JPH053711A - 苗移植機の苗供給構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 苗供給箱の運搬作業中においても載置苗の落
下等のおそれを無くし、確実な供給作業ができるもので
ありながら、植付け作業に際しては、苗の植付け供給を
阻害することなく円滑に行えるものを提供する。 【構成】 予め作物苗を載置収納した苗供給箱４を、苗
のせ台５に挿入して、収納した作物苗を苗のせ台５上に
移載させるよう構成し、前記苗供給箱４の苗供給側前壁
１３を、作物苗を立姿勢で保持する作用状態と、苗供給
箱４の苗供給側部分を開放する開放状態とに切り換え自
在に構成するとともに、この前壁１３を前記作用状態に
係止保持する支持部材１４を、前記苗供給箱４の内方側
において、苗供給箱４の後壁１５から片持ち状に延設し
てその遊端側係止部により前記前壁１３を解除自在に係
止保持するよう構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、藺草苗等の作物苗を苗
移植機に供給するための苗供給構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記苗移植機の苗供給構造において、従
来では、例えば特開平３−１０６０４号公報に示される
ように、母株から一株毎に株分けされた藺草苗を、予め
仕切り壁により各植付条毎に区分けされた状態の苗供給
箱に順次苗を積載収納した後、この苗供給箱を苗移植機
に搭載して、底板を抜き外し、そのまま植付け作業する
よう構成したものがあり、前記苗供給箱の苗供給方向の
前壁は、植付け作動の邪魔にならないよう上方側の１部
分だけのもので構成してあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
造においては、前記前壁が上部側の１部分だけで構成さ
れているので、苗を載置した状態で苗供給箱を運搬する
場合、前壁の下方開放部分から苗がずり落ちるおそれが
大であり、作業性が低下する欠点があった。本発明は、
載置苗の落下等のおそれを少なくしながら、苗移植機に
対する供給作業を能率良く行える苗供給構造を提供する
ことを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、予
め作物苗を載置収納した苗供給箱を、苗のせ台に挿入し
て、収納した作物苗を苗のせ台上に移載させるよう構成
し、前記苗供給箱の苗供給側前壁を、作物苗を立姿勢で
保持する作用状態と、苗供給箱の苗供給側部分を開放す
る開放状態とに切り換え自在に構成するとともに、この
前壁を前記作用状態に係止保持する支持部材を、前記苗
供給箱の内方側において、苗供給箱の後壁から片持ち状
に延設してその遊端側係止部により前記前壁を係止する
よう構成し、かつ、この支持部材を後壁の後方外方側か
ら操作することにより、前記前壁の係止保持状態を解除
自在に構成してある点にある。

【０００５】

【作用】株分けされ、苗供給箱内に立姿勢で積載される
苗は、前記支持部材により横倒れが阻止され、かつ、苗
供給側前壁は支持部材によって作用姿勢が保持されるの
で、載置苗は外方に落下することなく、姿勢乱れの少な
い状態で安定的に支持された状態で供給作業が行える。
又、苗のせ台に装着した後は、前記前壁の係止保持状態
を解除して、苗供給箱の前側部分を開放することで載置
苗を植付け供給可能な状態に設定できる。

【０００６】

【発明の効果】従って、苗供給箱の運搬作業中において
も、苗の落下等のおそれを無くし、確実な供給作業がで
きるものでありながら、植付け作業に際しては、苗の植
付け供給を阻害することなく、円滑な作業を行えるもの
となった。

【０００７】

【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図６
に藺草苗の移植機を示している。この移植機は、乗用型
走行機体の後部に苗植付装置１を連結して、走行しなが
ら藺草苗を圃場に植付けることができるよう構成してあ
る。走行機体の前部のボンネット２横側には、予備苗収
容台３を設け、株分けされた藺草苗を積載収納した苗供
給箱４を載置支持してある。苗植付装置１は、前記苗供
給箱４が挿入載置され、その収納された苗を載置支持し
ながら、左右一定ストロークで往復横移動する苗のせ台
５、苗のせ台５の下端部から一株づつ苗を取り出して植
付ける植付機構６を備えている。

