JPH05338553A - トラクタ等のタイロッド調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】トラクタ操向用車輪の伸縮調節可能なタイロッ
ド３の、抜け止めを行う。 【構成】伸縮自在に嵌挿するパイプ１とロッド２とから
なるタイロッド３において、このパイプ１の先端部に
は、直交方向に螺挿する位置決ピン４とストッパピン５
とを設け、該ロッド２の伸縮範囲には、調節位置に該位
置決ピン４の係合される位置決溝６を配設し、このロッ
ド２の先端部には、ストッパピン５の係合しうる抜止ス
トッパー７を設けてなるトラクタ等のタイロッド調節装
置の構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、トラクタ等のタイロ
ッド調節装置に関し、トレッド変更を行うときに伴うタ
イロッド調節の構成として利用できる。

【０００２】

【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】テレ
スコピック形態のタイロッドでは、パイプ部と、これに
嵌挿するロッド部との間を、ねじによる締付けによって
固定しているが、このねじの緩みによって、パイプとロ
ッドとが抜け外れることがある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】この発明は、伸縮自在に
嵌挿するパイプ１とロッド２とからなるタイロッド３に
おいて、このパイプ１の先端部には、直交方向に螺挿す
る位置決ピン４とストッパピン５とを設け、該ロッド２
の伸縮範囲には、調節位置に該位置決ピン４の係合され
る位置決溝６を配設し、このロッド２の先端部には、ス
トッパピン５の係合しうる抜止ストッパー７を設けてな
るトラクタ等のタイロッド調節装置の構成とする。

【０００４】

【作用、及び発明の効果】トラクタの前車輪のトレッド
を広狭に変更するときは、位置決ピン４を一旦抜き外し
て行う。目標の位置決溝６を位置決ピン４の位置に合せ
て、この位置決ピン４を締付けることによって、パイプ
１とロッド２との伸縮が固定される。このような位置決
ピン４が振動や摩耗等によって抜けたり、緩む等によっ
て、パイプ１とロッド２とが左右両端側へ伸び出すよう
に移動したときは、ストッパピン５がロッド２先端の抜
止ストッパー７に係合して、それ以上の伸び出しをなく
して、パイプ１とロッド２との抜け外れを防止できる。

【０００５】

【実施例】図１〜図５において、トラクタ車体８のピボ
ットメタル９に、ピボット軸１０によってフロントアク
スル１１がローリング自在に設けられ、このフロントア
クスル１１の左右両側端に、前車輪１２のキングピン１
３が操向自在に軸装され、車体８中央部のパワーステア
リング１４によってステアリング軸１５回りに左右へ回
動されるドラックアーム１６と、左右の各キングピン１
３上に一体のナックルアーム１７との間を、各々タイロ
ッド３で連結し、ステアリングハンドルの回動操作で、
パワーステアリング１４を介して、ステアリング軸１
５、ドラグアーム１６、タイロッド３、ナックルアーム
１７、及びキングピン１３を経て、左右一対の前車輪１
２が操向される。

【０００６】左右一対のタイロッド３は、ドラックアー
ム１６と連結するパイプ１と、ナックルアーム１７と連
結するロッド２とからなり、パイプ１内にロッド２を摺
動自在に挿通させている。パイプ１のロッド２側の先端
部には、Ｕ字状のホルダ１８，１９を嵌合させて、この
ホルダ１８，１９にパイプ１軸心と直交する方向からス
トッパーピン５、位置決ピン４を挿込み、各々パイプ１
の一部に形成される切欠部２０，２１から、パイプ内部
に臨んで貫通する。２６，２７は締付ナットである。

【０００７】ロッド２側には、該位置決ピン４の係合さ
れる位置決溝６がトレッド調節間隔に対応して予め所定
の間隔位置に形成される。又、該位置決ピン４とストッ
パピン５とは前後に対向する側に配設されるが、ロッド
２のこのストッパピン５側には、該各位置決溝６の配置
範囲に亘って、平坦な面２２を形成し、この平坦面２２
のロッド２先端部には、平坦面を形成しないで丸棒断面
のままに残した形態の抜止ストッパー７を形成し、パイ
プ１とロッド２との摺動伸縮において、該ストッパピン
５が、平坦面２２に対向する部分では、この伸縮が自由
であるが、先端の抜止ストッパー７に係合するとそれよ
り外側への伸出はできない。

