JPH05338103A - 金属ラミネート用フィルムおよび金属ラミネートフィルム - Google Patents

金属ラミネート用フィルムおよび金属ラミネートフィルム

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JPH05338103A
JPH05338103A JP15344692A JP15344692A JPH05338103A JP H05338103 A JPH05338103 A JP H05338103A JP 15344692 A JP15344692 A JP 15344692A JP 15344692 A JP15344692 A JP 15344692A JP H05338103 A JPH05338103 A JP H05338103A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくともA層およびB層からなるフィルムで
あって、A層およびB層ともに二軸配向されたポリエス
テルからなり、A層およびB層の結晶化度と、B層のA
層側と反対の面の平均表面粗さを特定の範囲としたこと
を特徴とする金属ラミネート用フィルム。 【効果】金属板とのラミネート不良を防ぎ、絞り成形加
工、しごき成形加工による缶状に成形するときにおいて
金属への接着性、延伸追従性と離型性、耐熱性を両立す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属ラミネート用フィル
ムに関するものであり、さらに詳しくは金属板とラミネ
ート時およびラミネート後に絞り成形加工、しごき成形
加工する際において良好な接着性、成形性、滑り性を発
揮する金属ラミネート用ポリエステルフィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料用金属缶の内面および外面の
腐蝕防止には熱硬化性塗料を塗布することが多い。一
方、熱可塑性樹脂フィルムを金属板に加熱ラミネート
し、これを絞り成形加工やしごき成形加工することによ
って缶状に成形することが提案されている。熱可塑性樹
脂フィルムとしてはポリオレフィンフィルム、共重合ポ
リエステルフィルム、接着剤付ポリエステルフィルムな
どが提案されている。また、特公平2−58094には
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを熱ラ
ミネート後急冷することにより金属ラミネート側は無配
向に、反対側には二軸配向を残すというフィルム被覆金
属板の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ンフィルムでは耐熱性、耐食性に劣り、共重合ポリエス
テルフィルムでは絞り成形やしごき成形時にプラグにフ
ィルムが粘着して抜けにくくなり成形速度が上がらず、
接着剤によるラミネートではコストが上昇し、接着剤層
の絞り成形性・しごき成形性にも問題があった。またP
ETフィルムを熱ラミネートする方法ではラミネート温
度を高く設定する必要があるために金属板のダメージ、
特にブリキ板などのメッキ層の損傷が大きく、またPE
T単体ではそれ自体の成形性も不良のため一般の飲料用
缶のような深絞りに対応するうえで大きな問題があっ
た。
【0004】一方、共重合ポリエステルフィルムを用い
て金属板とラミネートする場合には、加熱された金属板
とフィルムとの滑りが悪く、気泡の噛み込みや皺を生じ
ることが多く、それらのラミネート不良が絞り成形やし
ごき成形時にフィルム割れなどの被覆欠陥の原因となっ
ていた。
【0005】本発明はかかるフィルム被覆金属板の絞り
成形やしごき成形において、金属ラミネート用フィルム
と金属板との加熱ラミネート時の適性、特に滑り性を改
良し、さらに成形時の接着性、成形性を良好にする金属
ラミネート用フィルムを提供するすることを目的にする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともA
層およびB層からなるフィルムであって、A層およびB
層ともに二軸配向されたポリエステルからなり、A層の
結晶化度(χA )が25〜50%の範囲であり、B層の
結晶化度(χB )が15〜(χA −5)%の範囲であ
り、B層のA層側と反対の面の平均表面粗さが0.01
〜1.0μmの範囲であることを特徴とする金属ラミネ
