JPH0535283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、エレベータガイドレールの間隔
（以下レールBGという）を測定するガイドレー
ル間隔測定器付エレベータ装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

レールBGの測定は地震で変化したと思われた
場合や建物およびエレベータの長期にわたる使用
により変化が見られる場合などのときに行なわれ
る。

レールBGの変化をそのままにしておくと、乗
心地が悪化し利用者に不快感を与えたり、レール
とガイドシユーのかかり代が不足することによ
り、地震時にかごまたはつり合おもりがガイドレ
ールから外れ、重大災害になつたりすることが考
えられる。

したがつて、レールBGを測定し、設定値範囲
外であれば、芯出し調整が必要となる。

従来のレールBGの測定および芯出し調整は新
設時ではピアノ線を昇降路頂部からピツト面まで
降ろし、それを基準に芯出し調整する方法や、物
差しまたは専用ゲージをレール面に当て芯出し調
整する方法などで行なわれている。

しかし、据付後、すなわち、既に稼動中のエレ
ベータにおいては、かごやつり合おもり、主ロー
プ、吊り車などが測定の障害となつたり、無理し
て測定しようとしても、すべての箇所を測定する
ことは多くの時間を要するため、部分的に測定
し、その目盛りを読みとり、設定値の範囲内か否
かを判定しているのがほとんどである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように、従来のレールBGの測定方法で
は、前記の障害物があるため、測定作業が困難で
あることや、測定箇所ごとにエレベータを停止さ
せ、目盛を見て判断または筆記することになるた
め、測定作業には多くの時間を要するとともに、
正確な測定ができないなどの問題点があつた。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、エレベータのレールBG測定を障
害物に関係なく容易にでき、またエレベータを停
止させて測定することはもちろん走行させながら
連続的に行なうことができるため、作業効率がよ
く、しかも正確な測定ができるガイドレール間隔
測定器付エレベータ装置を得ることを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るガイドレール間隔測定器付エレ
ベータ装置は、エレベータガイドレールの前面に
設けられた検出器と、設置がご上もしくはかご内
に設けられ制御カウンタならびに記録計と、エレ
ベータを停止もしくは走行状態でレールBGの変
化寸法を測定し表示するとともに記録する手段と
を設けたものである。

〔作用〕

この考案においては、検出器はガイドレール面
の寸法変化を検出し、それを電気的に変化させ制
御カウンタに出力し、制御カウンタでそれを再び
寸法変化値を数字もしくは数字相当で表示すると
同時に記録計にそのデータを出力し記録する。

〔実施例〕

以下、この考案のガイドレール間隔測定器付エ
レベータ装置の実施例を図面に基づき説明する。
第１図はその一実施例の機器配置図、第２図は同
じくその一実施例の機器接続図である。

この第１図、第２図の両面において、１ａ，１
ｂはガイドレール、２は主ロープである。主ロー
プ２には、かご枠３が吊り下げられ、かご枠３は
かご室４を支持している。このかご枠３上にはガ
イドシユー５が取り付けられており、ガイドレー
ル１ａ，１ｂに摺接するようになつている。

また、かご枠３上には、１対の取付金９が固定
されるようになつており、この取付金９には、そ
れぞれ検出器６が取り付けられるようになつてい
る。

この検出器６はレールBGの変化量を検出し、
それを電圧に変換させるもので、この検出器６は
ガイドレール１ａ，１ｂとの接触部は可動式にな
つている。

また、かご室４上には、制御カウンタ７と記録
計８が配置されている。制御カウンタ７は二つの
検出器６と第２図に示すように電線１０でそれぞ
れ接続されており、また、制御カウンタ７には、
三つの表示部７ａを有しており、各表示部７ａに
はそれぞれゼロリセツトスイツチ７ｂが設けられ
ている。