【０００８】フロントアクスル１１は、ピボット軸１０
の回りに揺動自在に設けられて、角筒状に構成され、こ
の左右両側部に伸縮移動できるアクスルアーム２３が挿
込まれて支持され、このアクスルアーム２３の外側端に
キングピン１３が回動自在に設けられている。又、これ
らフロントアクスル１１と、両端側のアクスルアーム２
３との間には、所定の間隔にピン孔２４が形成されて、
このピン孔２４にピン２５を挿込むことによって、左右
前車輪１２のトレッド調節を行う構成としている。

【０００９】なお、図４において、車体８であるアクス
ルブラケットの先端には、左右に亘って連結する連結板
２８が設けられ、この連結板２８の前側にループ状のバ
ンパープレート２９がボルト３０によって着脱自在であ
る。図６、図７においては、前記車体８の先端部に、ア
ッパーウエイト３１とアンダーウエイト３２とを、この
車体８及び連結板２８を上下から挾みつけるような形態
として取付できる構成とし、ボルト３３によって固定す
る。又、前記ボルト３０によって、バンパープレート２
９と共締して固定できる。３４はボンネット、３５はエ
ンジンルーム左右両側のサイドカバー、３６はアンダカ
バーである。

【００１０】図８、図９においては、ボンネット３４の
左右両側部におけるサイドカバー３５の着脱を容易化す
るために、このサイドカバー３５の下端縁に支持ピン３
７を下方へ向けて突設し、この支持ピン３７を嵌合させ
て支持するソケット３８をアンダカバー３６に取付けて
いる。各ソケット３８は、上向きの円錐形状のピン孔３
９を形成し、前後方向の軸４０を、該アンダカバー３６
に固定のボス４１に支持させて、ばね４２によって常時
外側へ開くように弾発させている。従って、サイドカバ
ー３５の支持ピン３７を挿込むときは、ソケット３８が
外側へ傾斜して、しかもピン孔３９の上端が拡径である
ために、ピン嵌合が容易である。なお、ぱね４２を設け
ないで、ソケット３８が自重で外側へ傾斜する構成とし
てもよい。４３はサイドカバー３５の上端をボンネット
３４に対して係止する止金具である。

【００１１】図１０、図１１においては、トラクタ後部
のロアリンク４４取付構成の強度を高めるために、ミッ
ションケース４５と、この左右両側のスペーサケース４
６後端部との間に亘って、アングル状のブラケット４７
を取付けて、このブラケット４７にロアリンク４４の前
端部をリンクピン４８で枢支するものである。ミッショ
ンケース４５の左右両側には、後端部を後方へ突出させ
たスペーサケース４６を介在させて、リヤアクスルハウ
ジング４９を一体的に連結し、ミッションケース４５内
のデフ装置から、スペーサケース４６やリヤアクスルハ
ウジング４９内の車軸５７を介して、外側部の後車輪を
駆動する構成としている。５０は動力取出軸である。

【００１２】ブラケット４７は、前側をミッションケー
ス４５の後端面にボルト５１で締付け、横側をスペーサ
ケース４６の内側にボルト５２で締付けて固定し、前記
リンクピン４８は、このブラケット４７と一体で、スペ
ーサケース４６に形成するピン孔５３に嵌合させて支持
する。ロアリンク４４はリンクピン４８回りに回動自在
である。このロアリンク４４やトップリンクの後端に連
結される作業機、例えば耕耘装置は、前記動力取出軸５
０から連動される。５４はリフトアーム、５５は油圧ケ
ース、５６はリフトロッドである。

【図面の簡単な説明】

【図１】タイロッド部の平面図。

【図２】そのストッパピン部の側断面図。

【図３】その位置決ピン部の側断面図。

【図４】トラクタのフロントアクスル部の平面図。

【図５】その正面図。

【図６】バンパープレート部の側断面図。

【図７】その分解斜視図。

【図８】サイドカバー部の分解斜視図。

【図９】その正断面図。

【図１０】ロアリンク部の平面図。

【図１１】その側面図。

【符号の説明】

１ パイプ ２ ロッド ３ タイロッド ４ 位置決ピン ５ ストッパピン ６ 位置決溝 ７ 抜止ストッパー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菰田 祥二 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 城戸 芳彦 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮自在に嵌挿するパイプ１とロッド２
   とからなるタイロッド３において、このパイプ１の先端
   部には、直交方向に螺挿する位置決ピン４とストッパピ
   ン５とを設け、該ロッド２の伸縮範囲には、調節位置に
   該位置決ピン４の係合される位置決溝６を配設し、この
   ロッド２の先端部には、ストッパピン５の係合しうる抜
   止ストッパー７を設けてなるトラクタ等のタイロッド調
   節装置。