JPH05338141A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH05338141A
JPH05338141A JP4177799A JP17779992A JPH05338141A JP H05338141 A JPH05338141 A JP H05338141A JP 4177799 A JP4177799 A JP 4177799A JP 17779992 A JP17779992 A JP 17779992A JP H05338141 A JPH05338141 A JP H05338141A
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JP
Japan
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ink
nozzle
head
vibration
vibrator
Prior art date
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Pending
Application number
JP4177799A
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English (en)
Inventor
Fumito Komatsu
文人 小松
Hiroyasu Shimokawa
博康 下川
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドを振動させる振動体の固有振動数の微
調整を簡単にできるようにする。更には、部品の製造上
の誤差や組立て誤差等に起因する固有振動数の変動を簡
単に調整できるようにする。 【構成】 共有のインクタンク6とこれにそれぞれ連通
してインクの吐出を制御できる複数のノズル8,…,8
を含むヘッド2を搭載する振動手段3に、振動手段3の
振動する領域の長さ方向に取付け位置を変更可能な錘3
2を設け、錘32を振動体のスパン方向にスライドさせ
ることによってこの錘32を含む振動系の重心位置を変
化させ、振動体の実質的な長さを変えて周波数を調整す
るようにしている。したがって、部品にある程度のばら
つきがあっても、振動手段の固有振動数を一致させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱融解性インク(一般
に固形インクとも呼ばれている油性インク)を吐出させ
て印字または画像記録を行うインクジェットヘッドに関
する。更に詳述すると、本発明は、インク吐出をノズル
を含むヘッド全体の振動によって得るインクジェットヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】熱融解性インクを用いる従来のインクジ
ェットヘッドは、一般にピエゾ素子を用いて溶融状態に
あるインクをノズルから吐出させるようにしている。し
かし、各ノズル毎にピエゾ素子を配置するとヘッドの小
型化ができないという問題を有している。
【0003】そこで、これを解決するものとして1つの
大型共有インクタンクと1つの駆動素子・励振素子とで
多数のノズルからインクを吐出させるマルチノズル方式
のインクジェットヘッドが提案されている(特公昭62-4
1112号に開示)。このマルチノズルインクジェット方法
は、図11に示すように、共有のインクタンク101に
複数のノズル102を開口すると共に各ノズル102に
冷却及び加熱手段としてのペルチエ素子103,…,1
03を設け、選択的にペルチエ素子103,…,103
でノズル102を加熱あるいは冷却してインクを吐出さ
せるノズルを選択し所望の文字あるいは画像を記録する
ようにしている。即ち、このインクジェットヘッドは、
共通のインクタンクに融解状態のインクを貯める一方個
々のノズル部分でインクを固め、吐出させるときにのみ
ノズル部分の固まったインクを再び加熱融解するように
している。インク104は共有のインクタンク101内
では常時加熱融解されているが、個々のノズル102部
分における強制冷却によって固化されノズル102を塞
