JPH0538578Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は伝動軸を内部に通して支持した伸縮可
能な操作桿に関し、特に刈払機等の作業機械で使
用される伸縮可能な操作桿に関する。

従来の技術 刈払機等の作業機械において、操作桿が作業者
の操作に適する長さに調節され得るように、主桿
部分に対して軸線方向へ移動可能に入れ子式に嵌
合する可動桿部分を継手部材によつて主桿部分に
対して固定して操作桿全体の長さを所望の長さに
調節し、また主桿部分の後端部分に配設された内
燃機関等の原動機から可動桿部分の前端部分に取
付けられた刈払刃等の作業用工具まで駆動力を伝
達するための伝動軸を主桿部分及び可動桿部分内
に延在させて配置しているものがある。従来のこ
のような操作桿では、例えば伝動軸は主桿部分内
に回転可能に支持された中空管状の主伝動軸と、
可動桿部分内に回転可能に支持され且つ主伝動軸
に入れ子式に係合する軸継手部材によつて駆動上
連結を維持しながら可動桿部分と一緒に軸線方向
へ移動し得る可撓性の可動伝動軸と、主伝動軸を
原動機へ連結し且つ主伝動軸の振動等による変位
を吸収するための可撓性伝動軸とで構成されてお
り、このような構成のために、主伝動軸及び可動
伝動軸は主桿部分及び可動桿部分に対するそれぞ
れの軸線方向外方（即ち反軸接続部方向）への動
きは所定の位置で拘束されるが、それぞれの軸の
軸線方向内方（即ち軸接続部方向）への動きを規
制するようになつておらず、この方向への抜け出
しを規制するための特別のストツパ機構を設けて
いるので、操作桿の組立及び分解作業が煩雑で手
間を要するという欠点があつた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案はこのような従来の技術の欠点
を取除くと共に簡単で便利な形の伸縮可能な操作
桿を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案によれば、操作桿は、それを主桿部分
と、該主桿部分に対して入れ子式に軸線方向へ移
動し得る可動桿部分とで構成し、主桿部分内に主
伝動軸を軸受によつて回転可能に支持するととも
に該軸受から軸線方向外方の位置において主伝動
軸に抜け止め用のプツシユナツトを配設し、主伝
動軸に軸継手部材によつて駆動連結された可動伝
動軸を可動桿部分内に軸受によつて回転可能に支
持するとともに該軸受から軸線方向外方の位置に
おいて可動伝動軸に抜け止め用のプツシユナツト
を配設した構成を特徴とする。

作 用 従つて、主伝動軸及び可動伝動軸が主桿部分及
び可動桿部分に対してそれぞれの軸線方向外方へ
抜け出そうとすると、プツシユナツトは軸受に当
接して主伝動軸及び可動伝動軸の上記抜け出しを
規制する。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

図示した実施例は本考案を刈払機の操作桿１に
適用した例であり、この操作桿１は、第１図、第
２図及び第３図に示すように中空管状の真直ぐな
主桿部分２と、該主桿部分２の内径より小さい外
径を有し且つ該主桿部分２の前端部分３から前方
へ同軸状に延びる中空管状の可動桿部分４とを有
し、該可動桿部分４の前端部分５は第２図に示す
ように下方へ湾曲して形成されている。前記主桿
部分２の前端部分３及び前記可動桿部分４の真直
ぐな後端部分６は、後述するようにして互いに入
れ子式に軸線方向へ相対的に移動することがで
き、且つ継手部材７によつて互いに連結固定され
ることができるようになつている。前記主桿部分
２の後端部分８には、内燃機関等の原動機（図示
せず）に駆動上連結される遠心クラツチのクラツ
チドラム９が軸受１０によつて回転可能に支持さ
れており、また前記主桿部分２内には、後述する
ようにして回転可能に支持された中空管状の主伝
動軸１１と、前記クラツチドラム９及び主伝動軸
１１の間に連結されて駆動力をクラツチドラム９
から主伝動軸１１へ伝達する吸振用の可撓性伝動
軸１２とが配置されている。また、前記可動桿部
分４内には、後述するようにして前記主伝動軸１
１に軸線方向へ移動可能に連結された可撓性の可
動伝動軸１３が回転可能に配置されており、該可
動伝動軸１３は前記可動桿部分４の前端部分５に
取付けられた刈払刃等の作業工具駆動軸１４へ連
結されて原動機からの駆動力で該作業工具駆動軸
１４を駆動するようになつている。

