JPH0537258Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば送配電線を支持する鉄塔の雷
撃点を表示する雷撃点表示器であつて、雷撃時点
から時間を計測可能な計時装置付雷撃点表示器に
関するものである。

〔従来の技術〕

送配電用や通信用の鉄塔等が落雷を受け閃絡が
発生した場合に、雷撃点を表示する機器がある。
従来より知られた雷撃点表示器は、鉄塔等の支持
体に取付けられており、支持体を流れる雷撃電流
で誘導される電流をトリガとして筐体内のガス発
生器を作動させ、ガスの膨張エネルギで筐体を開
蓋し、筐体内の表示布を放出して表示するものが
ある。例えば特開昭56−54366号公報には、一つ
の支持体が複数回雷撃を受けた場合、雷撃回数が
解るように上記のような雷撃点表示器を複数備
え、眷属的に表示する表示器が開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような従来用いられている雷撃点表示器
は、雷撃を受けた支持体を特定し巡視等で発見し
やすくするために表示布を放出して、表示を行う
ものであり、表示器が作動した日時、即ち落雷が
あつた日時を記録する機能は有していない。一
方、送配電線にはフオルトロケータや電磁オツシ
ログラフ等が設置されており、落雷等により故障
が発生した場合に、故障発生日時、故障相、故障
電流等を記録することができる。しかしこの場合
には、故障が発生した支持体すなわち鉄塔等の特
定はできない。そのため、雷撃点表示器の表示個
所とフオルトロケータ等の記録を突き合せても落
雷があつた日時と雷撃点とを対比することが困難
であるという不都合が生じている。

本考案は、前記の不都合を解消するためになさ
れたものであつて、送配電線の定期巡視または故
障発生時等に行う非常巡視で雷撃点表示器の作動
を発見した時に、表示器の作動時、即ち雷撃を受
けた時が解る計時装置付雷撃点表示器を提供する
ものである。その計時装置付雷撃点表示器の計時
機能により、フオルトロケータや電磁オツシログ
ラフの記録と対比可能となる。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１図により説明する。

同図に示すように本考案の計時装置付雷撃点表
示器１０は、支持体１２に取付けられた筐体１６
内に表示体２２とガス発生器２６が収納され、蓋
体１８がされている。さらに計時ユニツト２８と
計時ユニツト２８の駆動電源３２と蓋体１８に連
動するスイツチング機構３４，４２とを有してい
る。

〔作用〕

本考案の計時装置付雷撃点表示器１０は以下の
ように動作する。

落雷によつて送配電線の支持体１２に雷電流Ｉ
が流れると、その誘導電流によりガス発生器２６
が作動して筐体１６から蓋体１８が外れる。その
動作により表示体２２が放出されると共にスイツ
チング機構３４，４２が動作する。そのため、表
示体２２が遠方から確認できるようになると同時
に、駆動電源３２が計時ユニツト２８に継続し、
計時ユニツト２８が計時動作を開始する。

〔実施例〕

以下、本考案を適用する計時装置付雷撃点表示
器について詳細に説明する。

第１図は本考案の計時装置付雷撃点表示器１０
の一実施例を示す通常時における状態の一部断面
正面図であり、第２図はその作動後の表示状態を
示す正面図である。

第１図に示すように、計時装置付雷撃点表示器
１０は、その筐体１６が送電鉄塔１２に保持具１
４を介して取付けられている。筐体１６には、表
示体である布２２、ガス発生器２６、計時ユニツ
トである時計２８、駆動電源である電池３２およ
びスイツチング機構である電磁式近接スイツチ３
４と永久磁石丸棒４２が収納され、蓋体１８が嵌
入されている。筐体１６に固設された筒状部材２
４と蓋体１８に固設された筒状部材３８とが嵌め
合されている。そして筐体１６には送電鉄塔１２
と対向する位置に誘導コイル２０が付設されてい
る。