いでしまう。そして、圧電素子あるいは超音波振動子か
ら成る励振素子105によってインクタンク101の壁
を撓ませてインクタンク101内の溶融インク104を
介して選択されたノズル102内のインクを吐出させる
ようにしている。
【0004】しかし、このマルチノズルインクジェット
ヘッドも、ピエゾ素子などによる微小な変位を利用して
インクをノズルから吐出させる技術の応用であって、ノ
ズル位置によって均一の吐出圧力が得られないという問
題を含んでいる。
【0005】そこで、本発明者等は共有のインクタンク
とこれにそれぞれ連通してインクの吐出を制御できる複
数のノズルとを含むヘッドを振動手段に搭載し、選択さ
れたノズル部分の温度制御によってノズル内部で固まっ
たインクを溶融し、振動手段で与えられるインクの慣性
力によって吐出させるインクジェットヘッドを考えた。
このインクジェットヘッド構造の実現には一定の振動数
・振幅の振動が必要不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固有振
動数は振動体の振動する領域の長さ(以下単にスパンと
いう)や質量等によって変わるため、部品のばらつきや
組立て誤差等によって実際には微妙に変化してしまう。
特に複数のヘッドを1つの大形の振動体に搭載して使用
する場合には固有振動が変化し、ヘッド毎にインク吐出
量が微妙に異なってしまう問題がある。このため、加振
装置によって加える周波数の近くに振動体の周波数を合
せることは、大量生産の部品を単純に組合せるだけでは
十分に達成できない問題がある。更に、プリンタ等とし
てインクジェットヘッドを実際に使用している最中にも
同様の微調整を必要とすることから、簡便な調整機構を
備えたインクジェットヘッドが望まれる。
【0007】本発明はヘッドを振動させる振動体の固有
振動数の微調整を簡単にできるインクジェットヘッドを
提供することを目的とする。更に具体的には、部品の製
造上の誤差や組立て誤差等に起因する固有振動数の変動
を簡単に調整できるインクジェットヘッドを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のインクジェットヘッドは、共有のインクタ
ンクとこれにそれぞれ連通してインクの吐出を制御でき
る複数のノズルを含むヘッドを搭載する振動手段に、振
動手段のスパン方向に取付け位置を変更可能な錘を設け
るようにしている。
【0009】また、本発明のインクジェットヘッドにお
いて、錘はねじ対偶によって振動手段に取付けるように
している。
【0010】
【作用】したがって、錘を振動体のスパン方向にスライ
ドさせることによってこの錘を含む振動系の重心位置を
変化させ振動体の実質的な長さを変えて周波数を調整す
る。特に錘をねじ対偶で取付けた場合、ねじを回すこと
によって重心位置を容易に微調整できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0012】図1に本発明のインクジェットヘッドの一
実施例を示す。尚、この実施例のインクジェットヘッド
は複数種のインクを吐出する所謂マルチノズルヘッドで
あるが説明は主に1つのインクジェットヘッドについて
説明する。このインクジェットヘッド1は、インクを貯
留し吐出を制御できる複数のノズルを設けたヘッド2
と、ヘッド2部分を支持して全体を共振によって振動さ
せる振動手段3と、固形インク39sを収容し必要に応
じて溶融するインク導入手段4と、溶融されたインク3
9rを一定量貯留する第1のインクタンク5と、この第
1のインクタンク5とヘッド側の第2のインクタンク6
とを連結するインク供給管7とから主に構成されてい
る。
【0013】ヘッド2は、図7及び図6に示すように、
第2のインクタンク6の底部に複数のインク吐出ノズル
例えば本実施例の場合48個のノズル8,8,…,8を
1組とし、4組がそれぞれ6個を一列として千鳥状に8
列ずつ配置されている。4種類のインクを吐出しようと
する本実施例のインクジェットヘッド1では4組のノズ
ル群を配置しているが1組のノズル群を最少単位として
実施されることはいうまでもない。ノズル8の上方には