前記継手部材７は、第３図に示す如くその内部
に大径穴部１５及び小径穴部１６を同軸状に形成
しており、前記大径穴部１５及び小径穴部１６の
間に環状の段部１７を形成している。前記大径穴
部１５はその内周面に沿つて前記主桿部分２の前
端部分３を貫入させて受入れており、また前記小
径穴部１６は前記可動桿部分４の後端部分６を挿
通させて受入れている。前記継手部材７は合成樹
脂等の適当な材料によつて一体に作られ、且つそ
の一側部に割溝が形成されており、この割溝の両
側の部分の両端部に横方向ねじ穴１８及び１９が
形成されている。前記継手部材７は、前記大径穴
部１５寄りのねじ穴１８に螺着されるねじを締付
けることによつて前記大径穴部１５の内周面にお
いて前記主桿部分２の前端部分３へ強固に圧着固
定されて前記主桿部分２から離脱不能に保持され
る。同様に、前記継手部材７は、前記小径穴部１
６寄りのねじ穴１９に螺着されるねじを締付ける
ことによつて、前記小径穴部１６の内周面におい
て前記可動桿部分４の後端部分６へ強固に圧着固
定されて、前記可動桿部分４を前記主桿部分２に
対して移動不能に保持し、また前記ねじ穴１９の
ねじを緩めることによつて前記可動桿部分４への
圧着力を解放して軸線方向へ移動させ、操作桿１
全体の長さを調節し得るようになつている。

前記可動桿部分４の後端部分６内にアルミニウ
ム合金製等のスリーブ状のストツパ部材２０の小
径部分２１が挿入されて、ねじ込み等の適当な手
段によつて固定されている。前記ストツパ部材２
０は、前記可動桿部分４の後端部分６から軸線方
向外方へ突出した大径部分２２を一体的に形成し
て有し、該大径部分２２は前記主桿部分２の前端
部分３の内周面に沿つて軸線方向へ摺動し得るよ
うに配置されている。前記ストツパ部材２０は、
前記小径部分２１及び大径部分２２の間に環状の
肩部２３を形成しており、この肩部２３は前記可
動桿部分４が前記主桿部分２から前方へ引出され
る時に、前記継手部材７の段部１７に当接し、前
記可動桿部分４のそれ以上の前方への抜け出しを
規制して、前記可動桿部分４が前記主桿部分２か
ら離脱するのを防止するストツパとして作用す
る。

前記ストツパ部材２０の大径部分２２内に焼結
含油軸受等の適当な軸受２４が取付けられてお
り、該軸受２４は、前記主伝動軸１１の円形外周
面に摺接して該主伝動軸１１を回転可能に且つ軸
線方向へ相対的に移動可能に支持している。更
に、前記主伝動軸１１は前記主桿部分２の後端部
分寄りの内部に配置された軸受２５によつて回転
可能に支持されており、且つ該軸受２５から軸線
方向後方即ち外方の部分に抜け止め用のプツシユ
ナツト２６を設けている。

前記プツシユナツト２６は、弾性を有する円板
状の薄鋼板等で作られており、且つ第４図に示す
ように、前記主伝動軸１１の外径より小さい直径
を有する中央穴２７と、該中央穴２７から半径方
向外方へ延びる複数個の切込溝２８とを形成して
おり、このため半径方向内方へ突出する複数個の
突出片２９を一体に形成して有する。このプツシ
ユナツト２６は、前記主伝動軸１１を前記主桿部
分２内へ装着するに先立つて主伝動軸１１の右端
部（第１図をみて）から前記中央穴２７を主伝動
軸１１の外周に強制的に挿入嵌合させる。このた
め、前記プツシユナツト２６は、その突出片２９
を主伝動軸１１の外周面に沿つて湾曲させながら
第１図に示す位置まで摺動されて配置され、そこ
に自動的に固定される。更に、前記突出片２９の
前記軸受２５側に隣接して間筒３０が装着されて
いる。この構成により、前記主伝動軸１１が、分
解時や可撓性伝動軸１２の位置ずれ時等に、第１
図をみて左方即ち内方へ前記主桿部分２に対して
相対的に移動すると、前記プツシユナツト２６及
び間筒３０は前記軸受２５に当接して、前記主伝
動軸１１のそれ以上の左方への相対的移動を規制
する。

