JPH0535845A - アニメーシヨン作成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はアニメーシヨン作成装置に関し、特に
簡易な図形入力作業によつて現実感が大きいアニメーシ
ヨン映像を得ることができるようにしたものである。 【構成】同じ継続時間を有するアニメーシヨンデータを
加重平均して、第１の状態から他の第２の状態へのアニ
メーシヨンを作成するようにしたことにより、同じ動作
が永久に続くような周期的なアニメーシヨンを容易に作
成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術（図８） 発明が解決しようとする課題（図９） 課題を解決するための手段（図１〜図７） 作用（図１〜図７） 実施例（図１〜図７） 発明の効果

【０００２】

【産業上の利用分野】本発明はアニメーシヨン作成装置
に関し、特に放送用３次元特殊効果装置などにおいて、
旗等のように弾力性を有する物体が周期的にゆらぐ様子
を表現したアニメーシヨン映像を作成する場合に適用し
て好適なものである。

【０００３】

【従来の技術】従来、アニメーシヨン作成装置を用いて
アニメーシヨン映像を作成する場合、一連のアニメーシ
ヨン映像を構成する各こまについて、アニメータが１こ
まずつ絵を描いたり、図形の形及びその変化を画面上に
定義する図形入力方法が採用されている。

【０００４】すなわち図８に示すように、旗のアニメー
シヨンを作る場合について、アニメーシヨン作成装置１
は画像変換装置２を有する。

【０００５】この画像変換装置２はテレビジヨン画像を
画面上にマツピングして表示するようになされており、
原画像メモリ３から得られるアニメーシヨン映像として
作成すべき原画像データＰＣ１（この場合、旗の模様と
なる画像データ）を、アニメーシヨンデータメモリ４か
ら得られるアニメーシヨンデータＤ１に基づいて変形し
た後、旗の画像を変形してなる出力画像データＰＣ２を
出力画像メモリ５に送出する。

【０００６】このようなアニメーシヨンデータＤ１はあ
る瞬間の旗の形を表す座標値でなり、必要に応じて１つ
又は複数のフレームデータを含んで構成されている。こ
のアニメーシヨンデータは予めアニメータが手で作成し
たり又は簡単な関数を組み合わせた計算によつて発生さ
せるようになされている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところでこのような手
法によつてアニメーシヨン映像を作成しようとする場
合、各こまの絵柄を入力したり、図形の形の定義式を決
定するために熟練したアニメータが煩雑な図形入力作業
をしなければならない問題がある。この問題は特に自然
現象のように人為的ではない図形の動きをアニメーシヨ
ンにしようとする場合には顕著になり、図形入力作業に
多大な時間及び労力が必要で生産性が悪かつた。

【０００８】このような問題を解決するため、物理モデ
ルを使つてコンピユータでシミユレーシヨンを行いアニ
メーシヨンを作成するアニメーシヨン作成装置がある。
このようなアニメーシヨン作成装置では、アニメーシヨ
ンで表現したい物体の物理的性質をなるべく忠実にモデ
ル化しコンピユータでシミユレーシヨンすることによ
り、その動きを求める方法で、人間が手で描いたアニメ
ーシヨンより本物らしくしかも簡単にそれを作ることが
できる。

【０００９】すなわち例えば２点ｐ０、ｐ１を固定した
旗が風にゆらぐ様子を、物理モデルを使つてコンピユー
タでシミユレーシヨンを行ない表現すると、図９（Ａ）
〜（Ｄ）に示すようなアニメーシヨン映像ＦＬ０〜ＦＬ
３を得ることができる。

【００１０】このようなアニメーシヨンを表すデータと
してシミユレーシヨンによつて生成されるものは、各格
子点の３次元座標であり、このようなシミユレーシヨン
ではある状態のアニメーシヨンデータから次の状態のア
ニメーシヨンデータを生成するようになされている。

【００１１】ところがこのように物理モデルを使つてコ
ンピユータでシミユレーシヨンを行うアニメーシヨン作
成装置で取り扱うアニメーシヨンデータには、時系列的
に方向性があり、ある状態から以前の状態を逆に生成す
ることは困難であり、また二つの状態をつなぐようなア
ニメーシヨンを生成することはより困難であつた。

【００１２】従つて、このようなアニメーシヨン作成装
置では、指定された形や位置へ到達するようなデータを
シミユレーシヨン時に生成するのが困難であり、また連
続したフレームの間に因果関係があるため、例えばある
時間経過後もとの時刻に戻らせるように、時系列的な前
後関係を勝手に変えると作成されたアニメーシヨン映像
が不自然になる。

【００１３】このため有限時間のシミユレーシヨンから
同じ動作が永久に続く周期的なアニメーシヨンを作成す
ることが困難となり、テレビにおける特殊効果などの応
用上問題であつた。

