JPH05349U - 多目的ベルトサンダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、被研摩物に合わせてベルト車に掛
け渡した研摩ベルトを水平或いは縦向き、横向き等に自
在に換向できて、バフ等の単独研摩もできる一台で種々
の研摩を可能とした多目的ベルトサンダーに関する。 【構成】 基台と、基台の上端へ回動自在に軸支した回
動機台と、この回動機台に貫通し且つ内装した駆動手段
に連係させて両端側を回動機台より突出させた水平駆動
軸と、この水平駆動軸の一方側へ取付けて該軸を中心に
回動自在に設けた軸受け体と、水平駆動軸の一方と前記
軸受け体の従動軸とに設けた一対のベルト車と、このベ
ルト車に掛け渡たした無端状の研摩ベルトと、水平駆動
軸の他方へ着脱自在に設けたバフ等の研摩体とより構成
することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、被研摩物に合わせてベルト車に掛け渡した研摩ベルトを水平或いは 縦向き、横向き等に自在に換向できて、バフ等の単独研摩もできる一台で種々の 研摩を可能とした多目的ベルトサンダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、各種製品等の端部や曲面を研摩するベルトサンダーは、機台の一方駆動 軸と他方の従動軸とにベルト車を設けて、このベルト車に研磨布などの無端状構 成の研摩ベルトを掛け渡し、且つ前記駆動軸にはモータ等の駆動手段を連係させ た構成によるもので、駆動手段の始動により駆動軸を回転させて研摩ベルトを回 動し、この研摩ベルトへ機台にのせた被研摩物を当てて小口、端面、曲面、周面 等を研摩する。 しかし、前記従来のベルトサンダーは、単に水平向きに回動する研摩ベルトに 被研摩物を当てて研摩するのみであるから、曲面を有する板材とか箱構成の被研 摩物、曲部を有する抜き板、円柱状の被研摩物等の各研磨を一台のベルトサンダ ーで研摩することができなく、前記多品種の製品研摩を必要とするときは、その 研摩加工に適したベルトサンダー、ディスクサンダー、ドラムサンダー等を備え なければならないため、きわめて不経済であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記した従来の課題を解決するためになされたもので、その目的と するところは水平駆動軸を備える基台上の回動機台を水平或いは支軸を中心に略 ９０゜展開したり、或いはベルト車の一方に設けた軸受け体を上方へ回動して固 定させることにより研摩ベルトを水平、横向き、縦向き等に自在に換向できるよ うにして、曲面を有する板材や箱構成、曲部を有する抜き板、円柱物等の各種の 被研摩物を一台で確実に研摩加工できる経済的な多目的ベルトサンダーの提供に ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するための本考案に係る多目的ベルトサンダーの手段は、基 台と、基台の上端へ回動自在に軸支した回動機台と、この回動機台に貫通し且つ 内装した駆動手段に連係させて両端側を回動機台より突出させた水平駆動軸と、 この水平駆動軸の一方側へ取付けて該軸を中心に回動自在に設けた軸受け体と、 水平駆動軸の一方と前記軸受け体に設けて従動軸とに設けた一対のベルト車と、 このベルト車に掛け渡たした無端状の研摩ベルトと、水平駆動軸の他方へ着脱自 在に設けたバフ等の研摩体とより構成されている。

【０００５】

【作用】

本考案の多目的ベルトサンダーによって加工製品の研摩を行なう場合、研摩ベ ルトを水平の状態で研摩するときは、基台上に回動機台を重ねた状態に保持する とともに水平駆動軸に設けた軸受け体を水平に保ち、之等の設けたベルト車に掛 けた研摩ベルトを水平に保ってこれを駆動手段の水平駆動軸の始動により水平回 動させて、研摩ベルトの上面に被研摩物の小口や端面等を当てて研摩する。この 状態で水平回動する研摩ベルトの下面を利用した被研摩物を研摩することもでき る。また、前記の状態でバフ研摩する場合は、水平駆動軸の他方に設けた植毛輪 等の研摩体によって被研摩物を研摩するもので、この場合、研摩体は前記研摩ベ ルトのベルト車を取付けた水平駆動軸に取付けられているので、格別に操作する ことなくそのままこの回転する研摩体により研摩することができる。また、例ば 曲部を有する抜き板の端面を研摩する場合は、前記基台に軸支した回動機台を略 直角に起してこの回動機台をステーなどで前記起した状態に支持させれば、垂直 状態の水平駆動軸と軸受け体のベルト車に掛けた研摩ベルトが横向きとなって、 この水平駆動軸に設けたベルト車の部分で回動する研摩ベルトにより被研摩物の 端面を研摩する。また、この状態でベルト車とベルト車との中間の部分で回動す る研摩ベルトにより箱構成等の面部を研摩する。さらにまた、前記基台上に回動 機台を重ねた状態で研摩ベルトが水平にあるとき、水平駆動軸に設けた軸受け体 を上方へ回動させて立てこの立った状態で軸受け体を固定すれば、両ベルト車が 上下に位置し、これに掛けた研摩ベルトが上下方向に回動するので、この状態で 研摩ベルトへ曲面を有する板材を押し当てて板材の曲面を研摩する。