前記主伝動軸１１の内径は図示しないが四角形
等の非円形の断面形状を有している。一方、前記
可動伝動軸１３の後端部には、前記主伝動軸１１
の内径形状と相補した形状を有する軸継手部材３
１を取付けており、該軸継手部材３１は、前記主
伝動軸１１の内径に係合して該主伝動軸１１の駆
動力を前記可動伝動軸１３へ伝達すると共に、前
記操作桿１の長さの調節時には、前記可動桿部分
４の移動に従つて前記主伝動軸１１の内径に沿つ
て軸線方向へ摺動し得るようになつている。

前記可動桿部分４は、その後端部分６内にナイ
ロン等の合成樹脂で作られた管状のライナー３２
を設けており、該ライナー３２は可撓性の前記可
動伝動軸１３が回転時に湾曲して前記可動桿部分
４の内面に直接接触するのを防止する。更に、前
記ライナー３２の前方の前記可動桿部分４内に焼
結合金製等の軸受３３が取付けられている。この
軸受３３は、前記可動桿部分４を前記主桿部分２
内へ押込んで操作桿１全体の長さを短くした時
に、前記主伝動軸１１の前端部分を支持して該主
伝動軸１１を安定させて保持するために設けられ
ている。更に前記可動桿部分４内には、前記軸受
３３の前方にも前記ライナー２８と同様なライナ
ー３４と、該ライナー３４の前方に前記可動伝動
軸１３を支持するための玉軸受３５と、該玉軸受
３５から軸線方向前方即ち外方の位置において前
記可動伝動軸１３に取付けられた抜け止め用プツ
シユナツト３６を設けている。

前記プツシユナツト３６は、前記主伝動軸１１
のプツシユナツト２６と同様に形成されており、
それ故この可動伝動軸１３用のプツシユナツト３
６は、図示を簡略にするために第４図に前記主伝
動軸用のプツシユナツト２６と同じ図で図示され
ている。しかしながら、この可動伝動軸１３用の
プツシユナツト３６の中央穴２７は、可動伝動軸
１３の外径より小さい直径を有するように形成さ
れており、且つプツシユナツト３６は、第２図を
見て前記可動伝動軸１３の左端部から嵌合され、
その突出片２９を左方へ湾曲させて前記可動伝動
軸１３の外周面に圧着させ、且つ前記プツシユナ
ツト３６の右側には間筒３７を挿着して構成され
ている。この構成により、前記可動伝動軸１３が
第２図をみて右方即ち内方へ前記可動桿部分４に
対して相対的に移動すると、前記プツシユナツト
３６及び間筒３７は前記玉軸受３５に当接して、
前記可動伝動軸１３のそれ以上の右方への相対的
移動を規制する。

なお、前記可動桿部分４の前端部分５内にも前
記ライナー３２及び３４と同様なライナー３８が
設けられている。

考案の効果 以上説明したように、本考案は、主伝動軸及び
可動伝動軸の主桿部分及び可動桿部分に対する相
対的な軸線方向内方への移動を規制するストツパ
をプツシユナツトで構成したので、構造が極めて
簡単であり且つ操作桿の組立及び分解を容易に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る伸縮可能な操作桿の一実
施例を示す操作桿の前端部分を切除した概略断面
図、第２図は第１図で切除された操作桿の前端部
分の概略断面図、第３図は第１図の部分の拡大断
面図、そして第４図は第１図及び第２図の実施例
で用いたプツシユナツトの平面図である。 １……操作桿、２……主桿部分、４……可動桿
部分、１１……主伝動軸、１３……可動伝動軸、
２５……軸受、２６……プツシユナツト、３１…
…軸継手部材、３５……玉軸受、３６……プツシ
ユナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作桿１を主桿部分２と該主桿部分に対して入
   れ子式に軸線方向へ移動し得る可動桿部分４とで
   構成し、前記主桿部分内に主伝動軸１１を軸受２
   ５によつて回転可能に支持するとともに該軸受２
   ５から軸線方向外方の位置において前記主伝動軸
   に抜け止め用のプツシユナツト２６を配設し、前
   記主伝動軸に軸継手部材３１によつて駆動連結さ
   れた可動伝動軸１３を前記可動桿部分内に軸受３
   ５によつて回転可能に支持するとともに該軸受３
   ５から軸線方向外方の位置において前記可動伝動
   軸に抜け止め用プツシユナツト３６を配設したこ
   とを特徴とする伸縮可能な操作桿。