメタン,1,2-ジクロロエタンなどの
炭化水素類、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,
ジオキサンなどのエーテル類やアセトニトリルなどが挙
げられる。反応温度は-10〜120℃の範囲、反応時
間は1〜20時間の範囲で行われる。
【0017】化合物(V)でR3'がアシル基である場合、
必要により該アシル基を脱離することもできる。該脱離
反応は酸または塩基によって行うことができる。該酸と
しては特に限定されるものではない。具体的には、塩
酸,臭化水素,フッ化水素,硫酸,フルオロ硫酸,過塩
素酸,リン酸,ホウ酸,p-トルエンスルホン酸,トリフ
ルオロメタンスルホン酸,メタンスルホン酸,トリフル
オロ酢酸,酢酸,H+型イオン交換樹脂などが挙げられ
る。これらの酸はそれ単独でも、また混合物でも使用す
ることができる。反応物は有機溶媒や水中に溶解して
も、懸濁状態であってもよい。
【0018】該塩基としては、水酸化ナトリウム,水酸
化カリウム,水酸化リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カ
リウム,炭酸リチウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素
カリウム,炭酸水素リチウム,水酸化カルシウム,水酸
化バリウム,アンモニア,一級アミン,二級アミン,三
級アミンなどが挙げられる。この時使用される反応溶媒
としては、反応に影響を及ぼさないものであれば、特に
限定されない。例えば、水や親水性溶媒が使用される。
親水性溶媒の具体的例としては、アセトン,メチルエチ
ルケトン,メタノール,エタノール,n-プロパノール,
イソプロパノール,アセトニトリル,プロピオニトリ
ル,tert-ブタノール,ジオキサン,テトラヒドロフラ
ン,エチルエーテル,エチレングリコールジメチルエー
テル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,酢酸エ
チル,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,
ジメチルスルホキシド,ヘキサメチルホスホルアミドな
どが挙げられる。これらの溶媒はそれ単独で用いてもよ
いし、混合して用いてもよい。この反応温度は-10〜
120℃の範囲、反応時間は1〜20時間の範囲で行わ
れる。通常、原料として用いられる誘導体としては、5
位のR3'が水素を示すものが使用される。
【0019】一般式(I)の化合物のうちアミド型化合物
【化8】 [式中、R7,R8は前述と同意義を示す]で表わされる
アンモニアまたはアミンと、化合物(III)との反応によ
って製造することができる(下式2)。
【0020】式2
【化9】 [上記、R1,R2,R3',R7,R8は前述と同義。]式中の化
合物(III)は前記したように製造される。化合物(III)と
化合物(VI)の反応による化合物(VII)の製法は、それ自
体公知の手法で行うことができる。例えば、チオールエ
ステル化反応の項で示したカルボキシル基活性化試薬を
用いて、反応を行うことができる。また、このアミド化
反応においても、前記したように化合物(III)を酸ハラ
イドにして行うこともできる。ピリジンやトリエチルア
ミンなどの塩基の存在下有機溶媒中で、該酸ハライドと
化合物(VI)とを反応させるのが好ましい。この時の
有機溶媒は前記したものと同じものが使用できる。本ア
ミド化反応は、反応温度は-10〜120℃の範囲で、
反応時間は1〜5時間の範囲で行われる。
【0021】化合物(VII)のR1および/またはR2が置
換基を有していてもよいベンジル基の場合、あるいはR
3'がアシル基である場合、必要により各々該基を脱離す
ることも可能である。アシル基の脱離は前記した方法と
同様に行われる。ベンジル系の基の脱離は、通常、接触
還元反応によって行われる。該反応に使用される触媒と
しては、パラジウム,塩化パラジウム,酸化白金,白金
黒,ルテニウム系触媒などが挙げられる。これらは活性
炭,アルミナ,シリカゲルなどの担体に担持されていて
もよい。反応溶媒としては特に限定はされないが、具体
的には、メタノール,エタノール,プロパノール,酢酸
エチル,酢酸,アセトニトリル,ジオキサン,テトラヒ
ドロフラン、エチルエーテル、1,2-ジメトキシエタ
ン,エチレングリコールジメチルエーテル,クロロホル
ム,ジクロロメタン,ベンゼン,トルエン,水などが挙
げられる。これらの溶媒は単独でも混合系でも使用でき
る。反応温度は10〜100℃の範囲、反応時間は1〜
10時間の範囲で行われる。反応は常圧下もしくは加圧
下で行われる。通常、原料として用いられる誘導体とし
ては、5位のR3'が水素を示すものが使用される。ま
た、アミド型の化合物の製造中間体は次の式3のように
も製造することができる。
【0022】式3
【化10】 化合物(VIII)は公知の方法(特開平1-85970)も
しくは後述する式5に示される方法によって製造され
る。化合物(VII')は化合物(VIII)と化合物(VI)とを反応
させることによって得られる。該反応は化合物(VIII)と
化合物(VI)とを有機溶媒中で加熱することによって行わ
れる。該有機溶媒としては、ヘキサン,ベンゼン,トル
エンなどの炭化水素類、クロロホルム,ジクロロメタ
ン,1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ンなどのエーテル類やアセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。反応
温度は50〜150℃の範囲、反応時間は5〜20時間
の範囲で行われる。一般式(I)のエステル化された化合
物(-COO-R5)の製造中間体は、以下に示す式4お
よび式5によって製造される。
【0023】式4
【化11】 [式4中のR1,R2,R5は同意義。]式4に示すよう
に、サッカロアスコルビン酸のエステル(IX)から出発し
て、(III-1)〜(III-3)および(X-1)〜(X-3)の6種の
サッカロアスコルビン酸誘導体を製造することができ
る。化合物(IX)は公知の手法によって製造される(特開
平1-85970)。化合物(IX)に対し1当量の塩基性
物質存在下、一般式 R2X [式中、R2は前記と同意義、Xは塩素,臭素,ヨウ素
などのハロゲン,メタンスルホニルオキシ,トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシなどのアルキルスルホニルオ
キシ,またはベンゼンスルホニルオキシ,パラトルエン
スルホニルオキシなどのアリールスルホニルオキシ基を
示す。]で表わされる化合物を反応させると、3位がエ
ーテル化された化合物(X-1)が得られる。
【0024】化合物(X-1)の6位のエステルを加水分解
すると、化合物(III-1)を得ることができる。ここで、
化合物(X-1)においてR5が還元反応により脱離し得る
基の場合は、還元反応によっても化合物(III-1)を得る
ことができる。化合物(X-1)に対し、1当量の塩基性物
質存在下、一般式 R1X [式中、R1およびXは前記と同意義を示す。]で表わ
される化合物を反応させると、2位がエーテル化された
化合物(X-2)が得られる。この時、R1とR2が同じ置換
基の場合は、2当量のR1Xと塩基を使用することによ
って、化合物(IX)から化合物(X-2)が一段階で製造され
る。化合物(X-2)の6位のエステルを加水分解すると化
合物(III-2)が得られる。ここで、化合物(X-2)におい
てR5が還元反応により脱離し得る基の場合は、還元反
応によっても化合物(III-2)を得ることができる。
【0025】また、化合物(X-2)および(III-2)におい
てR2が還元反応により脱離し得る基の場合は、還元反
応により、化合物(X-2)から化合物(X-3)を、化合物(I
II-2)から化合物(III-3)を得ることができる。また特
に、化合物(X-2)において、R5およびR2がともに還元
反応により脱離し得る基か、またはR2が加水分解によ
り脱離し得る基のときは、還元反応または加水分解によ
り、化合物(X-2)から一段階で化合物(III-3)を得るこ
とができる。更に、得られた化合物の5位の遊離の水酸
基をアシル化することも可能である。該アシル化反応
は、通常のアシル化反応に付すことによって行われる。
還元反応により脱離し得る基としては、ベンジル,パラ
メトキシベンジル,オルトニトロベンジル,パラニトロ
ベンジル,パラクロルベンジル,パラブロムベンジル,
パラシアノベンジル,ジフェニルメチルなどを挙げるこ
とができる。
【0026】加水分解により脱離し得る基としては、メ
トキシメチル,tert-ブトキシメチル,1-エトキシエチ
ル,1-メチル-1-メトキシエチルなどを挙げることが
できる。各エーテル化反応は、通常次の反応条件で行な
うことができる。
【0027】本反応に使用する塩基性物質としては、特
に制限はないが、たとえば水素化ナトリウム,水素化カ
ルシウム,水素化リチウム,水酸化リチウム,炭酸水素
リチウム,炭酸リチウム,ナトリウムメトキサイド,ナ
トリウムエトキサイド,水酸化ナトリウム,炭酸水素ナ
トリウム,炭酸ナトリウム,水酸カリウム,炭酸水素カ
リウム,炭酸カリウム,水酸化マグネシウム,炭酸マグ
ネシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,水酸化
バリウム,炭酸バリウム,ピリジン,第3級アミン類あ
るいは置換アンモニウムハイドロキサイド
【化12】 反応溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に
制限はないが、通常極性溶媒が好ましく、具体的には、
たとえばアセトニトリル,プロピオニトリル,ベンゾニ
トリル,ホルムアミド,ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルアセトアミド,ジメチルスルホキシド,スルホラン,
ヘキサメチルホスホルアミド,アセトン,メチルエチル
ケトン,ジオキサン,テトラヒドロフラン,エチレング
リコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジメ
チルエーテルおよび水などが用いられ、単独またはこれ
ら2種以上を混合して用いてもよい。反応温度は、通常
0℃〜100℃程度で、好ましくは約10℃〜80℃程
度である。反応時間は、使用原料の種類,反応試剤の種
類,反応条件によって異なるが、通常30分〜4日の範
囲である。加水分解反応(6位のエステルの加水分解反
応およびR2が加水分解により脱離し得る基であるとき
の加水分解脱離反応)は通常酸性条件で行なうことがで
きる。
【0028】酸としては、通常の酸加水分解反応に用い
るものであれば特に制限はない。たとえば塩化水素,臭
化水素,ヨウ化水素,フッ化水素,硫酸,フルオロ硫
酸,過塩素酸,燐酸,ホウ酸,パラトルエンスルホン
酸,トリフルオロメタンスルホン酸,メタンスルホン
酸,トリフルオロ酢酸,トリクロロ酢酸,酢酸,H+
イオン交換樹脂などが用いられる。これらは、それ自体
で、または必要に応じて水および反応溶媒に溶解もしく
は懸濁させて用いてもよい。また用いる酸は単独でも、
上記した酸を2種以上混合して用いても何ら差しつかえ
ない。
【0029】反応溶媒としては、反応を阻害しないもの
ならば特に制限はないが、一般に水との親和性の高い溶
媒、たとえばアセトン,メチルエチルケトン,メタノー
ル,エタノール,n-プロパノール,iso-プロパノール,
アセトニトリル,プロピオニトリル,tert-ブタノー
ル,ジオキサン,テトラヒドロフラン,エチルエーテ
ル,エチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレン
グリコールジメチルエーテル,酢酸エチルエステル,ジ
メチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,ジメチル
スルホキシド,ヘキサメチルホスホルアミドおよび水な
どが用いられる。これら溶媒は、2種以上混合して用い
ることもできる。反応温度は、通常0℃〜100℃程度
で、好ましくは10°〜80℃程度である。反応時間
は、使用原料の種類,反応条件によって異なるが、通常
約1時間〜10時間の範囲である。
【0030】還元反応は、通常水素ガスを用いる接触還
元反応により行なうことができる。本反応の触媒として
は、たとえばパラジウム,塩化パラジウム,酸化白金,
白金黒,ルテニウム系触媒およびこれらを活性炭,アル
ミナ,シリカゲルなどに担持させた触媒などが用いられ
る。反応溶媒としては、特に制限はないが、通常たとえ
ばメタノール,エタノール,プロパノール,酢酸エチ
ル,酢酸,アセトニトリル,ジオキサン,テトラヒドロ
フラン,エチルエーテル,1,2-ジメトキシエタン,エ
チレングリコールジメチルエーテル,クロロホルム,ジ
クロロメタン,ベンゼン,トルエンおよび水などが用い
られ、このような溶媒を単独または2種以上混合して用
いることもできる。反応温度は、通常10℃〜100℃