【０００６】

【実施例】

次に本考案に係る多目的ベルトサンダーの実施例を図面に基づいて説明する。 図１は基台に回動機台を重ねた状態の正面図、図２は同状態の側面図、図３は回 動機台を略直角に起した状態に保持し研摩ベルトにより被研摩物の研摩状態を示 す斜視図、図４は軸受け体を立てて研摩ベルトが上下方向に回動するように保持 して曲面を有する板材の曲面研摩状態を示す説明図、図５は図４に示す状態を保 持して研摩ベルトの下部で研摩可能とした状態の斜視図を示すもので、この実施 例におけるベルトサンダーは、基台１と、この基台１に設けた回動機台２と、さ らに回動機台２に設けた水平駆動軸３と、該水平駆動軸３へ回動自在に設けた軸 受け体４と、水平駆動軸３と軸受け体４へ掛け渡した研摩ベルト５と、水平駆動 軸３の他方に設けたバフ等の研摩体と、が主たる構成要部を示し、各図において 符号１の基台は、略台形に形成され且つ一方の面には駆動、停止用のスイッチ６ と、扉７を開閉自在に蝶着してある。

【０００７】 前記基台１の上端に回動機台２が設けてあって、矩形の台部８とこの台部８へ 一体に連設した機台９とより構成し、この機台９には駆動モータ等からなる駆動 手段１０が内装されているとともに前端寄りで左右方向に貫通して左右両端側が 外部に突出し、且つ中間部において駆動手段１０に連係された水平駆動軸３が設 けてある。また、前記台部８は基台１の上端一側に略直角に起すことができるよ うに蝶番１１により回動自在に取付けてあって、この起した状態において前記水 平駆動軸３は両端が上下方向に位置する垂直状態となる。また、機台９の一方に 支杆１２が突設してあって、前記起した状態で回動機台２を支える。さらにこの 回動機台２と前記基台１とには係脱自在の掛け止め金具１３が設けてあって、基 台１へ回動機台２を重さねた状態においてこの回動機台２の固定を図る。

【０００８】 水平駆動軸３に設けた軸受け体４は、略への字形に形成してその一端寄りを前 記水平駆動軸３の一方寄りへ回動自在に遊挿し且つ端部に回動を停止するハンド ル付きボルト１４が螺合してあり、また、他端側に軸受体１５が移動調整自在に 設けてあって、この移動調整の軸受体１５にはハンドル１６付きの回動軸１７が 連係されていて前記軸受体１４に従動軸１８が嵌挿されている。

【０００９】 次に符号１９、２０は水平駆動軸３と従動軸１８とに設けた一対のベルト車で 、一方のベルト車１９は水平駆動軸３の一方寄りに嵌挿しその材質はスポンジロ ールを使用し、必要に応じ径の異なるもの、柔軟性を有する合成樹脂性で材質の 異なるもの、或いは周面に斜溝を複数刻設したもの等を使用目的に応じて使用す ることもある。また、他方のベルト車２０は金属性で鍔付きのものを使用し、軸 受け体４の従動軸１８に取付けられる。

【００１０】 前記ベルト車１９、２０に掛け渡した研摩ベルト５は、薄手のサンドペーパー を使用し一定の巾を有する無端状に形成したもので、両ベルト車１９、２０へ回 動自在に掛け渡して使用する。この研摩ベルト５はメッシュの異るものを用意し て被研摩物２１の研摩仕上げに応じたものを使用することもある。また、掛けた 後の緊張調整は軸受け体４の従動軸１８を移動調整して行なう。

【００１１】 符号２２は水平駆動軸３の他方に設けた研摩体で、植毛輪を使用しバフ研摩を 可能とする。この研摩体２２は回動機台２を起して使用するときは取り外す。

【００１２】 次に符号２３、２４は回動機台２に設けた集塵ホッパーで、一方は前記研摩ベ ルト５の下部に、他方は研摩体２２の下部に設け夫々支持杆２５によって回動自 在に取付けられ、之等には集塵ホース２６が連結されている。

【００１３】 符号２７は回動機台２の研摩ベルト５側に設けたテーブル板で、ベルト車１９ 、２０と回動機台２との間に着脱自在に取付けられる。

【００１４】 次に符号２８は両ベルト車１９、２０間に設けた案内部材で、回動機台２より 突設し研摩ベルト５のたるみを防止する。

【００１５】 符号２９は、回動機台２より突設した被研摩物を支持する受け金具で、ベルト 車１９の外方に設けられ、必要に応じて取り外すこともある。

【００１６】 符号３０、３０は回動機台２の一側に突設した回動機台２の回動操作用の持手 杆で、左右一対設けてこの持手杆３０、３０を持って回動機台２の回動操作を行 う。

