JPH05345975A - 水素脆化防止表面処理法 - Google Patents
水素脆化防止表面処理法Info
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- JPH05345975A JPH05345975A JP3065284A JP6528491A JPH05345975A JP H05345975 A JPH05345975 A JP H05345975A JP 3065284 A JP3065284 A JP 3065284A JP 6528491 A JP6528491 A JP 6528491A JP H05345975 A JPH05345975 A JP H05345975A
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 外部環境から侵入する水素による高強度鋼の
疲労寿命の低下を簡便かつ容易に抑止することのでき
る、水素脆化を防止するための表面処理法を提供する。 【構成】 引張強さ100 〜150MPaの構造用高強度鋼表面
にイオンマグネトロンスパッタリングにより膜厚0.050
μm以下のクロム層を蒸着し、次いで1016〜1017個
/cm2 のアルゴンイオンを注入してクロム層と鋼との界
面をイオンミキシングし、クロム層を密着させる。
疲労寿命の低下を簡便かつ容易に抑止することのでき
る、水素脆化を防止するための表面処理法を提供する。 【構成】 引張強さ100 〜150MPaの構造用高強度鋼表面
にイオンマグネトロンスパッタリングにより膜厚0.050
μm以下のクロム層を蒸着し、次いで1016〜1017個
/cm2 のアルゴンイオンを注入してクロム層と鋼との界
面をイオンミキシングし、クロム層を密着させる。
Description
【産業上の利用分野】この発明は、水素脆化防止表面処
理法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、外部環境から侵入する水素による高強度鋼の疲労寿
命の低下を抑止することのできる、水素脆化を防止する
ための表面処理法に関するものである。
理法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、外部環境から侵入する水素による高強度鋼の疲労寿
命の低下を抑止することのできる、水素脆化を防止する
ための表面処理法に関するものである。
【従来の技術とその課題】従来より、構造物の軽量化を
図るとともに、安全性を確実にするために、優れた疲労
特性を有する高強度鋼が要求されてきており、すでにこ
れまでにもいくつかの強力鋼が開発されてきてもいる。
しかしながら、鋼の高強度化を図れば図るほど、水蒸気
や水溶液等の湿潤性環境で使用すると、早期に疲労破壊
が生じ、鋼本来の良好な性質が損なわれるという問題が
ある。構造用高強度鋼は、一般に、そのような外部環境
と接触すると腐食反応を起こし、その結果生じる水素に
よって脆化しやすいという欠点を有している。このた
め、従来では、鋼の組成、組織等を制御し、水素脆化の
感受性を軽減させている。また、これ以外にも高強度鋼
の耐食性を向上させるための種々の方策が提案されても
いる。たとえばその一つとして、鋼表面に有機系あるい
は無機系の塗料を塗装する方法が知られている。しかし
ながら、この場合には、保守点検を必要とするため、労
力とコストが膨大となるという欠点がある。また、高強
度鋼に電気的カソード分極を付与し、防食を行う方法が
知られてもいるが、この場合には、複雑な形状を有する
構造物では過防食を起こす危険性があり、その結果、水
素脆化により早期に破断するという問題がある。さらに
また、耐食性を付与する表面処理としての電気メッキ法
が提案されてもいるが、この場合には、メッキ処理にと
もない材料への水素吸蔵が生じ、水素脆化を誘発しやす
いという問題がある。このように、高強度鋼に耐食性を
付与しても、表面処理過程中に侵入する水素、または外
部環境から侵入する水素により疲労強度が大幅に低下す
るという問題があり、従来の高強度鋼の防食法には、改
善すべき課題が残されているのが実情であった。この発
明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、
従来の高強度鋼の耐食性改善法の欠点を解消し、外部環
