JPH0536075U - 水車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 渦巻き型ケーシング（１）の中央開口（３）
に垂直方向に吸引導流管（１１）を連結し、前記開口
（３）と同軸に回転軸（７）を回転自在に設け、前記開
口（３）を上下に挿通する状態に回転翼（１０）を配設
した水車装置。吸引導流管（１１）はその下端をＵ字管
（１２）とし、その吐出口に弁（１３）を設置すること
ができる。回転軸（７）と副回転軸（１８）とをギア
（１６）で連結し、ポンプまたは発電機と連結して使用
する。 【効果】 落差を自由に選ぶことができ、ケーシングに
高い水圧がかかることがなくケーシングの構造を簡単に
できる。極めてコンパクトな構造で、従来の水車のイメ
ージと全く異なり、高い効率を有している。導管、水
車、システム装置が一体であるため、設置、撤去が容易
で大雨等の気象異変にすぐに対応できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、河川の落差の上または中間の位置に設置して水の水圧および吸引力 により、水車を回転させ、それを原動力としてポンプを駆動し、または発電を行 う装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の水車装置には各種のタイプがあるが、いずれも複雑かつ大規模な装置を 要し、多大な経費が必要であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の水車は水の落差を利用する場合、その下は滝壺のように湖面をなしてお り、その設置場所を設定するのが困難であった。 本考案は、河川のどこにでも比較的容易に設置でき、回転効率も高い水車装置 を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案の水車装置は、渦巻き型ケーシング１の中央 開口３に垂直方向に吸引導流管１１を連結し、前記開口３と同軸に回転軸７を回 転自在に設けると共に前記開口３を上下に挿通する状態に回転翼１０を配設し、 前記回転軸７から外部に回転力を取り出す構成としたことを特徴とする。

【０００５】 この水車装置において、吸引導流管１１はその下端をＵ字管とし、その吐出口 に弁１３を設置することができる。また回転軸７と副回転軸１８をギアで連結す ることにより、適当な回転力を得ることができる。

【０００６】

【作用】

この導管水車装置は、河川や滝の落差の上部または中間の位置に設置して、ポ ンプ作用または発電作用を生じる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例を参照しながら具体的に説明する。 図１は本考案に係る水車装置の第１実施例を示す断面図、図２はその横断面図 である。

【０００８】 これらの図において、１は渦巻き型ケーシングで、その入口には導管２が連設 されている。ケーシング１の底面には開口３が設けられており、上面には軸受６ を介して回転軸７が回転自在に支持されており、回転軸７の上部はケーシング１ の上部に導出されている。

【０００９】 回転軸７のケーシング内の部分には腕９が固着されており、腕９の先端から中 心に向けて回転翼１０が導管１１の内周に沿って回転できるよう取り付けられて いる。またケーシング１の上面で軸受６を介して副回転軸１８がギア１６を通し て連結されており、さらに副回転軸１８にはポンプ１４を連結することができる 。ケーシング１の開口３には吸引導流管１１の上端が接続されており、その下端 にはＵ字管１２が連結されている。

【００１０】 この水車装置の設置方法および始動方法について説明すると、河川の落差の上 部または中間の位置にケーシングを設置し、吸引導流管１１を連設し、弁１３付 Ｕ字管を設置する。始動は吸引導流管内に水が充満した後、弁１３を開放するこ とにより行う。

【００１１】 弁１３を開放することにより吸引作用と渦流とが同時に発生し、回転羽根１０ を押動することにより回転軸７に回転力が生じる。 図１に示した落差Ｈの場合、１ｃｍ² 当りｇＨ（ｇは重力加速度）の吸引力を 有し、吸引導流管の断面をＳとするとＳｇＨの吸引力を有する。Ｕ字管の働きの 一つは吸引導流管１１の下端部からの空気混入を防止する役目を果たしている。 導流管２を通りケーシング１に流入した水は吸引導流管の断面の接線方向に近い 角度に流入する。この流入方向のベクトルと吸引力の垂直方向のベクトルのベク トル和が流入ベクトルである。よって渦流が生じ、吸引導流管１１内を通過する 。この渦流エネルギーを回転力として吸収する働きを有するのが回転翼１０であ る。この回転翼１０は螺旋状羽根でも充分回転力を生ずることができる。 この回転力は回転軸７と副回転軸１８とにより伝達され、ポンプ１４に回転力 を供給する。

【００１２】 図３は本考案の第２実施例を示す断面図であり、回転軸７にギア１６を介して 発電機１５を連結した例を示している。その他の構成は第１実施例と同じである ので、説明を省略する。

【００１３】 以上の実施例では、ポンプ１４または発電機１５をギヤ１６を介して駆動する 例を示しているが、Ｈ＞６ｍの場合には出力が大きいため、ギヤ１６等による変 速（加速）手段は不要となり、回転軸７で直接ポンプまたは発電機を駆動するこ とができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は落差を自由に選ぶことができると同時に、ケー シングに高い水圧がかかることがなくケーシングの構造を簡単にできる利点があ る。また、この導管水車装置は極めてコンパクトな構造で、従来の水車のイメー ジと全く異なり、しかも高い効率を有している。導管、水車、システム装置が一 体であるため、設置、撤去が容易で大雨等の気象異変にすぐに対応できる効果が ある。

【００１５】 また従来の水車は羽根通過後の乱流が回転の支障をきたす原因であったが、こ の導管水車装置は羽根通過後の流れに全く問題はなく効率よく運転できる利点が ある。また、回転軸７から直接動力として取り出し、精米等の原動機としても使 用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例を示す断面図である。

【図２】 第１実施例の横断面図である。

【図３】 本考案の第２実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング、２ 導流管、３ 開口、５ 天井板、
６ 軸受、７ 回転軸、８ 副回転軸、９ 腕、１０
回転翼、１１ 吸引導流管、１２ Ｕ字管、１３弁、１
４ ポンプ、１５ 発電機、１６ ギア

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 渦巻き型ケーシング（１）の中央開口
   （３）に垂直方向に吸引導流管（１１）を連結し、前記
   開口（３）と同軸に回転軸（７）を回転自在に設けると
   共に前記開口（３）を上下に挿通する状態に回転翼（１
   ０）を配設し、前記回転軸（７）から外部に回転力を取
   り出す構成としたことを特徴とする水車装置。
2. 【請求項２】 吸引導流管（１１）はその下端をＵ字管
   （１２）とし、その吐出口に弁（１３）を設置した請求
   項１記載の水車装置。
3. 【請求項３】 回転軸（７）と副回転軸（１８）とをギ
   ア（１６）で連結し、ポンプまたは発電機と連結した請
   求項１または２記載の水車装置。