JPH0536225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加速度センサーの構造に関するもので
ある。従来、この方式の加速度センサーは、板バ
ネに直角に固着した永久磁石と、該永久磁石の磁
極と平行な対向面に磁気抵抗素子を配置したもの
である。

第１図はこの種の従来装置の原理図で板バネ４
が撓む事によつて該板バネ先端に固着された永久
磁石７と、対向面の磁気抵抗素子１０の間のギヤ
ツプがg1からg2の大きさに変化し、磁気抵抗素
子出力の直線性が失われる欠点があつた。又永久
磁石７から磁気抵抗素子１０を通る時束密度を高
くして感度を上げる為に、前記磁気抵抗素子１０
の永久磁石７の面と反対側に磁性体ヨーク１１を
固定して用いられる事が多い。しかしこの方法
は、永久磁石７とヨーク１１との間の磁束によ
り、板バネが撓む時、磁気制動を受け、加速度と
撓みの比例関係が失なわれる欠点があつた。本考
案は板バネと磁気抵抗素子を利用した加速度セン
サーに於いて、感度、直線性を向上し、かつ撓み
時の磁気制動を除去する方法について提案するも
のである。

第２図は本考案の一実施例を示す加速度センサ
ーの原理図、第３図は本考案の構造図でイは側面
図、ロは正面図である。

図に於いて、１は非磁性体の側板、２は上板、
３は底板で枠組を形成している。上板２には切欠
き２ａを設け上板２から垂直かつ枠組の中心位置
に板バネ４を取付けている。。板バネ４は上板２
の下端面が撓み支点となる様、おさえ板５を用い
てビス６等で固着している。板バネ４の下先端に
は永久磁石７の磁極面を垂直下方に向けて固定部
材８で固着されている。側板１と直角かつ、前記
磁極面と平行になる様に渡し板９を設け、該渡し
板９の前記磁極面中心部に相当する位置に磁気抵
抗素子１０が固着されている。磁極面と磁気抵抗
素子面のギヤツプは0.5〜1.0mmが適当である。磁
気抵抗素子１０の前記面とは反対側には、該磁気
抵抗素子面と平行に磁性体のヨーク１１を設けア
ングル１２によつて永久磁石７と該ヨーク１１が
磁気抵抗素子１０を挾んで連動する様に固着され
ている。１３は磁気抵抗素子から信号を取り出す
リード線である。

磁気抵抗素子はその電気抵抗が磁界によつ変化
する素子で広く一般に使用されている。

無磁界の時、中心に対し左右均等な抵抗となる
要ハーフブリツジを形成しており磁石の磁極面を
素子の受感面と対向させ、磁石と素子の相対移動
によつて素子の受感面のハーフブリツジ抵抗値が
差動的に変化する。従つて変位置と比例した出力
を取り出すことが出来る。

第２図の動作原理図に従つて動作を説明する
と、今永久磁石７が重力方向にある時板バネの撓
み角は０度で永久磁石７は磁気抵抗素子１０の中
心位置にあり、磁性体のバツクヨーク１１も磁気
抵抗素子１０を挟んで磁極面の真下に位置する。
バツクヨーク１１は永久磁石７から磁気抵抗素子
１０へ通過する磁束密度を高くし、出力の感度を
あげる為のものである。板バネ４の撓み０度の時
は磁気抵抗素子の出力電圧も０となる。

第４図の特性に従つて説明すると、枠組を傾け
ると傾斜角θに対してGsinθの割合で板バネ４の
撓み量、従つて永久磁石の変位置も変化する。今
第２図に於いて板バネが撓み、永久磁石７が７′
の位置に来たとき、バツクヨーク１１もアングル
１２によつて一体に動くので１１′の位置に来て
永久磁石とバツクヨークの位置関係は常に不変で
ある。従つて磁気抵抗素を通る磁束密度は、如何
なる傾斜の位置にあつても常にほぼ一定である。
従つて第１図の様な、従来の固定されたバツクヨ
ークの時の様に永久磁石の動き制動を受ける事も
なく、又磁気抵抗素子とヨークの空〓の変化も生
じないので磁気抵抗素子を通過する磁束密度は常
に一定不変である。

この事は出力の感度及び直線性がより安定化さ
れる事を意味する。

枠組を真横に傾むけた時は、θ＝90°であるの
でsinθ＝１従つて1Gに相当する撓み量（歪み量）
となり、永久磁石が磁気抵抗素子の中心からずれ
るに従つて、すなわち傾斜に従つて、出力信号は
比例的に変化する。（第４図） 左右の傾むき共、同様であり重力（Ｇ）は傾斜
角（θ）の関数、従つて撓み量の関数となるの
で、磁気抵抗素子は重力（Ｇ）従つて傾斜角に比
例した出力を取り出す事が出来る。

なお第４図ａは本考案の傾斜、加速度センサー
の重力と出力電圧の特性図又ｂ図は等価回路図で
ある。即ちｂ図の如く磁気抵抗素子に対して磁石
の受感部が中心からずれる事により、それに比例
した出力電圧を取り出している。特に実際の仕様
に当つては傾斜による板バネ変位の振動を急速の
吸収、減衰させる為に、温度により粘性変化の少
ない油（たとえばシリコンオイル）等を封入して
使用する事が好ましい。

この様に本考案による加速度センサーは、この
種の従来型のセンサーに比べ直線性、感度を向上
させ、車等のコーナリング走行時の安全機構検出
としてスピードセンサー等と併用してシンプルな
構造でより精度の高いセンサーを提供し得るもの
でその実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型加速度センサーの原理図、第２
図は本考案の原理図、第３図は本考案加速度セン
サーの構造図、第４図ａ，ｂは本考案センサーの
特性図及び等価回路図である。 図に於いて１は側板、２は上板、３は底板、４
は板バネ、５はおさえ板、６は止めビス、７は永
久磁石、８は固着板、９は渡し板、１０は磁気抵
抗素子、１１はヨーク、１２はアングル、１３は
リード線である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板バネと永久磁石と磁気抵抗素子から成る加速
   度センサーにおいて、該磁気抵抗素子と対抗する
   一方の側に磁性体ヨークを設け、又、他方の側に
   前記永久磁石を設けると共に、各々の対向面が前
   記板バネが撓みのない状態に於いて平行になる如
   く配置し、且つ前記ヨークと前記永久磁石が、固
   定された磁気抵抗素子を挾んで連動するように構
   成したことを特徴とする加速度センサー。