JPH053586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、走行車の櫓に設けられたガイド支柱
（リーダー）に沿つて昇降自在なオーガーマシン
を備えたアースオーガーに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のアースオーガーにおいては、クローラ式
走行車の櫓に設けられたガイド支柱（リーダー）
を両側から挟持するスライドガイドがオーガーマ
シンの背面にボルト・ナツトで取り付けるように
構成されていた。そして掘削工事を行うにあたつ
ては、クローラ式走行車とは分離して現場に搬入
したオーガーマシンを、その背面にボルト締めし
たスライドガイドを介して、ガイド支柱に昇降自
在に装着し、掘削工事が完了したら、再び、ボル
ト・ナツトを緩めてスライドガイドを分解し、オ
ーガーマシンをガイド支柱から分離して搬出する
ように構成されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の従来例では、スライドガイドの組付け・
分解に多数のボルト・ナツトを操作しなければな
らないため、掘削工事の開始・完了の際のオーガ
ーマシンを装着・分離する作業が非常に面倒であ
つた。

殊に、大型のオーガーマシンの場合、重量が大
きく、ボルト・ナツトの個数も増加するため、オ
ーガーマシンの装着・分離作業は一層面倒であつ
た。

また、オーガーマシンの大型化と共に、オーガ
ーマシンの複数化、つまり数種類のオーガーマシ
ンを準備しておき、これらを現場で適時着脱交換
して使用することは、掘削工事の工程改善を図る
上で、非常に好ましいのであるが、従来のアース
オーガーでは、スライドガイドの組付け・分解に
よるオーガーマシンの着脱が非常に面倒であるた
め、このような使用方法には不向きであつた。

上記の従来欠点に鑑み、本考案は、油圧シリン
ダーを利用することにより、オーガーマシンの着
脱を容易かつ迅速に行えるようにして、オーガー
マシンの大型化、複数化にも対処できるようにす
ると共に、油圧シリンダーを用いたことに起因す
る安全上の問題を解決しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案が講じた
技術的手段は次のとおりである。即ち、本考案
は、オーガーマシンの背面に、当該オーガーマシ
ンをガイド支柱に沿つてスライド自在な状態に取
り付けるためのスライドガイド装置を付設したア
ースオーガーにおいて、左右に適当間隔を隔てて
位置する一対の縦枠と、縦枠の上端部間を連結す
る油圧シリンダー取付け用ブラケツトと、縦枠の
下端部間を連結する横枠と、横枠から夫々外側へ
突出した且つ左右方向の溝を有する上下複数段の
突出枠とから成るフレームをオーガーマシンの背
面に取り付け、各段の突出枠の溝にわたつて左右
方向にのみスライド自在に挿入された左右一対の
縦板の表面側に、当該縦板の左右方向へのスライ
ドによつて、前記ガイド支柱を両側から挟持した
状態と挟持を解除した状態とにわたつて開閉する
スライドガイドを連設する一方、前記縦枠間に
は、上下方向にのみスライド自在な可動プレート
を配設して、当該可動プレートの上端部と前記ブ
ラケツトとの間に油圧シリンダーを介装し、前記
可動プレートには、下端部がハ字状に広がり且つ
上端側の狭くなつた部分が互いに平行に形成され
た略ハ字状の長孔を設け、左右のスライドガイド
から内側へ延設された腕部の先端と前記縦板の裏
面側から内側へ延設された腕部の先端との間に架
設したピンを前記長孔に挿通して、可動プレート
の上下方向へのスライドに伴う長孔とピンとのカ
ム作用によつて前記縦板が左右方向にスライドす
るように構成し、さらに、前記突出枠には、スラ
イドガイドがガイド支柱を両側から挟持した状態
にあるとき前記縦板のスライドを阻止する挿抜可
能なロツクピンを設けて、前記スライドガイド装
置を構成したしたことを特徴としている。

〔作用〕

上記の構成によれば、油圧シリンダーの伸縮作
動によつて可動プレートが上下方向にスライド
し、これに伴い、長孔と水平ピンとのカム作用に
よつて縦板が左右方向にスライドして、スライド
ガイドが開閉し、ガイド支柱を両側から挟持した
状態と挟持を解除した状態とに切り換えられるの
で、ガイド支柱に対するオーガーマシンの装着・
分離が容易である。

また、スライドガイドが閉じ、ガイド支柱を両
側から挟持した状態においては、可動プレートが
下降位置にあり、ピンは略ハ字状をなす長孔の上
端側の互いに平行となつた部位に位置している。

従つて、この状態において、例えば、油圧ホー
スが破断したり、その他の油圧系統が故障し、さ
らに、スライドガイドに開き方向の力が加わつて
も、ピンが長孔の垂直な内面に当接することにな
り、可動プレートを上下方向に移動させる分力が
生じないので、スライドガイドの開き動作が阻止
されることになる。