ート用フィルムおよびB層のA層側と反対の面に金属板
がラミネートされてなることを特徴とする金属ラミネー
トフィルムに関するものである。
【0007】本発明に用いるポリエステルフィルムにお
けるポリエステルとはジカルボン酸とジオールの重縮合
で得られるもので、ここでジカルボン酸としてはテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの芳香族、脂肪族、脂環族ジカ
ルボン酸が挙げられ、ジオールとしてはエチレングリコ
ール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールな
どが挙げられ、2種以上のジカルボン酸やジオールの共
重合体、あるいは2種以上の重合体の混合物を含む。更
にジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共
重合体も用いられる。
【0008】これらのポリエステルの中では、ポリエチ
レンテレフタレートを主成分とするものが好ましく、5
〜30モル%程度の共重合成分を含むものが好ましい。
共重合成分としては、イソフタル酸、セバシン酸、シク
ロヘキサンジメタノールなどが好ましい。またこれらポ
リエステルの熱特性としては、金属板がラミネートされ
ないA層のポリエステルの融点は210〜280℃が好
ましく、融点が低いとしごき成形でのプラグとの粘着が
生じ、高過ぎるとフィルムを製造するうえで製造条件が
苛酷になるなどの点で好ましくない。金属板がラミネー
トされるB層のポリエステルの融点は170〜250℃
で、かつA層のポリエステルの融点より5〜40℃低い
ことが好ましい。融点が低過ぎると、フィルムを製膜す
る際にA層との積層上のバランスをとるのが難しくな
り、融点が高過ぎると金属板との接着性や成形性に問題
が生じるために好ましくない。しかし、本発明では後述
するように、A層とB層の結晶化度をおのおの特定の範
囲とすることが重要であり、例えば単に融点が低いポリ
マーを用いたとしても結晶化度が非常に高いようなフィ
ルムでは接着性に劣るため好ましくない。
【0009】また本発明の目的を阻害しない範囲で、ポ
リエステルには必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、顔料、帯電防止剤な
どの添加剤を添加してもよい。
【0010】本発明の目的のひとつである、フィルムと
金属板とのラミネートにおける滑りの良さおよびそれに
よる気泡噛み込み、皺の発生などのラミネート不良を防
止することについては、単純にはフィルム表面を粗らし
て滑りをよくすることが考えられるが、これだけでは滑
りを向上させることができず、また成形性その他におい
て種々の問題が生じることを確認し、本発明に達した。
理由は、加熱ラミネートという高温時の滑り性が必要で
あることによる。
【0011】本発明の金属ラミネート用フィルムは少な
くともA層およびB層からなり、金属板がラミネートさ
れないA層は、フィルムと金属板とのラミネート時のに
おいてニップロール等との粘着防止、あるいは絞り成形
やしごき成形時のプラグとの粘着防止の意味を持つ。一
方金属板がラミネートされるB層は金属板との接着(融
着)とフィルムの成形性の確保の役割を持つ。ここから
明らかなように、金属板がラミネートされない層と金属
板がラミネートされる層とでは必要特性が正反対であ
り、2層構成にすることにより容易に要求を満たすこと
が可能となった。
【0012】金属板がラミネートされた後のフィルム
は、耐衝撃性、耐加水分解性などの特性を維持するため
に、二軸配向が残存した状態とすることが必要である。
そのため前述の特公平2−58094などでは、金属板
へのラミネート方法においてこれを達成することが開示
されているが、制御が非常に困難であり、フィルムの厚
さの精度などへの要求も厳しくならざるを得ないが、2
層構成にすることにより容易に配向度ないしは結晶化度
の制御が行なえるようになった。
【0013】本発明においてA層の結晶化度(χA )は
25%〜50%であり、B層の結晶化度(χB )は15
%〜(χA −5)%である。A層の結晶化度が25%よ
り小さい場合成形時に粘着してプラグの抜けが悪くな
り、50%より大きい場合には成形時の応力が大きく割
れ易くなり成形性に問題が生じる。B層の結晶化度が1