【００１４】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、特に同じ動作が永久に続くような周期的なアニメー
シヨン映像を容易に作成し得るアニメーシヨン作成装置
を提案しようとするものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、前後のフレームＡ、Ｂのアニメー
シヨンデータ間に因果関係を有するアニメーシヨンを作
成するアニメーシヨン作成装置において、同じ継続時間
Ｔを有するアニメーシヨンデータを加重平均して、第１
の状態Ａから他の第２の状態Ｂへのアニメーシヨンを作
成するようにした。

【００１６】

【作用】同じ継続時間Ｔを有するアニメーシヨンデータ
を加重平均して、第１の状態Ａから他の第２の状態Ｂへ
のアニメーシヨンを作成するようにしたことにより、同
じ動作が永久に続くような周期的なアニメーシヨンＦＬ
１０〜ＦＬ１１を容易に作成し得る。

【００１７】

【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。

【００１８】図８との対応部分に同一符号を付して示す
図１において、１１は全体として本発明によるアニメー
シヨン作成装置を示し、中央処理ユニット（ＣＰＵ）を
含むマイクロコンピユータでなるアニメーシヨンデータ
作成装置１２を加えて構成されている。

【００１９】このアニメーシヨンデータ作成装置１２
は、アニメーシヨン映像として作成すべき図形の順次続
く時刻に図形がどのような形になつているかを表す３次
元座標値データを作成アニメーシヨンデータＤ２として
発生し、これをアニメーシヨンデータメモリ４に対して
アニメーシヨンデータＤ１として供給する。

【００２０】ここでこのアニメーシヨンデータ作成装置
１２の場合、ＣＰＵは図２〜図５に示す原理に基づいて
アニメーシヨンデータＤ１を発生するようになされてい
る。すなわち図２はアニメーシヨンデータＤ１の時系列
を１次元的に表したものである。

【００２１】いま、時刻Ａでの状態から時刻Ｂでの状態
をある時間間隔Ｔでつなぐアニメーシヨンを作りたいと
する。図３はＡからＡ＋Ｔまで（図３（Ａ））とＢ−Ｔ
からＢまで（図３（Ｂ））のアニメーシヨンデータを時
刻０から時刻Ｔの間に並べたものである。

【００２２】時刻ｔにおけるアニメーシヨンデータＤ１
をそれぞれａ（ｔ）、ｂ（ｔ）とする。図４は次式で計
算されたアニメーシヨンデータｃ（ｔ）をもつ時刻０か
ら時刻Ｔの時系列である。

【数１】

【００２３】実際上図４のようなアニメーシヨンデータ
Ｄ１の時系列をもつアニメーシヨンは、時刻０ではもと
のアニメーシヨンの時刻Ａでの状態を持ち、時刻Ｔでは
もとのアニメーシヨンの時刻Ｂでの状態を持つ。しかも
時間に対する因果関係をそれほど壊していないので自然
に見える。

【００２４】図５は上述でＡ＝Ｂであつた場合を示して
いる。すなわちＡの状態から出発して時間Ｔ後に再びＢ
＝Ａに戻るアニメーシヨンを作りたいとする。方法は前
と全く同じである。これによつて任意の状態から任意の
時間を経て元の状態を繰り返す周期的なアニメーシヨン
が作成できる。

【００２５】なおこの場合、ａ（ｔ）とｂ（ｔ）を加重
平均する重みとしてｔに関して線形なものを使いてお
り、一般的に次式、

【数２】 において、次式

【数３】

【数４】 が成り立つようなｐ、ｑを選べばいろいろなバリエーシ
ヨンのアニメーシヨンが作成でき、例えばｐ、ｑとして
ある周波数で振動するものを選べばできあがつたアニメ
ーシヨンにもその周波数の振動を与えることができる。

【００２６】ここでこの実施例の場合、アニメーシヨン
作成装置１１のアニメーシヨンデータ作成装置１２のＣ
ＰＵは上述の原理に基づいて、２点ｐ１０、ｐ１１を固
定した旗のような物体について、物理モデルを使つてコ
ンピユータによるシミユレーシヨンを行ない、旗が風に
ゆらぐ様子を表現したアニメーシヨンを作成する場合、
図６に示すアニメーシヨン作成処理プログラムＳＰ１を
実行する。

【００２７】すなわちアニメーシヨンデータ作成装置１
２のＣＰＵは、アニメーシヨンデータ作成処理プログラ
ムＳＰ１から入つて、次のステツプＳＰ２において、物
理モデルを使つてコンピユータによるシミユレーシヨン
を行ない、旗が風にゆらぐ様子を表現した基準となるア
ニメーシヨンデータを作成する。