【０００８】次に苗供給構造について説明する。先ず、
母株から株分けされた藺草苗を、苗移植機に載置される
前の前記苗供給箱４に順次積載収納する。そして、苗が
箱内にほぼ充満すると、この苗供給箱４を振動装置７に
載置して横振動させて苗の姿勢を安定化させるととも
に、密度のムラを少なくする。つまり、図４に示すよう
に、振動装置７は、電動モータ８によりクランク機構９
を駆動し、このクランク機構９により載置台１０を左右
に横移動するよう構成してある。そして、苗が収納され
た苗供給箱４を載置台１０上に載置させて係止保持し、
電動モータ８を駆動する。このようにして、苗がほぐさ
れ姿勢が揃うのである。次に、上記したように苗の姿勢
が揃えられた後、この苗供給箱４を運搬する際には、図
５に示すように、内面に多数の突起１１が形成された蓋
体１２により苗供給箱４を覆い、この状態で箱４を運搬
する。このようにしておくと、運搬時の振動により、苗
が横倒れするのを、前記突起１１に苗の茎部先端が係止
して防止することができ、苗の姿勢を初期状態に維持で
きるのである。

【０００９】苗供給箱４の苗供給側前壁１３を、作物苗
を立姿勢で保持する作用状態と、苗供給箱４の苗供給側
部分を開放する開放状態とに切り換え自在に構成すると
ともに、この前壁１３を前記作用状態に係止保持する支
持部材１４を、前記苗供給箱４の内方側において、苗供
給箱４の後壁１５から片持ち状に延設してその遊端側係
止部１４ａにより前記前壁１３を解除自在に係止保持す
るよう構成してある。詳述すると、図１〜図３に示すよ
うに、丸棒で構成される支持部材１４を後壁１５に設け
たボス部１６に回動自在に内嵌支持して片持ち状に延設
し、先端部をＬ字型に屈曲成形して係止部１４ａを構成
し、前壁１３を立姿勢作用状態で係止保持するよう構成
してある。各支持部材１４の後側には、夫々揺動アーム
１７を取付け、操作ロッド１８で枢支連結し、Ｌ字形係
止部１４ａが前壁１３に係止する状態と上方に回動して
係止を解除する状態とに回動操作できるよう構成してあ
る。又、底板１９の前部側の一部をスライド移動自在に
設けるとともに、この可動底板１９ａの端縁に前壁１３
を枢支し、可動底板１９ａを前端までスライドさせた状
態で支持部材１４により前壁１３を係止し、苗を載置支
持するよう構成してある。

【００１０】そして、苗を苗のせ台５に供給するとき
は、図１（イ）に示すように、上記したように予め苗が
載置収納された苗供給箱１４を苗のせ台５に挿入装着し
て、収納した苗を下方の植付機構６に供給するよう構成
してある。苗供給箱１４が苗のせ台５の下端部まで挿入
すると、前記操作ロッド１８を操作して支持部材１４に
よる前壁１３の係止保持を解除するとともに、可動底板
１９ａを後方側にスライド操作して、突起付き無端回動
ベルト式縦送り装置２０が有効に作用するようその上方
側を開放させるのである〔図１（ロ）参照〕。尚、載置
苗の後端には、苗を後押し作用する押し板２１をスライ
ド自在に支持してある。

【００１１】このように、苗の運搬中には、前壁１３に
より苗の落下を有効に阻止しながら、しかも、支持部材
１４により苗の横倒れを防止し、苗供給時には、苗の移
動を阻止することのない状態にでき、苗の姿勢乱れのな
い状態で円滑に植付け作業を行えるものとなった。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗供給箱の縦断側面図

【図２】苗供給箱の後面図

【図３】苗供給箱の斜視図

【図４】振動装置の側面図

【図５】運搬時の苗供給箱の縦断側面図

【図６】苗移植機の全体側面図

【符号の説明】

４ 苗供給箱 ５ 苗のせ台 １３ 前壁 １４ 支持部材 １５ 後壁

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 予め作物苗を載置収納した苗供給箱
   （４）を、苗のせ台（５）に挿入して、収納した作物苗
   を苗のせ台（５）上に移載させるよう構成し、前記苗供
   給箱（４）の苗供給側前壁（１３）を、作物苗を立姿勢
   で保持する作用状態と、苗供給箱（４）の苗供給側部分
   を開放する開放状態とに切り換え自在に構成するととも
   に、この前壁（１３）を前記作用状態に係止保持する支
   持部材（１４）を、前記苗供給箱（４）の内方側におい
   て、苗供給箱（４）の後壁（１５）から片持ち状に延設
   してその遊端側係止部により前記前壁（１３）を解除自
   在に係止保持するよう構成してある苗移植機の苗供給構
   造。