JPH0536068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数のパネルをチエーンで連結して
成るシヤツターカーテンと、当該シヤツターカー
テンの左右両端を案内支持するガイドレールとの
間に生ずる隙間を密閉するパネルシヤツターの気
密装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

複数のスラツトをインターロツク部等で連結し
て成るシヤツターカーテンを巻取シヤフトに巻装
させた従来一般のシヤツターについては、実公昭
36−29781号や実開昭50−14238号公報に示すよう
に、ガイドレール内に沿つてシヤツターカーテン
の端面と所定の間隔を保つて対向する気密部材が
配設され、シヤツターカーテンが下限位置近くま
で降下してシヤツターが閉鎖される直前にシヤツ
ターカーテン全体の荷重を受けて作動するリンク
装置によつて、前記気密部材がシヤツターカーテ
ンの端面に押し当てられるように成された気密装
置が知られている。

しかしながら、この種の気密装置は、シヤツタ
ーカーテンの下端が接地すると同時に当該シヤツ
ターカーテンの端面に対して気密部材が押し当て
られるように成されているから、これをパネルシ
ヤツターの気密装置に適用することができなかつ
た。

即ち、パネルシヤツターは、第３図に示すよう
に、シヤツターカーテン１を形成する複数のパネ
ル２，２……がスプロケツト３で駆動されるチエ
ーン４に所定間隔で連結され、シヤツターカーテ
ン１の下端を形成するパネル（座板パネル）２が
接地した後に後続パネル２，２……が先行パネル
２の上に順次積み重ねられて行く構造となつてい
るから、上記気密装置を使用すると、座板パネル
２が接地して下降停止した時に、未だ降下内の後
続パネル２，２……に対しても気密部材が圧接さ
れて、各パネル２を円滑に降下させて積み重ねる
ことができなくなつてしまう。

また、パネルシヤツターは、従来一般のシヤツ
ターと異なり各パネル２がその端面に突設された
ローラ軸５を介してチエーン４に連結されている
から、シヤツターカーテン１の端面に対して気密
部材を圧し当てることはできず、したがつて気密
部材はローラ軸５を避けてシヤツターカーテン１
の前後両面側から押し当てる以外に方法なはい。

しかしながら、従来の気密装置は上記の如く気
密部材をリンク装置によつて駆動するように成さ
れており、設置スペースが大きくなるから、当該
気密装置をシヤツターカーテン１の両面側に対向
させてガイドレール６内に設置することは不可能
であり、若し設置するとすればガイドレール６が
著しく幅広になつて大型化するという問題が生ず
る。

このため、パネルシヤツターについては、第４
図に示すように、シヤツターカーテン１の左右両
端を案内支持する一対のガイドレール６，６に、
夫々シヤツターカーテン１を挟んで対向する位置
に長手方向に沿つて気密ゴム３０，３０を設け、
当該気密ゴム３０，３０がシヤツターカーテン１
の両面側から摺接して各ガイドレール６内の隙間
を密閉するようにしている。

しかし、この場合には、パネルシヤツターを開
閉するたびに、パネル２，２……の昇降により各
パネル２の表面に摺接する気密ゴム３０が短期間
で摩耗して耐久性に欠けると共に、各パネル２の
表面に気密ゴム３０が擦り付けられて汚れが発生
するという問題があり、更に気密ゴム３０が単に
パネル２の表面に摺接するだけであるから気密性
も完全でないという欠点があつた。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、シヤツターカーテンの左右両
端を案内支持するガイドレールを大型化すること
なく当該ガイドレール内に設置して、シヤツター
カーテンの端部に対してその両面側から気密部材
を圧し当てることができると共に、シヤツターカ
ーテンを形成する各パネルが総て完全に降下して
積み重なつた時に気密部材を押し当てることがで
きるパネルシヤツターの気密装置を提供し、従来
のように各パネルの表面に摺接する気密ゴムが摩
耗したり、各パネルの表面に気密ゴムが擦り付け
られて汚れが生ずるという問題を解消すると同時
に、パネルシヤツターの気密性も著しく向上させ
ることを目的とする。

〔考案の構成〕

この目的を達成するために、本考案は、複数の
パネルをチエーンで連結して成るシヤツターカー
テンと、当該シヤツターカーテンの左右両端を案
内支持するガイドレールとの間に生じた隙間を密
閉するパネルシヤツターの気密装置において、ガ
イドレール内に案内支持されたシヤツターカーテ
ンの端部に対してその両面側から押し当てられる
一対の気密部材が、ガイドレールに沿つてその内
面に並設されて夫々シヤツターカーテンの表面か
ら離反するように付勢されると共に、前記各気密
部材の背面側に摺接して下方に摺動した時に楔効
果により気密部材をシヤツターカーテンに向かつ
て押し出す摺動杆が、ガイドレールに沿つて上下
摺動可能に配設されてその上端をガイドレールの
上端から突出させるように付勢され、当該各摺動
杆がシヤツターカーテンの最終パネルの両面側に
突設された突片と係合して押し下げられるように
成されていることを特徴とする。