溶融状態のインク39rを貯留する第2のインクタンク
6が配置されている。
【0014】ノズル8は吐出口8a側が狭くなるような
テーパー穴で構成され、その周壁面を発熱体9によって
覆われている。この発熱体9は例えば公知の薄膜形成技
術によって形成されたタングステン等の薄膜から成り、
その内側にセラミックなどから成るノズル基材10との
間に断熱材11の層を介在している。各発熱体9には個
別電極12が形成され、任意のノズル8の発熱体9だけ
に通電して加熱させるように設けられている。電極12
はノズル8の穴の周囲をとり囲む円板形に形成されてい
る。更に、ノズル8の吐出口8a側には電極GND(共
通電極)を兼ねる放熱板14が配置されている。この放
熱板14は発熱体9に生ずる熱を放射して急速に冷却さ
せるためものである。放熱板14としては例えば銅など
の導電性、熱伝導性の双方に優れた材質の使用が好まし
い。通常、放熱板14は多数のノズル8,…,8を形成
するノズル基板10の全面(ヘッド全面)を覆いノズル
吐出口8aの周辺のみを開口している。一般に、インク
の吐出力はヘッドの振動における加速度とノズルの開口
面積に依存する。反面、吐出反撥力はインクの表面張力
及びノズル8の形状によって決められる。そして、イン
ク吐出力が吐出反撥力を上回ったときに安定した吐出が
得られる。しかるに、インクジェットヘッドに用いるノ
ズル8はおおよそ直径50μm程度と大変小さな孔であ
るため、ノズル部分の振動のみでは安定したインク吐出
は難しい。しかし、本実施例ではノズル8の上に第2の
インクタンク6を配置することによりノズル8内のイン
クの慣性と第2のインクタンク6内のインクの慣性とに
より十分な吐出力を得るように設けられている。しか
も、ノズル形状を図7の(B)に示すように吐出口8a
に向かうほど漸次径が小さくなるようなテーパー状に形
成してノズル8の上部ほど開口面積を大きく形成してい
るため吐出圧が大きくなる。
【0015】第2のインクタンク6は、ノズル8と共に
ヘッド2を構成するもので、振動手段3によってノズル
8と共に振動する。また、第2のインクタンク6を塞ぐ
蓋部材16には、図示していないが発熱体が設置され、
第2のインクタンク6内のインク39rを一定温度に保
ち固まらないように配慮されている。第2のインクタン
ク6内にはインク39rを保持する保液材17が収容さ
れている。この保液材17は溶融状態にあるインクの自
由運動を抑制して振動による飛び出しを防止すると共に
ノズルの目詰りの原因となる異物を除くフィルターとし
ても機能するものである。これによって、ヘッド2が共
振によって振動しても必要な量のインクだけがノズル8
側に供給され吐出される。保液材17としては特に限定
されるものではないが、フェルトやモルトプレンなどの
使用が好ましい。
【0016】ヘッド2を振動させる振動手段3は、加振
手段29が設けられた第1の振動体20と、ヘッド2が
固定される第2の振動体21とから成り、第1及び第2
の振動体20,21の基端部を固定部材22に連結する
ことによって音叉のような共振現象を起こすように設け
られている。ここで、加振手段29としては、例えば図
4に示すような振動発生用コイル・電磁石が採用されて
おり、これに第1の振動体20の固有振動数とほぼ等し
い周波数の電流を流すことによってこれと対向する第2
の振動体21との間で互いに吸引し合い、かつまたその
弾発力で離れ合うことによって固有振動数にほぼ等しい
強制振動を起こし第1の振動体20と第2の振動体21
とを共振させる。第2の振動体21の先端にはヘッド2
が搭載されており、第1の振動体20と第2の振動体2
1の質量及びスパンがほぼ等しくなるように設計されて
いる。また、第1の振動体20および第2の振動体21
の両端を除く中央部を両端よりも薄肉とし、その薄肉部
分50を撓ませて振動させるようにしている。この場
合、各振動体20,21は薄肉部分50と厚肉部分51
との境界部分52を支点(振動の節となる点)として一
定のスパンLで振動する。また、薄肉部分50と厚肉部
分51との境界部分52は曲面形状とすることによって
急激な板厚の変化による応力集中を生じ難くしている。