また、スライドガイドが閉じ、ガイド支柱を両
側から挟持した状態においては、ロツクピンを挿
入して、縦板のスライドを阻止するので、油圧シ
リンダーを誤操作しても、縦板のスライドが阻止
され、スライドガイドの開き動作が阻止されるこ
とになる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、第２図はアースオーガーのガイド支柱
（リーダー）１に沿つて昇降自在に装着されたケ
ーシング用のオーガーマシンＡを示す。２は図外
のケーシングを連結するフランジである。３，３
はギヤケース４内の減速機構を介して前記フラン
ジ２を垂直軸芯周りに回転駆動する一対の電動
機、５，５は吊り下げ用のシーブブロツク、６は
排土パイプである。Ｂは、オーガーマシンＡの背
面にボルト締め、溶接等の手段により取り付けら
れたスライドガイド装置である。

前記スライドガイド装置Ｂは、ガイド支柱１を
両側から挟持した状態と挟持を解除した状態とに
わたつて開閉自在なスライドガイド７…，７…
と、当該スライドガイド７…，７…を開閉駆動す
る複動型の油圧シリンダー８とを備えている。

以下に、スライドガイド装置Ｂの詳細な構成を
第３図乃至第９図に基づいて説明する。

９は、前記オーガーマシンＡの背面に取り付け
られるフレームであり、左右に適当間隔を隔てて
位置する一対の縦枠１０，１０、縦枠１０，１０
の上端部間を連結する油圧シリンダー取付け用の
ブラケツト１１、縦枠１０，１０の下端部間を連
結する横枠１２、前記縦枠１０，１０の上端部と
中間部と下端部において縦枠１０，１０から側方
へ突出した上下３段の突出枠１３ａ，１３ａ，１
３ｂ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｃ等によつて構成さ
れている。前記突出枠１３ａ，１３ａ，１３ｂ，
１３ｂ，１３ｃ，１３ｃには、左右方向の溝ａ…
が形成され、これらの溝ａ…にわたつて縦板１
４，１４が左右方向にのみスライド自在に挿入さ
れ、各縦板１４，１４の表面に前記スライドガイ
ド７…，７…がボルト１５…により取り付けられ
ている。左右のスライドガイド７…，７…から内
側へ一体に延設された腕部７ａ…，７ａ…の先端
と、これらの腕部７ａ…，７ａ…に対向するよう
に前記縦板１４，１４の裏面から内側へ突設した
腕部１４ａ…，１４ａ…の先端とにわたつて水平
なピン１６…，１６…が架設されている。左右の
縦枠１０，１０間には、上下方向にのみスライド
自在な可動プレート１７が配設され、当該可動プ
レート１７の上端部には、前記ブラケツト１１に
枢着された油圧シリンダー８のピストンロツドの
先端部が枢支連結されている。可動プレート１７
には、略ハ字状の長孔ｂ…，ｂ…が形成され、こ
れらの長孔ｂ…，ｂ…に前記ピン１６…，１６…
が挿通されている。そして、油圧シリンダー８を
伸長作動させて可動プレート１７を下降させるこ
とにより、前記長孔ｂ…，ｂ…によつて左右のピ
ン１６…，１６…が内側に引き寄せられて、スラ
イドガイド７…，７…が閉じ状態となり、逆に、
油圧シリンダー８を縮小作動させて可動プレート
１７を上昇させることにより、第９図に示すよう
に、長孔ｂ…，ｂ…によつて左右のピン１６…，
１６…が外側に押し出されて、スライドガイド７
…，７…が開き状態となるように構成されてい
る。

尚、前記長孔ｂ…，ｂ…は、下端部がハ字状に
広がつているが、上端側の狭くなつた部分は互い
に平行になつている。これは、閉じ状態にあるス
ライドガイド７…，７…に開き方向の力が加わつ
ても、ピン１６…，１６…が長孔ｂ…，ｂ…の垂
直な内面に当接することにより、可動プレート１
７を上下方向に移動させる分力が生じないように
配慮したものである。また、各段の突出枠１３
ａ，１３ａ，１３ｂ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｃの
先端部には、挿抜自在なロツクピン１８…が設け
られている。これは、スライドガイド７…，７…
を閉じた状態で、これらのロツクピン１８…を各
段の突出枠１３ａ，１３ａ，１３ｂ，１３ｂ，１
３ｃ，１３ｃの先端部に挿入しておくことによ
り、油圧シリンダー８を誤操作した場合でも、縦
板１４，１４がロツクピン１８…に当接して外側
へのスライドが阻止され、可動プレート１７の上
昇（スライドガイド７…，７…の開き方向への動
作）が防止されるように構成したものである。

第１０図は、前記スライドガイド装置Ｂにおけ
る油圧シリンダー８を伸縮作動させる油圧回路を
示す。１９ａ，１９ｂは前記油圧回路を油圧ポン
プＰ及びタンクＴ側と接続するダブルロツク式の
カツプラーであり、２０はスプリングにより圧油
供給路を遮断する方向に付勢された第一の手動切
換え弁、２１はスプリングにより中立位置に付勢
された第二の手動切換え弁、２２はパイロツトチ
エツク弁、２３はボールバルブである。