5%より小さい場合はほとんど未配向であるためにフィ
ルム機械物性が製造後に体積緩和現象によって経時変化
を生じて好ましくなく、またA層の結晶化度よりも5%
小さい値以下でないと、十分な接着力と絞り成形時の成
形性が得られず好ましくない。さらに、B層の結晶化度
はB層表面の高温下での金属との摩擦係数においても重
要で、結晶化度が低いと金属板とのラミネート時の滑り
性が不良となるため好ましくない。
【0014】本発明の金属ラミネート用フィルムのB層
のA層側と反対の面の平均表面粗さは0.01〜1.0
μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。0.0
1μm未満では金属板とのラミネート時に滑りが悪いた
めに皺が入りやすく、またフィルムと金属板との間に空
気を噛み込みやすいという問題があり、1.0μmより
大きい場合にも空気を噛み込みやすくなるため好ましく
ない。ただし良好なラミネート状態は、B層の結晶化度
が本発明の範囲にあることと組み合わされてはじめて達
成される。結晶化度が低い時には表面粗さが適当であっ
ても粘着による皺などが生じ易く、結晶化度が高過ぎる
時にはフィルム表面が軟化せず金属板表面の凹凸に追従
しないために気泡を噛み込み易くなりラミネート後の成
形時にフィルムの被覆欠陥が起こる。
【0015】本発明の金属ラミネート用フィルムの厚さ
は5〜250μm、使用頻度の高い範囲は10〜50μ
m、さらに好ましくは15〜35μmである。そのうち
金属板がラミネートされないA層は金属板がラミネート
されるB層より薄いことが好ましく、さらに好ましい厚
さ比は1:5よりA層が薄い比率である。B層が厚いと
成形性、特に延伸される金属板に追従してラミネートさ
れたフィルムが伸びやすくなり、また、接着性も向上す
るため好ましい。一方A層は少なくとも5μm程度以上
であることが好ましく、薄過ぎる場合、絞り成形やしご
き成形で延伸される缶側面部において十分な被覆が得ら
れなくなるため好ましくない。
【0016】次に本発明フィルムの製造方法について述
べるがこれに限定されるものではない。
【0017】金属板がラミネートされないA層のポリエ
ステルAと金属板がラミネートされるB層のポリエステ
ルBを別々の押出機によって溶融押出し、これらをフィ
ードブロック方式やマルチマニホールド型の口金によっ
て合流させた後に冷却ドラム上に口金からキャストす
る。冷却固化された未延伸フィルムは長手方向および幅
方向に延伸し、必要に応じて熱処理される。一方向の延
伸倍率は2〜6倍、好ましくは3〜5倍であり、熱処理
はポリマーの種類、融点に応じて適宜選択される。
【0018】以上の製造工程の内特に、フィルム各層の
結晶化度をコントロールするためには、選択したポリエ
ステルの特性に応じて、冷却ドラム温度、延伸条件、熱
処理条件の組み合わせをを適宜選択することが重要であ
る。
【0019】こうして得られたフィルムは必要に応じて
一般のコロナ処理、プラズマ処理、化学的処理など表面
処理を施してもよい。
【0020】本発明の金属ラミネート用フィルムは、絞
り成形やしごき成形によって製造される金属缶の内面お
よび外面被覆用に好適に用いることができる。またツー
ピース缶の蓋部分あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底
の被覆用としても良好な金属接着性、成形性を有するた
め好ましく使用することができる。
【0021】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明の特性
値は以下の測定法による。
【0022】(1)結晶化度 各層から削り出した微細片の密度を密度勾配管によって
測定し、そのポリエステルの非晶状態と結晶状態の密度
から結晶化度を算出する方法で求めた。また、シート断
面を切り出し、シート内各層のレーザーラマン発光法に
より測定された検出強度の半値幅を求め、そのポリエス
テルの非晶状態と結晶状態での半値幅から結晶化度を算
出する方法でも求めた。
【0023】(2)平均表面粗さ DIN4768で規定される触針式表面粗さ計HOMM
EL TESTERT10型で、カットオフ0.25m
mでの中心線平均表面粗さを測定した。
【0024】(3)摩擦係数 80×150mmのサンプルフィルムについて、金属板
がラミネートされるB層の表面と100℃に加熱したク
