JPH053672U - 摩擦式振動減衰装置 - Google Patents

摩擦式振動減衰装置

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JPH053672U
JPH053672U JP5706891U JP5706891U JPH053672U JP H053672 U JPH053672 U JP H053672U JP 5706891 U JP5706891 U JP 5706891U JP 5706891 U JP5706891 U JP 5706891U JP H053672 U JPH053672 U JP H053672U
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plate
damping device
vibration
vibration damping
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JP5706891U
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英樹 辻
博幸 伊藤
慎治 光田
尚幸 金山
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で、かつ一つの減衰装置で2方向
の減衰力を付加することができるような、摩擦式振動減
衰装置を提供する。 【構成】 複数枚の板状部材2,2′の一端にそれぞれ
スペーサ3,3′を挟んで積層した上、対向する結合部
材1,1′の凹部に装着する。そしてこれらの板状部材
2,2′の自由端が交互に重なり合うように組み合わせ
て振動減衰装置を構成する。この減衰装置を被制振構造
物に装着すると、振動の垂直方向成分および水平方向成
分は、板状部材のたわみ振動またはすべりに転換され、
板間摩擦によるヒステリシス損を生じ、垂直、水平の2
方向に対して振動減衰力を付加することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、産業機械等の構造物の振動を低減するために設置する摩擦式振動減 衰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業機械等の各種構造物の振動を低減するために設置される振動減衰装置とし て、従来から用いられているものを分類すると、 (1)動吸振器のような周波数同調形のもの (2)ランチェスターダンパ、フードダンパのように、補助質量に摩擦抵抗や粘 性抵抗を付加したもの (3)オイルダンパなどの反力形のもの (4)制振材貼付、固定式摩擦ダンパのように、構造物の変形に追随するずれ、 すべりを利用したもの 等がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来の振動減衰装置には、それぞれ次のような問題点がある。 (1)動吸振器を用いる場合、制振装置の固有振動数を被制振構造物の固有振動 数に一致させるか、少なくともその近傍の振動数に調整する必要がある。 (2)動吸振器やランチェスターダンパ等を用いる場合は、制振装置の等価質量 md と、被制振構造物の等価質量mとの比、すなわちマス比 md/mをある程 度大きくしないと減衰効果が得られない。 (3)オイルダンパは、オイルのシール機構等が必要であるため、構造が複雑に なる。(4)固定式摩擦ダンパは前記マス比が小さくてもよく、かつ構造が簡単 であるが、減衰装置を直接的に被制振構造物に取り付けるため、構造物の動きに 追随した変形量しか得られず、変形量が小さい場合は十分な減衰能が得られない 。また一つの装置で、ある1方向に対する振動減衰力しか付加することができな い。
【0004】 本考案は上記従来の問題点に着目し、構造が簡単で、かつ一つの減衰装置で2 方向の減衰力を付加することができるような、摩擦式振動減衰装置を提供するこ とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案に係る摩擦式振動減衰装置は、被制振構造物 に装着する振動減衰装置として、対向する一組の結合部材を前記被制振構造物に 嵌着し、これらの結合部材の対向する凹部にそれぞれ複数枚の板状部材の一端を ある間隔を保って積層、装着し、前記板状部材の自由端が交互に重なり合うよう に組み合せ、必要に応じて前記板状部材の交互に重なり合う部分をボルト等を用 いて締め付ける構成とし、 管状の被制振構造物の内部に嵌着する振動減衰装置として、前記被制振構造物 の内壁に互いに対向するように結合部材を嵌着し、これらの結合部材の対向する 凹部にそれぞれ複数枚の板状部材の一端をある間隔を保って積層、装着し、前記 板状部材の自由端が交互に重なり合うように組み合せるとともに、これらの板状 部材の積層方向の中間部分および両端外側部分にそれぞれ緩衝材を組み込む構成 とした。
