JPH05339679A - 燃料電池用改質器材料 - Google Patents
燃料電池用改質器材料Info
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- JPH05339679A JPH05339679A JP2409926A JP40992690A JPH05339679A JP H05339679 A JPH05339679 A JP H05339679A JP 2409926 A JP2409926 A JP 2409926A JP 40992690 A JP40992690 A JP 40992690A JP H05339679 A JPH05339679 A JP H05339679A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/06—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
- H01M8/0606—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants
- H01M8/0612—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants from carbon-containing material
- H01M8/0625—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants from carbon-containing material in a modular combined reactor/fuel cell structure
- H01M8/0631—Reactor construction specially adapted for combination reactor/fuel cell
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
(57)【要約】
[構成]C 0.1wt%以下、Cr 17〜23wt
%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt
%、Ti、Zrの1種または2種を0.05〜0.3wt
%、N 0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.
01wt%を含有し、残部Feからなる燃料電池用改質
器材料である。なお、上記材料には、Cu 5Wt%以
下をさらに含有させることができ、かつ、Cr、Ni、
Cuの組成比が0.6(Ni+Cu)/Cr wt%であ
る場合がある。 [効果]クリープ破断強度に優れており、耐酸化性にも
優れており、長期間の使用に耐えることができ、有害な
σ相の生成が皆無か極めて少ないという効果を有してい
るものである。
%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt
%、Ti、Zrの1種または2種を0.05〜0.3wt
%、N 0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.
01wt%を含有し、残部Feからなる燃料電池用改質
器材料である。なお、上記材料には、Cu 5Wt%以
下をさらに含有させることができ、かつ、Cr、Ni、
Cuの組成比が0.6(Ni+Cu)/Cr wt%であ
る場合がある。 [効果]クリープ破断強度に優れており、耐酸化性にも
優れており、長期間の使用に耐えることができ、有害な
σ相の生成が皆無か極めて少ないという効果を有してい
るものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池用改質器材料に
関し、さらに詳しくは、燃料電池本体に供給される水素
を製造するための改質器に使用される板材であり、特
に、使用温度が950℃以下のオンサイト用の改質器と
して、板を曲げ加工後、溶接により耐熱鋼管として使用
するのに適している燃料電池用改質器材料に関するもの
である。
関し、さらに詳しくは、燃料電池本体に供給される水素
を製造するための改質器に使用される板材であり、特
に、使用温度が950℃以下のオンサイト用の改質器と
して、板を曲げ加工後、溶接により耐熱鋼管として使用
するのに適している燃料電池用改質器材料に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】現在において、燃料電池用として使用され
ている改質器の材料は、Alloy800Hがある。そ
して、このAlloy800Hが燃料電池用の改質器と
して使用されているのは、800℃以上の高温において
使用することができる材料として、広く、かつ、多くの
実績があるためである。しかし、高Ni含有量であるこ
とが欠点となっている。
ている改質器の材料は、Alloy800Hがある。そ
して、このAlloy800Hが燃料電池用の改質器と
して使用されているのは、800℃以上の高温において
使用することができる材料として、広く、かつ、多くの
実績があるためである。しかし、高Ni含有量であるこ
とが欠点となっている。
【0003】また、燃料電池用改質器材料として要求さ
れる特性として、改質器は繁雑な温度変動条件下での使
用のため、クリープ疲労強度に優れており、かつ、繰り
返し酸化によるスケールの剥離の少ないことが要求され
るものであり、また、コンパクト化のため溶接性に優れ
ていること、σ相等の有害相が生成するとクリープ疲労
強度が劣化するため、このような脆化相が生成しないよ
うにすることも必要である。
れる特性として、改質器は繁雑な温度変動条件下での使
用のため、クリープ疲労強度に優れており、かつ、繰り
返し酸化によるスケールの剥離の少ないことが要求され