ロムメッキ鋼板を重ね合わせ、フィルムの上に200g
の荷重を乗せて下側の鋼板を200mm/分の速度で引
っ張った時の張力を荷重200gで割った値を摩擦係数
とした。
【0025】(4)成形性 ポリエステルフィルムと金属板とをラミネートし、プレ
ス成形機(センバ鉄工(株)製、VAS−33P型)で
100kg/cm2 の圧力で成形を行ない、径100m
m、深さ70mmのカップを得た。カップ内面のフィル
ムのクラック発生状態を目視および顕微鏡により観察し
た。
【0026】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0027】実施例1 A層のポリエステルとしてイソフタル酸を10モル%
(酸成分当量に対し)共重合したポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂を、B層のポリエステルとしてイ
ソフタル酸を30モル%(酸成分当量に対し)共重合し
たPET樹脂を用い、おのおの別の押出機で溶融押出
し、複合管で合流後T型口金から40℃に保たれた冷却
ドラム上に押出し冷却して未延伸フィルムを得た。この
時A層のポリエステル、B層のポリエステルおのおのに
は平均粒径0.01μmのシリカ粒子を0.5重量%添
加して溶融押出を行なった。次に未延伸フィルムを90
℃で縦方向に3.3倍、100℃で横方向に3.3倍延
伸した後、熱処理を200℃で5秒間行ない、金属ラミ
ネート用フィルムを得た。フィルム総厚さは30μm、
A層5μm、B層25μmであった。
【0028】得られたフィルムの結晶化度はA層35
%、B層22%、B層の平均表面粗さは0.03μm、
100℃での摩擦係数は2.4であった。
【0029】このフィルムのB層面を0.3mm厚さの
ブリキ板と重ね合わせ、220℃の金属ロールおよびニ
ップロールの間を、線圧20kg/cm、5m/分の速
度で通してラミネートしたところ、皺の発生もなくスム
ーズにラミネートすることができ、また250℃に再加
熱してもフィルムに膨れ等が生ぜず気泡の噛み込みもな
いことが確認された。。
【0030】ラミネート後の金属板を成形テストしたと
ころ、フィルム割れなどなく良好な成形状態であった。
【0031】実施例2 A層のポリエステルとしてイソフタル酸を10モル%
(酸成分当量に対し)共重合したポリエチレンテレフタ
レート(PET)を、B層のポリエステルとしてイソフ
タル酸を12モル%(酸成分当量に対し)とシクロヘキ
サンジメタノールを12モル%(グリコール成分当量に
対し)共重合したPETを用い、実施例1と同様の製膜
条件によって、フィルム総厚さ30μm、A層5μm、
B層25μmの金属ラミネート用フィルムを得た。
【0032】得られたフィルムの結晶化度はA層37
%、B層21%、B層の平均表面粗さは0.04μm、
100℃での摩擦係数は1.9であった。
【0033】このフィルムを実施例1と同様にラミネー
トおよび成形テストを行なったところ、良好なラミネー
ト性と成形性が確認された。
【0034】実施例3 A層のポリエステルとしてセバシン酸を20モル%(酸
成分当量に対し)共重合したポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を、B層のポリエステルとしてイソフタル
酸を15モル%(酸成分当量に対し)共重合したPET
を用い、実施例1と同様の製膜条件によって、フィルム
総厚さ30μm、A層5μm、B層25μmの金属ラミ
ネート用フィルムを得た。
【0035】得られたフィルムの結晶化度はA層34
%、B層27%、B層の平均表面粗さは0.04μm、
100℃での摩擦係数は1.9であった。
【0036】このフィルムを実施例1と同様にラミネー
トおよび成形テストを行なったところ、良好なラミネー
ト性と成形性が確認された。
【0037】比較例1 A層のポリエステルとしてイソフタル酸を20モル%
(酸成分当量に対し)共重合したポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂を、B層のポリエステルBとして
イソフタル酸を25モル%(酸成分当量に対し)共重合
したPETを用い、製膜工程での延伸倍率を縦方向に
2.6倍、横方向に2.8倍とした以外は実施例1と同
様の方法でフィルムを製膜し、さらにラミネート、成形
テストを行なった。
【0038】得られたフィルムの結晶化度はA層15
