JPH0539128U - 電線接続用圧縮スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリーブの圧縮部分の断面積を減少させる確
認孔を省略し、強度を維持しながら、いつでも確実に電
線挿入状態の確認ができ、雨水の浸入、滞留による凍結
破壊をも防止することができる電線接続用の圧縮スリー
ブを提供する。 【構成】 スリーブ３に電線挿通用の貫通孔５と先広が
りのテーパ孔６とを設ける。貫通孔５に電線Ｗを挿通
し、端部にクサビリング８を嵌め込んで電線Ｗと共にテ
ーパ孔６へ打ち込む。クサビリング８には、テーパ孔６
への打ち込みにより縮径して電線Ｗを把持するための軸
線方向の割り溝９を形成し、またその外周に先細りのテ
ーパ面１０を形成する。テーパ孔６は、電線Ｗの端部を
クサビリング８と共に打ち込んだ後、蓋体１１で密閉し
て雨水の浸入を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電線に圧縮接続される引留クランプのジャンパソケット、圧縮端子 、Ｔ型スリーブの分岐側等の圧縮スリーブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電線接続用の圧縮式スリーブとして、例えば実公昭５７−３９８７８号 の公報に記載されたものが知られている。このスリーブは、電線挿入孔の終端部 に外周から挿入孔に至るねじ孔を設け、このねじ孔にねじ栓を螺合して挿入孔内 の電線を押圧するようにしたものである。そして、ねじ栓の捩じ込み長さを目視 などで点検することにより、挿入孔への電線の十分な挿入を確認すると共に、ね じ栓の押圧力で電線の抜け出しを防止するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の電線接続用スリーブにおいては、スリーブの圧縮後、ねじ栓を抜き 取ることができないので、電線の挿入状態を確認することができない。挿入孔を 深く形成してねじ孔を深部に設け、ねじ栓部分を圧縮しないようにすれば、圧縮 後にねじ栓を抜いて電線の挿入状態を点検することができるが、そのためにスリ ーブが長大化し、また強度が低下する。また、圧縮によるスリーブの伸びで挿入 孔の先端と電線の先端との間に隙間ができるが、ここに雨水等が溜って、凍結破 壊を引き起こすおそれもある。ねじ孔と別に排水孔を設ければ、さらにスリーブ の断面積が減少し、強度が低下してしまうという問題点がある。 従って、本考案は、スリーブの圧縮部分の断面積を減少させることなく、いつ でも確実に電線挿入状態の確認ができ、雨水の滞留による凍結破壊をも防止する ことができる電線接続用の圧縮スリーブを提供することを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上記課題を解決するため、スリーブ３に電線挿通用の貫通 孔５を設ける一方、この貫通孔５に挿通した電線Ｗの端部に嵌め込んで電線Ｗと 共に貫通孔５へ打ち込むためのクサビリング８を設けると共に、電線Ｗの端部を クサビリング８と共に打ち込んだ後、貫通孔５を密閉するための蓋体１１を設け 、貫通孔５のクサビ打ち込み側の端部には、先広がりのテーパ孔６を形成し、ク サビリング８には、テーパ孔６への打ち込みにより縮径して電線Ｗを把持するた めの軸線方向の割り溝９を形成すると共に、外周に先細りのテーパ面１０を形成 して電線接続用圧縮スリーブを構成した。

【０００５】

【作用】

本考案のスリーブにおいては、貫通孔５に接続すべき電線Ｗの一端側を挿通し 、電線Ｗの端部付近の所要位置にクサビリング８を嵌め込み、これを電線Ｗと共 にテーパ孔６に打ち込む。クサビリング８はそれの外周テーパ面１０と、テーパ 孔６との作用で徐々にその径を縮小し、強固に電線Ｗを把持すると共に、テーパ 孔６に強固に固定される。さらに圧縮器により、電線Ｗもろともスリーブ３を圧 縮して両者を一体に固定する。最後にテーパ孔６から外部に突出した電線Ｗの余 長部を切除し、スリーブ３に蓋体１１を装着して接続作業を完了する。電線Ｗが スリーブ３を貫通しているから電線Ｗの挿入不足は生じる余地がないし、挿入状 態確認用の孔は不要である。電線挿入用の孔５が貫通しているので、スリーブ圧 縮後に内部に空間が生じず、ここに雨水が溜ることがなく、また貫通孔５は蓋体 １１で密閉されるから内部への雨水の浸入が阻止されので凍結破壊のおそれもな い。挿入状態確認用あるいは、水抜き用の孔を形成する必要がないからスリーブ ３が弱体化せず強固である。

【０００６】

【実施例】

図について本考案の一実施例を説明する。図１は本考案を適用したジャンパソ ケットの斜視図、図２は本考案を適用したジャンパソケットの正面図、図３はク サビリングの斜視図、図４は本考案を適用したジャンパソケットの電線接続過程 の断面図、図５は本考案を適用したジャンパソケットの電線接続後の断面図であ る。