また、共振作用を誘起する電磁石29は振動体20,2
1の中心よりもやや外側の均等な位置に配置されてい
る。この状態を図2及び図3に示す。複数の加振手段2
9,29を設置する場合、図3あるいは図5において振
動手段3の右側の振幅と左側の振幅とがばらつく場合、
それぞれの加振手段29に流す電流あるいは電圧の強さ
を同じ周波数のまま変えることによって振幅を調整する
ことができる。尚、本実施例の場合、部品の共用化を図
る上で第1の振動体20と第2の振動体21とは全く同
じ形状に形成されているが、これに特に限定されるもの
ではなく、同じ固有振動数を有するのであればその形状
に一部違いがあっても何ら支障はない。
【0017】第1の振動体20及び第2の振動体21で
はこれらの重心位置を調整するための重心調整手段30
が設けられている。この重心調整手段30は、本実施例
の場合、第1及び第2の振動体20,21に固着された
ブラケット31と、該ブラケット31に対しねじ結合さ
れた錘としてのスクリュー32とから構成されている。
したがって、スクリュー32のねじ込み量を調整するこ
とによって第1及び第2の振動体20,21の重心位置
を容易に調整し得る。この重心調整手段30は、本実施
例の場合、図2及び図3に示すように4組のノズル群を
形成したヘッド2を搭載した振動体20,21の両端に
設けられている。
【0018】ヘッド2側の第2インクタンク6に対し基
端側の第1のインクタンク5側からインクを供給する細
径のパイプから成るインク供給管7としては、例えば銅
などの熱伝導性の良い材質によって構成された逆U字型
のパイプが採用されている。そして、第1のインクタン
ク5のインクの溶融温度を第2のインクタンク6でのイ
ンク溶融温度よりも高い温度に維持し、この温度差と熱
伝導によりインク供給管7が冷えて第2のインクタンク
6にインクが移動する途中で固まらないように設けられ
ている。このインク供給管7は、ヘッド2側の第2のイ
ンクタンク6の蓋部材16に開口されたインク注入口1
8内に挿入されている。インク供給管7とインク注入口
18との間には隙間が形成され、ヘッド2の振動をイン
ク供給管7が阻害しないように設けられている。更に、
インク供給管7内には例えばフェルトやモルトプレン等
の毛細管現象を起こすあるいはそれを助ける材料19が
充填され、第1のインクタンク5内の溶融状態にあるイ
ンク39rをヘッド側の第2のインクタンク6内に毛細
管現象を利用して確実に供給するように設けられてい
る。この毛細管現象を起こすあるいは助けるフェルト1
9は、少なくとも第1のインクタンク5内の保液材24
と繋げられているが、第2のインクタンク6内の保液材
17とは必ずしも繋げられなくとも良い。むしろ、振動
伝達の関係から言えば、フェルト19と第2のインクタ
ンク6内の保液材17とは繋げない方が好ましいもので
あるが、弾力性に富む材料を使用している場合には繋が
っていても特に振動系に悪影響を与えることがない。ま
た、インク供給管7の頂部近傍にはこの部分に溜まる空
気を抜くための穴あるいはスリット(図示省略)があけ
られている。これによって、空気溜りがなくなりインク
供給管7内を充填する液状インクによってサイホンが実
質的に形成され、より確実に第1インクタンク5と第2
インクタンク6との液面高さの一致を可能となる。
【0019】第1のインクタンク5は、支持板15に支
持され、第1及び第2の振動体20,21を連結固定す
る固定部材22に固定されている。この第1のインクタ
ンク5は振動手段3の共振作用とは無関係に静置され、
振動するヘッド2に対し溶融状態にあるインク39rを
安定供給する。この第1のインクタンク5は図2に示す
ように、仕切り壁23によって大小の2つの部屋5a,
5bに部分的に仕切られ、一方の大きな部屋5aには保
液材としてのフェルト24が収容されている。また、小
さな部屋5bにはサーミスタ25が設置され、貯留する
インクの量が減ってインクの外にサーミスタ25が露出
したときにサーミスタ25の抵抗値が変わることを利用
してインク残量を検出するように設けられている。この
サーミスタ25が配置される部屋5bにはフェルト24