上記油圧回路によれば、第一の手動切換え弁２
０を操作して圧油供給路を連通させた状態で、第
二の手動切換え弁２１を操作したときにのみ、油
圧シリンダー８を伸縮作動させることができる。

〔考案の効果〕

本考案は、上述した構成よりなり、油圧シリン
ダーによつてスライドガイドを開閉駆動し、ガイ
ド支柱を両側から挟持した状態と挟持を解除した
状態とに切り換えることができるので、従来のよ
うなボルト・ナツトの操作が一切不要であり、ガ
イド支柱に対するオーガーマシンの装着・分離を
容易かつ迅速に行うことができ、オーガーマシン
の大型化、複数化にも対処でき、しかも、油圧シ
リンダーを用いたことに起因する安全上の問題、
例えば、油圧ホースの破断やその他の油圧系統の
故障や油圧シリンダーの誤操作等によつて、スラ
イドガイドが不測に開き動作し、オーガーマシン
がガイド支柱から脱落するといつた問題を解決し
得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はアー
スオーガーの要部側面図、第２図はアースオーガ
ーの要部平面図、第３図はスライドガイド装置の
分解斜視図、第４図はスライドガイド装置の正面
図、第５図はスライドガイド装置の一部を破断し
た側面図、第６図はスライドガイド装置の平面
図、第７図は第４図の−線断面図、第８図は
第４図の−線断面図、第９図はスイドガイド
を開放した状態におけるスライドガイド装置の正
面図、第１０図はスライドガイド装置の油圧回路
図である。 Ａ……オーガーマシン、Ｂ……スライドガイド
装置、ａ……溝、ｂ……長孔、１……ガイド支
柱、７……スライドガイド、７ａ，７ａ……腕
部、８……油圧シリンダー、９……フレーム、１
０……縦枠、１１……ブラケツト、１２……横
枠、１３ａ，１３ａ，１３ｂ，１３ｂ，１３ｃ，
１３ｃ……突出枠、１４……縦板、１４ａ，１４
ａ……腕部、１７……可動プレート、１６……ピ
ン、１８……ロツクピン１８。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オーガーマシンＡの背面に、当該オーガーマシ
   ンＡをガイド支柱１に沿つてスライド自在な状態
   に取り付けるためのスライドガイド装置Ｂを付設
   したアースオーガーであつて、左右に適当間隔を
   隔てて位置する一対の縦枠１０，１０と、縦枠１
   ０，１０の上端部間を連結する油圧シリンダー取
   付け用ブラケツト１１と、縦枠１０，１０の下端
   部間を連結する横枠１２と、縦枠１０，１０から
   夫々外側へ突出した且つ左右方向の溝ａ…，ａ…
   を有する上下複数段の突出枠１３ａ，１３ａ、１
   ３ｂ，１３ｂ、１３ｃ，１３ｃとから成るフレー
   ム９をオーガーマシンＡの背面に取り付け、各段
   の突出枠１３ａ，１３ａ、１３ｂ，１３ｂ、１３
   ｃ，１３ｃの溝ａ…，ａ…にわたつて左右方向に
   のみスライド自在に挿入された左右一対の縦板１
   ４，１４の表面側に、当該縦板１４，１４の左右
   方向へのスライドによつて、前記ガイド支柱１を
   両側から挟持した状態と挟持を解除した状態とに
   わたつて開閉するスライドガイド７，７を連設す
   る一方、前記縦枠１０，１０間には、上下方向に
   のみスライド自在な可動プレート１７を配設し
   て、当該可動プレート１７の上端部と前記ブラケ
   ツト１１との間に油圧シリンダー８を介装し、前
   記可動プレート１７には、下端側がハ字状に広が
   り且つ上端側の狭くなつた部分が互いに平行に形
   成された略ハ字状の長孔ｂ，ｂを設け、左右のス
   ライドガイド７，７から内側へ延設された腕部７
   ａ，７ａの先端と前記縦板１４，１４の裏面側か
   ら内側へ延設された腕部１４ａ，１４ａの先端と
   の間に架設したピン１６，１６を前記長孔ｂ，ｂ
   に挿通して、可動プレート１７の上下方向へのス
   ライドに伴う長孔ｂ，ｂとピン１６，１６とのカ
   ム作用によつて前記縦板１４，１４が左右方向に
   スライドするように構成し、さらに、前記突出枠
   １３ａ，１３ａ、１３ｂ，１３ｂ、１３ｃ，１３
   ｃには、スライドガイド７，７がガイド支柱１を
   両側から挟持した状態にあるとき前記縦板１４，
   １４のスライドを阻止する挿抜可能なロツクピン
   １８…を設けて、前記スライドガイド装置Ｂを構
   成したことを特徴とするアースオーガー。