程度で、反応時間は1時間〜10時間の範囲であり、常
圧下あるいは加圧下に実施してもよい。更には、次の式
5に示す方法によっても製造することができる。
【0031】式5
【化13】 [式5中、R1,R2,R5,R9,R10は同意義。]式5に示
すように、サッカロアスコルビン酸(II)の5,6位を4-
オキソ-1,3-ジオキソラン環として保護した化合物(I
X)から出発して、(III-1)〜(III-3),(X-2)および(X-
3)の5種のサッカロアスコルビン酸誘導体を製造するこ
とができる。
【0032】化合物(XI)は公知の手法によって製造され
る(特開昭1-85970)。化合物(XI)に対し、1当
量の塩基性物質存在下、 一般式 R2X [式中、R2およびXは前記と同意義を示す。]で表わ
される化合物を反応させると、3位がエーテル化された
化合物(XII)が得られる。化合物(XII)の4-オキソ-1,
3-ジオキソラン環を加水分解すると、化合物(III-1)を
得ることができる。
【0033】化合物(XII)に対し、1当量の塩基性物質
存在下、一般式 R1X [式中、R1およびXは前記と同意義を示す。]で表わ
される化合物を反応させると、2位がエーテル化された
化合物(VIII)が得られる。この時、R1とR2が同一の基
の場合、2当量のR1Xと塩基によって、化合物(XI)か
ら化合物(VIII)が一段階で製造される。
【0034】化合物(VIII)を加水分解すると、化合物(I
II-2)が得られる。得られた(III-2)の6位カルボン酸を
エステル化すると、化合物(X-2)を得ることができる。
また特に、化合物(III-2)および(X-2)においてR2が還
元反応により脱離し得る基の場合は、還元反応により、
化合物(III-2)から化合物(III-3)を、化合物(X-2)から
化合物(X-3)を得ることができるのは、前記した通りで
ある。さらに、化合物(VIII)において、R2が加水分解
により脱離し得る基のときは、化合物(VIII)の加水分解
により一段階で化合物(III-3)が得られる。更に、5位
に遊離の水酸基を有する場合、この水酸基をアシル化す
ることもできる。該アシル化反応は、通常のアシル化反
応に付すことによって行われる。還元反応により脱離し
得る基および加水分解により脱離し得る基の例は、前記
したものと同一のものを挙げることができる。
【0035】サッカロアスコルビン酸(II)から化合物(X
I)への工程では、化合物(II)と、例えばホルムアルデヒ
ド,アセトアルデヒド,アセトン,プロピオンアルデヒ
ド,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,シクロペン
タノン,シクロヘキサノン,ベンズアルデヒドなどのケ
トンまたはアルデヒド、あるいは上記ケトンまたはアル
デヒドと低級アルコールとのケタノールまたはアセター
ル化合物とを酸触媒の存在下で反応させることにより、
化合物(XI)を製造することができる。
【0036】本反応の反応溶媒としては、反応を阻害し
ないものであれば特に制限はないが、通常アセトニトリ
ル,プロピオニトリル,ベンズニトリル,ニトロメタ
ン,ニトロエタン,ニトロベンゼン,ジクロロメタン,
クロロホルム,四塩化炭素,1,1-ジクロロエタン,
1,2-ジクロロエタン,ヘキサン,シクロヘキサン,ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,ジオキサン,テトラヒド
ロフラン,1,2-ジメトキシエタン,エチレングリコー
ルジメチルエーテル,炭酸ジエチル,ジメチルホルムア
ミド,ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。さらに
上記ケトン,アルデヒドあるいはこれらと低級アルコー
ルとのケタールまたはアセタール化合物を溶媒として兼
用することもできる。これら溶媒の2種以上からなる混
合溶媒中で反応を行なうこともできる。
【0037】酸触媒としては、たとえば塩化水素,臭化
水素,ヨウ化水素,フッ化水素,過塩素酸,硫酸,フル
オロ硫酸,燐酸,ホウ酸などの鉱酸,パラトルエンスル
ホン酸,ベンゼンスルホン酸,メタンスルホン酸,トリ
フルオロメタンスルホン酸,トリフルオロ酢酸,トリク
ロロ酢酸,H+型イオン交換樹脂などの有機酸,ボロン
トリフルオライド,ボロントリクロライド,ボロントリ
ブロマイド,ボロントリアイオダイド,塩化アルミニウ
ム,四塩化チタン,塩化亜鉛,塩化第一錫,塩化第二錫
などのルイス酸が挙げられる。反応温度は、通常0℃〜
100℃である。反応時間は1時間〜24時間程度であ
る。エーテル化反応,加水分解反応および還元反応は、
前記した各反応と同様の反応条件を適用できる。
【0038】化合物(III-2)から化合物(X-2)への工程
では、通常用いられているエステル化反応をそのまま適
用することができる。たとえば、 酸触媒の存在下にアルコール R5OH [式中、R5は前記と同意義を示す。]を反応させる直
接エステル化法; 塩基性物質の存在下に 一般式 R5X [式中、R5およびXは前記と同意義を示す。]で表わ
される化合物を反応させるカルボキシレートを経由する
方法; ジシクロヘキシルカルボジイミドで代表される脱水縮
合剤の存在下にアルコールR5OHを反応させる方法; イソブチレンなどのオレフィン化合物を酸触媒の存在
下に反応させる方法; ジアゾメタン,オルトギ酸エステル類で代表されるO
−アルキル化剤を反応させる方法; などを挙げることができる。通常は上式4または5で示
される化合物(X-2)が原料として使用される。以上に
記した製法に従って製造された各種サッカルアスコルビ
ン酸誘導体は、反応生成物から溶媒などの低沸点物質を
留去した後、抽出,クロマトグラフィー(例えば、シリ
カゲル,ポリスチレン樹脂,活性炭,逆相系,順相系な
ど),再結晶などの慣用の方法によって、容易に得るこ
とができる。
【0039】一般式(I)においてR3がスルホ基である
化合物、すなわち、2,3−ジ−O−ハイドロカルビル
サッカロアスコルビン酸誘導体5−スルフェート(塩)
は、2,3−ジ−O−ハイドロカルビル−5−ヒドロキ
シサッカロアスコルビン酸誘導体に、たとえば、無水硫
酸の反応性誘導体を反応させることにより得ることがで
きる。上記の無水硫酸の反応性誘導体としては、たとえ
ば、無水硫酸−ピリジン、無水硫酸−ジオキサン、無水
硫酸−トリメチルアミン、無水硫酸−ジメチルホルムア
ミドなどの錯体が挙げられる。これらのほか、無水硫
酸、無水硫酸−クロルスルホン酸なども用いることがで