るものであり、また、コンパクト化のため溶接性に優れ
ていること、σ相等の有害相が生成するとクリープ疲労
強度が劣化するため、このような脆化相が生成しないよ
うにすることも必要である。
【0004】さらに、板の曲げ加工を行うことにより、
加工歪が導入されることにより、再結晶を生じるように
なり、クリープ変形が起こり易くなり、使用中に変形が
発生する場合もある。このような変形が発生すると改質
のために挿入されている触媒が落下して改質効果が悪く
なる恐れが生じると共に、温度分布の不均一が生じて、
さらに、変形を助長する恐れがある。
加工歪が導入されることにより、再結晶を生じるように
なり、クリープ変形が起こり易くなり、使用中に変形が
発生する場合もある。このような変形が発生すると改質
のために挿入されている触媒が落下して改質効果が悪く
なる恐れが生じると共に、温度分布の不均一が生じて、
さらに、変形を助長する恐れがある。
【0005】燃料電池用改質器材料としてのAlloy
800Hの外に、SUS304系、SUS309(22
Cr−12Ni)系、SUS310(25Cr−20N
i)系の材料が挙げられるが、これらの材料はAllo
y800Hよりクリープ破断強度が低く、σ相が生成し
易く、冷間加工性が劣化すると共に使用中に再結晶が生
じ易いという問題がある。
800Hの外に、SUS304系、SUS309(22
Cr−12Ni)系、SUS310(25Cr−20N
i)系の材料が挙げられるが、これらの材料はAllo
y800Hよりクリープ破断強度が低く、σ相が生成し
易く、冷間加工性が劣化すると共に使用中に再結晶が生
じ易いという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た従来の燃料電池用改質器材料の問題点に鑑み、本発明
者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、Alloy8
00Hの同等の特性を保持しており、σ相の有害相の生
成を防止するために、耐酸化性に対するCr含有量を制
御し、かつ、Ni含有量をも制御し、冷間加工による再
結晶の抑制に有効なMo、W等はσ相を析出させるので
使用せず、さらに、クリープ強度が高く、かつ、使用中
に延性の低下することのない燃料電池用改質器材料を開
発したのである。
た従来の燃料電池用改質器材料の問題点に鑑み、本発明
者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、Alloy8
00Hの同等の特性を保持しており、σ相の有害相の生
成を防止するために、耐酸化性に対するCr含有量を制
御し、かつ、Ni含有量をも制御し、冷間加工による再
結晶の抑制に有効なMo、W等はσ相を析出させるので
使用せず、さらに、クリープ強度が高く、かつ、使用中
に延性の低下することのない燃料電池用改質器材料を開
発したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料電池用
改質器材料は、C 0.1wt%以下、Cr 17〜23
wt%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4w
t%を含有し、また、Ti、Zrの内から選んだ1種ま
たは2種 0.05〜0.3wt%を含有し、さらに、N
0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.01wt
%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなること
を特徴とする燃料電池用改質器材料を第1の発明とし、
C 0.1wt%以下、Cr 17〜23wt%、Ni 1
0〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt%を含有し、
また、Ti、Zrの内から選んだ1種または2種 0.
05〜0.3wt%を含有し、さらに、N 0.02〜0.
05wt%、B 0.003〜0.01wt%を含有し、
そして、Cu 5wt%以下を含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなることを特徴とする燃料電池用改質
器材料を第2の発明とし、C 0.1wt%以下、Cr
17〜23wt%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.
1〜0.4wt%を含有し、また、Ti、Zrの内から
選んだ1種または2種 0.05〜0.3wt%を含有
し、さらに、N 0.02〜0.05wt%、B 0.00
3〜0.01wt%を含有し、そして、Cu 5wt%以
下を含有し、かつ、Cr、Ni、Cuの組成比が0.6
(Ni+Cu)/Crwt%であり、残部Feおよび不
可避不純物からなることを特徴とする燃料電池用改質器
材料を第3の発明とする3つの発明よりなるものであ
る。
改質器材料は、C 0.1wt%以下、Cr 17〜23
wt%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4w
t%を含有し、また、Ti、Zrの内から選んだ1種ま
たは2種 0.05〜0.3wt%を含有し、さらに、N
0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.01wt
%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなること
を特徴とする燃料電池用改質器材料を第1の発明とし、
C 0.1wt%以下、Cr 17〜23wt%、Ni 1
0〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt%を含有し、
また、Ti、Zrの内から選んだ1種または2種 0.
