JPH0538846Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、背負式動力噴霧器の運搬車及び背負
い補助具として用いられる手押車に関する。

従来技術 農薬や肥料の散布に用いられる背負式動力噴霧
器５０（第２図参照）は、作業者の背中に異和感
なく当接するように形成されたプラスチツク製薬
液タンク５１と、これにエンジン５２及び燃料タ
ンク、薬液圧送ポンプ５３、薬液圧送ホース、噴
霧ノズル竿等を、一体的に組付けた構成を有し、
薬液をタンクに満たすと、その重量は、タンクの
大きさにもよるが、20〜40Kgにも及ぶ。したがつ
て、これを背中に背負うには、補助者に持ち上げ
て貰つて、背負いバンドを肩に通してから背負う
か、或は、傾斜地や小高い場所などの自然条件を
利用するか、或は、トラツクの荷台などを利用す
るかして、噴霧器を腰より高い位置に一旦載せて
から、これを背負う以外に方法がない。このよう
なことから、若し、薬液等の注入場所に、このよ
うな適当な背負い補助手段が得られないときは、
補助台などを持参する必要があつた。

考案の構成 本考案は、このような背負式の動力噴霧器の不
便を解消することを目的とするものであつて、そ
の要旨は、略長方形フレームの上端に把手部を、
下端に一対の車輪を、夫々設けて成る枠組車と、
前記枠組車のフレーム下端付近から、このフレー
ムの一側に突設され、前記枠組車を直立状態に保
持する荷台兼用スタンドと、前記フレームの他側
に、このフレームから若干距離だけ隔てて設けた
一対の枢支部に、両端において枢着された背負台
枠とを有し、この背負台枠を枢支部を中心に回動
して把手部を越えてフレームのスタンド突設側に
反転回動したとき、フレームを構成する左右一対
の縦枠材から、背負台枠の回動域に突設した支承
突子によつて、背負台枠が、ほぼ水平位置に支持
されるように構成し、重量の大きい背負動力噴霧
器の運搬機能と該噴霧器を背中に背負うときの補
助台としての機能を併有する背負式動力噴霧器用
運搬車を提供することにある。以下、実施例につ
いて図面に基ずいて述べる。

第１図は、本願運搬車の一実施例であつて、略
長方形のフレーム１の上端に把手部２が、又下端
には、一対の車輪３，３が、フレーム１の下端水
平枠材１ａを兼ねた車軸１ａの両端に枢着されて
いる。把手部２は、フレーム１の上端水平枠材を
兼ねており、フレームの縦枠材１ｂ，１ｃを、そ
の上端付近で若干屈曲させることにより、作業者
の手前側に位置させている。このような構造の枠
組車を、車輪３，３上に直立させるために、フレ
ームの両縦枠材下端付近に、一端が、夫々強固に
固着された枠材が水平方向に突出４ａし、ついで
下方に屈折して、フレーム１が垂直になる位置で
接地し、更に水平方向に屈曲４ｂして合流一体化
した如き構造の枠体から成る荷台兼用スタンド４
が、設けられている。

又、フレーム１の縦枠材１ｂ，１ｃには、中央
付近に逆Ｌ状枠材５ａ，５ｂを水平枠材５ｃで連
結した如き枠体から成るホース巻取枠５が設けら
れ、更に。その上方に、該ホース巻取枠５と屈曲
方向が逆向きのＬ状枠体６ａ，６ｂと水平枠材６
ｃで一連に構成されたホース巻取枠６が固設され
ている。勿論、この一対のホース巻取枠５，６
に、薬液圧送管としてのホースが、巻き付けられ
ることは言うまでもない。上方のホース巻取枠６
の水平枠材６ｃの左右両端には、該枠材６ｃより
左右に若干突出した状態で、一対の軸７ａ，７ｂ
が、固設されて枢支部をなしており、この軸７
ａ，７ｂに、コ字状枠体から成る背負台枠８が、
その両端付近で枢着している。背負台枠８の左右
幅ｗは、フレーム１の左右幅より若干広くなつて
おり、したがつて、背負台枠８は、フレーム１の
手前側（ホース巻取枠突出側）から反対側（スタ
ンド突出側）へ反転回動可能であり、この背負台
枠８を、前記反対側に反転した際、該台枠８を水
平位置で支承する為の支承突子９ａ，９ｂが、フ
レーム１の縦枠材１ｂ，１ｃに左右方向に突設さ
れて成るものである。