%、B層13%、B層の平均表面粗さは0.03μm、
100℃での摩擦係数は6.5であった。ラミネートテ
ストではB層表面とブリキ板とが粘着気味で、A層表面
とニップロールとも粘着気味であることと重なって、多
少気泡をラミネート界面に噛み込んだ。次に成形テスト
を行なったところ、気泡噛み込み部分でフィルムの割れ
が確認され、成形用のプラグとも粘着気味で成形性は不
良であった。
【0039】比較例2 シリカ粒子の添加量を0.05重量%とする以外は実施
例1と同様の方法でフィルムを製膜した。得られたフィ
ルムの結晶化度はA層29%、B層20%、B層の平均
表面粗さは0.005μm、100℃での摩擦係数は
5.4であった。ラミネートテストではB層表面とブリ
キ板との滑りが悪く皺が入り易く、また多少気泡をラミ
ネート界面に噛み込んだ。次に成形テストを行なったと
ころ、皺の入ったところや気泡噛み込み部分でフィルム
の割れが確認された。
【0040】比較例3 A層のポリエステルとしてイソフタル酸を5モル%(酸
成分当量に対し)共重合したポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を、B層のポリエステルとしてイソフタル
酸を5モル%(酸成分当量に対し)とシクロヘキサンジ
メタノールを5モル%(グリコール成分当量に対し)共
重合したPET樹脂を用い、実施例1と同様の製膜条件
によって、フィルム総厚さ30μm、A層5μm、B層
25μmの金属ラミネート用フィルムを得た。
【0041】得られたフィルムの結晶化度はA層37
%、B層33%、B層の平均表面粗さは0.05μm、
100℃での摩擦係数は1.6であった。
【0042】このフィルムを実施例1と同様にラミネー
トおよび成形テストを行なったところ、ラミネート性は
良好であったが、成形時に缶側面部のフィルム割れが非
常に多く被覆不良であった。
【0043】比較例4 A層のポリエステル、B層のポリエステルとして実施例
1と同様のポリエステルを用い、製膜工程での熱処理温
度を160℃しとた以外は実施例1と同様の方法でフィ
ルムを製膜し、さらにラミネートおよび成形テストを行
なった。
【0044】得られたフィルムの結晶化度はA層22
%、B層18%、B層の平均表面粗さは0.02μm、
100℃での摩擦係数は4.8であった。
【0045】ラミネートテストではB層表面とブリキ板
とが粘着ぎみで、A層表面とニップロールとも粘着ぎみ
であることと重なって、多少気泡をラミネート界面に噛
み込んだ。次に成形テストを行なったところ、気泡噛み
込み部分でフィルムの割れが確認され、成型用のプラグ
とも粘着ぎみで成型性は不良であった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】金属板がラミネートされないA層の結晶
化度を高い範囲に、金属板がラミネートされるB層の結
晶化度を比較的低い範囲に、かつA層よりB層を低く
し、B層表面の平均表面粗さを特定の範囲とすることに
よって、金属板とのラミネート時における滑り性を改善
してラミネート不良を低減し、金属板との接着性、金属
に追従して延伸される成形性とともに、絞り成形やしご
き成形におけるダイスやポンチとの抜け性、耐熱性を両
立させることが可能となった。
【0048】したがって、本発明の金属ラミネート用フ
ィルムは、飲料用缶容器として用いられる、絞り成形、
しごき成形加工による側面無継目容器に好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともA層およびB層からなるフィ
    ルムであって、A層およびB層ともに二軸配向されたポ
    リエステルからなり、A層の結晶化度(χA )が25〜
    50%の範囲であり、B層の結晶化度(χB )が15〜
    (χA −5)%の範囲であり、B層のA層側と反対の面
    の平均表面粗さが0.01〜1.0μmの範囲であるこ
    とを特徴とする金属ラミネート用フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のB層のA層側と反対の
    面に金属板がラミネートされてなることを特徴とする金
    属ラミネートフィルム。
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