05〜0.3wt%を含有し、さらに、N 0.02〜0.
05wt%、B 0.003〜0.01wt%を含有し、
そして、Cu 5wt%以下を含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなることを特徴とする燃料電池用改質
器材料を第2の発明とし、C 0.1wt%以下、Cr
17〜23wt%、Ni 10〜29wt%、Nb 0.
1〜0.4wt%を含有し、また、Ti、Zrの内から
選んだ1種または2種 0.05〜0.3wt%を含有
し、さらに、N 0.02〜0.05wt%、B 0.00
3〜0.01wt%を含有し、そして、Cu 5wt%以
下を含有し、かつ、Cr、Ni、Cuの組成比が0.6
(Ni+Cu)/Crwt%であり、残部Feおよび不
可避不純物からなることを特徴とする燃料電池用改質器
材料を第3の発明とする3つの発明よりなるものであ
る。
【0008】本発明に係る燃料電池用改質器材料につい
て、以下具体的に説明する。即ち、本発明に係る燃料電
池用改質器材料において、クリープ疲労強度を改善する
ためにはクリープ強度を高くする必要があり、従来のこ
の種材料の中で最も高いクリープ強度を有する材料は、
SUS316(17−12Mo)であるが、この材料のク
リープ強度はAlloy800Hよりも低いのである。
て、以下具体的に説明する。即ち、本発明に係る燃料電
池用改質器材料において、クリープ疲労強度を改善する
ためにはクリープ強度を高くする必要があり、従来のこ
の種材料の中で最も高いクリープ強度を有する材料は、
SUS316(17−12Mo)であるが、この材料のク
リープ強度はAlloy800Hよりも低いのである。
【0009】本発明に係る燃料電池用改質器材料のクリ
ープ強度を改善するためには、Nbを含有させることが
極めて有効ではあるが、未だ不充分であり、一般的に
は、たの元素との複合含有により強化させること必要が
ある。また、このことによりクリープ破断延性を改善す
るものでなければならない。そのためには、Tiおよび
Zrを含有させ、この材料についてクリープ強度を調査
したが、Ti+Zrの含有量が0.05〜0.3wt%の
範囲で低い含有量が好ましく、多くなるに従って強度が
低下してしまい、目標とするAlloy800Hのクリ
ープ強度には至らなかった。
ープ強度を改善するためには、Nbを含有させることが
極めて有効ではあるが、未だ不充分であり、一般的に
は、たの元素との複合含有により強化させること必要が
ある。また、このことによりクリープ破断延性を改善す
るものでなければならない。そのためには、Tiおよび
Zrを含有させ、この材料についてクリープ強度を調査
したが、Ti+Zrの含有量が0.05〜0.3wt%の
範囲で低い含有量が好ましく、多くなるに従って強度が
低下してしまい、目標とするAlloy800Hのクリ
ープ強度には至らなかった。
【0010】そのため、さらに詳細に調査した結果、T
i+Zrの含有量が増加すると、N含有量が低下してお
り、このN含有量の低下がクリープ強度低下の原因と考
え、真空溶解によりN含有量を変化させた材料について
検討を行い、N含有量が増加するに従ってクリープ強度
が上昇し、目標とするAlloy800H程度のクリー
プ強度が得られることを知見した。
i+Zrの含有量が増加すると、N含有量が低下してお
り、このN含有量の低下がクリープ強度低下の原因と考
え、真空溶解によりN含有量を変化させた材料について
検討を行い、N含有量が増加するに従ってクリープ強度
が上昇し、目標とするAlloy800H程度のクリー
プ強度が得られることを知見した。
【0011】また、組織安定性については、先ず、Cr
含有量を低減させることが第1であり、耐酸化性を検討
し、950℃以下の温度においてAlloy800Hと
同等の性能を得ようとすると、25wt%とする必要が
あること、そして、Ni含有量は少なくとも12wt%
以上にする必要があることを見出し、さらに、Nbの含
有も耐酸化性を良くする元素であり、その上、Zrを含
有させると複合効果を生じて、Cr含有量を低くするこ
とが可能となった。
含有量を低減させることが第1であり、耐酸化性を検討