表示布２２の両端部は、夫々筐体１６と蓋体１
８に、固定板３１ａと固定板３１ｂで固定されて
いる（第２図参照）。第１図の状態では、表示布
２２は折畳まれて筐体１６内に収納されている。
ガス発生器２６は、筐体１６に取付けられた筒状
部材２４の内部に取付けられている。ガス発生器
２６の内部には、不図示の電気点火具が収納され
ており、電気点火具の脚線がコイル２０に接続さ
れている。時計２８は電池駆動式で例えば液晶デ
ジタル表示方式のものであり、電磁式近接スイツ
チ３４を介して電池３２に接続されている。電池
３２は一般に使用されている乾電池、蓄電池のい
ずれを用いても良いが、容積、使用環境、寿命等
を考慮すれば水銀電池が好適である。電磁式近接
スイツチ３４はスイツチホルダ３６により筐体１
６に取付けられている。さらにスイツチホルダ３
６には凹み４０があり、蓋体１８に固設された永
久磁石丸棒４２が凹み４０に位置するようになつ
ている。そのため電磁式近接スイツチ３４と永久
磁石丸棒４２とが並んでおり、筐体１６に蓋体１
８が閉じられた状態（第１図の状態）で電磁式近
接スイツチ３４がオフを保つようになつている。

次に、この計時装置付雷撃点表示器１０の動作
について詳細に説明する。

第１図に示す状態で、送電鉄塔１２に落雷があ
り雷電流Ｉが流れると、磁界Ｂが発生し、コイル
２０に誘電電流が流れる。その電流によりガス発
生器２６の電気点火具が作動してガスが発生す
る。この時に発生するガス圧により、筐体１６か
ら蓋体１８が飛出して表示布２２を垂下し、雷撃
点を表示する。同時に、蓋体１８に固着されてい
る永久磁石丸棒４２もスイツチホルダ３６には凹
み４０から離脱し、電磁式近接スイツチ３４近傍
は無磁界となる。そのため電磁式近接スイツチ３
４が動作してオンの状態になり、時計２８が計時
を開始する。すなわち落雷があると、瞬時にした
時計２８が動作をすると共に表示布２２が遠方か
ら確認できるようになる。

なおスイツチング機構は電磁式近接スイツチ３
４と永久磁石丸棒４２との組合せの他に、プラグ
とジヤツクの組合せ、光電式スイツチ、ホール素
子と磁石の組合せ等を用いることもできる。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案の計時装置付雷撃
点表示器は、落雷があつた日時を特定できるの
で、送配電線におけるフオルトロケータや電磁オ
シログラフによる故障記録のデータとの突き合せ
を行うことが可能となる。そのため送配電線への
雷撃個所、雷撃様相、故障回線、故障相等が容易
に判別することが出来る。その結果、電力系統の
保守管理を容易に行うことが可能になる。

なお本考案計時装置付雷撃点表示器を、前記特
開昭56−54368号公報に開示されている連続式雷
撃表示器の各表示部に採用することにより、同一
鉄塔が複数の雷撃を受けた場合に夫々の落雷日時
を特定することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の計時装置付雷撃点表示器の一
実施例を示す通常状態の一部断面正面図、第２図
はその動作状態を示す正面図である。 １０……計時装置付雷撃点表示器、１２……送
電鉄塔、１６……筐体、１８……蓋体、２０……
コイル、２２……表示布、２４，３８……筒状部
材、２６……ガス発生器、２８……計時ユニツ
ト、３２……電源、３４……電磁式近接スイツ
チ、３６……スイツチホルダ、４０……凹み、４
２……永久磁石丸棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持体に取付けられた筐体内に表示体とガス発
   生器が収納され、該支持体に流れる雷撃電流から
   誘導される電流により該ガス発生器が作動して該
   筐体の一部が開蓋し、該表示体を放出する雷撃点
   表示器において、計時ユニツトと、該計時ユニツ
   トの駆動電源と、前記の開蓋に連動して動作し該
   駆動電源の断続をするスイツチング機構とを有す
   ることを特徴とする計時装置付雷撃点表示器。