境から侵入する水素による高強度鋼の疲労寿命の低下を
抑止することのできる、新しい水素脆化防止表面処理法
を提供することを目的としている。
図るとともに、安全性を確実にするために、優れた疲労
特性を有する高強度鋼が要求されてきており、すでにこ
れまでにもいくつかの強力鋼が開発されてきてもいる。
しかしながら、鋼の高強度化を図れば図るほど、水蒸気
や水溶液等の湿潤性環境で使用すると、早期に疲労破壊
が生じ、鋼本来の良好な性質が損なわれるという問題が
ある。構造用高強度鋼は、一般に、そのような外部環境
と接触すると腐食反応を起こし、その結果生じる水素に
よって脆化しやすいという欠点を有している。このた
め、従来では、鋼の組成、組織等を制御し、水素脆化の
感受性を軽減させている。また、これ以外にも高強度鋼
の耐食性を向上させるための種々の方策が提案されても
いる。たとえばその一つとして、鋼表面に有機系あるい
は無機系の塗料を塗装する方法が知られている。しかし
ながら、この場合には、保守点検を必要とするため、労
力とコストが膨大となるという欠点がある。また、高強
度鋼に電気的カソード分極を付与し、防食を行う方法が
知られてもいるが、この場合には、複雑な形状を有する
構造物では過防食を起こす危険性があり、その結果、水
素脆化により早期に破断するという問題がある。さらに
また、耐食性を付与する表面処理としての電気メッキ法
が提案されてもいるが、この場合には、メッキ処理にと
もない材料への水素吸蔵が生じ、水素脆化を誘発しやす
いという問題がある。このように、高強度鋼に耐食性を
付与しても、表面処理過程中に侵入する水素、または外
部環境から侵入する水素により疲労強度が大幅に低下す
るという問題があり、従来の高強度鋼の防食法には、改
善すべき課題が残されているのが実情であった。この発
明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、
従来の高強度鋼の耐食性改善法の欠点を解消し、外部環
境から侵入する水素による高強度鋼の疲労寿命の低下を
抑止することのできる、新しい水素脆化防止表面処理法
を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、引張強さ100 〜150MPaの構造用
高強度鋼表面にンイオンマグネトロンスパッタリングに
より膜厚0.05μm以下のクロム層を蒸着し、次いで10
16〜1017個/cm2 のアルゴンイオンを注入してクロム
層と鋼との界面をイオンミキシングし、クロム層を密着
させることを特徴とする水素脆化防止表面処理法を提供
するこの発明においては、対象とする構造用の高強度鋼
の引張強さを100 〜150MPaとしているが、これは、引張
強さが100MPa未満の鋼の場合には、鋼自体の水素脆化感
受性が小さく、また、150MPaより大きい鋼の場合には、
製造工程中に侵入した内在水素により脆化しやすく、表
面処理効果が小さいからである。また、蒸着物質として
はクロムを用いる。これは、クロム層が腐食性環境下で
鋼材に侵入する水素を軽減させるからである。このクロ
ム源としては、たとえば3N程度の純クロム板を例示す
ることができる。もちろんこれ以外のものであってもよ
い。クロム層を鋼表面に蒸着する方法として、この発明
においては、マグネトロンスパッタリング法を用いる。
アルゴンイオン等によるマグネトロンスパッタリング法
は、物理的表面処理法であって、しかも乾式の表面処理
法である。このため、表面処理中に鋼材に水素が侵入す
るのを防止することができる。その蒸着条件としては、
たとえば10-2Torr以上の真空中で、加熱温度を400 ℃
以下に保持することができる。このときのクロム層の厚
さは、0.050 μm以下とする。膜厚を0.050 μmより大
きくすると、表面処理中に生ずる熱応力により蒸着後に
剥離しやすく、しかも蒸着後のイオンミキシング処理に
よる密着性の改善が困難となる。さらにまたこの発明に
おいては、マグネトロンスパッタリング法によるクロム
層蒸着の後に、1016〜1017個/cm2 のアルゴンイオ
ンを用いてクロム層と鋼との界面をイオンミキシングす
る。上記したマグネトロンスパッタリング法単独でもク
ロム被膜の作製は可能であるが、鋼材の疲労寿命を改善
し、応力負荷中でも安定な被膜とするためには、イオン
ミキシング法の併用が欠かせない。このイオンミキシン