は収容されておらずインクだけが溜められている。した
がって、ヘッド2側の第2のインクタンク6にインクが
供給され第1のインクタンク5内のインクが減っていく
と、サーミスタ25の部屋5bのインクがフェルト24
に優先的に吸収されるため、フェルト24に含まれるイ
ンク量が大きく減少する前にその残量変化を示すことが
できる。
【0020】第1のインクタンク5にはインク導入手段
4が連結されている。インク導入手段4は図4に示すよ
うに、棒状の固形インク39sを納めるインク筒26
と、このインク筒26の底部を第1のインクタンク5に
連通させるための供給孔27と、インク筒26の底部を
加熱してインク筒26内の固形インク39sを底部から
溶かす内蔵ヒータ28とから構成されている。ヒータ2
8の駆動は第1のインクタンク5に設置されているサー
ミスタ25によって制御される。即ち、第1のインクタ
ンク5内のインク残量が低下してサーミスタ25がイン
ク39rから露出したとき、そのことをサーミスタ25
の抵抗値の変化によって検出できる。そこでサーミスタ
25の抵抗値の変化を検出してヒータ28を制御し、第
1のインクタンク5内のインク残量が設定値よりも少な
くなったときに、自動的にヒータ28に通電して固形イ
ンク39sを溶かし溶融インク39rを補充するように
設けられている。
【0021】各ノズル8の発熱体9はそれぞれノズル駆
動IC13によって駆動される。ノズル駆動IC13は
第2の振動体21のヘッド2のセラミック基板10上に
搭載されノズル電極12と銅配線12aとワイヤボンデ
ィング13aによって結線されている。尚、本実施例で
は駆動ICの入力端子は共通となっているが、これを個
別に引き出してもよい。この発熱体9の発熱温度は発熱
体9の抵抗値を検出することによって測定される。した
がって、この測定温度をもとに発熱体9への通電を制御
できる。ここで、ノズル8と駆動IC13とは銅配線1
2a・ワイヤボンディング13aにより接続されてい
る。そして、駆動IC13は信頼性を高めるためシリコ
ーンやエポキシ樹脂などの封止材で封止されている。
尚、駆動IC13はインク吐出機能と非動作時のノズル
温度制御機能(予熱機能)の2つの機能を有している。
ここで、前記ノズル温度制御機能は、各ノズル8の発熱
体9をある一定温度に保持しておく機能を指している。
このように発熱体9をある一定温度に予熱しておけば、
僅かな加熱で固まったインクを融解させて吐出すること
ができるので応答性を向上できるし、環境温度の変化に
左右されず安定したインク吐出を可能とする。
【0022】更に前記ノズル温度制御機能について図8
に示す一実施例に基づいて説明する。このノズル温度コ
ントロールは、ノズルコントロール部33とノズルドラ
イバ34と出力コントロール部35と温度検出部36と
比較部37と基準値を出力する基準データ部38とから
構成されている。これらは、例えばICチップによって
形成される。プリンタ本体あるいはコンピュータなどの
制御部から出力されたデータ信号はノズルコントロール
部33に入力され、ノズルドライバ34を駆動し出力コ
ントロール部35に各対応するノズル8の発熱体9を作
動させる出力をコントロールする。この出力コントロー
ルは発熱体9そのものの抵抗の変化を検出して発熱体9
の発熱温度を検出し、これをあらかじめ基準データ部3
8で定められた基準温度値即ち固形インクが溶融する温
度と比較し、通電を持続するか否かを判断した上その比
較結果に基づいてノズルコントロール部33を動作させ
ている。
【0023】以上のように構成されているので、本発明
のインクジェットヘッドは次のようにして作動する。
【0024】まず、ヘッド2に対し振動を与える。これ
は第1振動体20の振動発生用コイル・電磁石29に所
望の周波数の電流を流すことによって第1振動体20及
び第2振動体21を振動させる。例えば、コイル29に
約2000Hzの正弦波を加えると、連結部材22を振
動中立点として第1振動体20及び第2振動体21が音
叉のように共振する。このとき、各振動体20,21の
重心位置が適切でないときにはスクリュー32をまわし
てスパン方向にスライドさせ、固有振動数の微調整を行