【００２８】続いてＣＰＵはステツプＳＰ３において、
アニメーシヨンデータ中の開始フレームＡと終了フレー
ムＢを選択し、次のステツプＳＰ４において経過時間Ｔ
を決定し、この後ＣＰＵは次のステツプＳＰ５におい
て、終了フレームＢが開始フレームＡより後か否か判断
する。

【００２９】ＣＰＵはこのステツプＳＰ５で肯定結果を
得るとステツプＳＰ６に移り、逆に否定結果を得るとス
テツプＳＰ７に移る。このステツプＳＰ６では終了フレ
ームＢ及び開始フレームＡの時間差が経過時間Ｔに等し
いか否か判断し、否定結果を得るとステツプＳＰ７に移
る。

【００３０】このステツプＳＰ７においてＣＰＵは、
（１）式及び（２）式について上述したように、開始フ
レームＡから経過時間Ｔ後のフレームＡ＋Ｔまでのアニ
メーシヨンデータと、終了フレームＢに対して経過時間
Ｔだけ前のフレームＢ−Ｔから終了フレームＢまでのア
ニメーシヨンデータとを加重平均して、０から経過時間
Ｔまでのアニメーシヨンデータを作成し、次のステツプ
ＳＰ８において当該アニメーシヨンデータ作成処理プロ
グラムＳＰ１を終了する。

【００３１】また上述のステツプＳＰ６で肯定結果を得
ると、開始フレームＡから終了フレームＢのままで、０
から経過時間Ｔまでのアニメーシヨンデータを作成し、
この後ステツプＳＰ８に移つて当該アニメーシヨンデー
タ作成処理プログラムＳＰ１を終了する。

【００３２】このようにしてこの実施例の場合、任意の
状態から任意の時間を経て元の状態を繰り返す周期的な
アニメーシヨン映像を容易に作成することができ、例え
ば図７（Ａ）〜（Ｄ）に示すように、旗が風にゆらぐ様
子を自然に表現し得るアニメーシヨン映像ＦＬ１０〜Ｆ
Ｌ１３を作成することができる。

【００３３】以上の構成によれば、コンピユータのシミ
ユレーシヨンによるアニメーシヨンデータを使つて所定
の状態から、別の所定の状態へのアニメーシヨンを容易
に作成し得るアニメーシヨン作成装置１１を実現でき
る。

【００３４】さらに上述の構成によれば、有限時間のコ
ンピユータのシミユレーシヨンによるアニメーシヨンデ
ータを使つて同じ動作が永久に続く周期的なアニメーシ
ヨンを容易に作成し得ると共に、加重平均のバリエーシ
ヨンからより複雑な周期を持つアニメーシヨンをも容易
に作成し得るアニメーシヨン作成装置１１を実現でき
る。

【００３５】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、同じ継続
時間を有するアニメーシヨンデータを加重平均して、第
１の状態から他の第２の状態へのアニメーシヨンを作成
するようにしたことにより、同じ動作が永久に続くよう
な周期的なアニメーシヨンを容易に作成し得るアニメー
シヨン作成装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるアニメーシヨン作成装置の一実施
例を示すブロツク図である。

【図２】アニメーシヨンデータ作成装置が実行するアニ
メーシヨンの作成の原理の説明に供する特性曲線図であ
る。

【図３】アニメーシヨンデータ作成装置が実行するアニ
メーシヨンの作成の原理の説明に供する特性曲線図であ
る。

【図４】アニメーシヨンデータ作成装置が実行するアニ
メーシヨンの作成の原理の説明に供する特性曲線図であ
る。

【図５】アニメーシヨンデータ作成装置が実行するアニ
メーシヨンの作成の原理の説明に供する特性曲線図であ
る。

【図６】アニメーシヨン作成処理プログラムの動作の説
明に供する略線図である。

【図７】実施例による旗のゆらぎのアニメーシヨンを示
す略線図である。

【図８】従来のアニメーシヨン作成装置を示すブロツク
図である。

【図９】従来の旗のゆらぎのアニメーシヨンを示す略線
図である。

【符号の説明】

１、１１……アニメーシヨン作成装置、２……画像変換
装置、３……原画像メモリ、４……アニメーシヨンデー
タメモリ、１２……アニメーシヨンデータ作成装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】前後のフレームのアニメーシヨンデータ間
   に因果関係を有するアニメーシヨンを作成するアニメー
   シヨン作成装置において、 同じ継続時間を有する上記アニメーシヨンデータを加重
   平均することにより、第１の状態から他の第２の状態へ
   の上記アニメーシヨンを作成するようにしたことを特徴
   とするアニメーシヨン作成装置。