上記実施例に係る背負式動力噴霧器用運搬車
は、第２図に示す如き噴霧器５０のタンク５１に
薬液を充たして、荷台兼用スタンド４上に載置し
て、目的地に運ぶ。通路が平坦でない場合は、フ
レーム１の縦枠材１ｂ，１ｃ間に跨設された横桟
１０の適所に設けたフツク１１，１１に、タンク
５１の背中側に設けられている肩バンド取付リン
グ５４等を利用して、これを引掛けて吊支する状
態で移動する。そして、動力噴霧器を運搬車上に
のせたまま、薬液散布を行う場合は、ホース巻取
枠５，６に巻回してあるホースを伸ばして、一端
を薬液圧送ポンプ５３の吐出口に結合し、他端に
噴霧竿を取り付けて畝間を移動し散布する。ホー
スを伸ばしたり、巻き付けたりする場合、背負台
枠８を第１図の一点鎖線の位置に垂下固定してお
けば、ホースの巻き伸ばし作業の邪魔にならな
い。背負式動力噴霧器５０を、その本来の用い方
である背中に背負う場合は、フレーム１を直立さ
せた状態で背負台枠８を第１図に示すように反転
して、支承突子９ａ，９ｂ上に係止し、この、ほ
ぼ水平の背負台枠８上に、噴霧器５０を、一旦載
せてから、背中に背負うと、相当に重いもので
も、楽に背負うことができる。

第２図は、本考案に係る運搬車の第二実施例を
示すもので、第１図に示した第一実施例との相異
点について説明すると、把手部２２は、第一実施
例の枠状把手と異なり、フレーム２１から上方
に、やや傾斜して設けた左右一対の棒状体から成
る点と、ホース巻取枠５，６の代わりに、ホース
巻取リール２５が設けられている点とが両者の主
たる相異点である。

ホース巻取リール２５は、前記実施例のホース
巻取枠５と、ほぼ同形状のリール支持枠２６とフ
レーム２１との間に跨設されたリール支持桟（図
示せず）とによつて回動自在に挟持されている。
２７は、背負台枠２８の枢支部、２５ａは、リー
ル回転ハンドル、２５ｂはホース接続口である。
このホース巻取リール２５も、前記第一実施例の
場合と同様、噴霧器を背負わないで運搬車上若し
くは地面に定置して用いる場合に、ホースを長く
延長する必要があるときに使用する為のものであ
る。

効 果 従来、背負式動力噴霧器は、その重量が大きい
ために移動及び背中へ背負うという作業に大きな
力を必要とし、我が国の農業を支えている高齢者
や婦人が、この種の噴霧器を使用する場合は、介
添者が、どうしても必要であつたが、本願運搬車
を使用すれば、薬液の入つた重い噴霧器の移動は
勿論、背中に背負うのも背負台枠の高さが、すで
に腰の高さに位置しているので、これに一旦載せ
てから背負えば、重い噴霧器と共に立ち上がると
いう困難な動作が必要ないので、一人で楽に背負
うことができる。又、長いホースの収納運搬も容
易であるので、場合に応じて、一般の動力噴霧器
と同様な使い方も可能であるなどの優れた利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す斜視図であ
る。第２図は、本考案の他の実施例を示す側面図
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 略長方形のフレームの上端に把手部を、下端
   に一対の車輪を、夫々設けて成る枠組車と、前
   記フレーム下端付近から該フレームの一側に突
   設され、枠組車を直立状態に保持する荷台兼用
   スタンドと、前記フレームの他側に該フレーム
   から若干の距離を隔てて設けた一対の枢支部
   に、両端において枢着された背負台枠とを有
   し、該背負台枠を、前記把手部を越えて前記ス
   タンド側に反転したとき、前記フレームから背
   負台枠の回動域に突設した支承突子によつて、
   背負台枠が略水平に支持されるように構成した
   ことを特徴とする背負式動力噴霧器用運搬車。 (2) 長方形フレームを構成する一対の縦枠材間に
   跨設したホース巻取枠に、背負台枠の枢支部が
   設けられている請求の範囲第１項記載の運搬
   車。 (3) 長方形フレームの荷台兼用スタンド突設側と
   反対側に、背負式動力噴霧器用ホースの巻取リ
   ールが設けられている請求の範囲第１項記載の
   運搬車。