JPH0535058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、液体を収める容器に取付けられる注
出栓に関するものである。

［従来の技術］ 従来から液体容器の製造コストの低減化や軽量
化を目的として、ゲーベルトツプタイプなどの紙
容器が用いられている。そしてこれら紙容器から
液体を注ぎ出し易いように合成樹脂製の注出栓を
設けたものがあり、液体容器（紙容器）の注出孔
に取着された外ねじを有する注出口具と、この注
出口具の内部に上下移動可能に配された内栓と、
前記注出口具に螺着するキヤツプとからなり、開
封の際には前記内栓を押し込んで注出孔を覆うフ
イルムを破り開封するようにした構成を有するも
ので、保存時には、前記キヤツプを注出口具に嵌
めるようになつていた（例えば実公昭58−37828
号公報参照）。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の注出栓においては、上述
したように、内栓を指先で強く押し込んでフイル
ムを破らなければならず、注出孔の開封が用意に
行なえないという問題点があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記した従来の問題点を考慮してな
されたもので、破断可能なフイルムで封止した液
体容器の注出孔に取着され前記注出孔に対応した
円筒部を備える注出口具と、前記注出口具の円筒
部に挿入され下縁に刃部を備える略筒状の開封刃
と、前記円筒部を覆うようにして取着されたキヤ
ツプとからなり、前記円筒部の内面とこれに相対
する開封刃の外面との両者は、互いに摺接して上
下方向に移動可能な回転防止手段を備えて、前記
開封刃が円筒部に対して上下移動可能に設けら
れ、前記開封刃は、該開封刃の筒壁部に上縁から
下縁側に向けて傾斜して上方に面する斜面を備
え、前記キヤツプは、下方に面して開封刃の前記
斜面に摺接する案内斜面を備える筒体を有して、
キヤツプの回転時に開封刃を降下可能に設けたこ
とを特徴とする液体容器用注出栓を提供して、上
記した従来の問題点を解消するものである。

［作用］ 本考案においては、キヤツプを回転させると、
筒体の案内斜面に摺接している開封刃が下方に押
し込まれて降下し、そして開封刃がフイルムを破
つて注出孔を開封し、キヤツプを外して注出でき
るようになる。

［実施例］ つぎに、本考案を第１図から第９図に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。

図中１は合成樹脂製の注出栓で、この注出栓１
は例えばベーベルトツプタイプの容器の上部斜面
に位置する注出孔ａに取付けられる。前記注出栓
１の注出口具２は、第５図に示すように、注出孔
ａに取着（超音波溶着などの手段による）され注
出孔ａに対応した注出口Ａを円筒部２０で囲繞形
成している。

上記円筒部２０にはこの円筒部２０を覆うよう
にしてキヤツプ３が取着されており、前記キヤツ
プ３の内面下縁側に突設した特記３０が、円筒部
２０の基部廻りに位置する突堤２１とこの突堤２
１に連続して上方に向けて傾斜した突堤２２に係
止していて、キヤツプ３を一方向（第１図矢印ｃ
にて示す方向）に回転させると、キヤツプ３が所
定角度回転して（第４図参照）、その後上昇しな
がら回転できるように設けられている。前記突起
３０や傾斜した突堤２２それぞれは対向した位置
にもあり一対となつている。

注出口Ａ内には、下縁を刃部４０とした略筒状
の開封刃４が注出孔ａを封止するフイルムｂに対
応して挿入されており、そしてこの開封刃４の上
縁側部の直径方向に対向した位置には、円筒部２
０の内面にある縦の突条２３それぞれに上下移動
可能に係合する突起４１が突設され、前記突条２
３に係合して開封刃４が回転することなくフイル
ムｂ側に降下することができるように設けられて
いる。すなわち、円筒部の内面とこれに対応する
開封刃の外面との間に、互いが摺接し合う前記突
条２３、突起４１からなる回転防止手段が設けら
れている。また開封刃４は、第１図に示すよう
に、筒壁部４２が切り欠かれて前記突起４１があ
る上端から刃部４０側に向けて傾斜した上方に面
する斜面５を直径方向に対向した位置に備えてい
る。

上記キヤツプ３の天部３１の裏面には、筒体６
が垂下している。そして第３図に示すように、筒
体６の外面に沿つて天部３１側から下縁に向けて
傾斜した下方に面する案内斜面７を備え、この案
内斜面７が開封刃４の斜面５に対応してこの斜面
５に摺接することができるように設けられてお
り、キヤツプ３を矢印ｃ方向に回転させると、筒
体６が回転しかつ突起４１が突条２３に係合して
いることから、開封刃４が下方、すなわちフイル
ムｂ側に押し下げられるようになる。

