JPH0536110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はミツシヨンの潤滑装置に係り、特に
トロコイド型オイルポンプによつて強制的に潤滑
オイルを圧送し、潤滑性能を向上させ、ミツシヨ
ン内の各部品の機能や性能、および耐久性を増大
させるミツシヨンの潤滑装置に関する。

［従来の技術］ 潤滑用オイルポンプは、主軸内に形成されたオ
イル通路を介して潤滑オイルを各種部位に強制圧
送するものであり、例えば内燃機関のトランスミ
ツシヨン内に設けられ、トランスミツシヨン内の
主軸の回転力を利用して変速ギヤなど各種部位に
潤滑オイルを圧送し、トランスミツシヨン内の潤
滑を行い、減摩作用や冷却作用を果たしている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、ミツシヨンの潤滑装置、特に縦置式
トランスミツシヨンの潤滑装置においては、縦置
式を採用することにより機構上メインシヤフトの
出力軸側端部を使用することができず、潤滑用オ
イルポンプの配設位置が問題となる。

つまり、メインシヤフト周りに潤滑用オイルポ
ンプを配設する必要があり、例えば前記メインシ
ヤフト周りの出力軸側に潤滑用オイルポンプとし
てネジポンプを配設した潤滑装置がある（実公昭
56−42534）。

しかし、この潤滑装置においては、ケーシング
の内壁に油溝が形成されており、構成が複雑で、
製作が困難であり、コストが大となるという不都
合がある。また、メインシヤフト周りにネジポン
プを配設したことにより、形成時にメインシヤフ
トの長手方向側に大なるスペースが必要となり、
トランスミツシヨンが大型化し、限られたエンジ
ンルーム内のベースの有効利用が図れず、実用上
不利であり、潤滑対策が困難であるという不都合
がある。

［考案の目的］ そこでこの考案に目的は、上述不都合を除去す
るために、縦置式ミツシヨンにエクステンシヨン
ケースを付設するとともに、縦置式ミツシヨンの
メインシヤフト内にオイル通路を設け、メインシ
ヤフト周りの出力軸側に同芯に且つエクステンシ
ヨンケース内壁を介して掻き上げられた潤滑オイ
ルを受容しメインシヤフトの回転力を利用してオ
イル通路に潤滑オイルを強制圧送する潤滑用トロ
コイド型オイルポンプを設け、トロコイド型オイ
ルポンプをエクステンシヨンケースに形成される
円形状座面に密接すべくエクステンシヨンケース
内に位置させるとともにトコロイド型オイルポン
プをケース部とケース部内を回転する外部ロータ
と内部ロータとにより形成し、内部ロータをメイ
ンシヤフトにスプライン結合させて設け、外部ロ
ータと内部ロータとによつて形成されるポンプ室
をメインシヤフトに形成されるオイル通路に内部
ロータとメインシヤフトとを貫通する第１連通路
によつて連通し、第１連通路途中に潤滑オイルを
オイルポンプのポンプ室からメインシヤフト内の
オイル通路例にのみ圧送する逆止弁を介設し、オ
イルポンプ内に潤滑オイルポンプを受容させるべ
くエクステンシヨンケース内に流入口を設け、流
入口をオイルポンプ上方に位置させるとともに流
入口をオイルポンプのポンプ室への吸入口とを連
通する第２連通路を設け、オイルポンプ上部のエ
クステンシヨンケース部位には掻き上げられた潤
滑オイルを受容し流入口に流下させるオイル受皿
を設けたことにより、トロコイド型オイルポンプ
によつて強制的に潤滑オイルを圧送し、潤滑性能
を向上させることができ、ミツシヨン内の各部品
の機能や性能、および耐久性を増大し得て、構成
が簡単であり、コストを低廉とし得るミツシヨン
の潤滑装置を実現するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの考案は、縦置式
ミツシヨンにエクステンシヨンケースを付設する
とともに縦置式ミツシヨンのメインシヤフト内に
オイル通路を設け、このメインシヤフト周りの出
力軸側に同芯に且つエクステンシヨンケース内壁
を介して掻き上げられた潤滑オイルを受容しメイ
ンシヤフトの回転力を利用して前記オイル通路に
潤滑オイル強制圧送する潤滑用のトロコイド型オ
イルポンプを設け、このトロコイド型オイルポン
プを前記エクステンシヨンケースに形成される円
形状座面に密接すべくエクステンシヨンケース内
に位置させるとともにトロコイド型オイルポンプ
をケース部とケース部内を回転する外部ロータと
内部ロータとにより形成し、内部ロータを前記メ
インシヤフトにスプライン結合させて設け、外部
ロータと内部ロータとによつて形成されるポンプ
室をメインシヤフトに形成されるオイル通路に内
部ロータとメインシヤフトとを貫通する第１連通
路によつて連通し、この第１連通路途中に潤滑オ
イルをオイルポンプのポンプ室からメインシヤフ
ト内のオイル通路側にのみ圧送する逆止弁を介設
し、オイルポンプ内に潤滑オイルを受容させるべ
くエクステンシヨンケース内に流入口を設け、こ
の流入口をオイルポンプ上方に位置させるととも
に流入口とオイルポンプのポンプ室への吸入口と
を連通する第２連通路を設け、オイルポンプ上部
のエクステンシヨンケース部位には掻き上げられ
た潤滑オイルを受容し流入口に流下させるオイル
受皿を設けたことを特徴とする。