し、950℃以下の温度においてAlloy800Hと
同等の性能を得ようとすると、25wt%とする必要が
あること、そして、Ni含有量は少なくとも12wt%
以上にする必要があることを見出し、さらに、Nbの含
有も耐酸化性を良くする元素であり、その上、Zrを含
有させると複合効果を生じて、Cr含有量を低くするこ
とが可能となった。
【0012】また、σ相の生成を抑制するためには、N
iを含有させることが有効ではあるが、Niに代えてC
uを含有させると、Cuは固溶できる範囲内においてN
iと同様な効果のあることが判明した。しかし、耐酸化
性、クリープ強度におよぼす影響が950℃の高温度で
は不明であることから、検討したところ、耐酸化性には
多量に含有させると劣化するが、クリープ破断強度には
影響のないことがわかった。
iを含有させることが有効ではあるが、Niに代えてC
uを含有させると、Cuは固溶できる範囲内においてN
iと同様な効果のあることが判明した。しかし、耐酸化
性、クリープ強度におよぼす影響が950℃の高温度で
は不明であることから、検討したところ、耐酸化性には
多量に含有させると劣化するが、クリープ破断強度には
影響のないことがわかった。
【0013】そして、加工による再結晶の問題は上記に
説明したことからも改善はできるが、微量のBを含有さ
せることにより、さらに効果を改善することができる。
説明したことからも改善はできるが、微量のBを含有さ
せることにより、さらに効果を改善することができる。
【0014】本発明に係る燃料電池用改質器材料の含有
成分および成分割合について説明する。
成分および成分割合について説明する。
【0015】Cは炭化物の析出によりクリープ破断強度
を向上させるのに有効な元素であり、含有量が0.1w
t%を越えて含有させると未固溶炭化物の量が増加し
て、クリープ破断強度を阻害するようになると共に冷間
曲げ加工中に微細な割れを発生する。よって、C含有量
は0.1wt%以下とする。
を向上させるのに有効な元素であり、含有量が0.1w
t%を越えて含有させると未固溶炭化物の量が増加し
て、クリープ破断強度を阻害するようになると共に冷間
曲げ加工中に微細な割れを発生する。よって、C含有量
は0.1wt%以下とする。
【0016】Crは耐酸化性に寄与させるためには17
wt%以上の含有量は必要であり、しかし、必要以上に
多く含有させると相安定性を劣化させるのでNi含有量
を増加させる必要を生じるようになるので、23wt%
を上限とする。よって、Cr含有量は17〜23wt%
とする。
wt%以上の含有量は必要であり、しかし、必要以上に
多く含有させると相安定性を劣化させるのでNi含有量
を増加させる必要を生じるようになるので、23wt%
を上限とする。よって、Cr含有量は17〜23wt%
とする。
【0017】Niは相安定性、耐酸化性に寄与する元素
であり、相安定性は上記に説明したように、Cr、N
i、Cuの含有量に関係し、0.6(Ni+Cu)/Cr
で示される組成比の値が0.55以上となると、700
℃の温度におけるσ相が析出しないことを実験的に確か
めた。この場合のNi含有量は下限は10wt%であ
り、上限は29wt%の範囲とする。
であり、相安定性は上記に説明したように、Cr、N
i、Cuの含有量に関係し、0.6(Ni+Cu)/Cr
で示される組成比の値が0.55以上となると、700
℃の温度におけるσ相が析出しないことを実験的に確か
めた。この場合のNi含有量は下限は10wt%であ
り、上限は29wt%の範囲とする。
【0018】NbはCとの親和力が強く、NbCを析出
させてクリープ破断強度を向上させる元素であり、Nb
Cは高温度における溶体化処理を行っても固溶するNb
は0.4wt%までであり、それ以上の含有量は未固溶
のNbCが多くなるので、逆に強度は低くなる。事実、
SUS347Hのクリープ破断強度はAlloy800
Hよりも低くなっており、また、Nbは高温に加熱して
も結晶粒を細かくできるという性質を有しており、この
ことから耐酸化性を改善する効果がある。よって、Nb
含有量は0.1wt%未満ではこのような効果を期待す
ることはできず、また、上記説明したとおり上限は0.