なう。第2振動体21の先端に取付けられたヘッド2の
ノズル8も第2振動体21と一体に振動する。しかも、
ノズル8は第2振動体21の共振によって全体が平行移
動するように振動する。この状態のとき、既に第1のイ
ンクタンク5内にインク導入手段4を介して供給された
インク39rは第1のインクタンク5内の保液材のフェ
ルト24によって保持されつつインク供給管7内のフェ
ルト19を介してヘッド2側の第2のインクタンク6に
毛細管現象によって供給されている。そして、第2のイ
ンクタンク6内に貯留されたインク39rは保液材とし
てのフェルト17によって保持されたまま全体に同じ加
速度が加えられて振動する。
【0025】そこで、インクを吐出させたいノズル8を
選択的に駆動IC13で作動させる。ノズル8は通常第
2のインクタンク6から供給された液状インク39rが
固まることによって塞がれているが、発熱体9への通電
によって加熱溶融され、慣性力によって吐出される。発
熱体9はインクを溶融させる温度例えば120℃〜15
0℃の範囲で発熱する。これによって、ノズル8を塞い
でいた固形インクが溶融して前述の振動によって吐出さ
れる。ヘッドが図10に示すように振動しているとする
と、振動の加速度が下向きのときにインクを溶融する
と、振動の加速度方向が上方向へ変わるときにインクが
ノズル8より吐出される。そして、駆動IC13により
印加電圧をオフにすると、ノズル8を形成する発熱体9
の熱は放熱板14により発散し、ノズル吐出口8a付近
は急速に冷却されインクが固化される。即ち、発熱体9
を加熱する前の状態になる。このオフにするタイミング
は冷却に要する時間に左右される。例えば、固化するタ
イミングを振動の加速度が上方向のときに完了するよう
にすると、振動の一周期でインクの吐出と固化が可能に
なる。このため、理論上1秒に周波数回の印字が可能と
なる。そこで、駆動IC13に入力される画像データあ
るいは文字データに基づいてノズル8が選択的に発熱さ
れることにより、選択されたノズル8からのみ溶融イン
クが吐出される。そして、選択されなかったノズル8内
のインクは自然放熱によって冷却され固められている。
また、第1のインクタンク5内の溶融インクの残量が少
なくなると、サーミスタの周辺の溶融インク39rが隣
りの部屋5bの保液材24に吸収されるため、サーミス
タ周辺の溶融インク39rの液面だけが低下しサーミス
タが空気中に露出する。これによって、サーミスタが溶
融インク温度から空気温度まで冷却されるため、その抵
抗値が変化する。これを検知して液面の変化即ちインク
量の減少を検知してヒータ28を駆動させる。そして、
インク筒26に収容されている固形39sを溶かし第1
のインクタンク5内に液状インクとして自動的に補給す
る。これによって、第1のインクタンク5内の保液材2
4に含まれる溶融インクは常に一定量に保つことができ
る。また、第2のインクタンク6にはこの第1のインク
タンク5から毛細管現象及び/またはサイホン現象を利
用してインク吐出によって使用された量の溶融インク3
9rが自動的に補給されるので、第2のインクタンク6
内の溶融状態のインクも一定量に保持される。
【0026】また、各ノズルは駆動IC13により非動
作時にも温度制御が可能である。そこで、ノズル8を形
成する発熱体9の抵抗を測定することによってノズル8
の温度を検知し、これが最適温度即ち固化インクが溶融
する直前の温度まで発熱体9により加熱し、これが達し
たら加熱を中止する動作を繰返すことによって溶融不足
によるインク吐出不良を防ぐ。即ち、印字品質を安定化
する。また、前述の最適温度はインクの種類や色の種類
等によって微妙に異なるためインクの色や種類に応じて
設定予熱温度を変えることが好ましい。
【0027】因みに、ヘッド2の振動数は高くなるほど
印字速度は早くなるが印字ノイズ(印字汚れ)が大きく
なり、振動数が小さいほど印字速度は遅くなるが印字ノ
イズは小さくなる傾向にある。本発明者等の実験による
と、最適振動数はおおよそ2000Hz前後であると考
えられる。また、使用する振動数は共振周波数を使用す
ることが好ましい。
【0028】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では重心を調整する錘としてスク