［作用］ 上述の如く構成したことにより、縦置式ミツシ
ヨンのメインシヤフトの回転によつて潤滑オイル
が掻き上げられ、この潤滑オイルをオイル受皿に
よつて受容し、エクステンシヨンケース内壁を介
して潤滑用のトロコイド型オイルポンプのポンプ
室に送給し、メインシヤフト内のオイル通路に潤
滑オイルを強制圧送し、ミツシヨン内の各部品の
潤滑を果たし、各部品の機能や性能、および耐久
性の向上に寄与している。

［実施例］ 以下図面に基づいてこの考案の実施例を説明す
る。

第２〜３図はこの考案の実施例を示すものであ
る、第１〜３図において、２は内燃機関の縦置式
ミツシヨンたる縦置式トランスミツシヨン、４は
メインシヤフト、６はトランスミツシヨン２に付
設されるエクステンシヨンケースである。

前記縦置式トランスミツシヨン２のメインシヤ
フト４周りの出力軸側に同芯に潤滑用トロコイド
型オイルポンプ８を設け、このトロコイド型オイ
ルポンプ８を前記エクステンシヨンケース６に形
成される円形状座面６ａに密接すべくエクステン
シヨンケース６内に位置させる。

また、トロコイド型オイルポンプ８は、第２、
３図に示す如く、ケース部１０と、このケース部
１０内を回転する外部ロータ１２と、内部ロータ
１４とからなり、内部ロータ１４が前記メインシ
ヤフト４にスプライン結合されている。

更に、前記外部ロータ１２と内部ロータ１４と
によつて形成されるポンプ室１６を、前記メイン
シヤフト４に形成されるオイル通路１８に第１連
通路２０によつて連通し、この第１連通路２０途
中には、潤滑オイルを前記オイルポンプ８からオ
イル通路１８側にのみ圧送する逆止弁２２を介設
する（第３図参照）。

そして、前記オイルポンプ８内に潤滑オイルを
受容させるべく前記エクステンシヨンケース６内
には流入口２４を設け、この流入口２４を前記オ
イルポンプ８上方に位置させるとともに、流入口
２４とオイルポンプ８の吸入口２６とを連通する
第２連通路２８を設ける。

なお、符号３０は前記流入口２４部位に所望に
より設けられるフイルタ、３２はオイルポンプ８
の吐出口、３４は前記エクステンシヨンケース６
に形成され且つ掻き上げられた潤滑オイルを受容
し流入口２４に流下させるオイル受皿である。

次に作用について説明する。

前記縦置式トランスミツシヨン２のメインシヤ
フト４を回転させることにより、図示しないオイ
ルパン内の潤滑オイルが掻き上げられ、前記エク
ステンシヨンケース６内壁に被着して流下する。