上記構造の注出栓１において注出孔ａを開封す
るには、キヤツプ３を一方向に回転させればよ
く、筒体６の回転で開封刃４が降下し、この降下
する開封刃４にてフイルムｂが破られ、キヤツプ
３を回すというきわめて容易な操作で注出孔ａを
開封できる。そののち開封された注出孔ａに連通
する注出口Ａは、キヤツプ３の突起３０を突堤２
２に沿うようにしてキヤツプ３を回転させ取り外
すことより注出することができるようになる。そ
して降下してフイルムｂを破つて開封刃４はその
のちキヤツプ３を逆回転させても上下移動しない
ことから、フイルムｂの破断片を開封刃と注出口
具との間に巻き込などして完全に切断して容器内
に落すということもない。

第７図から第９図は他の実施例を示すものであ
る。この実施例による開封刃４は、筒壁部４２が
鋸歯状には切り欠かれておらず、筒体６の案内斜
面７に対応した斜面５が、筒壁部４２の内面に沿
つて筒壁部４２の上端から刃部４０側に向けて設
けられている。また筒壁部４２には内容物の流通
を良好にするための透孔４３が開口している。

注出口具２とキヤツプ３とは、上記した実施例
と異なり、円筒部２０の外周に設けた外ねじ２４
に前記キヤツプ３が螺着し、このキヤツプ３を上
昇回転させることよつて注出口Ａを開放するよう
に設けられている。そして前記キヤツプ３の上昇
回転時に、上記した実施例と同様に、筒体６が回
転することから、また突起４１が突条２３に係合
していることから開封刃４が降下し、フイルムｂ
を破つて注出孔ａを開封できる。なお前出の実施
例で突条２３は直径方向に一対が対向しているも
のであつたが、これに限られるものではなく、第
７図に示すように円筒部２０の内面に数多く設け
てもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、液体容
器用注出栓は、破断可能なフイルムで封止した液
体容器の注出孔に取着され前記注出孔に対応した
円筒部を備える注出口具と、前記注出口具の円筒
部に挿入される下縁に刃部を備える略筒状の開封
刃と、前記円筒部を覆うようにして取着されたキ
ヤツプとからなるものであつて、前記円筒部の内
面とこれに相対する開封刃の外面との両者は、互
いに摺接して上下方向に移動可能な回転防止手段
を備えて、前記開封刃が円筒部に対して上下移動
可能に設けられ、前記開封刃は、該開封刃の筒壁
部に上縁から下縁側に向けて傾斜して上方に面す
る斜面を備え、前記キヤツプは、下方に面して開
封刃の前記斜面に摺接する案内斜面を備える筒体
を有して、キヤツプの回転時に開封刃を降下可能
に設けたので、キヤツプを回転させるという簡単
な操作で開封刃が降りて注出孔の開封が行なわ
れ、開封操作が容易になるとともに、注出口具、
開封刃、フイルムなどに触れることがなく衛生的
であるなど、実用性にすぐれた効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る液体容器用注出栓の一実
施例の説明図、第２図は一実施例におけるキヤツ
プの筒体を示す説明図、第３図は同じくキヤツプ
を下方から見た場合の説明図、第４図は注出口具
の側面を示す説明図、第５図は注出孔の未開封時
を断面で示す説明図、第６図は開封刃の降下状態
を断面で示す説明図、第７図は他の実施例を示す
説明図、第８図は他の実施例における未開封時を
断面で示す説明図、第９図は他の実施例における
開封刃の降下状態を断面で示す説明図である。 １……注出栓、２……注出口具、２０……円筒
部、３……キヤツプ、４……開封刃、５……斜
面、６……筒体、７……案内斜面、ａ……注出
孔、ｂ……フイルム、Ａ……注出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 破断可能なフイルムで封止した液体容器の注出
   孔に取着され前記注出孔に対応した円筒部を備え
   る注出口具と、 前記注出口具の円筒部に挿入され下縁に刃部を
   備える略筒状の開封刃と、 前記円筒部を覆うようにして取着されたキヤツ
   プとからなり、 前記円筒部の内面とこれに相対する開封刃の外
   面との両者は、互いに摺接して上下方向に移動可
   能な回転防止手段を備えて、前記開封刃が円筒部
   に対して上下移動可能に設けられ、 前記開封刃は、該開封刃の筒壁部に上縁から下
   縁側に向けて傾斜して上方に面する斜面を備え、
   前記キヤツプは、下方に面して開封刃の前記斜面
   に摺接する案内斜面を備える筒体を有して、キヤ
   ツプの回転時に開封刃を降下可能に設けたことを
   特徴とする液体容器用注出栓。