きる。
【0040】本反応の溶媒としては、不活性溶媒を用い
ることが好ましい。具体例としては、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロルメタン、ピリ
ジン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。用いる無
水硫酸の反応性誘導体の量は、相当する5−ヒドロキシ
サッカロアスコルビン酸誘導体に対し、1.0〜5.0倍
モルが好ましい。その場合の反応温度は0℃〜40℃が
好適である。反応終了後、反応混合物を溶媒抽出し、ク
ロマトグラフィー、再結晶等それ自体公知の精製分離手
段により、5−スルフェート(塩)を任意純度のものとし
て得ることができる。
【0041】一般式(I)においてR3がホスホノ基であ
る化合物、すなわち2,3−ジ−O−ハイドロカルビル
サッカロアスコルビン酸誘導体5−ホスフェート(塩)
は、2,3−ジ−O −ハイドロカルビル−5−ヒドロキ
シサッカロアスコルビン酸誘導体に、適当なリン酸化試
剤を反応させることにより得ることができる。上記反応
に用いるリン酸化試剤としては、オルトリン酸無水物、
メタリン酸、五酸化リン、オキシ塩化リン、ピロリン酸
テトラクロリド、テトラp−ニトロフェニルピロリン
酸、ジモルホリルリン酸クロリド、o−フェニレンリン
酸クロリド、ジフェニルリン酸クロリド、ジ−p−ニト
ロベンジルリン酸クロリドなどが挙げられる。リン酸化
剤は単独、または約当量ないし過剰量の塩基と溶媒中で
反応させる。塩基としては、ピリジン、2,6−ルチジ
ン、ピコリン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリ
ンなどの有機塩基あるいは、水酸化ナトリウム,水酸化
カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウムなどの
無機塩基などが用いられる。溶媒としてはたとえば水,
アセトン,アセトニトリル,ジオキサン,N,N−ジメ
チルホルムアミド,テトラヒドロフラン,ジクロロメタ
ンなど、あるいはこれらの混合溶媒が用いられる。用い
るリン酸化試剤の量は、相当する5−ヒドロキシサッカ
ロアスコルビン酸誘導体に対し1.0〜5.0倍モルが好
ましく、反応温度は0℃〜40℃が好適である。反応終
了後、保護基を有するリン酸化試剤にあっては、自体文
献公知の方法に従ってこれを除去したのち、反応混合物
を溶媒抽出、クロマトグラフィー、再結晶等の分離精製
手段により5−ホスフェート(塩)を任意純度のものとし
て得ることができる。
【0042】一般式(I)においてスルホ基またはホスホ
ノ基の塩としては、たとえば、リチウム、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、アンモニアなどの無機塩基、た
とえば、ピリジン、コリジン、トリエチルアミンなどの
有機塩基等が挙げられる。
【0043】本発明化合物はこれらの塩に限定されるも
のではなく、その遊離形も本発明に包含される。塩とし
て得られた化合物を遊離形にする方法としては、たとえ
ば、強酸性陽イオン交換樹脂等が使用される。上記一般
式(I)で表わされる化合物またはその塩は無晶形であっ
ても結晶形であってもよい。
【0044】本発明の血栓症の予防および治療に有用な
医薬組成物は、サッカロアスコルビン酸誘導体そのも
の、もしくは医薬組成物に配合可能な化合物と配合して
経口的または非経口的に投与される。経口投与用製剤と
しては、固体または液体の剤型、具体的には例えば錠剤
(糖衣錠,フィルムコーテイング錠を含む),丸剤,顆粒
剤,散剤,カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む),シロ
ップ剤,エリキシル,乳剤,懸濁剤等が用いられる。こ
の経口投与用製剤は製剤分野において通常用いられる担
体もしくは賦形剤と混合し、自体公知の方法に従い製造
することができる。このような担体,賦形剤としては、
例えばシロップ,アラビアゴム,ゼラチン,ソルビトー
ル,トラガントゴム,ポリビニルピロリドン等の結合
剤、ラクトース,糖類,とうもろこし澱粉,リン酸カル
シウム,グリシン等の充填剤、ステアリン酸マグネシウ
ム,タルク,ポリエチレングリコール,シリカ等のかっ
たく剤、馬鈴薯澱粉等の崩壊剤、ナトリウムラウリルサ
ルフェート等の湿潤剤等が用いられる。非経口投与用製
剤としては、たとえば注射剤(例えば皮下注射剤,皮内
注射剤,筋肉注射剤等.),座薬等が用いられる。
【0045】このような注射剤は自体公知の方法、例え
ば化合物(I)またはその塩を通常注射剤に用いられる無
菌の水性もしくは油性液に懸濁または乳化することによ
って製造される。注射剤用の水性液としては生理食塩
水、等張液等があげられ、必要により適当な懸濁化剤、
たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム,非イ
オン性界面活性剤等と併用してもよい。油性液としては
ゴマ油,大豆油等が用いられ、溶解補助剤として安息香
酸ベンジル,ベンジルアルコール等を併用してもよい。
調製された注射液は通常適当なアンプルに充填される。
【0046】本発明の血栓症予防治療剤の投与量は、体
内において目的とする予防および治療効果を生ずるに十
分な量であれば良く、患者の年令,体重,投与経路およ
び剤型などによって変動し得る。たとえば、一般に成人
1日当たりサッカロアスコルビン酸誘導体として0.1
ないし100mg/kg、好ましくは1ないし50mg/kgと
なるように、経口的または非経口的に投与する。投与回
数は1日1〜6回の範囲で適宜選択される。本発明に用
いられるサッカロアスコルビン酸誘導体は毒性が低いの
で医薬品等として有利に用いることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明のサッカロアスコルビン酸誘導体
は、血管内皮細胞によるプラスミノーゲンアクティベー
タの産生を促進誘導し、線溶を亢進する作用を持ち、血
栓症の予防および治療に用いることができる。
【0048】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定
されるものではない。
【0049】[参考例1]2,3−ジ−O−ベンジル−
D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタデカンチ
オールエステル 特開平1−85970に記載の方法により合成した4.
98gの2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−アセチル−
D−グルコサッカロアスコルビン酸を30mlのジクロル
メタンに溶解し、2.59gの五塩化リンを加えて室温で
30分間撹拌した。減圧下、低沸点物質を留去し、ペー
スト状の酸塩化物を得た。本酸塩化物をジクロルメタン
20mlに溶解し、氷冷下、3.40gのn−オクタデシル
メルカプタンを5mlのジクロルメタンに溶解した溶液を
滴下した。次いで、トリエチルアミン1.20gとジクロ
ルメタン3mlからなる混液をゆっくり滴下し、4時間撹
拌した。反応溶液を水100mlにあけ、ジクロルメタン
で3回抽出した。抽出液を乾燥、減圧濃縮した後、シリ
カゲルカラムクロマト(溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=
1:5)に付し、2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ア
セチル−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタ
デカンチオールエステルの粗結晶2.97gを得た。収率
36.8% 融点 61−62℃(ヘキサンより再結晶) IR(KBr)cm-1 1770, 1750, 1685,16701 H−NMR(CDCl3)δ 0.88(t,3H),1.10-1.60(m,32H),
5.11(d,1H),5.20(s,2H),5.72(d,1H,J=3Hz),7.13-7.38
(m,10H) MS m/e 680(M),620, 588 元素分析値(%) C40567Sとして 計算値 C 70.55; H 8.29 実測値 C 70.47; H 8.27 上記により合成した2.97gの2,3−ジ−O−ベンジ
ル−5−O−アセチル−D−グルコサッカロアスコルビ
ン酸n−オクタデカンチオールエステルを2N硫酸20m
lとアセトニトリル100mlからなる混液に溶解し、2
0時間加熱還流した。反応終了後、アセトニトリルを留
去し、残留物に水50mlを加え、ジクロルメタンで3回
抽出した。抽出液を乾燥した後、溶媒を留去して得られ
た残留物をシリカゲルカラムクロマト(溶媒:酢酸エチ
ル−ヘキサン=1:5)に付し、2.67gの2,3−ジ−
O−ベンジル−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−
オクタデカンチオールエステルを得た。収率95.8% 融点 55−56℃(ヘキサンより再結晶) IR(KBr)cm-1 3600-3300, 1770, 16701 H−NMR(CDCl3)δ 0.88(t,3H),1.08-1.53(m,32H),
2.68(m,2H),4.67(d,1H,J=2Hz),5.00-5.17(m,5H),7.09-
7.38(m,10H) OHは非常に幅広く数値化困難 MS m/e 633(M), 570, 546 元素分析値(%) C38546Sとして 計算値 C 71.44; H 8.52 実測値 C 71.45; H 8.56
【化14】
【0050】[参考例2]2,3−ジ−O−ベンジル−
5−O−アセチル−D−グルコサッカロアスコルビン酸
n−オクタデシルアミド 5.00gの2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−アセチ
ル−D−グルコサッカロアスコルビン酸を40mlのジク
ロルメタンに溶解し、2.77gの五塩化リンを加えて室
温で30分間撹拌した。減圧下、低沸点物質を留去し、
ペースト状の酸塩化物を得た。本酸塩化物をジクロルメ
タン30mlに溶解し、氷冷下、3.40gのn−オクタデ
シルアミン,1.20gのトリエチルアミンおよび150
mlのジクロルメタンからなる溶液を滴下し、1時間撹拌
した。反応溶液を水200mlにあけ、ジクロルメタンで
3回抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を留去した後、シシリカゲルカラムクロマト(溶媒:酢
酸エチル−ヘキサン=1:1)に付し、6.10gの2,3
−ジ−O−ベンジル−5−O−アセチル−D−グルコサ
ッカロアスコルビン酸n−オクタデシルアミドを得た。
収率75.8% 融点 51−53%(ジクロルメタン−ヘキサン=1:
4混液より再結晶) IR(KBr)cm-1 3320, 1790, 1750,1690, 16701 H−NMR(DMSO-d6)δ 0.85(t,3H),1.10-1.40(m,32
H),2.10(s,3H),2.90-3.15(m,2H),4.94(s,2H),5.18-5.40
(m,4H),7.25-7.42(m,10H),8.00(br.NH) 元素分析値(%) C4057NO7として 計算値 C 72.37; H 8.65; N 2.11 実測値 C 72.49; H 8.87; N 2.15
【化15】
【0051】[参考例3]2,3−ジ−O−ベンジル−
D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタデシルア
ミド 参考例2により合成した5.90gの2,3−ジ−O−ベ
ンジル−5−O−アセチル−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸n−オクタデシルアミドを、2N硫酸20mlと
アセトニトリル60mlからなる混液に溶解し、12時間
加熱還流した。反応終了後、アセトニトリルを留去し、
残留物に水200mlを加え、ジクロルメタンで3回抽出
した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留
去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマト(溶
媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:1)に付し、3.50g
の2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコサッカロアス
コルビン酸n−オクタデシルアミドを得た。収率63.3
% 融点 105−107℃ IR(KBr)cm-1 3500-3200, 1755, 1685, 16451 H−NMR(DMSO-d6)δ 0.85(t,3H),1.04-1.28(m,32
H),2.83-3.03(m,2H),4.30(m,1H),4.95(s,2H),5.10-5.20
(m,3H),6.37(d,OH),7.18-7.42(m,10H),7.66(br.NH) 元素分析値(%) C3855NO6として 計算値 C 73.40; H 8.91; N 2.25 実測値 C 73.62; H 8.93; N 2.22
【化16】
【0052】[実施例1]2,3−ジ−O−ベンジル−
5−O−スルホ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n
−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩 参考例1で得た2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコ
サッカロアスコルビン酸n−オクタデカンチオールエス
テルの640mgを無水ジメチルホルムアミド(DMF)2
mlに溶解し氷冷した。これに1.25M DMF−SO3
complex/DMF溶液の4ml(5当量)を加えたのち、室
温で1時間撹拌した。減圧下にDMFを留去し、残留部
に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH7
に調整した。白濁溶液をアンバーライト(登録商標)XA
D−IIカラム(40φ×300mm,ス チレンとジビニル
ベンゼンとの多孔性ポリマー,ローム&ハース社)クロ
マトグ ラフィーに付し、水ついでメタノールで展開溶
出し目的の画分を減圧下に濃縮した。濃縮物は水に溶解
後凍結乾燥して2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ス
ル ホ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−デカンチ
オールエステル ナトリウ ム塩の無定形粉末710mg
が得られた。収率96% IR(KBr)cm-1 1770(shoulder), 1760, 1675, 1270, 1
060, 10401 H−NMR(DMSO-d6)δ 0.86(t,3H),1.0-1.53(m,32
H),2.72(m,2H),4.80-5.00(m,3H),5.10-5.40(m,3H),7.20
-7.50(m,10H) 元素分析値(%) C385392Na・1.0H2Oとして 計算値 C 60.14; H 7.30 実測値 C 60.38; H 7.50
【化17】
【0053】[実施例2]2,3−ジ−O−ベンジル−
5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸
n−オクタデカンチオールエステルナトリウム塩 2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸n−オクタデカンチオールエステルの1gを無
水テトラヒドロフラン2mlに溶解し、ピロリン酸テトラ
クロリド1ml(4.5当量)を加え室温で15時間反応さ
せた。反応液を約20gの氷片中に滴下し加水分解後、
1N−水酸化ナトリウム溶液でpH7.5に調整した。減
圧下に約30mlまで濃縮し、濃縮溶液をアンバーライト
(登録商標)XAD−IIカラム(40φ×300mm,ロー
ム&ハース社)クロマトグラフィーに付し、水,70%
メタノール,80%メタノールついで90%メタノール
で展開し、目的の溶出画分を凍結乾燥すると、2,3−
ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッ
カロアスコルビン酸n−オクタデカンチオールエステル
ナトリウム塩の吸湿性無色粉末530mgが得られた。収
率46% IR(KBr)cm-1 1770, 1680, 10601 H−NMR(CD3OD)δ 0.90(t,3H),1.10-1.60(m,32H),
2.75(m,2H),4.96(s,2H),5.05-5.30(m,4H),7.20-7.50(m,
10H)
【化18】
【0054】[実施例3]2,3−ジ−O−ベンジル−
5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸
n−オクタデカンチオールエステルナトリウム塩 2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸n−オクタデカンチオールエステル6.4gをト
ルエン50mlに溶解し、氷冷下にかきまぜながら、オキ
シ塩化リン3.7ml、ついで2,6−ルチジン2.3mlを
加えた。室温で1時間かきまぜた後、析出結晶を濾去、
濾液を減圧下に濃縮した。濃縮物に氷冷下酢酸エチル2
5ml,氷水25mlを加えはげしくかきまぜた後、酢酸エ
チル層を分取し、氷冷した炭酸水素ナトリウム5g,水
25ml溶液に加えた。室温で2時間かきまぜたのち氷冷
し、酢酸5mlを加えpH4.5に調整後、アンバーライト
(登録商標)XAD−IIカラム(40φ×300mm,ロー
ム&ハース社)クロマトグラ フィーに付し、水100m
l,20%メタノール1000mlついで90%メタノー
ル1300mlの順に展開し、目的の画分を減圧下に濃縮
後凍結乾燥するとアモルファス体4.6gが得られた。
これにエタノール5mlを加えて溶解し、氷冷下に 3時
間放置後析出した結晶を濾取、乾燥した(3.9g)。つ
いで20mlのジクロルメタンに溶解し、10mlのエタノ
ールを加え減圧下20℃で濃縮、析出結晶を濾取し、冷
エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥すると、2,3−ジ
−O−ベンジ ル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッ
カロアスコルビン酸n−オクタデカンチ オールエステル
ナトリウム塩の3.2gが得られた。 元素分析値(%) C38549SNaPとして 計算値 C 61.66; H 7.35; S 4.33; P4.18 実測値 C 61.36; H 7.48; S 4.40; P 4.121 H−NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.85(t,J=6.6Hz,C
H3),1.17-1.30(C15H30),1.41(quintet,J=7Hz,SCH 2CH 2),
2.64,2.72(各dt,J=13.3,7.0,7.0,SCH2),4.87(dd,J=2Hz,
JPOCH=10.5Hz,5-H),4.93(s,CH 2Ph),5.30及び5.23(ABq,J
=11.7Hz,CH 2Ph),5. 30(d,J=2Hz,4-H),7.30-7.43(m,Ph) IR(KBr)cm-1 2920, 2850, 1770, 1670, 1460, 1410,
1360, 1315, 1150, 1100, 1055, 940, 910, 875, 810,
740,705, 695, 675, 590, 570, 555, 500 [α]D=−40.6゜(c=0.9 in CHCl3),[α]
Hg365=−227.2゜(c=0.9 in CHCl3) mp 130−134℃
【0055】[実施例4]2,3−ジ−O−ベンジル−
5−O−ホスホノ−L−グロサッカロアスコルビン酸n
−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩 2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコサッカロアスコ
ルビン酸n−オクタデカンチオールエステル6.4gをト
ルエン50mlに溶解し、氷冷下にかきまぜながらオキシ
塩化リン3.7ml、ついでピリジン2.3mlを加えた。
室温で1時間かきまぜたのち沈殿物を濾去、濾液を減圧
下に濃縮した。濃縮残渣に酢酸エチル25mlおよび氷水
25mlを加えてはげしくかきまぜたのち、酢酸エチル層
を分取し、氷冷した炭酸水素ナトリウム5gの水25ml
溶液に加え、室温で2時間かきまぜた。氷冷下に酢酸5
mlを加えpH4.5に調整後、アンバーライト(登録商標)
XAD−IIカラム(40φ×300mm,ローム&ハース
社)クロマトグラフィーに付し、水100ml,20%メ
タノール1000mlついで90%メタノール1300ml
の順に展開して、2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−
ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸 ナトリ
ウム塩の画分を溶出後、残存するL−グロサッカロアス
コルビン酸誘導体をメタノールで溶出した。溶出液を減
圧下に濃縮し、残渣をメタノールから再結晶すると、
2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−L−グ
ロサッカロアスコルビン酸n−オクタデカンチオールエ
ステル ナトリウム塩の1.5gが得られた。 元素分析値(%) C38549SNaPとして 計算値 C 61.66; H 7.35; S 4.33; P4.18 実測値 C 61.81; H 7.57; S 4.05; P 3.961 H−NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.84(t,J=6.8Hz,C
H3),1.17-1.30(C15H30),1.36(quintet,J=7.1Hz,SCH 2C
H 2),2.57,2.68(各dt,J=13.2,7.3,7.3,SCH2),4.87及び4.
89(ABq,J=11.2Hz,CH2Ph),5.05(5-H),5.21及び5.27(ABq,
J=12Hz,CH 2Ph),5.51(d,J=2.2Hz,4-H),7.30-7.43(m,Ph) IR(KBr)cm-1 2920, 2850, 1790, 1765, 1680, 1660,
1470, 1455, 1340, 1315, 1250, 1150, 1125, 1095, 1
060, 955, 890, 740, 695, 520 [α]D 25゜=−24.7゜,[α]Hg365 25゜=−147.7
゜(c=0.5075%inCHCl3) mp 190℃
【0056】[実施例5]実施例3で得られた2,3−
ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッ
カロアスコルビン酸n−オクタデカンチオールエステル
ナトリウム塩300mg,塩化ナトリウム9gおよびベン
ジルアルコール9gを注射用蒸留水に溶解して全量を1
000mlとした。この溶液を孔径0.2μmのメンブラン
フィルターを用いて無菌濾過し、無菌的に内容量50ml
のバイアルに充填してゴム施栓を行ないアルミキャップ
で巻き締めをして注射剤を作製した。
【0057】[実施例6]実施例3で得られた2,3−
ジ−O−ベンジル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッ
カロアスコルビン酸n−オクタデカンチオールエステル
ナトリウム塩400mg,乳糖195mgおよびステアリ
ン酸マグネシウム5mgを常法によりよく混合してゼラチ
ン硬カプセルに充填し、カプセル剤を作製した。
【0058】[実施例7] (血管内皮細胞を用いての
プラスミノーゲン産生誘導能の測定) サッカロアスコルビン酸誘導体の培養ウシ肺大動脈血管
内皮細胞に対するプラスミノーゲンアクティベータ産生
誘導作用を、プラスミノーゲンを含むフィブリン平板法
を用いて測定した。 (1) 材料 (a)ウシ肺大動脈血管内皮細胞 ウシ肺大動脈血管内皮細胞CCL 209をアメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクションから購入して用い
た。 (b)培地 10%非働化ウシ胎児血清,ペニシリンG(100U/m
l)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を含むダ
ルベッコ変法最小必須培地を用いた。 (c)フィブリノーゲン溶液 75%凝固ウシフィブリノーゲン(生化学工業)をリン酸
塩緩衝液(50mM,pH7.4)に溶解した後、プラスミ
ンおよびプラスミノーゲンを含まないフィブリノーゲン
を得るため、リジンセファロースカラムにのせて、その
素通り画分を集めた。得られたフィブリノーゲン画分を
リン酸塩緩衝液で希釈し、フィブリノーゲン濃度が10
mg/mlになるように調整した。 (d)トロンビン溶液 ウシトロンビン(1000単位/バイアル,持田製薬)を
10単位/mlになるように生理食塩水に溶解して用い
た。 (e)プラスミノーゲン溶液 ヒトプラスミノーゲン(51.5単位/バイアル,日本製
薬)を10単位/mlになるように生理食塩水に溶解して
用いた。 (f)アガロース溶液 アガロース(FMC社,Seakem ME)を1%(W/V)に
なるように、トリス塩酸緩衝液(50mM,pH7.5)−1
2mM NaClに溶解して用いた。 (g)ゲルボンドフィルム ゲルボンドフィルム(FMC社,アガロース用)を縦8.
0cm,横12.5cmからなる長方形に切断して用いた。 (h)ウロキナーゼ標準溶液 ヒトウロキナーゼ(タンパク質量0.88mg/ml,日本製
薬)を、0.1%ウシ血清アルブミンを含むトリス塩酸緩
衝液(50mM,pH7.5)−12mM NaClで希釈し、5
0,25,12.5,6.25,3.125(ng/ml)の各
濃度の溶液を調製した。 (2) 測定法 (a)(ウシ肺大動脈血管内皮細胞培養法およびサッカロア
スコルビン酸誘導体添加によるプラスミノーゲンアクテ
ィベータ産生誘導) ウシ肺大動脈血管内皮細胞(継代数21〜26)浮遊液
を、96穴プレート(ヌンク社)へ一穴あたり100μl
(細胞数3000個)ずつまいて、5% CO2インキュ
ベーター(37℃)中で3日間培養しプレコンフルエント
に増殖させた。培地を除き細胞をPBS(−)で洗った
後、再び新鮮な培地を一穴あたり95μl加えた。サッ
カロアスコルビン酸誘導体をジメチルスルホキシド(D
MSO)に溶解して、10mMとした。この溶液を培地で
10,100,1000倍に希釈し、それぞれ1,0.
10,0.01mMとした。この時対照としてDMSOを
培地で、それぞれ10,100,1000倍に希釈し
た。希釈したサッカロアスコルビン酸誘導体および対照
を96穴プレートへ最終濃度50,5,0.5μMとな
るように一穴あたり5μlずつ加えて2日間培養した。
培養上清を採取し、試験検体としてプラスミノーゲンア
クティベータ活性を測定した。 (b)(プラスミノーゲンを含むフィブリン平板の作成とプ
ラスミノーゲンアクティベータ活性の測定) ウシフィブリノーゲン溶液3mlにヒトプラスミノーゲン
溶液0.5mlを加え50℃で2分間保温した後、予め加
熱溶解後50℃に保温されたアガロース溶液10mlと混
合した。ただちにトロンビン溶液0.1mlを加えて混合
した後、ゲルボンドフィルム上へ溶液を流し室温で1時
間静置しフィブリン平板を作成した。このフィブリン平
板上に直径3mmの穴をあけ、試験検体およびウロキナー
ゼ標準溶液を5μlずつ加えた。37℃で6時間反応さ
せた後、融解斑の直径を測定し、標準曲線から各試験検
体中のプラスミノーゲンアクティベータ活性を求めた。 (3) 結果 実施例1および実施例2に従って得られたサッカロアス
コルビン酸誘導体のプラスミノーゲンアクティベータ産
生誘導能の試験結果を表1に示す。
【表1】 サッカロアスコルビン酸誘導体の添加によって最高7倍
のプラスミノーゲンアクティベータ活性の増大が認めら
れた。
【0059】[実施例8] (2,3−ジ−O−ベンジル
−5−O−スルホ−D−グルコサッカロアスコルビン酸
n−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩のラ
ットへの静脈内投与による線溶の亢進) 実施例1で得た2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ス
ルホ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタデ
カンチオールエステル ナトリウム塩をラットへ静脈内
投与し、経時的に採血してユーグロブリン画分を調製
し、そのプラスミン活性を測定した。 (1) 材料 (a)動物 SDラット(10〜12週令,雄性,体重370〜45
0g,日本クレア社)を使用した。 (b)S−2251溶液 S−2251(H-D-Val-Leu-Lys-pNA,カビ社,
スエーデン)を3mMとなるように蒸留水に溶解して用い
た。 (2) 投与方法 試験検体を生理食塩水に0.5,1.5,5および25mg
/mlとなるように溶解したのち、エーテル麻酔下にラッ
トへ1,3,10および50mg/kgとなるように静脈内
投与した。 (3) プラスミン活性の測定法 (a)(ユーグロブリン画分の調製) 血液9容に3.8%クエン酸ナトリウム溶液1容を加え
て、3000rpmで10分間遠心分離して得られた上清
の0.5mlに0.017%の冷酢酸水9.5mlを加えてpH
5.2に調整し、4℃で 30分間放置した。沈澱を遠
心分離法で集め、0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)−0.012M NaCl0.5mlに溶解したものをユ
ーグロブリン溶液とした。 (b)(S−2251加水分解活性の測定) ユーグロブリン溶液0.25mlに、0.05Mトリス塩酸
緩衝液(pH7.5)−0.012M NaCl 0.23ml,
S−2251溶液0.02mlとを加えて、37℃で30
分間反応させた。次いで0.05mlの50%酢酸水を加
えて反応を停止させたのち、波長405nmにおける吸光
度を測定した。上記の方法に従って実施例1で得られた
