JPH0537485Y2

JPH0537485Y2 -

Info

Publication number: JPH0537485Y2
Application number: JP1986194746U
Authority: JP
Priority date: 1986-12-18
Filing date: 1986-12-18
Publication date: 1993-09-22
Anticipated expiration: 2001-12-18
Also published as: JPS6398668U

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野本考案は太陽電池を備えた可撓性の太陽電池シ
ートを用いた太陽電池装置に関する。

(ロ) 従来の技術一般に、ステンレス薄板、ポリイミドフイルム
等の可撓性基板に形成されたアモルフアスシリコ
ンを主体とする太陽電池（以下ａ−Si太陽電池と
略記する）は、アモルフアスシリコンの薄膜化と
相俟つて前記基板の可撓性により、容易に巻回す
ることができる。この特徴を利用した技術とし
て、例えば実開昭60−153535号公報に開示された
如き、巻き込みもしくは折りたたみ可能な太陽電
池シートが知られている。しかし、この従来技術
においては巻回して収納する場合の容器がないた
め、前記太陽電池シートの保管、取扱い時にその
保護のための十分な配慮が必要である。また、太
陽電池は太陽光や外気に長時間露出されると、そ
の特性の劣化が生じるが、特にａ−Si太陽電池に
おいては光劣化が激しく、当該ａ−Si太陽電池の
初期特性を維持するためには、使用しない時間に
おける無駄な光劣化を防止するためにも容器を備
え、容易に収納できる構造とすることが望まし
い。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点本考案は前述の事情に鑑みてなされたもので、
ａ−Si太陽電池を備えた可撓性太陽電池シートの
収納、保管などの取扱い時や、前記ａ−Si太陽電
池の初期特性の維持に十分な配慮が必要である点
を解決し、取扱いの容易な太陽電池装置を得るこ
とを目的としている。

(ニ) 問題点を解決するための手段本考案の太陽電池装置は、可撓性の太陽電池シートと、太陽電池シートを収納する円筒状の収納容器
と、収納容器の円筒軸方向に設けられたスリツト状
の開口部と、収納容器内に設けられ、太陽電池シートを収納
時に巻き付ける中空の円筒状の巻芯と、巻芯の内部に格納され、太陽電池シートからの
出力により充填される二次電池とからなり、太陽電池シートが、収納容器の開口部を通し
て、収納容器内の巻芯に巻き付けて収納自在であ
ることを特徴とする。

(ホ) 作用本考案は、太陽電池シートの収納、保管などの
取扱いが容易である。

更に、中空の巻芯に太陽電池シートを巻き付け
ることにより、一定限度以上に小さく巻き付ける
ことにより発生する、不可逆的な太陽電池シート
の外観上の亀裂、しわ、及び特性の低下を防止で
きると共に、巻芯の内部に、太陽電池シートによ
り充填される二次電池を収納したので、昼間の太
陽電池シートからの出力不足時に、又は、夜間に
二次電池から電力を供給できる。

(ヘ) 実施例本考案太陽電池装置を、図面に示す実施例につ
き以下に説明する。第１図乃至第３図は本考案太
陽電池装置の一実施例を示す。第１図において、
１は例えば実開昭59−166456号公報、特開昭59−
208793号公報等に開示された如き、ステンレス薄
板、ポリイミドフイルム等の可撓性基板上にａ−
Si太陽電池（図示せず）を形成した太陽電池シー
ト、２は該太陽電池シート１の一方の先端縁に取
り付けられた把手、３は太陽電池シート１を収納
する有底円筒状の収納容器で、その円筒軸方向に
スリツト状の開口部４が設けられている。従つ
て、把手２の操作により、前記開口部４を通して
太陽電池シート１が収納容器３内に収納自在とな
つている。

第２図は収納容器３の円筒軸にそつた断面図、
第３図は円筒軸に垂直な断面図である。５は太陽
電池シート１を収納時に巻き付ける中空円筒状の
巻芯で、該巻芯５には太陽電池シート１の他方の
端縁が固着されている。６，６……は巻芯５の内
部に縦列に格納された複数個の二次電池、７，８
は巻芯５を支持する導電性の第１及び第２の支軸
で、第１の支軸７は二次電池６，６……の列の一
端にある陽極に、第２の支軸８は同じく陰極に、
電極ばね９により夫々圧接される。さらに、両支
軸７，８は、図示しない電気配線や逆流防止ダイ
オードを介して前述したａ−Si太陽電池の両電極
に接続される。１０，１１は前記両支軸７，８を
回動自在に軸支する軸受け兼用の集電リング、１
２は前記収納容器３の一方の側面に設けたコネク
タ、１３，１４は夫々集電リング１０，１１とコ
ネクタ１２とを接続する電気配線である。また、
１５は前記収納容器３の他方の側面に設けたスプ
リングケース、１６は該スプリングケース内に設
けられたうず巻ばねで、前記巻芯５は第２の支軸
８を介してうず巻ばね１６により、前記太陽電池
シート１を巻き込む方向に付勢されている。

