JPH05339149A - 徐放性懸濁製剤 - Google Patents

徐放性懸濁製剤

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JPH05339149A
JPH05339149A JP5035825A JP3582593A JPH05339149A JP H05339149 A JPH05339149 A JP H05339149A JP 5035825 A JP5035825 A JP 5035825A JP 3582593 A JP3582593 A JP 3582593A JP H05339149 A JPH05339149 A JP H05339149A
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JP
Japan
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spherules
chitosan
acidic
solution
medicine
Prior art date
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Pending
Application number
JP5035825A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Miyazaki
正三 宮崎
Masahiko Takada
昌彦 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP5035825A priority Critical patent/JPH05339149A/ja
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】徐放性懸濁製剤における懸濁粒子からの薬物の
放出制御を改善し、長期保存中に懸濁粒子からの薬物の
放出がない保存の物理的安定性のよい、しかも毒性のな
い生体分解性をもつ安全性の高い徐放性の懸濁液剤を提
供する。 【構成】架橋されたキトサンと酸性薬物よりなるキトサ
ン小球体を含有することを特徴とする徐放性懸濁製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐放性懸濁製剤に関す
る。更に詳しくは、酸性薬物をイオン交換結合させたキ
トサン小球体を含有することを特徴とする徐放性懸濁製
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】キトサンは、β―1,4―ポリグルコサミ
ン構造が主であり、カニやエビなどの殻に含まれる天然
高分子である。キトサンは遊離のアミノ基を持ち多くの
有機溶媒に溶け、また水に不溶であるが、塩酸や酢酸な
どの希水溶液に溶けてゲルを形成する。このキトサンの
ゲル形成能を利用して、薬物を分散させ徐放性にした顆
粒剤の研究<薬剤学 50(1)58−61(199
0)>が知られている。
【0004】また、特開平1−156912号公報に
は、キトサンを添加剤として使用し、生体内での薬物放
出速度を制御した注射剤、固形製剤が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】しかしながら、これら従来の徐放性懸濁製
剤には懸濁粒子からの薬物の放出制御が難しく、一般的
な制御方法では長期保存中に懸濁粒子から薬物がほとん
ど放出されてしまうし、保存中の物理的安定性にも問題
点があるという不都合な点がある。
【0007】本発明の目的はこの従来技術の不都合な点
を解決し、しかも毒性のない生体分解性をもつ安全性の
高い徐放性懸濁製剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この従来
技術の不備な点を解決すべく、まずキトサンのイオン交
換樹脂としての作用に着目した。イオン交換樹脂は、す
でに、1961年にスルフォン性陽イオン交換樹脂に塩
基性窒素含有薬物を反応させたイオン交換高分子−薬物
システムが実用化されている。これは陰イオン交換樹脂
のアンバーライトにデキストロメトルファンを結合させ
た懸濁製剤である。これを人が服用し消化管に達する
と、消化管内に存在するイオンと高分子に結合した薬物
との間にイオン交換が行われ、薬物が放出されるという
ものである。
【0009】本発明者らは、キトサン小球体が陰イオン
交換性を有することを利用しての陰イオン交換樹脂複合
体(キトサン小球体)による徐放化を試みた。しかし、
単に鎖状のキトサン分子から成るキトサン小球体は酸性
溶液に容易に溶解するため、薬物の徐放性に適さないこ
とが判った。
【0010】そこで、酸性溶液に溶解しない徐放性担体
を得るべく鋭意研究の結果、キトサン分子間に架橋を施
した小球体とすることにより、酸性溶液に溶けない小球
体が得られることを見いだし、更に、この架橋した小球
体を酸性処理するとキトサンのアミノ基が陽イオン化し
て、酸性薬物とイオン交換した小球体が得られことを見
いだし、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、架橋されたキトサンと
酸性薬物よりなるキトサン小球体を含有することを特徴
とする徐放性懸濁製剤である。
【0012】本発明において用いられる酸性薬物は酸性
の官能基を有する化合物であればよく、その具体例とし
ては、たとえばイブプロフェンなどのフェニル酢酸系,
メフェナム酸などのアントラニール酸系、アスピリンな
どのサリチル酸系、その他インドメタシン、グリチルレ
チン酸などの薬剤を挙げることができる。
【0013】本発明において用いられる架橋剤とは、グ
ルタールアルデヒドなどアミノ基の架橋に使用できるも
のであれば良い。
【0014】本発明の製剤は以下のごとく製造すること
ができる。
【0015】(1)キトサンを酸性溶液に溶解したもの
を、アルカリ性溶液に攪拌しながら滴下し小球体(I)
を形成させる。この小球体(I)を水洗いした後、水に
懸濁させた状態でグルタールアルデヒドなどの架橋剤溶
液を加え、放置してキトサンの分子間に架橋させた小球
体(II)を製する。
【0016】(2)この小球体(II)を酸性溶液に浸
し酸性処理して乾燥した小球体を、酸性薬物を溶解した
アルカリ性溶液に浸したのち、脱イオン水で洗浄し乾燥
して酸性薬物とイオン交換したキトサン小球体(II
I)を製する。
【0017】(3)パラフィンなどを溶解した有機溶媒
に小球体(III)を分散させ攪拌しながら加熱し、有
機溶媒を留去して、パラフィン被覆小球体(IV)を得
る。
【0018】(4)またその他、本発明の徐放性懸濁製
剤には、使用目的に応じて通常配合できる各種の薬物お