【００１７】 以上、この実施例による多目的ベルトサンダーによって加工製品からなる被研 摩物２１の研摩を行なう場合、研摩ベルト５を水平の状態で研摩するときは、図 １に示すように基台１上に回動機台２を重ねた状態に保持するとともに水平駆動 軸３に設けた軸受け体４を水平に保ち、之等の設けたベルト車１９、２０に掛け た研摩ベルト５を水平に保ってこれを駆動手段１０の水平駆動軸３の始動により 水平回動させて、研摩ベルト５の上面に被研摩物２１の小口や端面等を当てて研 摩する。この状態で水平回動する研摩ベルト５の下面を利用した被研摩物２１を 研摩することもできる。また、前記の状態でバフ研摩する場合は、水平駆動軸３ の他方に設けた植毛輪等の研摩体２２によって被研摩物２１を研摩するもので、 この場合、研摩体２２は前記研摩ベルト５のベルト車１９、２０を取付けた水平 駆動軸３に取付けられているので、格別に操作することなくそのままこの回転す る研摩体２２により研摩することができる。 また、例ば曲部を有する抜き板２１′の端面を研摩する場合は、図３に示すよ うに前記基台１に軸支した回動機台２を略直角に起してこの回動機台２を支持杆 ２５で前記起した状態に支持させれば、垂直状態の水平駆動軸３と軸受け体４の ベルト車１９、２０に掛けた研摩ベルト５が横向きとなって、この水平駆動軸３ に設けたベルト車１９の部分で回動する研摩ベルト５により被研摩物２１の端面 を研摩する。また、この状態でベルト車１９とベルト車２０との中間の部分で回 動する研摩ベルト５により箱構成等の面部を研摩する。 さらにまた、図４及び図５に示すように前記基台１上に回動機台２を重ねた状 態で研摩ベルト５が水平にあるとき、水平駆動軸３に設けた軸受け体４を上方へ 回動させて立て、この立った状態で軸受け体４を固定すれば、両ベルト車１９、 ２０が上下に位置し、これに掛けた研摩ベルト５が上下方向に回動するので、こ の状態で研摩ベルト５へ曲面を有する板材２１′を押し当てて板材２１′の曲面 を研摩する。

【００１８】

【考案の効果】

本考案に係る多目的ベルトサンダーは前記のように、基台と、基台の上端へ回 動自在に軸支した回動機台と、この回動機台に貫通し且つ内装した駆動手段に連 係させて両端側を回動機台より突出させた水平駆動軸と、この水平駆動軸の一方 側へ取付けて該軸を中心に回動自在に設けた軸受け体と、水平駆動軸の一方と前 記軸受け体の従動軸とに設けた一対のベルト車と、このベルト車に掛け渡たした 無端状の研摩ベルトと、水平駆動軸の他方へ着脱自在に設けたバフ等の研摩体と より構成するものであるから、研摩ベルトを水平の状態で、またこれを横向き、 或いは縦向き等と自在に変換使用できるため、曲面を有する被研摩物の小口や箱 体等の隅角、板材の曲面等をこの一台のベルトサンダーにより確実、容易に行う ことができてきわめて経済的となる特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の多目的ベルトサンダーの実施例を示す
もので、研摩ベルトの水平状態とした正面図である。

【図２】前記水平状態の側面図である。

【図３】回動機台を起して研摩ベルトを横向きとして研
磨する状態の斜視図である。

【図４】軸受け体を立てて研摩ベルトが上下方向に回動
するように変換した状態で被研摩物の研摩を行っている
状態を示す説明図である。

【図５】前記と同様に軸受け体を立てて他の研摩状態を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 回動機台 ３ 水平駆動軸 ４ 軸受け体 ５ 研磨ベルト １０ 駆動手段 １９、２０ ベルト車 ２２ 研摩体

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 基台と、基台の上端へ回動自在に軸支し
   た回動機台と、この回動機台に貫通し且つ内装した駆動
   手段に連係させて両端側を回動機台より突出させた水平
   駆動軸と、この水平駆動軸の一方側へ取付けて該軸を中
   心に回動自在に設けた軸受け体と、水平駆動軸の一方と
   前記軸受け体の従動軸とに設けた一対のベルト車と、こ
   のベルト車に掛け渡たした無端状の研摩ベルトと、水平
   駆動軸の他方へ着脱自在に設けたバフ等の研摩体とより
   構成することを特徴とした多目的ベルトサンダー。