グ処理によって、クロム層の密着性が良好となり、構造
用高強度鋼の耐食性が改善され、外部環境からの水素の
侵入を抑制することができ、水素脆化による疲労寿命の
低下を抑止することが可能となる。イオンミキシング処
理は、たとえば室温で行うことができる。このように、
この発明においては、クロム層蒸着時およびイオンミキ
シング処理時の処理温度を充分低くすることができるこ
とから、鋼材の特性を損なうことなく安定に表面処理を
行うことができる。
を解決するものとして、引張強さ100 〜150MPaの構造用
高強度鋼表面にンイオンマグネトロンスパッタリングに
より膜厚0.05μm以下のクロム層を蒸着し、次いで10
16〜1017個/cm2 のアルゴンイオンを注入してクロム
層と鋼との界面をイオンミキシングし、クロム層を密着
させることを特徴とする水素脆化防止表面処理法を提供
するこの発明においては、対象とする構造用の高強度鋼
の引張強さを100 〜150MPaとしているが、これは、引張
強さが100MPa未満の鋼の場合には、鋼自体の水素脆化感
受性が小さく、また、150MPaより大きい鋼の場合には、
製造工程中に侵入した内在水素により脆化しやすく、表
面処理効果が小さいからである。また、蒸着物質として
はクロムを用いる。これは、クロム層が腐食性環境下で
鋼材に侵入する水素を軽減させるからである。このクロ
ム源としては、たとえば3N程度の純クロム板を例示す
ることができる。もちろんこれ以外のものであってもよ
い。クロム層を鋼表面に蒸着する方法として、この発明
においては、マグネトロンスパッタリング法を用いる。
アルゴンイオン等によるマグネトロンスパッタリング法
は、物理的表面処理法であって、しかも乾式の表面処理
法である。このため、表面処理中に鋼材に水素が侵入す
るのを防止することができる。その蒸着条件としては、
たとえば10-2Torr以上の真空中で、加熱温度を400 ℃
以下に保持することができる。このときのクロム層の厚
さは、0.050 μm以下とする。膜厚を0.050 μmより大
きくすると、表面処理中に生ずる熱応力により蒸着後に
剥離しやすく、しかも蒸着後のイオンミキシング処理に
よる密着性の改善が困難となる。さらにまたこの発明に
おいては、マグネトロンスパッタリング法によるクロム
層蒸着の後に、1016〜1017個/cm2 のアルゴンイオ
ンを用いてクロム層と鋼との界面をイオンミキシングす
る。上記したマグネトロンスパッタリング法単独でもク
ロム被膜の作製は可能であるが、鋼材の疲労寿命を改善
し、応力負荷中でも安定な被膜とするためには、イオン
ミキシング法の併用が欠かせない。このイオンミキシン
グ処理によって、クロム層の密着性が良好となり、構造
用高強度鋼の耐食性が改善され、外部環境からの水素の
侵入を抑制することができ、水素脆化による疲労寿命の
低下を抑止することが可能となる。イオンミキシング処
理は、たとえば室温で行うことができる。このように、
この発明においては、クロム層蒸着時およびイオンミキ
シング処理時の処理温度を充分低くすることができるこ
とから、鋼材の特性を損なうことなく安定に表面処理を
行うことができる。
【実施例】以下実施例を示し、この発明の水素脆化防止
表面処理法についてさらに詳しく説明する。SNCM4
39鋼を840 ℃で油焼入れした後に、480 ℃で焼戻し、
引張強さ120MPaに調整した。この鋼材を機械研磨し、ア
セトンにより脱脂した後、10-2Torrの真空下で加熱温
度を150 ℃に保持し、クロム基板を用いてアルゴンイオ
ンによるマグネトロンスパッタリングを行った。この鋼
材に膜厚0.808 μmおよび0.037 μmのクロム層を蒸着
し、次いで10 16〜1017個/cm2 のアルゴンイオンを
照射した。比較のために、同一条件でマグネトロンスパ
ッタリングにより同一厚みのクロム層を蒸着し、イオン
ミキシング処理を施さない鋼材も作製した。以上の試料
について、疲労荷重下での蒸着クロム層の剥離の有無を
調べたところ、膜厚0.808 μmのクロム層を蒸着した試
料については、スパッタリングのまま、およびスパッタ
リング後イオンミキシングを施した場合にも、クロム層
の剥離が生じた。一方、膜厚0.037 μmのクロム層を蒸
着した後に、イオンミキシング処理した試料について
は、クロム層の剥離は生じなかった。次に、この膜厚0.