リュー32を用いているが、これに特に限定されるもの
ではなくスパン方向にスライドできるものであればその
他の機構でも採用可能である。
【0029】また、以上のように構成されたインクジェ
ットヘッドは、1つの共有タンクとしての第2のインク
タンク6に1種類のインクを貯蔵した状態で使用するこ
ともできるし、複数例えば4つのインクを吐出し得るよ
うにしても良い。このようなプリンタを図9に示す。こ
のプリンタは、紙送り用モータ40によって駆動される
プラテン41と印字ヘッド1をプラテン41に沿って軸
方向に移動させる横送りモータ42及びベルト43、ガ
イドロッド44とから構成されている。また、印字ヘッ
ド1と図示していない制御手段とはケーブル45によっ
て繋がれている。印字ヘッド1は、横送りモータ42・
ガイド44などにより横方向の動きが制御できる。一
方、用紙46は紙送りモータ40により縦方向の動きが
制御できる。印字ヘッド1では4つのインク筒26,2
6,26,26に収容された4色のインクが溶融・固化
を繰返し(ヘッドに設置されたICにより制御)フルカ
ラーの出力が行われる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のインクジェットヘッドは、共有のインクタンクとこれ
にそれぞれ連通してインクの吐出を制御できる複数のノ
ズルを含むヘッドを搭載する振動手段に、振動手段のス
パン方向に取付け位置を変更可能な錘を設けるようにし
たので、錘を振動体のスパン方向にスライドさせること
によってこの錘を含む振動系の重心位置を変化させ、振
動体の実質的な長さを変えて周波数を調整することがで
きる。このため、本発明によると、部品にある程度のば
らつきがあっても、振動手段の固有振動数を一致させる
ことができるので、一定の振動数・振幅の振動をヘッド
に与えることができ、安定したインク吐出を可能とす
る。
【0031】また、本発明において、錘としてねじを採
用した場合、ねじを回すことによって簡単に重心位置を
微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの一実
施例を示す側面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの正面図である。
【図4】図2のIV-IV 線断面図である。
【図5】図3のインクジェットヘッドのV−V線断面図
である。
【図6】ノズルの配置図で、(A)は平面図、(B)は
正面図、(C)は1つのノズル群の拡大平面図である。
【図7】インクジェットヘッドのノズル部分の拡大図
で、(A)は平面図、(B)は縦断面図、(C)は底面
図である。
【図8】ノズル温度コントロール部のブロック図であ
る。
【図9】本ヘッドを使用したプリンタの機構図である。
【図10】へッドの振動サイクル図である。
【図11】従来のマルチノズルを示す斜視図である。
【符号の説明】
2 ヘッド 3 振動手段 6 共有のインクタンク(第2のインクタンク) 20 第1の振動体 21 第2の振動体 30 重心調整手段 31 ねじ対偶を構成するブラケット 32 錘たるスクリュー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共有のインクタンクとこれにそれぞれ連
    通してインクの吐出を制御できる複数のノズルを含むヘ
    ッドを搭載する振動手段に、振動手段の振動する領域の
    長さ方向に取付け位置を変更可能な錘を設けたことを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記錘はねじ対偶によって前記振動手段
    に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッド。
JP4177799A 1992-06-12 1992-06-12 インクジェットヘッド Pending JPH05338141A (ja)

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