而して、太陽電池シート１により発電を行なう
場合には、該太陽電池シート１をうず巻ばね１６
の弾性力に抗して収納容器３の外へ引き出し、把
手２を任意の箇所に固定して使用する。巻芯５に
はラチエツト機構（図示せず）が設けられてお
り、太陽電池シート１は任意の長さだけ引き出し
た状態で固定可能である。

太陽電池シート１により発電された電力は、前
記コネクタ１２に負荷を接続しない場合は、内蔵
された二次電池６，６……の充電に使用される。
一方、コネクタ１２を介して各種負荷（図示せ
ず）を接続する場合には、発電された電力は、そ
の負荷の駆動に使用される。また、この負荷の消
費電力の大きさ如何によつては、負荷の駆動と同
時に二次電池６，６……の充電にも使用され得
る。あるいはこの場合に、負荷の消費電力が太陽
電池シート１により発電される電力より大きく、
発電される電力が負荷の消費電力を賄い切れない
ときは、内蔵の二次電池６，６……があらかじめ
十分充電されていれば、その二次電池６，６……
蓄えられている電力も同時に負荷へ供給されて、
太陽電池シート１の発電力を補い得る。さらに、
本考案では、収納容器３からの太陽電池シート１
の引き出し面積、即ちａ−Si太陽電池の受光面積
が可変であるため、設置スペースや必要電力に応
じて臨機応変は使用が可能である。

また、前記太陽電池シート１の使用を終了する
ときは、前記把手２及び前述ラチエツト機構の固
定を解除すれば、前記太陽電池シート１は前記う
ず巻ばね１６の弾性力により、自動的に前記巻芯
５に巻き込まれ、収納容器３内に収納される。

本実施例では、前述の如く太陽電池シート１の
収納のために、うず巻ばね１６を用いた巻き込み
機構を使用しているので、収納容器３への太陽電
池シート１の収納が大変容易となつている。ま
た、前記巻き込み機構はねじりコイルばねなど、
弾性力を有する他の構造としてもよい。

尚、前記公報等に開示された如き構造の太陽電
池シート１であつても、特性上その可撓性には限
度がある。従つて一定限度以上に小さく巻き込む
ことは不可能である。前述した本実施例にあつて
は、太陽電池シート１を実用上適切な直径に巻き
込んで収納し、中空となつた前記巻芯５の内部空
間には二次電池６，６……を格納して、その空間
を有効に利用している。その結果、太陽電池電源
としての使用はもちろん、電気機器の野外での使
用等にあたつては充電器内蔵の可搬式二次電池と
しても使用でき、実用上きわめて有用なものとな
つている。

(ト) 考案の効果本考案は以上の説明から明らかな如く、太陽電
池シートの収納、保管などの取扱いが容易になる
上に、太陽電池シートの無駄な光劣化も防止でき
初期特性の維持にも役立つ。

更に、中空の巻芯に太陽電池シートを巻き付け
ることにより、一定限度以上に小さく巻き付ける
ことにより発生する、不可逆的な太陽電池シート
の外観上の亀裂、しわ、及び特性の低下を防止で
きると共に、巻芯の内部に、太陽電池シートによ
り充電される二次電池を格納したので、昼間の太
陽電池シートからの出力不足時、又は、夜間に二
次電池から電力を供給できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案太陽電池装置の一実施例を示す
斜視図、第２図及び第３図は同実施例の円筒軸を
含む平面及び円筒軸と垂直な平面での断面図であ
る。１……太陽電池シート、３……収納容器、４…
…開口部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】可撓性の太陽電池シートと、太陽電池シートを収納する円筒状の収納容器
と、収納容器の円筒軸方向に設けられたスリツト状
の開口部と、収納容器内に設けられ、太陽電池シートを収納
時に巻き付ける中空の円筒状の巻芯と、巻芯の内部に格納され、太陽電池シートからの
出力により充電される二次電池とからなり、太陽電池シートが、収納容器の開口部を通し
て、収納容器内の巻芯に巻き付けて収納自在であ
ることを特徴とする太陽電池装置。