037 μmのクロム層を蒸着した後に、イオンミキシング
処理した試料に、−1.2 Vのカソード電位を付与し、水
素をチャージしながら、3.5%NaCl水溶液中で疲労
試験を行った。また、比較のために、クロム層を蒸着し
ない無処理材についても同一の疲労試験を行った。その
結果を示したものが表1である。この表1からも明らか
なように、表面処理を施した鋼材の疲労寿命は、無処理
材の5倍弱にまで向上した。疲労寿命が改善されること
が確認された。もちろんこの発明は、以上の例によって
限定されるものではない。鋼材の種類および熱処理等の
細部については様々な態様が可能であることはいうまで
もない。
表面処理法についてさらに詳しく説明する。SNCM4
39鋼を840 ℃で油焼入れした後に、480 ℃で焼戻し、
引張強さ120MPaに調整した。この鋼材を機械研磨し、ア
セトンにより脱脂した後、10-2Torrの真空下で加熱温
度を150 ℃に保持し、クロム基板を用いてアルゴンイオ
ンによるマグネトロンスパッタリングを行った。この鋼
材に膜厚0.808 μmおよび0.037 μmのクロム層を蒸着
し、次いで10 16〜1017個/cm2 のアルゴンイオンを
照射した。比較のために、同一条件でマグネトロンスパ
ッタリングにより同一厚みのクロム層を蒸着し、イオン
ミキシング処理を施さない鋼材も作製した。以上の試料
について、疲労荷重下での蒸着クロム層の剥離の有無を
調べたところ、膜厚0.808 μmのクロム層を蒸着した試
料については、スパッタリングのまま、およびスパッタ
リング後イオンミキシングを施した場合にも、クロム層
の剥離が生じた。一方、膜厚0.037 μmのクロム層を蒸
着した後に、イオンミキシング処理した試料について
は、クロム層の剥離は生じなかった。次に、この膜厚0.
037 μmのクロム層を蒸着した後に、イオンミキシング
処理した試料に、−1.2 Vのカソード電位を付与し、水
素をチャージしながら、3.5%NaCl水溶液中で疲労
試験を行った。また、比較のために、クロム層を蒸着し
ない無処理材についても同一の疲労試験を行った。その
結果を示したものが表1である。この表1からも明らか
なように、表面処理を施した鋼材の疲労寿命は、無処理
材の5倍弱にまで向上した。疲労寿命が改善されること
が確認された。もちろんこの発明は、以上の例によって
限定されるものではない。鋼材の種類および熱処理等の
細部については様々な態様が可能であることはいうまで
もない。
【表1】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、外部環境から侵入する水素による脆化を抑止し、
高強度鋼の疲労寿命を簡便かつ容易に向上させることが
できる。
って、外部環境から侵入する水素による脆化を抑止し、
高強度鋼の疲労寿命を簡便かつ容易に向上させることが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 引張強さ100 〜150MPaの構造用高強度鋼
表面にイオンマグネトロンスパッタリングにより膜厚0.
050 μm以下のクロム層を蒸着し、次いで1016〜10
17個/cm2 のアルゴンイオンを注入してクロム層と鋼と
の界面をイオンミキシングし、クロム層を密着させるこ
とを特徴とする水素脆化防止表面処理法。 - 【請求項2】 10-2Torr以上の真空中で、400 ℃以下
に加熱温度を保持し、マグネトロンスパッタリングによ
りクロム層を蒸着する請求項1の水素脆化防止表面処理
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3065284A JPH083147B2 (ja) | 1991-03-07 | 1991-03-07 | 水素脆化防止表面処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3065284A JPH083147B2 (ja) | 1991-03-07 | 1991-03-07 | 水素脆化防止表面処理法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05345975A true JPH05345975A (ja) | 1993-12-27 |
| JPH083147B2 JPH083147B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=13282482
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3065284A Expired - Lifetime JPH083147B2 (ja) | 1991-03-07 | 1991-03-07 | 水素脆化防止表面処理法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH083147B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02163366A (ja) * | 1988-12-17 | 1990-06-22 | Nissin Electric Co Ltd | 鉄又は、鋼材料表面へのクロム層形成方法 |
-
1991
- 1991-03-07 JP JP3065284A patent/JPH083147B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02163366A (ja) * | 1988-12-17 | 1990-06-22 | Nissin Electric Co Ltd | 鉄又は、鋼材料表面へのクロム層形成方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH083147B2 (ja) | 1996-01-17 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |