JPH05345964A - 析出型銅合金の製造方法 - Google Patents

析出型銅合金の製造方法

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JPH05345964A
JPH05345964A JP17738992A JP17738992A JPH05345964A JP H05345964 A JPH05345964 A JP H05345964A JP 17738992 A JP17738992 A JP 17738992A JP 17738992 A JP17738992 A JP 17738992A JP H05345964 A JPH05345964 A JP H05345964A
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JP
Japan
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copper alloy
temp
rolling
hot rolling
annealing
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Pending
Application number
JP17738992A
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English (en)
Inventor
Hidemichi Fujiwara
英道 藤原
Akihiro Oguri
章宏 大栗
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子部品材料として引張強さと曲げ性に優れ
た析出型銅合金の製造方法を提供する。 【構成】 Cr0.15〜0.40wt%、Sn0.05
〜0.5wt%、Zn0.05〜0.5wt%を含み、残部
Cuと不可避的不純物からなる銅合金を、T=311.
7×Crwt%+895で決定される下限温度T℃からT
+50℃の範囲で加熱保持を行ない、該加熱保持温度か
ら800℃の温度域で熱間圧延を行った後、熱間圧延終
了温度から少なくとも400℃までを0.2〜1℃/se
c の冷却速度で冷却し、これに加工率20〜95%の範
囲で冷間加工を施した後、400〜550℃で10〜1
20min 保持し、続いて「30%以下の加工率で圧延
し、その後350〜450℃にて10〜120min 焼鈍
する工程」を1回ないし複数回繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品材料として特
性の優れた析出型銅合金の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】良好な電気伝導性が要求される電子部品
材料として、Sn,Znを固溶成分、Crを析出成分と
して含有する銅合金が多く用いられるようになってきて
いる。この合金の製造工程としては、熱間圧延後に冷間
圧延を施して、焼鈍を行うと、Cr析出による硬化が十
分起こる前に再結晶を起してしまい要求される強度をみ
たすことができない。そこで最終焼鈍前の加工率を高く
して強度を上げていた。しかしながらこのような従来技
術によって製造されたものでは、曲げなどの2次加工性
が悪く、使用できる用途が限られ、端子やコネクター材
料としては十分に使用出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記銅合金において曲
げ加工性を上げるためには、冷間圧延後の焼鈍時に再結
晶による強度低下を抑制し、最終焼鈍前の加工率をさげ
ることが必要であり、これらを実現する製造方法の開発
が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、曲げ加工性に優れた析出型銅合金の製造方
法を開発したものである。
【0005】即ち本発明は、Cr0.15〜0.40wt
%、Sn0.05〜0.5wt%、Zn0.05〜0.5
wt%を含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金
を、T=311.7×Crwt%+895で決定される下
限温度T℃からT+50℃の範囲で加熱保持を行ない、
該加熱保持温度から800℃の温度域で熱間圧延を行っ
た後、熱間圧延終了温度から少なくとも400℃までを
0.2〜1℃/secの冷却速度で冷却し、これに加工率
20〜95%の範囲で冷間加工を施した後、400〜5
50℃で10〜120min 保持し、続いて「30%以下
の加工率で圧延し、その後350〜450℃にて10〜
120min 焼鈍する工程」を1回ないし複数回繰り返す
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明者らは、従来の製造方法より製造したC
u−Cr−Sn−Zn合金において、熱間圧延後の材料
の析出状態を調べたところ、熱間圧延中に析出したと考
えられる比較的粗大で析出硬化を起こさないCrが多く
存在していることを確認した。これらのCrは以降の工
程における析出硬化には寄与しないため、合金組成より
も固溶したCrがかなり減少している。また微細なCr
は存在していないため、冷間圧延、焼鈍を行っても再結
晶は抑制されずに軟化を起こし易いことも判明した。
【0007】そこで本発明者らは、Cu−Cr−Sn−
Zn合金において、熱間圧延時に粗大Crの析出を防止
し、しかも同時に以降の冷間圧延、焼鈍時に再結晶を抑
制できるような微細なCrを析出させ、さらに冷間圧
延、焼鈍工程の条件を制御することによって、曲げ加工
性の優れた析出型銅合金の製造方法を開発した。
【0008】以下本発明の要件を詳細に説明する。本発
明において合金組成を上記の如く限定したのは次の理由
によるものである。Cr含有量を0.15〜0.40wt
%としたのは、0.40wt%を越える組成では鋳造時に
CuとCrの共晶を生じて曲げ性が悪くなるためであ
り、一方0.15wt%未満では析出による効果が十分で
ないためである。またSn及びZnは固溶強化成分であ
り、その含有量をそれぞれ0.05〜0.5wt%とした
のは、0.5wt%を越えると電気伝導性を悪くし、0.
05wt%未満では殆ど効果をしめさないためである。
【0009】次に上記組成の鋳塊を熱間圧延前に、鋳塊
中のCrを溶体化するため、 T(℃)=311.7×Crwt%+895 …… で決定される下限温度からT+50℃の範囲で加熱を行
う。Cr組成に応じて溶体化温度を変更するのは、Cr
量によって固溶限界温度が変化するためである。また熱
間圧延の温度を上記溶体化のための加熱温度から800
℃の温度域で行うのは、これよりも低い温度で熱間圧延
すると析出硬化を起こさず、しかも後工程での再結晶抑
制効果を示さない粗大なCrが析出するためである。次
いで熱間圧延終了温度から少なくとも400℃までの温
度範囲の冷却速度を規定しているのは、この冷却速度よ
りも遅く冷却すると粗大なCrが析出するためであり、
この冷却速度よりも速く冷却すると微細な析出相が生成
せず、後工程で再結晶が抑制されないためである。なお
冷却は水冷シャワーで行うのが良好である。そしてこの
ような冷却速度で冷却する温度範囲を上記のように規定
したのは、この温度以下では析出が非常に遅くなるた
め、冷却速度を制御しても意味がなく、また制御が難し
いからである。
【0010】また1次圧延焼鈍において、1次圧延率を
20〜95%に規定しているのは、異なる質別をもつ材
料を供給できるようにするためであり、加工率を20%
未満にしようとすると、熱間加工上がりの板厚を非常に
薄くするか、2次圧延焼鈍を多くの回数繰り返す必要が
あり、技術的にも工業的にも困難であり、95%以上の
加工率にすると再結晶が著しく起こり易くなるからであ
る。そしてその後の1次焼鈍温度を400〜550℃に
したのは、400℃未満では析出が著しく遅くなるため
であり、550℃を越えると再結晶軟化が急激に進行
し、制御が難しくなるためである。またこの温度範囲で
は10min より保持が短いと析出が不十分であり、12
0min より長いと工業的ではないからである。
【0011】次に2次圧延焼鈍において、圧延率30%
以下としたのは、30%を越えると著しく曲げ性を阻害
するためであり、そしてその後の2次焼鈍温度を350
〜450℃としたのは、この温度域で回復現象により、
転位の再配列化がおこり、強度を落とさず曲げ性を改善
できるためである。焼鈍時間は、短いと効果が十分でな
く、長すぎると経済的でない。また加工と焼鈍の繰り返
しの回数は通常1回でよいが、より厳しい曲げ特性が要
求される場合には複数回繰り返すとよい。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施例について説明する。表1
に示す組成の合金を通常の方法で溶解鋳造し、表2及び
表3に示す条件で熱間圧延と冷却を行い、続いて表4及
び表5のように1次冷間圧延と焼鈍及び2次冷間圧延と
焼鈍を施した。この際熱間圧延前に行う溶体化処理の加
熱温度は、表2及び3中の熱間圧延温度範囲の上限値と
同温度とした。なお前記式で定められるT(℃)で規
定される上記溶体化処理の加熱温度範囲は、Cr含有量
が0.38wt%の場合1013〜1063(℃)であ
り、Cr:0.15wt%の場合942〜992℃であ
る。また熱間圧延後の冷却速度は熱間圧延終了温度から
400℃までの平均値であり、その後は常温まで冷却し
て表4及び5の1次及び2次の冷間圧延を施した。なお
表4及び5中の各冷間圧延後の焼鈍時間はそれぞれ30
分とした。
【0013】これについて機械的特性、曲げ性を評価し
た。その結果を表6及び7に示す。尚表6及び7におい
て、曲げ試験は、曲げを行い、曲げ部に割れが確認され
たものを×印、割れがないものを○印で表わした。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】表6及び7から明らかなように本発明例N
o.1〜No.20は、引張強さと曲げ性が共に優れた性質
を示しており、本発明が非常に有効なものであることが
わかる。これに対し、比較例No.21〜No.31では引
張強さ又は曲げ性が劣ることが判る。
【0022】
【発明の効果】このように本発明によれば、引張強さと
曲げ性が優れ、電子部品材料としての特性の優れた析出
型銅合金が得られる等工業上顕著な効果を奏するもので
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr0.15〜0.40wt%、Sn0.
    05〜0.5wt%、Zn0.05〜0.5wt%を含み、
    残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金を、T=31
    1.7×Crwt%+895で決定される下限温度T℃か
    らT+50℃の範囲で加熱保持を行ない、該加熱保持温
    度から800℃の温度域で熱間圧延を行った後、熱間圧
    延終了温度から少なくとも400℃までを0.2〜1℃
    /secの冷却速度で冷却し、これに加工率20〜95%
    の範囲で冷間加工を施した後、400〜550℃で10
    〜120min 保持し、続いて「30%以下の加工率で圧
    延し、その後350〜450℃にて10〜120min 焼
    鈍する工程」を1回ないし複数回繰り返すことを特徴と
    する析出型銅合金の製造方法。
JP17738992A 1992-06-11 1992-06-11 析出型銅合金の製造方法 Pending JPH05345964A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007040148A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 The Furukawa Electric Co., Ltd. 電気接続器具用銅合金
WO2008090973A1 (ja) * 2007-01-26 2008-07-31 The Furukawa Electric Co., Ltd. 圧延板材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007040148A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 The Furukawa Electric Co., Ltd. 電気接続器具用銅合金
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