【0006】
【作用】
上記構成によれば、対向する一組の結合部材を被制振構造物に嵌着し、これら の結合部材にそれぞれ複数枚の板状部材の一端をある間隔を保って積層、装着し 、前記板状部材の自由端が交互に重なり合うように組み合せたので、被制振構造 物の振動は結合部材を介して板状部材に伝達される。振動の垂直方向成分は、板 状部材のばね特性によって拡大されたたわみ振動となり、このときに生じる板間 摩擦によりヒステリシス損が生じ、これが垂直方向成分に対する減衰力となる。 また、結合部材を介して板状部材に伝達された振動の水平方向成分は、その振動 によって生じた板状部材同士のすべりから板間摩擦となり、これによって生じる ヒステリシス損が水平方向成分に対する減衰力となる。このように、垂直、水平 の2方向に対して減衰力を付加することが可能となり、これらの減衰力は結合部 材を介して被制振構造物に伝達される。
【0007】 管状の被制振構造物の内部に嵌着する振動減衰装置の場合は、板状部材の積層 方向の中間部分および両端外側部分にそれぞれ緩衝材を組み込んだので、被制振 構造物と板状部材との干渉を防ぐとともに、被制振構造物と板状部材との衝撃的 な干渉によって生じる板状部材の板間摩擦の低下は、前記緩衝材の弾性によって 防ぐことができる。
【0008】
【実施例】
以下に本考案に係る摩擦式振動減衰装置の実施例について、図面を参照して説 明する。 図1は請求項1の第1実施例を示すもので、断面がコの字状の結合部 材1の凹部に、複数枚の板状部材2とスペーサ3とが交互に積層され、前記板状 部材2の左端とスペーサ3とは、ボルト4により結合部材1に装着されている。 また前記結合部材1と対向する結合部材1′の凹部に、スペーサ3′と複数枚の 板状部材2′とが交互に積層され、前記板状部材2′の右端とスペーサ3′とは 、ボルト4′により結合部材1′に装着されている。前記板状部材2の長手方向 のほぼ右半分と、板状部材2′の長手方向のほぼ左半分とは交互に重なり合うよ うに組み合わされ、重なり合った部分にボルト穴を設けてボルト5が挿通され、 ナットによって締結されている。前記ボルト5を挿通する板状部材2,2′の各 穴は、ボルト5の直径に対して板状部材2,2′の垂直方向および水平方向変位 によるずれを見込んだ大きさになっている。
【0009】 上記振動減衰装置を、図2に示すように、被制振構造物6,6′に嵌着した場 合、被制振構造物6,6′の振動は、結合部材1,1′を介して摩擦式振動減衰 装置に伝達される。結合部材1,1′に伝達された振動の垂直方向成分は、板状 部材2,2′がもつばね特性によって拡大されたたわみ振動となる。このときに 生じる板間摩擦によりヒステリシス損が生じ、これが垂直方向成分に対する減衰 力となる。また、結合部材1,1′に伝達された振動の水平方向成分は、その振 動によって板状部材2,2′間にすべりを生じ、このときの板間摩擦によりヒス テリシス損が生じ、これが水平方向成分に対する減衰力となる。本実施例では、 板状部材の重なり合う部分がボルト等によって締め付けられることにより、板間 の接触圧が高められている。
【0010】 図3は請求項1の第2実施例を示す。この振動減衰装置は、スペーサ3,3′ の板厚を厚くして、板状部材2相互の間隔および板状部材2′相互の間隔をそれ ぞれ広げるとともに、板状部材2の長手方向のほぼ右半分と、板状部材2′の長 手方向のほぼ左半分との重なり合った部分を締め付けていたボルトを廃止してい る。左右それぞれに積層される板状部材2,2′の積層間隔を広げることによっ て板状部材2,2′の枚数が減るので、減衰装置を軽量化することができるとと もに、板状部材がもつばね特性をより大きく利用することができるようになって いる。
【0011】 図4は請求項2の摩擦式振動減衰装置の断面図である。振動減衰装置が垂直方 向空間で被制振構造物に干渉する場合、たとえば管状の被制振構造物の内部に振 動減衰装置を嵌着する場合の実施例である。本実施例では、被制振構造物6に結 合部材1,1′を介して嵌着される振動減衰装置を構成する板状部材2,2′の うち、上下両端の板状部材よりもたわみ量の少ない中間部分の板状部材を取り除 き、その部分にできた空間に緩衝材7が、また板状部材2,2′の最上部および 最下部に緩衝材8がそれぞれ設置されている。これらの緩衝材7,8により、被 制振構造物と板状部材との衝撃的な干渉と、板状部材同士の衝撃的な干渉とを防 ぎ、緩衝材がもつ弾性により衝撃的な干渉による板状部材の板間摩擦の低下を防 いでいる。また前記中間部分の板状部材取り外しにより、減衰装置の軽量化が図 られている。