〔考案の作用〕

本考案による気密装置は、シヤツターカーテン
の端部に対してその両面側から押し当てられる一
対の気密部材が、ガイドレール内に沿つて並設さ
れているが、各気密部材はその背面側に摺接され
た摺動杆が下方に摺動した時の楔効果によりシヤ
ツターカーテンに向かつて押し出されるように成
されているから、気密部材をリンク装置によつて
押し出す従来装置よりも設置スペースが非常に小
さくなる。したがつて、ガイドレールを大型化す
ることなくシヤツターカーテンの両面側から気密
部材を押し当てることができる。

また、各気密部材の背面に摺接する摺動杆は、
ガイドレールに沿つて上下摺動可能に配されて、
その上端をガイドレールの上端から突出させるよ
うに付勢されており、当該摺動杆の上端がシヤツ
ターカーテンの上端を形成する最終パネルに突設
された突片と係合して押し下げられるように成さ
れているから、シヤツターカーテンを形成する各
パネルが総て完全に降下して積み重なつた時に摺
動杆が下方に摺動して気密部材をシヤツターカー
テンに押し当てる。したがつて、降下中のパネル
に気密部材が圧接されて円滑な降下を妨げること
がない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。

第１図は本考案による気密装置の一例を示す要
部の平面図、第２図ａ及びｂはその動作を示す側
面図である。

なお、第３図及び第４図との共通部分について
は同一符号を付して説明する。

本考案においては、ガイドレール６内に案内支
持されたシヤツターカーテン１の端部に対してそ
の両面側から押し当てられる一対の気密部材７，
７が、ガイドレール６内に沿つて互いに対向する
ように並設されて夫々シヤツターカーテン１の表
面から離反するように付勢されている。

また、各気密部材７の背面側に摺接して下方に
摺動した時に楔効果によつて気密部材７をシヤツ
ターカーテン１に向かつて押し出す摺動杆８が、
ガイドレール６に沿つて上下摺動可能に配設され
てその上端をガイドレール６の上端から突出させ
るように付勢されている。

そして、各摺動杆８が、シヤツターカーテン１
の上端を形成する最終パネル２′の両面側に突設
された突片９，９と係合して押し下げられるよう
に成されている。

ここで、気密部材７は、シヤツターカーテン１
を形成する各パネル２，２……及び２′の表面に
沿つて圧接せられる中空気密ゴム１０と、当該気
密ゴム１０の後端から両面側に突出するように一
体的に形成された波形のゴム製板バネ１１及び１
１と、気密ゴム１０の後端に沿つて固着された背
板１２とから構成され、常時は板バネ部１１，１
１の弾発力によつて気密ゴム１０のシヤツターカ
ーテン１の表面から離反せられている。

また、摺動杆８には、気密部材７の背板１２の
表面に沿つて所定間隔で突出形成された逆楔形の
斜面１３，１３……に密着して摺接する楔形の斜
面１４，１４……が形成されると共に、当該摺動
杆８を押し上げるように付勢するスプリング１５
が外嵌されている。

なお、これら気密部材７及び摺動杆８は、ガイ
ドレール６に設けた溝型鋼１６内に収容されてい
る。

また、摺動杆８の各斜面１４，１４……と、気
密部材７の各斜面１３，１３……とは、互いに同
一の大きさ及び傾斜角度に形成されると共に、摺
動杆８がスプリング１５によつて押し上げられた
状態で同一の高さに位置して互いに摺接するよう
に形成されている。

以上が、本考案による気密装置の一例構成であ
り、次にその動作について説明する。

パネルシヤツターを閉鎖する場合には、第２図
ａに示す如くシヤツターカーテン１を形成する各
パネル２，２……がチエーン４に懸吊されて所定
間隔で降下する。

このとき、気密部材７の背面に摺接された摺動
杆８は、スプリング１５の弾発力によつて上方に
押し上げられ、その上端がガイドレール６の上端
から突出するように付勢されている。

そして、第２図ｂに示す如く各パネル２，２…
…が完全に降下して積み重なり、その上から最終
パネル２′が積み重なる際に、当該最終パネル
２′の両面側に突設された突片９，９が、各摺動
杆８の上端に設けられた受金具１７の上から係合
し、摺動杆８が最終パネル２′の荷重を受けて下
方に押し下げられる。

これにより、摺動杆８に形成された楔形の斜面
１４，１４……が、気密部材７の背板１２に形成
された逆楔形の斜面１３，１３……よりも下方に
摺動して当該各斜面１３を楔効果によつて水平方
向に押圧し、気密部材７全体がゴム製板バネ１１
及び１１の弾発力に抗してシヤツターカーテン１
方向に押し出され、気密ゴム１０の先端が各パネ
ル２，２……及び２′の表面に圧接される。