このとき、流下する潤滑オイルをエクステンシ
ヨンケース６に形成されるオイル受皿３４にて受
容し、このオイル受皿３４下部のフイルタ３０を
介して流入口２４、第２連通路２８，吸入口２６
を経て、前記トロコイド型オイルポンプ８に受容
させる。

つまり、流入口２４から流入した潤滑オイル
は、第２連通路２０を介して前記ポンプ室１６内
に流入するものである。

そして、前記外部ロータ１２と内部ロータ１４
とのポンプ作用により、ポンプ室１６内に流入し
た潤滑オイルを圧送し、前記逆止弁２２を開放さ
せ、第１連通路２０を介して潤滑オイルをオイル
通路１８に圧送する。

このオイル通路１８に圧送された潤滑オイルは
図示しない変速ギヤ等の各種部位に送給され、減
摩作用や冷却作用が果たされる。

これにより、トロコイド型オイルポンプの内部
ロータとメインシヤフトとのスプライン結合によ
つて他の駆動源を要しないメインシヤフトのみを
駆動源とする自己完結型のオイルポンプとするこ
とができるとともに、縦置式トランスミツシヨン
のメインシヤフトの変速ギヤ等の各種部位に潤滑
オイルを確実に送給することができ、潤滑性能を
向上できる。

また、縦置式トランスミツシヨン内の各部品の
機能や性能、および耐久性を増大することがで
き、各部品の使用寿命を長くすることができ、経
済的に有利である。

更に、メインシヤフト周りの出力軸側に同芯に
トロコイド型オイルポンプを配設することによ
り、縦置式トランスミツシヨンの大型化を防止す
ることができるとともに、構成を簡略化すること
ができ、限られたエンジンルーム内のスペースを
有効利用し得て、実用上有利である。

更にまた、前記第１連通路途中に逆止弁を設け
たことにより、簡略な構成にも拘わらず、潤滑オ
イルの逆流阻止と圧送とを確実に果たすことがで
きるものである。

なお、この考案は上述実施例に限定されるもの
ではなく、種々の応用改変が可能である。

例えば、第４，５図に示す如く、トロコイド型
オイルポンプ８の潤滑経路を変更させることもで
きる。つまり、第４，５図に示す如く、縦置式ト
ランスミツシヨン２の長手方向においてメインシ
ヤフト４に対し所定角度を有すべくエクステンシ
ヨンケース６内に傾斜する第２連通路４０を形成
し、前記トロコイド型オイルポンプ８の側面部位
に吸入口４２を形成したものである。これによ
り、上述実施例と同様に、縦置式トランスミツシ
ヨンのメインシヤフトの変速ギヤ等の各種部位に
潤滑オイルを確実に送給することができ、各部品
の機能や性能、および耐久性を増大し得て、各部
品の使用寿命を長くすることができ、経済的に有
利である。また、トロコイド型オイルポンプを配
設することにより、縦置式トランスミツシヨンの
大型化を防止することができ、実用上有利であ
る。

