JPH0535822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は加熱用容器の蓋に係り、特に、電子レ
ンジによる加熱調理に使用するのに最適な加熱用
容器の蓋に関する。

（従来の技術） 従来、この種の加熱用容器の蓋としては、第３
図に示す如く、単に容器に被せるだけの構成であ
り、特に加熱用に使用されるための工夫が施され
るということはなかつた。

従つて、この従来の加熱用容器の蓋によれば、
例えば、第３図に示すように、容器１１に適宜食
品Ａを入れて施蓋し、電子レンジにて加熱して使
用する際に、加熱により生じた容器１１内の空気
中及び食品Ａからの水蒸気が蓋１０の内面に水滴
となつて附着し、この水滴が食品Ａの上に落下し
て、水滴により食品Ａがベタつき、水つぽくなつ
て食味が著しく劣化するという欠点があつた。

そのため、水滴が落下するのを防止できるよう
にしたものとして実公昭35−9850号の水滴落下防
止蓋や、実開昭49−92367号の水滴（露）落下防
止付のフタや、実公昭53−53956号の電子レンジ
用加熱容器等が案出されるようになつた。また、
水滴案内片を設けたものとして実公昭58−11313
号の調理器用蓋等も案出されるようになつた。

（考案が解決しようとする課題） ところが、これらは、いずれも水滴受部が、蓋
や容器本体に一体的に設けられていたり、水滴案
内片の蓋や容器本体への装着が比較的難しかつた
り、これらの製造がかなり面倒となる等の難点が
あつた。特に、蓋に水滴受部を一体的に設けたも
のは、水滴受部の清掃が面倒であると共に、十分
綺麗に清掃し難い難点等があつた。しかも、水滴
案内片を蓋や容器本体へ装着したものは、その着
脱が容器に行えなかつたり、その装着状態が安定
しなかつたり等の難点があつた。

そのため、本考案は、従来存した叙上の如き内
点等を解消すべく案出されたものであり、電子レ
ンジ等による加熱調理に使用される際、水蒸気に
より自身の内面に附着した水滴が、容器１１内の
食品Ａに落下するのを防止できる加熱用容器の蓋
を提供すると共に、水滴受部の製造が簡単に行
え、しかも、水滴受部を十分に且つ簡単に清掃で
きる加熱用容器の蓋を提供することを等を目的と
するものである。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案は、前述の如き課題を達成すべ
く案出されたもので、具体的には、電子レンジ等
による加熱調理に使用される周壁部を有する略ト
レイ状の容器２に被せられる加熱用容器の蓋に於
いて、自身の内頂面３適位置から周端縁部にかけ
て適宜傾斜面４を有する蓋本体１と、蓋本体１周
端縁部分に自身の弾性を利用して着脱自在に周設
される防滴リング７とからなり、蓋本体１は、自
身の内頂面３適宜位置から周端縁部にかけて適角
度の傾斜面４が形成され、防滴リング７は、蓋本
体１の周端縁部の内面がわに突出して水滴を受け
止めると共に、蓋本体１の周端面を覆う水滴受部
５と、蓋本体１の周端縁部上方の外表面に設けた
段部８に係脱自在に係止されると共に、前記水滴
受部５とで蓋本体１下端部を挾持する突縁部９
と、容器２の周壁部内表面に弾発的に当接する鍔
部６とを備え、縦断面略横向きＳ字状を呈するリ
ング状に防滴リング７を形成する手段を採用し
た。

（作用） しかして、本考案は、適宜食品が収納された容
器２に被せられて、電子レンジ等により加熱され
ると、容器２内の空気中及び食品から発生する水
蒸気は、自身の内面に水滴となつて附着し、この
水滴は、内頂面３適位置から周端縁部にかけて設
けられた傾斜面４を伝つて、周端縁部内面がわに
突出するように周設された水滴受部５に落下して
受け止められ、食品上に水滴が落下するのを防止
する。また、防滴リング７は、蓋本体１の周端縁
部分に着脱自在に装着され、防滴リング７の水滴
受部５は、蓋本体１の周端面を覆い、防滴リング
７の鍔部６は、蓋本体１の周端縁部外面がわに突
出して、容器２の周壁部内表面に弾発的に当接さ
れ、容器２と蓋本体１とのガタつきを防止すると
共に、蓋本体１内の閉鎖性を高める。