次に、パネルシヤツターを開放する場合には、
第２図ｂに示す状態から、まず最終パネル２′が
チエーン４に懸吊されて上昇する。

これにより、最終パネル２′の突片９，９によ
つて押し下げられていた摺動杆８が、スプリング
１５の弾発力で上方に押し戻され、当該摺動杆８
に形成された楔形の斜面１４，１４……が、気密
部材７の背板１２に形成された逆楔形の斜面１
３，１３……上を摺動して当該各斜面１３と同一
高さになる原位置に復帰し、摺動杆８及び背板１
２間の間隔を押し拡げるように作用していた楔効
果が解除される。

これと同時に、ゴム製板バネ１１，１１の弾発
力によつて、気密部材７がシヤツターカーテン１
から離反するように後退せられ、気密ゴム１０が
総てのパネル２，２……及び２′から離間する したがつて、各パネル２，２……及び２′は、
気密部材７の気密ゴム１０に擦り付けられること
なく円滑に上昇させることができる。

以上のように、本考案によれば、シヤツターカ
ーテン１の端部に対してその両面側から押し当て
られる一対の気密部材７，７が、ガイドレール６
内に沿つて並設されているが、各気密部材７はそ
の背面側に摺接された摺動杆８が下方に摺動した
時の楔効果によりシヤツターカーテン１に向かつ
て押し出されるように成されているから、気密部
材をリンク装置によつて押し出す従来装置よりも
設置スペースが非常に小さくて済み、したがつて
ガイドレール６全体を大型化することなくシヤツ
ターカーテン１の両面側から気密部材７を押し当
てることができるという効果がある。

また、各気密部材７の背面に摺接する摺動杆８
は、ガイドレール６に沿つて上下摺動可能に配さ
れて、その上端をガイドレール６の上端から突出
するように付勢されており、当該摺動杆８の上端
がシヤツターカーテン１の上端を形成する最終パ
ネル２′に突設された突片９と係合して押し下げ
られるように成されているから、シヤツターカー
テン１を形成する各パネル２，２……及び２′が
総て完全に降下して積み重なつた時に摺動杆８が
下方に摺動して気密部材７をシヤツターカーテン
１に押し当てる。したがつて、降下中のパネル
２，２……に気密部材７が圧接されて円滑な降下
を妨げることがないという効果がある。

なお、上記実施例においては、気密ゴム１０と
一体的に形成して安価に製作できる簡易な構造の
波形のゴム製板バネ１１，１１によつて気密部材
７をシヤツターカーテン１から離反させるように
付勢したが、本考案はこれに限るものではなく、
ゴム製の板バネ１１に代わつてコイルスプリング
等を使用することもできる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によるパネルシヤツ
ターの気密装置は、シヤツターカーテンの左右両
端を案内支持するガイドレールを大型化すること
なく当該ガイドレール内に設置して、シヤツター
カーテンの端部に対しその両面側から気密部材を
押し当てることができると共に、シヤツターカー
テンを形成する各パネルが総て完全に降下して積
み重なつた時気密部材を押し当てることができる
という優れた効果がある。したがつて、従来のよ
うに単に各パネルの表面に摺接する気密ゴムをガ
イドレールに沿つて設けた場合に比較して気密性
が著しく高いと同時に、気密ゴムの摩耗による耐
久性の問題や、各パネルの表面に気密ゴムが擦り
付けられて生じていた汚れの問題も安全に解消す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるパネルシヤツターの気密
装置の一例を示す要部の平面図、第２図ａ及びｂ
はその動作を示す側面図、第３図は本考案装置を
使用するパネルシヤツターの正面図、第４図は従
来技術を概略的に示すパネルシヤツターの平面図
である。 符号の説明、１……シヤツターカーテン、２…
…パネル、２′……最終パネル、４……チエーン、
６……ガイドレール、７……気密部材、８……摺
動杆、９……突片、１０……気密ゴム、１１……
ゴム製板バネ、１２……背板、１３……逆楔形の
斜面、１４……楔形の斜面、１５……スプリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のパネル２をチエーン４で連結して成るシ
   ヤツターカーテン１と、当該シヤツターカーテン
   １の左右両端を案内支持するガイドレール６との
   間に生じた隙間を密閉するパネルシヤツターの気
   密装置において、ガイドレール６内に案内支持さ
   れたシヤツターカーテン１の端部に対してその両
   面側から押し当てられる一対の気密部材７が、ガ
   イドレール６に沿つてその内面に並設されて夫々
   シヤツターカーテン１の表面から離反するように
   付勢されると共に、前記各気密部材７の背面側に
   摺接して下方に摺動した時に楔効果により気密部
   材７をシヤツターカーテン１に向かつて押し出す
   摺動杆８が、ガイドレールに沿つて上下摺動可能
   に配設されてその上端をガイドレール６の上端か
   ら突出させるように付勢され、当該各摺動杆８が
   シヤツターカーテン１の最終パネル２′の両面側
   に突設された突片９と係合して押し下げられるよ
   うに成されていることを特徴とするパネルシヤツ
   ターの気密装置。