化合物をラットに静脈内投与(投与量,1,3,10お
よび50mg/kg)し、血中プラスミン活性を経時的に調
べた結果 を表2に示す。1群3匹ずつのラットを使用
し、プラスミン活性はその平均値で表示した。
【表2】 投与群において、血中プラスミン活性は投与量に依存し
て顕著に増大し、50mg/kgでは対照群の8倍に達し
た。
【0060】[実施例9] (2,3−ジ−O−ベンジル
−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビン
酸n−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩の
ラットへの静脈内投与による線溶の亢進) 実施例2で得た2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ホ
スホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタ
デカンチオールエステル ナトリウム塩をラットへ静脈
内投与し、経時的に採血してユーグロブリン画分を調製
し、そのプラスミン活性を測定した。 (1) 材料 (a)動物 SDラット(10〜11週令,雄性,体重400〜46
0g,日本クレア社)を使用した。 (b)S−2251溶液 実施例8と同様に調製したものを用いた。 (2) 投与方法 実施例8の方法に準じて行った。 (3) プラスミン活性の測定法 実施例8の方法に準じて行った。上記の方法に従って実
施例2で得られた化合物をラットに静脈内投与(投与
量,1,3,10および50mg/kg)し、血中プラスミン
活性を経時的に調べた結果を表3に示す。1群3匹ずつ
のラットを使用し、プラスミン活性はその平均値で表示
した。
【表3】 投与群において、血中プラスミン活性は投与量に依存
して顕著に増大し、50mg/kgでは対照群の7倍に達し
た。
【0061】[実施例10] (2,3−ジ−O−ベンジ
ル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビ
ン酸n−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩
のラットへの静脈内投与による線溶の亢進) 実施例2で得た2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ホ
スホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−デカン
チオールエステル ナトリウム塩をラットへ静脈内投与
し、投与1分後に頸動脈から採血して全血のクロット溶
解時間およびユーグロブリン画分のプラスミン活性を測
定した。 (1) 材料 (a)動物 SDラット(13週令,雄性,体重410g〜490g,
日本クレア社)を使用した。 (b)S−2251溶液 実施例8と同様に調製したものを用いた。 (2) 投与方法 試験検体を生理食塩水に0.05,0.5および5mg/ml
となるように溶解したのち、ペントバルビタールナトリ
ウム(40mg/kg)麻酔下にラットへ0.1,1および1
0mg/kgとなるように静脈内投与した。 (3) プラスミン活性の測定法 (a)(ユーグロブリン画分の調製) 実施例8の方法に準じて行った。 (b)(S−2251加水分解活性の測定) 実施例8の方法に準じて行った。 (c)(全血クロット溶解時間の測定) 全血クロット溶解時間は〔ブリティッシュ・ ジャーナ
ル・オブ・ファーマコロジー( Br. J. Pharmacol.),
93,156(1988)〕記載の方法に従って行った。すな
わち、0.12M酢酸ナトリウム1.7mlと20単位/ml
トロンビン0.1mlとを加えた試験管へ血液0.2mlを加
えて37℃で反応させてクロットを形成させた後、クロ
ットが溶解するまでの時間を測定した。上記の方法に従
って実施例1で得られた化合物をラットに静脈内投与
(投与量0.1,1および 10mg/kg)し、投与後1分に
頸動脈から2mlずつ採血して、血中プラスミン活性およ
び全血クロット溶解時間を調べた。その結果を表4に示
す。1群5匹ずつのラットを使用し、プラスミン活性お
よび全血クロット溶解時間はその平均値で表示した。
【表4】 投与群において、血中プラスミン活性は投与量に依存
して顕著に増大し、10mg/kgでは対照群の約7倍に
達した。全血クロット溶解時間は10mg/kgでは対照群
の約1/2に短縮し、明らかな線溶亢進作用が認められ
た。
【0062】[実施例11] (2,3−ジ−O−ベンジ
ル−5−O−ホスホノ−D−グルコサッカロアスコルビ
ン酸n−オクタデカンチオールエステル ナトリウム塩
の家兎への静脈内持続注入法による線溶の亢進) 実施例2で得た2,3−ジ−O−ベンジル−5−O−ホ
スホノ−D−グルコサッカロアスコルビン酸n−オクタ
デカンチオールエステル ナトリウム塩を家兎の静脈内
へ持続注入し、経時的に採血してユーグロブリン画分を
調製し、そのプラスミン活性を測定した。 (1) 材料 (a)動物 家兎(日本白色種,雄性,体重3.0〜3.5kg, ラビト
ン牧場)を使用した。 (b)S−2251溶液 実施例8と同様に調製したものを用いた。 (2) 投与方法 試験検体を生理食塩水に10mg/5mlとなるように溶解
したのち、ウレタンとペントバルビタールナトリウム麻
酔下(それぞれ0.5mg/kgおよび90mg/kg腹腔内投
与)に家兎へボラスで1mg/0.5ml静脈内投与し、残
りの9mg/4.5mlを1時間かけて静脈内へ持続投与し
た。 (3) プラスミン活性の測定法 実施例8の方法に準じて行った。上記の方法に従って実
施例2で得られた化合物を家兎に静脈内持続注入(投与
量,3mg/kg)した。血中プラスミン活性はボラス投与
後10分,30分,60分,90分および120分に採
血して測定した。その結果を表5に示す。1群3匹ずつ
の家兎を使用し、プラスミン活性はその平均値で表示し
た。
【表5】 投与群のプラスミン活性は対照群の1.6〜4.2倍の
高値を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔上記式中、R1およびR2はそれぞれ炭化水素残基を示
    し、R3はスルホ基またはホスホノ基を示し、−CO−
    4はエステル化されているカルボキシル基,チオール
    エステル化されているカルボキシル基またはアミド化さ
    れているカルボキシル基を示し、〜は絶対配位Rまたは
    Sを示す。〕で表わされる化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】一般式 【化2】 〔上記式中、各記号は前記と同意義〕で表わされる化合
    物またはその塩に無水硫酸の反応性誘導体またはリン酸
    化試薬を反応させることを特徴とする一般式 【化3】 〔上記式中、各記号は前記と同意義〕で表わされる化合
    物またはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の化合物を含む血栓症予防
    治療剤。
JP17834291A 1990-07-20 1991-07-18 サツカロアスコルビン酸誘導体および血栓症予防治療剤 Withdrawn JPH0539280A (ja)

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JP19342590 1990-07-20
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015521477A (ja) * 2012-06-22 2015-07-30 ゲンチウム エスピーエー デフィブロチドの生物学的活性を決定する為の、ユーグロブリンに基づく方法

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JP2015521477A (ja) * 2012-06-22 2015-07-30 ゲンチウム エスピーエー デフィブロチドの生物学的活性を決定する為の、ユーグロブリンに基づく方法

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