4wt%とする。
させてクリープ破断強度を向上させる元素であり、Nb
Cは高温度における溶体化処理を行っても固溶するNb
は0.4wt%までであり、それ以上の含有量は未固溶
のNbCが多くなるので、逆に強度は低くなる。事実、
SUS347Hのクリープ破断強度はAlloy800
Hよりも低くなっており、また、Nbは高温に加熱して
も結晶粒を細かくできるという性質を有しており、この
ことから耐酸化性を改善する効果がある。よって、Nb
含有量は0.1wt%未満ではこのような効果を期待す
ることはできず、また、上記説明したとおり上限は0.
4wt%とする。
【0019】Tiはクリープ破断延性の向上に必要な元
素であり、含有量が0.05wt%未満ではこの効果は
少なく、また、0.3wt%を越えて含有させると効果
を期待することができない。よって、Ti含有量は0.
05〜0.3wt%とする。
素であり、含有量が0.05wt%未満ではこの効果は
少なく、また、0.3wt%を越えて含有させると効果
を期待することができない。よって、Ti含有量は0.
05〜0.3wt%とする。
【0020】Zrはクリープ破断延性の向上に寄与する
のに有効な元素であり、延性を改善することによってク
リープ強度の改善にも効果があり、特に、Zrは脱酸効
果が大きいのでこれが寄与し、含有させるに際しては溶
解中にどの程度の量を添加するかが問題であり、条件に
よって異なるので歩留り量により表し、この歩留り量が
耐酸化性に寄与するものであり、従って、耐酸化性には
Zr含有量は0.05wt%は必要であり、また、0.3
wt%を越えて含有させると溶接性を劣化させる。よっ
て、Zr含有量は0.05〜0.3wt%とする。
のに有効な元素であり、延性を改善することによってク
リープ強度の改善にも効果があり、特に、Zrは脱酸効
果が大きいのでこれが寄与し、含有させるに際しては溶
解中にどの程度の量を添加するかが問題であり、条件に
よって異なるので歩留り量により表し、この歩留り量が
耐酸化性に寄与するものであり、従って、耐酸化性には
Zr含有量は0.05wt%は必要であり、また、0.3
wt%を越えて含有させると溶接性を劣化させる。よっ
て、Zr含有量は0.05〜0.3wt%とする。
【0021】Nはクリープ破断強度を向上させるのに必
要な元素であり、含有量が0.02wt%未満ではAl
loy800Hより上の強度とすることができず、ま
た、0.05wt%を越えて含有させると冷間加工性を
阻害するようになる。よって、N含有量は0.02〜0.
05wt%とする。
要な元素であり、含有量が0.02wt%未満ではAl
loy800Hより上の強度とすることができず、ま
た、0.05wt%を越えて含有させると冷間加工性を
阻害するようになる。よって、N含有量は0.02〜0.