このように、制御カウンタ７は検出器６からの
電圧に変換された出力をデジタルで表示する表示
部７ａを備えており、この表示部７ａは検出器６
で検出した変化量ＡおよびＢさらに制御カウンタ
７で演算して（Ａ＋Ｂ）を表示するものである。
表示部７ａの各表示はゼロリセツトスイツチ７ｂ
でゼロリセツトするようになつている。

さらに、検出器６の変化量を制御カウンタ７を
通して記録計８で記録するようにしており、その
記録データは変化量Ａ，Ｂおよび（Ａ＋Ｂ）であ
る。この制御カウンタ７と記録計８間には、電線
１１が接続されている。

次に、この考案の動作について説明する。ま
ず、かご枠３を昇降路の任意の位置に停止させ、
検出器６をかご枠３に取付金９を介してガイドレ
ール１ａ側および１ｂ側にそれぞれ取り付ける。

また、制御カウンタ７と記録計８はかご枠３上
もしくはかご枠３内に設置して電線１０，１１に
より各機器間を接続する。

次に、この停止位置をレールBG測定基準とす
べく検出器６を調整し、ゼロリセツトスイツチ７
ｂにより表示部７ａの表示をゼロにするととも
に、その部分のレールBGを測定する。

次にエレベータを運転させ、検出器６で検出さ
れた変化量Ａ，Ｂを制御カウンタ７の表示部７ａ
に表示するとともに演算された（Ａ＋Ｂ）も表示
するので、レールBGが設置値範囲内か否か判断
することができる。

また、同時に記録計８によりデータが記録され
るので、確認分析ができる。

なお、上記実施例では制御カウンタ７の表示部
７ａの表示をデジタル数値の文字で示すこととし
たが、針式のメータでもよい。

また、レールBGが設定値範囲外の場合はブザ
ー鳴動やランプで点滅するようにしてもよい。

さらに、検出器６は上記実施例では、接触形と
したが被接触計の誘導検出器や差動トランス式検
出器としてもよい。

次に、上記実施例では、かご枠３側で説明した
が、つり合おもり側のレールBG測定についても
同様に行なうが、つり合おもり側には電線または
ケーブルを取り付けて行なうことは非常に困難で
あるため、検出器６は電池式のワイヤレス方式と
して、電波で発信しかご枠３側に設置した制御カ
ウンタ７で受信するようにすれば可能である。

〔考案の効果〕 この考案は以上説明したとおり、立設されたガ
イドレールの頂面に係合する検出器によりガイド
レールの寸法変化を検出し、その出力を制御カウ
ンタで寸法変化値を数字もしくは数字相当で表示
して記録計で記録するようにしたので、常に平滑
なガイドレール頂面で正確に測定できるととも
に、容易にエレベータレールBGを数値表示で測
定できるとともに測定寸法データを記録すること
ができる。

また、特に超高層ビルやタワー、煙突など昇降
工程の長いエレベータでは、連続的に測定するこ
とは現在非常に困難であつたが、この考案によれ
ば早く正確に連続的に測定ができる。

これにともない、据付後の建物や地震などで変
化したレールBGを管理することによりエレベー
タの乗心地の改善を図ることができるとともに、
かご枠やつり合おもりがガイドレールから外れる
ような災害を防止するなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のガイドレール間隔測定器付
エレベータ装置の一実施例の機器配置図、第２図
は同上ガイドレール間隔測定器付エレベータ装置
の各機器の接続図である。 １ａ，１ｂ……ガイドレール、２……主ロー
プ、３……かご枠、６……検出器、７……制御カ
ウンタ、８……記録計、なお、図中同一符号は同
一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主ロープで吊持されて昇降するかご枠と、互い
   に頂面が対向して立設され上記かご枠の昇降を案
   内するガイドレールと、上記かご枠に設けられ上
   記ガイドレールの頂面と係合してその間隔の寸法
   変化を検出する検出器と、この検出器で検出され
   た上記ガイドレールの間隔の寸法の変化数値を演
   算して表示する制御カウンタと、この制御カウン
   タの演算結果を記録する記録計とを備えてなるガ
   イドレール間隔測定器付エレベータ装置。