【0012】 図4に示した振動減衰装置を90mm角、長さ4mの角形鋼管内に嵌着したも のと、90mm角の角形鋼管のみのものとについて打撃試験を行った。この打撃 試験は、前記2水準の角形鋼管に対して水平方向、垂直方向に同じ大きさの打撃 力を加えるもので、このときの変位量と時間との関係を図5に示す。同図におい て(a),(b)は振動減衰装置を嵌着した鋼管、(c),(d)は振動減衰装 置のない鋼管で、(a),(c)は水平方向、(b),(d)は垂直方向にそれ ぞれ打撃力を加えた場合の振動減衰状況を示している。同図で明らかなように、 減衰装置を備えた鋼管は 0.5秒以内に振動が減衰するが、減衰装置のない場 合は減衰のしかたが緩慢で、4秒以上にわたって振動が継続している。
【0013】 図6は上記と同じく、図4に示した振動減衰装置を90mm角、長さ4mの角 形鋼管内に嵌着したものと、90mm角の角形鋼管のみのものとについて打撃試 験を行ったときの、水平方向、垂直方向の伝達関数を示したものである。図6の (a),(b),(c),(d)は図5と対応する。振動減衰装置を設けない場 合の伝達関数(図6(c),(d))に比べ、振動減衰装置を設けた場合の伝達 関数(同図(a),(b))はレベルが非常に低く抑えられており、被制振構造 物に大きな減衰が付加されたものとなっている。
【0014】 本実施例では、板状部材の大きさおよび厚さ、スペーサの厚さをそれぞれ均一 にしたが、これに限るものではなく、板状部材の長手方向の長さを不均一にして 互いに重なり合う部分の長さに変化をもたせたり、厚さの不均一な板状部材ある いは厚さの不均一なスペーサを組み合わせて積層した振動減衰装置を用いてもよ い。
【0015】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、被制振構造物から振動減衰装置に伝達さ れる振動を、交互に重なり合う板状部材のたわみ振動とすべりとに転換し、ダン ピング要素として板間摩擦を利用する構造としたので、次の効果が得られる。 (1)構造が極めて簡単で、かつ大きな振動減衰力を得ることができる。 (2)一つの装置で同時に2方向の振動減衰を行うことができる。 (3)周波数依存性がない(ロバスト性が強い)。 (4)マス比を小さくすることができるので、マスを付加したことによる被制振 構造物の慣性力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の第1実施例における摩擦式振動減衰
装置の斜視図である。
【図2】図1の摩擦式振動減衰装置を、被制振構造物に
嵌着した状態を示す側面図である。
【図3】請求項1の第2実施例における摩擦式振動減衰
装置を、被制振構造物に嵌着した状態を示す側面図であ
る。
【図4】請求項2の摩擦式振動減衰装置を、被制振構造
物に嵌着した状態を示す断面図である。
【図5】角形鋼管に打撃力を加えたときの、減衰装置の
有無による振動減衰状況の相違を示す図である。
【図6】角形鋼管に打撃力を加えたときの、減衰装置の
有無による振動伝達関数の相違を示す図である。
【符号の説明】
1,1′ 結合部材 2,2′ 板状部材 4,4′,5 ボルト 6,6′ 被制振構造物 7,8 緩衝材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金山 尚幸 石川県小松市八日市町地方5 株式会社小 松製作所小松工場内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被制振構造物に装着する振動減衰装置で
    あって、対向する一組の結合部材を前記被制振構造物に
    嵌着し、これらの結合部材の対向する凹部にそれぞれ複
    数枚の板状部材の一端をある間隔を保って積層、装着
    し、前記板状部材の自由端が交互に重なり合うように組
    み合せ、必要に応じて前記板状部材の交互に重なり合う
    部分をボルト等を用いて締め付けたことを特徴とする摩
    擦式振動減衰装置。
  2. 【請求項2】 管状の被制振構造物の内部に嵌着する振
    動減衰装置であって、前記被制振構造物の内壁に互いに
    対向するように結合部材を嵌着し、これらの結合部材の
    対向する凹部にそれぞれ複数枚の板状部材の一端をある
    間隔を保って積層、装着し、前記板状部材の自由端が交
    互に重なり合うように組み合せるとともに、これらの板
    状部材の積層方向の中間部分および両端外側部分にそれ
    ぞれ緩衝材を組み込んだことを特徴とする摩擦式振動減
    衰装置。
JP5706891U 1991-06-27 1991-06-27 摩擦式振動減衰装置 Pending JPH053672U (ja)

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JPS4848934U (ja) * 1971-06-12 1973-06-27
KR20140045500A (ko) * 2011-06-20 2014-04-16 가부시키가이샤 니콘 다중 블레이드 유지 디바이스

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