JPH0536051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、床および鴨居側に内設された回動
扉の擺動力を任意に調節できる装置に関するもの
である。

（従来の技術） 従来より、縦軸蝶番を枢芯として擺動する扉に
は周知のドアチエツクを始め、蝶番に捩りばねな
どを付設したものが殆んどであつたが、両者とも
任意の箇所における中途停止の持続は扉を手で押
し止めるか、或いは扉の下辺に勾配のブロツクを
挿入して制止させる手段しかなく厄介であつた。

亦、蝶番だけに頼る扉では中途停止はできても
扉に風圧や外圧などが生じると扉が急速に擺動し
て危険であつた。

（考案が解決しようとする問題点） 蝶軸支点の回動扉は、その使用状況（換気開放
や人や車の連続通過など）の如何によつて平時は
便利のよい筈の自動閉鎖機能が開放時の停止を妨
げる結果となるため、該自閉機構（ドアチエツク
や発条など）を取り除くと、随所停止は任意に行
える反面、扉に急激な外力（風圧や人、器物の強
い接触など）が加えられると急速に扉が回動して
扉やその周辺部を破損させたり、通過中の人や器
物に危害が生じるなど一長一短の問題点が介在す
る。

（考案の目的） 上述した問題点を解決する手段が、美感上扉周
辺の外部に突出乃至は露出せず、簡便な取り扱い
と適確な作動かつ、低コストにより需要層に高価
値の至便機能を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案による扉の擺動力調節装置は、床と鴨
居の外表面に、開閉自在の覆板の表面が合致する
ように内設した上板つき受台の底部における一側
のメタルに、回動扉の前記上板を挿通した蝶番軸
の延伸端部を回動自在に嵌入し、他側のメタルと
上板には従動軸と該従動軸に螺嵌してなる角辺突
起つきナツトを夫々回動自在に嵌入すると共に、
該従動軸の鍔部と螺部の間に形成された角形部に
両側から制動板で挟持された従歯車を、別の螺番
軸延伸部に形成された角軸部に固定された主歯車
に噛合連動するようにしたものである。

（作用） 扉の擺動力を調節（増減）するには、先ず蝶番
軸近傍で床と鴨居の外表面に合せて埋設された回
動自在の覆板の把環を掴持して傾動開口し、つぎ
に作業工具（箱型スパナー）の角孔を埋設した受
台の上板より突出しているナツトの角辺突起に嵌
入して左右何れかに回転すればナツトの締緩作用
により、蝶番軸の主歯車に歯合する従動軸の従歯
車の両面に着接する各制御板の圧接力が同時に増
減する。

すなわち、従歯車を挾圧する力が増大すれば
（ナツト締付け時）、従歯車と歯合連動する主歯車
にも必然的に制動力が働き、該主歯車の軸である
蝶番軸も同じ制動作用を受けるため、扉の回動力
は減退することになる。

斯かる場合、扉の動きは鈍化し開放中の何れの
個所でも扉には重量以外の負荷が発生して重々し
く停止する状態となる、そして扉に強い外圧が与
えられても急速に扉は回動しないから、開閉終端
における衝撃事故は防止できるので安全である。

実施に関し、前述した作業工具によるナツトの
締緩程度は、扉の重量および使用状況に応じて適
宜加減すればよいが、ナツトの肩部に刻設された
矢印と上板面上の目盛板の印を床と鴨居側の双方
で合せておくことで、常に扉の回動力は上下の蝶
番軸で同等となり円滑に作動するものである。

そして、調整が完了すれば、覆板を元の位置
（床と鴨居面）に傾動閉止すれば、覆体の背面に
ある係止ばねが働いて鴨居側の覆板が傾動垂下す
ることは防止できるので美感上の問題点は生じな
い。