【０００７】 ジャンパソケット１は、引留クランプへ接続するための接続部２と、ジャンパ 線（電線）Ｗを圧着するためのスリーブ３とを備えている。接続部２とスリーブ ３とは、曲部４を介して連続しており、互いに延長する軸線を異にしている。 スリーブ３には、電線挿通用の貫通孔５が設けられ、貫通孔５の接続部２側の 端部には、先広がりのテーパ孔６が形成されている。また、スリーブ３の接続部 ２側の端部の外周には、ねじ７が形成されている。 貫通孔５には、ジャンパ線Ｗの一端部側が挿通され、端部にクサビリング８が 嵌め込まれる。クサビリング８は、テーパ孔６への打ち込みにより縮径してジャ ンパ線Ｗを把持することができるように、軸線方向の割り溝９を備え、外周は先 細りのテーパ面１０となっている。クサビリング８の内径は軸線方向に変化なく 、均等にジャンパ線Ｗを把持することができるようになっている。 蓋体１１は、ジャンパ線Ｗの端部をクサビリング８と共にスリーブ３のテーパ 孔６に打ち込んだ後、テーパ孔６を密閉するためのもので、スリーブ３のねじ７ に螺合される。

【０００８】 しかして、この実施例のジャンパソケットにジャンパ線Ｗを接続する場合には 、図４に示すように、貫通孔５に接続すべきジャンパ線Ｗの一端側を挿通し、ジ ャンパ線Ｗの端部付近の所要位置にクサビリング８を嵌め込む、このときジャン パ線の長さを調整する。クサビリング８を装着したら、これをジャンパ線Ｗと共 にテーパ孔６に打ち込む。すると、クサビリング８は、それの外周テーパ面１０ と、テーパ孔６との作用で徐々にその径を縮小し、強固にジャンパ線Ｗを把持す ると共に、テーパ孔６に強固に固定される。さらに圧縮器により、ジャンパ線Ｗ もろともスリーブ３を圧縮して両者を一体に固定する。最後にテーパ孔６から外 部に突出したジャンパ線Ｗの余長部を切除し、スリーブ３のねじ７に蓋体１１を 螺合してテーパ孔６を密閉し接続作業を完了する。

【０００９】 この場合、ジャンパ線Ｗがスリーブ３を貫通しているからジャンパ線Ｗの挿入 不足は生じる余地がないし、挿入状態確認用の孔は不要である。ジャンパ線Ｗを ある程度余裕を見て適当な長さに切断しておき、クサビリング８を装着する位置 を変更することで現場に適合した最適の長さに調整することができる。ジャンパ 線挿入用の孔５がスリーブ３を貫通しているので、スリーブ圧縮後に内部に空間 が生じず、ここに雨水が溜ることがなく、また貫通孔５は蓋体１１で密閉される から内部への雨水の浸入が阻止され、凍結破壊のおそれもない。挿入状態確認用 あるいは、水抜き用の孔を形成する必要がないからスリーブ３が弱体化せず強固 である。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、スリーブ３に電線挿通用の貫通孔５を設け る一方、この貫通孔５に挿通した電線Ｗの端部に嵌め込んで電線Ｗと共に貫通孔 ５へ打ち込むためのクサビリング８を設ける。電線Ｗの端部をクサビリング８と 共に打ち込んだ後、貫通孔５を密閉するための蓋体１１を設け、貫通孔５のクサ ビ打ち込み側の端部には、先広がりのテーパ孔６を形成し、クサビリング８には 、テーパ孔６への打ち込みにより縮径して電線Ｗを把持するための軸線方向の割 り溝９を形成する。さらに、外周に先細りのテーパ面１０を形成して電線接続用 圧縮スリーブを構成したため、スリーブの圧縮部分の断面積を減少させる確認孔 を設けることなく、従ってスリーブを弱体化させることがなく、いつでも確実に 電線の挿入状態を確認することができ、雨水の滞留による凍結破壊をも防止する ことができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したジャンパソケットの斜視図で
ある。

【図２】本考案を適用したジャンパソケットの正面図で
ある。

【図３】クサビリングの斜視図である。

【図４】本考案を適用したジャンパソケットの電線接続
過程の断面図である。

【図５】本考案を適用したジャンパソケットの電線接続
後の断面図である。

【符号の説明】

３ スリーブ ５ 貫通孔 ６ テーパ孔 ８ クサビリング ９ 割溝 １０ テーパ面 Ｗ 電線（ジャンパ線）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 須田 博之 水戸市東原２丁目８番17号 東京電力株式 会社茨城支店水戸西工事事務所内 (72)考案者 高橋 恵一郎 栃木県河内郡河内町中岡本2703 三和テツ キ株式会社宇都宮工場内 (72)考案者 雲井 澄夫 栃木県河内郡河内町中岡本2703 三和テツ キ株式会社宇都宮工場内 (72)考案者 野村 清三 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テツキ株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリーブに電線挿通用の貫通孔を設ける
   一方、この貫通孔に挿通した電線の端部に嵌め込んで電
   線と共に貫通孔へ打ち込むためのクサビリングを設ける
   と共に、電線の端部をクサビリングと共に打ち込んだ
   後、貫通孔を密閉するための蓋体を設け、前記貫通孔の
   クサビ打ち込み側の端部には、先広がりのテーパ孔を形
   成し、前記クサビリングには、前記テーパ孔への打ち込
   みにより縮径して電線を把持するための軸線方向の割り
   溝を形成すると共に、外周に先細りのテーパ面を形成し
   たことを特徴とする電線接続用圧縮スリーブ。