［考案の効果］ 以上詳細に説明した如くこの考案によれば、縦
置式ミツシヨンにエクステンシヨンケースを付設
するとともに、縦置式ミツシヨンのメインシヤフ
ト内にオイル通路を設け、メインシヤフト周りの
出力軸側に同芯に且つエクステンシヨンケース内
壁を介して掻き上げられた潤滑オイルを受容しメ
インシヤフトの回転力を利用してオイル通路に潤
滑オイルを強制圧送する潤滑用のトロコイド型オ
イルポンプを設け、トロコイド型オイルポンプを
エクステンシヨンケースに形成される円形状座面
に密接すべくエクステンシヨンケース内に位置さ
せるとともにトロコイド型オイルポンプをケース
部と部内を回転する外部ロータと内部ロータによ
り形成し、内部ロータをメインシヤフトにスプラ
イン結合させて設け、外部ロータと内部ロータと
によつて形成されるポンプ室をメインシヤフトに
形成されるオイル通路に内部ロータとメインシヤ
フトとを貫通する第１連通路によつて連通し、第
１連通路途中に潤滑オイルをオイルポンプのポン
プ室からメインシヤフト内のオイル通路側にのみ
圧送する逆止弁を介設し、オイルポンプ内に潤滑
オイルを受容させるべくエクステンシヨンケース
内に流入口を設け、流入口をオイルポンプ上方に
位置させるとともに流入口とオイルポンプのポン
プ室への吸入口とを連通する連通路を設け、オイ
ルポンプ上部のエクステンシヨンケース部位には
掻き上げられた潤滑オイルを受容し流入口に流下
させるオイル受皿を設けたので、トロコイド型オ
イルポンプの内部ロータとメインシヤフトとのス
プライン結合によつて他の駆動源を要しないメイ
ンシヤフトのみを駆動源とする自己完結型のオイ
ルポンプとすることができるとともに、縦置式ミ
ツシヨンのメインシヤフトの変速ギヤ等の各種部
位に潤滑オイルを確実に送給することができ、潤
滑性能を向上させ得る。また、縦置式ミツシヨン
内の各部品の機能や性能、および耐久性を増大し
得て、各部品の使用寿命を長くすることができ、
経済的に有利である。更に、メインシヤフト周り
の出力軸側に同芯にトロコイド型オイルポンプを
配設することにより、縦置式ミツシヨンの大型化
を防止することができるとともに、構成を簡略化
することができ、コストを低廉とし得る。更にま
た、前記第１連通路途中に逆止弁を設けたことに
より、簡略な構成にも拘らず、潤滑オイルの逆流
阻止と圧送とを確実に果たし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの考案の実施例を示し、第１図
は縦置式トランスミツシヨンの要部切欠き断面
図、第２図はトロコイド型オイルポンプの拡大断
面図、第３図は第１図の矢視部分の概略拡大断
面図である。第４，５図はこの考案の他の実施例
を示し、第４図は縦置式トランスミツシヨンの要
部切欠き断面図、第５図は第４図の矢視Ｖ部分の
概略拡大断面図である。 図において、２は縦置式トランスミツシヨン、
４はメインシヤフト、６はエクステンシヨンケー
ス、６ａは座面、８はトロコイド型オイルポン
プ、１０はケース部、１２は外部ロータ、１４は
内部ロータ、１６はポンプ室、１８はオイル通
路、２０は第１連通路、２２は逆止弁、２４は流
入口、２６は吸入口、２８は第２連通路、３０は
フイルタ、３２は吐出口、３４はオイル受皿であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦置式ミツシヨンにエクステンシヨンケースを
   付設するとともに縦置式ミツシヨンのメインシヤ
   フト内にオイル通路を設け、このメインシヤフト
   周りの出力軸側に同芯に且つエクステンシヨンケ
   ース内壁を介して掻き上げられた潤滑オイルを受
   容しメインシヤフトの回転力を利用して前記オイ
   ル通路に潤滑オイルを強制圧送する潤滑用のトロ
   コイド型オイルポンプを設け、このトロコイド型
   オイルポンプを前記エクステンシヨンケースに形
   成される円形状座面に密接すべくエクステンシヨ
   ンケース内に位置させるとともにトロコイド型オ
   イルポンプをケース部とケース部内を回転する外
   部ロータと内部ロータとにより形成し、内部ロー
   タを前記メインシヤフトにスプライン結合させて
   設け、外部ロータと内部ロータとによつて形成さ
   れるポンプ室をメインシヤフトに形成されるオイ
   ル通路に内部ロータとメインシヤフトとを貫通す
   る第１連通路によつて連通し、この第１連通路途
   中に潤滑オイルをオイルポンプのポンプ室からメ
   インシヤフト内のオイル通路側にのみ圧送する逆
   止弁を介設し、オイルポンプ内に潤滑オイルを受
   容させるべくエクステンシヨンケース内に流入口
   を設け、この流入口をオイルポンプ上方に位置さ
   せるとともに流入口とオイルポンプのポンプ室へ
   の吸入口とを連通する第２連通路を設け、オイル
   ポンプ上部のエクステンシヨンケース部位には掻
   き上げられた潤滑オイルを受容し流入口に流下さ
   せるオイル受皿を設けたことを特徴とするミツシ
   ヨンの潤滑装置。