（実施例） 以下、本考案を図示例について説明する。

図に於いて示される符号１は、電子レンジ対応
の合成樹脂材や硝子等にて平面略円形状に成形さ
れる蓋本体で、この蓋本体１は、第１図に示す如
く、上方に行くに従つて側方に向つて傾斜する周
壁部を有する略トレイ状に形成された容器２に被
せられて使用されるものである。

そして、この蓋本体１は、自身の内頂面３適宜
位置から周端縁部にかけて適宜角度の傾斜面４が
形成されている。すなわち、この傾斜面４は、蓋
本体１の高さ、直径等の大きさによつて適宜設定
されるが、傾斜面４に附着した水滴が傾斜面４を
離れてそのまま落下せずに、傾斜面４を伝つて下
方に落下するように構成されるものである。

また、電子レンジ対応の合成樹脂材や適宜ゴム
材等にて形成されて、蓋本体１の周端縁部分に、
その弾性を利用して着脱自在に周設される防滴リ
ング７が形成され、この防滴リング７は、第２図
に示す如く、蓋本体１の周端縁部の内面がわに突
出して水滴を受け止めると共に、蓋本体１の周端
面を覆う断面略円弧状を呈する水滴受部５と、蓋
本体１の周端縁部上方の外表面に設けた段部８に
係脱自在に係止されると共に、前記水滴受部５と
で蓋本体１下端部を挾持する突縁部９と、容器２
の周壁部内表面に弾発的に当接する断面略円弧状
を呈する鍔部６とを備え、縦断面略横向きＳ字状
を呈している。

尚、蓋本体１の具体的構成、形状、寸法、材
質、傾斜面４の具体的傾斜状態、防滴リング７の
具体的構成、形状、寸法、材質、水滴受部５の具
体的形状、寸法、鍔部６の具体的形状、寸法等は
図示例等に限定されることなく適宜自由に設定で
きるものである。また、蓋本体１は、電子レンジ
以外にも適宜加熱手段にて加熱調理される容器、
例えば、なべ、皿等に被せられるものであつても
良い。

本考案の加熱用容器の蓋は、前述の如く構成さ
れており、蓋本体１周端縁部に設けられた段部８
と防滴リング７の突縁部９とを係止せしめるよう
に防滴リング７を蓋本体１周端縁部分に強制嵌合
することで蓋本体１周端縁部に防滴リング７が装
着され、しかも、防滴リング７の鍔部６をやや外
側に引つ張るように上方に押圧するようにして、
蓋本体１から防滴リング７が取外される。

（考案の効果） 従つて、本考案は、電子レンジ等による加熱調
理に使用される周壁部を有する略トレイ状の容器
２に被せられる加熱用容器の蓋に於いて、自身の
内頂面３適位置から周端縁部にかけて適宜傾斜面
４を有する蓋本体１と、蓋本体１周端縁部分に自
身の弾性を利用して着脱自在に周設される防滴リ
ング７とからなり、蓋本体１は、自身の内頂面３
適宜位置から周端縁部にかけて適角度の傾斜面４
が形成され、防滴リング７は、蓋本体１の周端縁
部の内面がわに突出して水滴を受け止めると共
に、蓋本体１の周端面を覆う水滴受部５と、蓋本
体１の周端縁部上方の外表面に設けた段部８に係
脱自在に係止されると共に、前記水滴受部５とで
蓋本体１下端部を挾持する突縁部９と、容器２の
周壁部内表面に弾発的に当接する鍔部６とを備
え、縦断面略横向きＳ字状を呈するリング状に防
滴リング７を形成したので、適宜食品Ａを収納し
た皿等の適宜容器２に被せられて、電子レンジ等
にて加熱されると、容器２内の空気中及び食品Ａ
から発生した水蒸気が蓋本体１内面に水滴となつ
て附着するが、この水滴は、蓋本体１の内頂面３
適位置から周端部にかけて設けられた傾斜面４を
伝つて、水滴受部５で受け止められ、食品Ａ上に
落下するのを防止できるようになる。すなわち、
自身の内面に附着した水滴が食品Ａ上に落ちて、
食品Ａがベタつき、水つぽくなつて食味が著しく
劣化するといつたことがなく、常に美味しく加熱
調理できるものとなる。