（実施例） 第１図は、この考案の１実施例を縦軸蝶番を支
点とした回動扉Ｄ周辺の鴨居Ｌと床Ｆ側に埋設し
た場合の全体概略図で、詳細には第２図示の如く
外部に突出または露出しないように埋設される。
蝶番軸１は回動扉Ｄの至端側蝶番より延伸したも
ので、端部の角軸に主歯車２を嵌入後止環３によ
り定着される、従動軸４は鍔部６を膨径し、順次
至端側に角形部４Ａと螺部４Ｂを形成し、従歯車
２Ａの角孔に挿通される、また、ガラス繊維をゴ
ムで圧縮し円板状に成形した制動板５の一方は予
め従動軸の鍔部６と従歯車２Ａの間に、そして他
方はナツト７と該従動車２Ａとの間に夫々介在さ
せてあるから、従動軸４の螺部４Ｂに螺合したナ
ツト７を回動すれば、従歯車２Ａの両側面に着接
された前記制動板５，５はナツト７の締緩により
従歯車２Ａの圧接力が任意に変化できる。

８はリテーナーでナツト７の中段側細径部に遊
嵌され、該ナツト７と螺嵌した従動軸４および従
歯車２Ａの上板１０寄りに浮上するのを防止する
（鴨居側では上板１０寄りに降下する）ものであ
る。受台９は断面がハツト状の架台で、上記ナツ
ト７の浮上を防止するため上板１０を載着し、底
部には、予めメタル１４が主歯車と従歯車の間隔
に合せて埋設され、一側は蝶番軸の先端細径部
が、他側は従動軸の端部が夫々回動自在に嵌挿さ
れている。また上板１０は受台９とともに床内や
鴨居内の溝形材（無符号）に載設され、蝶番軸１
を遊挿し、ナツト７を回動自在に挿通しており、
かつ端部に蝶軸１３を有した起曲自在の覆板１１
を付設して、床面や鴨居面より突出したり落下傾
動せぬよう、係止ばね１５が第２図示の如く閉鎖
時に開口段部端縁に弾接する。

ナツト７の端部は一方は制動板５と圧接する膨
径面であるが他方は角辺突起７Ａが削成され、か
つ角辺突起７Ａのつけ根近傍に矢印７Ｂを刻設す
るとともに、上板１０のナツト遊挿口（出没口）
周辺に目盛板１６を貼設し、ナツト７の締緩度を
鴨居側と床側で合致させるための目安にしておけ
ば作業工具（図示せず）を用いた調節時に省力化
できる。把環１２は覆板１１の蝶軸１３の反対側
に付設され、覆板１１を起曲開口して（第２図仮
線参照）ナツト７を締緩する際に引つ張るもので
ある。

（考案の効果） この考案によれば、自閉装置の無い回動扉の擺
動力を鴨居と床側に埋設した調節装置中のナツト
の締緩操作だけで容易に増減することができるた
め、扉は開放中如何なる位置でも停止し、かつ扉
に急激な外圧が生じた場合でも制動板の働き（歯
車挾圧）により、扉は急速に開閉しないから、開
閉終端における衝突事故は回避できるものであり
平時の換気や連続通過を行う場合、その都度煩し
い制止手段を購じる必要もなく、かつ扉周辺の美
感問題も無く、簡便な調節操作と併せて扉の設置
個所や使用状況に応じて適切な擺動力を得られる
などの実用効果が充二分に発揮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の調節装置を自閉機能を有
しない回動扉に埋設した全体の概略図、第２図は
同上Ａ部の一部を切欠した拡大断面図である。 図において、１は蝶番軸、２は主歯車、２Ａは
従歯車、４は従動軸、５は制動板、６は鍔部、７
はナツト、７Ａは角辺突起、９は受台、１０は上
板、１１は覆板、Ｄは回動扉、Ｆは床、Ｌは鴨居
である。なお、各図中同一符号は同一または相当
部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床と鴨居の外表面に、開閉自在の覆板の表面が
   合致するように内設した上板つき受台の底部にお
   ける一側のメタルに、回動扉の前記上板を挿通し
   た蝶番軸の延伸端部を回動自在に嵌入し、他側の
   メタルと上板には従動軸と該従動軸に螺嵌してな
   る角辺突起つきナツトを夫々回動自在に嵌入する
   と共に、該従動軸の鍔部と螺部の間に形成された
   角形部に両側から制動板で挟持された従歯車を、
   別の蝶番軸延伸部に形成された角軸部に固定され
   た主歯車に歯合連動するようにしたことを特徴と
   する扉の擺動力調節装置。