よび安定化剤、防腐剤などの添加剤を配合できる。例え
ば感冒薬として使用する場合であれば、水溶性ビタミ
ン,無水カフェインなども配合することができる。
【発明の効果】本発明の製剤は、徐放性が十分に確保さ
れていることから、配合される薬物の効果が持続でき、
薬物の服用の回数を低減させることができる。また、製
造された製剤は天然の高分子を担体として用いているた
め、低毒性である。
【0019】
【実施例】以下、実施例および試験例を示し、本発明を
更に具体的に説明する。 実施例1 キトサン5gを塩酸溶液100mlに溶解させたもの
を、1N水酸化ナトリウム溶液1000mlに攪拌しな
がら滴下し小球体を形成させる。この小球体を水洗いし
た後、水に懸濁させた状態で25%グルタールアルデヒ
ド溶液5mlを加え放置してキトサンの分子間に架橋さ
せた小球体を製した。この小球体1gを0.1N塩酸溶
液に浸し酸性処理して乾燥した後、1N水酸化ナトリウ
ム液にイブプロフェンを溶解した溶液50mlに浸し、
放置する。これを脱イオン水で洗浄し乾燥してイブプロ
フェンとイオン結合したキトサン小球体を得た。
【0020】さらに、パラフィン1gを溶解したクロロ
ホルム5〜10mlにこの小球体を分散させ攪拌しなが
ら加熱し、クロロホルムを留去して、パラフィン被覆小
球体を得た。これを水に分散させ全量を50mlとして
液製剤とした。
【0021】実施例2 リン酸ジヒドロコデイン8mg、d,l―塩酸メチルエ
フェドリン20mg、無水カフェイン25mg、マレイ
ン酸クロルフェニラミン2.5mgを溶解し、さらに矯
味剤として砂糖を溶解した溶液に、実施例1で得られた
パラフィンコーティング小球体1gを分散させ、全量を
50mlとし、液製剤とした。
【0022】(試験例)
【0023】試験例1〔薬物放出試験〕 (検体)実施例1で得たキトサン小球体、パラフィン被
覆小球体及びイブプロフェン粉末を検体として用いた。
各検体ともイブプロフェン250mg相当量用いた。
【0024】(試験方法)各検体からの薬物のin vitr
oでの放出性を、USP溶出試験法により3回ずつ行っ
た。
【0025】尚、放出液は、pH1.2の塩酸水溶液と
pH7.5の放出液とを用い、それらの液量は1000
mlであった。
【0026】(結果)結果は、pH1.2の塩酸水溶液
を図1に示し、pH7.5の放出液を図2に示す。
【0027】図1より、イブプロフェンが酸性薬物であ
るため、pH1.2の放出液ではイブプロフェンの溶解
度が低く、キトサン小球体やパラフィン被覆小球体より
も放出が遅い。キトサン小球体やパラフィン被覆小球体
では、イブプロフェンがキトサンとイオン結合しており
イオンの形で放出されたため、イブプロフェンよりも放
出率が高くなったと考えられる。
【0028】また図2より、イブプロフェン粉末に比
べ、キトサン小球体からの薬物放出に徐放性が認められ
た。さらに放出を制御するために、小球体にパラフィン
処理をすると薬物の放出はさらに抑制され、徐放性を示
したと考えられる。
【0029】試験例2〔経口投与時の血しょう中濃度デ
ータ〕 (検体)試験例1と同じものを用い、イブプロフェン5
0mg相当量をカプセルに充填して用いた。
【0030】(試験動物)体重2.2〜2.5kgの白兎
3匹を使用した。
【0031】(試験方法)各検体を経口投与した。投与
後、経時的に血中のイブプロフェン濃度を測定した。
【0032】(結果)結果を、図3に示す。対象のイブ
プロフェン粉末に比べ、持続的な血しょう中濃度を示し
た。
【0033】イブプロフェン単独はすみやかに吸収され
ているのに比較して、イブプロフェンの含有するキトサ
ンの小球体やパラフィン被覆小球体は、イブプロフェン
の吸収が遅れ血中濃度が長い時間保持されている。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】縦軸に放出率(百分率)、横軸に時間を表した
pH1.2の塩酸水溶液へのイブプロフェンの放出率の
相関図である。
【図2】縦軸に放出率(百分率)、横軸に時間を表した
pH7.5の放出液へのイブプロフェンの放出率の相関
図である。
【図3】縦軸に血しょう濃度(μg/ml)、横軸に時
間を表したイブプロフェンの血しょう中濃度の相関図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋されたキトサンと酸性薬物よりなる
    キトサン小球体を含有することを特徴とする徐放性懸濁
    製剤。
JP5035825A 1992-02-27 1993-02-24 徐放性懸濁製剤 Pending JPH05339149A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5035825A JPH05339149A (ja) 1992-02-27 1993-02-24 徐放性懸濁製剤

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4129292 1992-02-27
JP4-41292 1992-02-27
JP5035825A JPH05339149A (ja) 1992-02-27 1993-02-24 徐放性懸濁製剤

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JP (1) JPH05339149A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6207197B1 (en) 1997-05-24 2001-03-27 West Pharmaceutical Services Drug Delivery & Clinical Research Centre Limited Gastroretentive controlled release microspheres for improved drug delivery
JP2005097295A (ja) * 2003-09-01 2005-04-14 Wakunaga Pharmaceut Co Ltd ビタミン安定液剤
EP1693051A1 (en) * 2005-02-17 2006-08-23 The Jordanian Pharmaceutical Manufacturing Co. Composition containing chitosan for sustained drug release
WO2022006946A1 (zh) * 2020-07-08 2022-01-13 江苏四环生物制药有限公司 一种布洛芬药物纤维混悬剂及其制备方法

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