また、防滴リング７は、蓋本体１周端縁部分に
自身の弾性を利用して着脱自在に周設されるの
で、蓋本体１を製造するのに、その周端縁部に予
め水滴受部５を設けるための複雑な成形型を必要
とせず、蓋本体１と防滴リングとを夫々別個に大
量生産できるようになり、加熱用容器の蓋を簡単
に製造できて、加熱用容器の蓋を低廉に提供でき
るようになる。

特に、防滴リング７は、蓋本体１の周端縁部の
内面がわに突出して水滴を受け止めると共に、蓋
本体１の周端面を覆う水滴受部５と、蓋本体１の
周端縁部上方の外表面に設けた段部８に係脱自在
に係止されると共に、前記水滴受部５とで蓋本体
１下端部を挾持する突縁部９と、容器２の周壁部
内表面に弾発的に当接する鍔部６とを備え、縦断
面略横向きＳ字状を呈するリング状に防滴リング
７を形成したので、防滴リング７を蓋本体１から
簡単に取外して、水滴受部５や蓋本体１等を容易
に且つ短時間で清掃でき、使い勝手の優れた綺麗
で衛生的な加熱用容器の蓋を提供できるようにな
る。しかも、清掃し終わつた防滴リング７を蓋本
体１に簡単に且つ安定的に装着できるようにな
る。

更に、防滴リング７の水滴受部５は、蓋本体１
の周端面を覆い、鍔部６は、容器２の周壁部内表
面に弾発的に当接するよう形成したので、容器２
と蓋本体１とが直に接触しなくなると共に、容器
２と蓋本体１とのガタつきを確実に防止できるよ
うになり、しかも、蓋本体１内の閉鎖性をより高
められるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示すもの
で、第１図は容器に被せた状態での一部切欠正面
図、第２図は要部拡大断面図であり、第３図は従
来例に於ける一部切欠正面図である。 Ａ……食品、１……蓋本体、２……容器、３…
…内頂面、４……傾斜面、５……水滴受部、６…
…鍔部、７……防滴リング、８……段部、９……
突縁部、１０……蓋、１１……容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電子レンジ等による加熱調理に使用される周壁
   部を有する略トレイ状の容器に被せられる加熱用
   容器の蓋に於いて、自身の内頂面適位置から周端
   縁部にかけて適宜傾斜面を有する蓋本体と、蓋本
   体周端縁部分に自身の弾性を利用して着脱自在に
   周設される防滴リングとからなり、蓋本体は、自
   身の内頂面適宜位置から周端縁部にかけて適角度
   の傾斜面が形成され、防滴リングは、蓋本体の周
   端縁部の内面がわに突出して水滴を受け止めると
   共に、蓋本体の周端面を覆う水滴受部と、蓋本体
   の周端縁部上方の外表面に設けた段部に係脱自在
   に係止されると共に、前記水滴受部とで蓋本体下
   端部を挾持する突縁部と、容器の周壁部内表面に
   弾発的に当接する鍔部とを備え、縦断面略横向き
   Ｓ字状を呈するリング状に防滴リングを形成した
   ことを特徴とする加熱用容器の蓋。