05wt%とする。
【0022】BはNbおよびZrと複合含有させること
により再結晶特性およびクリープ破断強度を向上させる
元素であり、含有量が0.0003wt%未満ではこの
効果は期待することはできず、また、含有量が多いほど
効果があるが、0.01wt%を越えて含有させると溶
接性を阻害するようになる。よって、B含有量は0.0
03〜0.01wt%とする。
により再結晶特性およびクリープ破断強度を向上させる
元素であり、含有量が0.0003wt%未満ではこの
効果は期待することはできず、また、含有量が多いほど
効果があるが、0.01wt%を越えて含有させると溶
接性を阻害するようになる。よって、B含有量は0.0
03〜0.01wt%とする。
【0023】Cuは曲げ加工における冷間加工性を改善
し、さらに、相安定性のために含有させる元素であり、
含有量は上記に説明したNiの項の式に示される量を含
有させるのであり、含有量が5wt%を越えて含有させ
ると耐酸化性が劣化し、溶接性を悪くする。よって、C
u含有量は5wt%以下とする。
し、さらに、相安定性のために含有させる元素であり、
含有量は上記に説明したNiの項の式に示される量を含
有させるのであり、含有量が5wt%を越えて含有させ
ると耐酸化性が劣化し、溶接性を悪くする。よって、C
u含有量は5wt%以下とする。
【0024】Mn、P、S等の不純物元素は特に規定は
しないが、少ないほど好ましい元素であり、溶製上必然
的に含まれるものであり、通常含有される量は許容する
ことができる。
しないが、少ないほど好ましい元素であり、溶製上必然
的に含まれるものであり、通常含有される量は許容する
ことができる。
【0025】
【実 施 例】表1に示す含有成分および成分割合の鋼
を通常の溶製法により溶解してから、20kgのインゴ
ットに鋳造して50mmの棒とした後、1150℃の温
度において熱間圧延を行って30tmmの板とし、12
00℃の温度に30分間加熱後、水冷する熱処理を行
い、クリープ破断試験後、高温疲労試験片を採取し、9
50℃の温度におけるクリープ破断試験後、クリープ疲
労試験を行うと共に、4t×10w×30lmmの試験
片を使用して950℃の温度に12時間保持する処理を
50サイクル繰り返して酸化試験を行うと共に、各試験
片に40%の冷間加工を行ったものついて、700℃の
温度に2000時間加熱しσ相の析出の有無の調査を行
った。
を通常の溶製法により溶解してから、20kgのインゴ
ットに鋳造して50mmの棒とした後、1150℃の温
度において熱間圧延を行って30tmmの板とし、12
00℃の温度に30分間加熱後、水冷する熱処理を行
い、クリープ破断試験後、高温疲労試験片を採取し、9
50℃の温度におけるクリープ破断試験後、クリープ疲
労試験を行うと共に、4t×10w×30lmmの試験
片を使用して950℃の温度に12時間保持する処理を
50サイクル繰り返して酸化試験を行うと共に、各試験
片に40%の冷間加工を行ったものついて、700℃の
温度に2000時間加熱しσ相の析出の有無の調査を行
った。
【0026】
【表1】
【0027】図1は900℃の温度における1000時
間クリープ破断強度を比較した図であり、本発明に係る
燃料電池用改質器材料は比較材料よりも数倍優れた性能
を有していることがわかる。図1において、1はAll
oy800H、2はSUS304H、3はSUS347
H、4はSUS309、5はSUS310、6、7、
8、9および10は本発明に係る燃料電池用改質器材料
である(以下、図2、図3および図4も同じ)。
間クリープ破断強度を比較した図であり、本発明に係る
燃料電池用改質器材料は比較材料よりも数倍優れた性能
を有していることがわかる。図1において、1はAll
oy800H、2はSUS304H、3はSUS347
H、4はSUS309、5はSUS310、6、7、
8、9および10は本発明に係る燃料電池用改質器材料
である(以下、図2、図3および図4も同じ)。
【0028】図2は950℃の温度に12時間保持後、
空冷の処理を50回繰り返した時の酸化減量を調査した
結果を示した図である。No.1のAlloy800H
は殆ど酸化減量がなく、優れた耐酸化性を示している
が、本発明に係る燃料電池用改質器用材料のNo.8お
よびNo.9はAlloy800Hと同等の性能を示し
ていて優れており、そして、No.6、No.7、No.
10は19〜20Cr鋼であるが、比較材料No.2、
No.3と比較すると、同じCr含有量であっても優れ
た耐酸化性を示していることがわかる。
空冷の処理を50回繰り返した時の酸化減量を調査した
結果を示した図である。No.1のAlloy800H
は殆ど酸化減量がなく、優れた耐酸化性を示している
が、本発明に係る燃料電池用改質器用材料のNo.8お
よびNo.9はAlloy800Hと同等の性能を示し
ていて優れており、そして、No.6、No.7、No.
10は19〜20Cr鋼であるが、比較材料No.2、
No.3と比較すると、同じCr含有量であっても優れ
た耐酸化性を示していることがわかる。
【0029図3
はクリープ疲労寿命を900℃の温度において調査をし
た結果を示した図である。条件は△εT=0.3%C−
P波形により行った。本発明に係る燃料電池用改質器材
料は何れも比較材料よりも長い寿命を有していることが
わかる。 【0030】図4は40%冷間加工材を750℃の温度
に2000時間加熱後に観察されたσ相の量を調査した
結果を示した図である。Alloy800Hを除く比較
材料は何れも多量のσ相の析出が認められ、特に、Cr
含有量の多い材料程多くなっている。本発明に係る燃料
電池用改質器材料は何れの材料もσ相は多くても0.3
%であり、殆ど問題とならないことがわかる。
はクリープ疲労寿命を900℃の温度において調査をし
た結果を示した図である。条件は△εT=0.3%C−
P波形により行った。本発明に係る燃料電池用改質器材
料は何れも比較材料よりも長い寿命を有していることが
わかる。 【0030】図4は40%冷間加工材を750℃の温度
に2000時間加熱後に観察されたσ相の量を調査した
結果を示した図である。Alloy800Hを除く比較
材料は何れも多量のσ相の析出が認められ、特に、Cr
含有量の多い材料程多くなっている。本発明に係る燃料
電池用改質器材料は何れの材料もσ相は多くても0.3
%であり、殆ど問題とならないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る燃料
電池用改質器材料は上記の構成であるから、燃料電池に
供給される水素を製造するための改質器として、優れた
クリープ破断強度を有しており、また、優れた耐酸化性
を有し、σ相の生成が皆無か、あっても極めて少なく、
クリープ疲労寿命も長いという優れた効果を有している
ものである。
電池用改質器材料は上記の構成であるから、燃料電池に
供給される水素を製造するための改質器として、優れた
クリープ破断強度を有しており、また、優れた耐酸化性
を有し、σ相の生成が皆無か、あっても極めて少なく、
クリープ疲労寿命も長いという優れた効果を有している
ものである。
【0032】
【図1】各種鋼のクリープ破断強度を示す図である。
【図2】各種鋼の耐酸化性を示す図である。
【図3】各種鋼のクリープ疲労強度を示す図である。
【図4】各種鋼の組織安定性を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
Claims (3)
- 【請求項1】C 0.1wt%以下、Cr 17〜23w
t%、 Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt% を含有し、また、 Ti、Zrの内から選んだ1種または2種 0.05〜
0.3wt% を含有し、さらに、 N 0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.01w
t% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを
特徴とする燃料電池用改質器材料。 - 【請求項2】C 0.1wt%以下、Cr 17〜23w
t%、 Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt% を含有し、また、 Ti、Zrの内から選んだ1種または2種 0.05〜
0.3wt% を含有し、さらに、 N 0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.01w
t% を含有し、そして、 Cu 5wt%以下 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを
特徴とする燃料電池用改質器材料。 - 【請求項3】C 0.1wt%以下、Cr 17〜23w
t%、 Ni 10〜29wt%、Nb 0.1〜0.4wt% を含有し、また、 Ti、Zrの内から選んだ1種または2種 0.05〜
0.3wt% を含有し、さらに、 N 0.02〜0.05wt%、B 0.003〜0.01w
t% を含有し、そして、 Cu 5wt%以下 を含有し、かつ、Cr、Ni、Cuの組成比が 0.6(Ni+Cu)/Crwt% であり、残部Feおよび不可避不純物からなることを特
徴とする燃料電池用改質器材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2409926A JPH05339679A (ja) | 1990-12-11 | 1990-12-11 | 燃料電池用改質器材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2409926A JPH05339679A (ja) | 1990-12-11 | 1990-12-11 | 燃料電池用改質器材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339679A true JPH05339679A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=18519177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2409926A Pending JPH05339679A (ja) | 1990-12-11 | 1990-12-11 | 燃料電池用改質器材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05339679A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6300001B1 (en) * | 1997-01-22 | 2001-10-09 | Siemens Aktiengesellschaft | Fuel cell and use of iron-based alloys for the construction of fuel cells |
-
1990
- 1990-12-11 JP JP2409926A patent/JPH05339679A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6300001B1 (en) * | 1997-01-22 | 2001-10-09 | Siemens Aktiengesellschaft | Fuel cell and use of iron-based alloys for the construction of fuel cells |
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