JPH05337095A - 機能性超伝導磁気シールドおよびこれを用いる磁束計 - Google Patents

機能性超伝導磁気シールドおよびこれを用いる磁束計

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JPH05337095A
JPH05337095A JP4151818A JP15181892A JPH05337095A JP H05337095 A JPH05337095 A JP H05337095A JP 4151818 A JP4151818 A JP 4151818A JP 15181892 A JP15181892 A JP 15181892A JP H05337095 A JPH05337095 A JP H05337095A
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Kenichi Okajima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気遮蔽率が1/1000程度の一般的な磁
気シールドルーム内で動作するSQUID磁束計におい
て、検出コイルを不要とし磁束伝達率を向上させ、SQ
UIDに入力する信号磁束を増加させる機能性超伝導磁
気シールドを提供する。 【構成】 平面上、あるいは曲面上の所定の空間を超伝
導体で包囲して形成され、同じ面積を有する二つの空間
をそれぞれ包囲する二つの超伝導包囲体(例えば円環)
11、12を、これをコイルとしてみた場合の巻線方向
が同方向となるように超伝導結線13で結び、全体で1
本の超伝導閉ループをなすように構成する。さらにSQ
UIDリングが直接磁場を検知する、いわゆるダイレク
トカップリング型SQUID磁束計を一方の超伝導包囲
体、例えば12に密着して配置する。 【効果】 ダイレクトカップリング型SQUID磁束計
に入力する信号磁束を従来の50倍程度に増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に生体から発生する
磁場を検出する生体磁気検出装置の磁気雑音を遮蔽する
のに好適な、機能性超伝導磁気シールド、及び機能性超
伝導磁気シールドとSQUID(超伝導量子干渉計)磁
束計を組み合わせた磁束計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の生体磁気検出装置は例えばレビュ
ーオブサイエンテフィックインスツルメンツ53巻12
号、(1982)、1815頁〜1845頁(Rev.Sci.
Instrum.,Vol.53,No.12,1982 pp.1815-1845)に記載さ
れている。この従来例の概略を図6に示す。生体磁場、
特に脳から発生する磁場は地磁気の1億分の1という微
小量である。そこで外乱の磁気雑音を遮蔽するため、生
体磁気検出装置は被検体とともに強磁性体(パーマロ
イ)の磁気シールドルーム200の中に入れられてい
る。パーマロイの磁気シールドルームの磁気遮蔽率、即
ち、外界の磁場に対する内部の磁場の比は一般に用いら
れているもので1/1000程度である。
【0003】生体磁気計測装置の検出器部分であるSQ
UID(超伝導量子干渉計)を利用する磁束計は、一般
に生体信号を検出する微分型の検出コイル21、これを
SQUIDに伝達する入力コイル22、高感度の磁束−
電圧変換素子であるSQUID30、帰還変調コイル2
3及び駆動回路からなる。検出コイル、入力コイル、帰
還変調コイル、SQUIDは超伝導体であり、さらに超
伝導体の磁気シールド100がSQUIDと入力コイ
ル、帰還変調コイル部分を覆っている。
【0004】超伝導体の磁気シールドの役割は外界の磁
気雑音によるSQUIDの誤動作を防ぐことにある。ま
た、微分型検出コイルの役割は、パーマロイの磁気シー
ルドルーム200の中でなお信号磁場の1000倍程度
ある磁気雑音の中から信号を選択的に検出することにあ
る。図6では、微分型検出コイルとして1次微分型検出
コイルを例示している。1次微分型の検出コイルは、互
いに逆向きに巻かれた2つの1ターンのコイルと入力コ
イルが1本の超伝導閉ループをなす構成であり、2つの
1ターンのコイルに加わる磁束の差分だけがSQUID
に伝達する。ここで遠方に磁場源のある雑音磁場は2つ
のコイルに加わる磁束量が等しく、近傍に磁場源のある
生体磁場は2つのコイルに加わる磁束量に差を生じるた
め、信号を選択的に検出することができる。
【0005】上記の従来型の生体磁気検出装置では、入
力コイルと帰還変調コイル、SQUID(点線31の内
部)は磁気結合をよくするため薄膜で一体形成するのが
一般的である。一方検出コイルは石英管にニオブ−チタ
ン線を巻いて構成する方法やフレキシブルな基板上に薄
膜で構成する方法(例えば特開昭122584号)が知
られているが、いずれも入力コイルとの間に超伝導結合
部60を必要とする。また、このような構成のSQUI
D磁束計では微分型検出コイルの検出した磁束とSQU
IDに伝達される磁束の比(磁束伝達率)は一般に0.
01程度に過ぎず、磁束伝達率が小さく感度よく磁気を
検出することができないという問題があった。この問題
を解決するため検出コイルを使用しないダイレクトカッ
プリング型SQUID磁束計も提案されているが(アイ
イーイーイートランザクションズオンマグネティクス2
7巻2号、(1991)、2793頁〜2796頁(IE
EETransactions on Magnetics,Vol.27,No2,1991 pp.279
3-2796))パーマロイの磁気シールドルームに対しては
1/10000〜/100000程度の高い磁気遮蔽率
が要求されるとういう問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、検出コ
イルをもつSQUID磁束計では、検出コイルと入力コ
イルの間に信頼性の高い超伝導結合部が要求され、構成
が複雑である。また、検出コイルの交換にあたっては超
伝導結合部を外して再び接合する必要がある。さらに磁
束伝達効率が0.01程度と非常に小さいという問題も
ある。本発明の目的は磁気遮蔽率1/1000程度のパ
ーマロイの磁気シールド中で動作するSQUID磁束計
において、検出コイルを使用せず、超伝導結合部を無く
すとともに磁束伝達率を向上させた機能性超伝導磁気シ
ールドを提供することにある。特に生体から発生する磁
場を検出する生体磁気検出装置の磁気雑音を遮蔽するの
に好適な、機能性超伝導磁気シールド、及び機能性超伝
導磁気シールドとSQUID(超伝導量子干渉計)磁束
計を組み合わせた磁束計を提供することある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、平面上、あるいは曲面上の予め定められた空間を超
伝導体で包囲して形成され、同じ面積を有する二つの空
間をそれぞれ包囲する二つの超伝導包囲体(例えば円
環)を、これをコイルとしてみた場合の巻線方向が同方
向となるように超伝導結体で結び、全体で1本の超伝導
閉ループをなすようにして機能性超伝導磁気シールドを
構成する。また、SQUIDを超伝導磁気シールドの最
もS/Nの高い位置、例えば一方の円環に密着して配置
する。即ち、機能性超伝導磁気シールドは、平面上、あ
るいは曲面上の所定の空間を超伝導体で包囲して形成さ
れ、同じ面積を有する二つの空間をそれぞれ包囲する二
つの超伝導包囲体と、この二つの超伝導包囲体を連結す
る超伝導連結体からなり、全体で1本の超伝導閉ループ
をなし、雑音磁場を選択的に遮蔽することを特徴とす
る。二つの超伝導包囲体を形成する超伝導体の巻線方向
が等しくなるように超伝導連結体が形成され、二つの超
伝導包囲体の間の距離が超伝導包囲体の最外寸法の3倍
以上にする。機能性超伝導磁気シールドは、超伝導包囲
体が石英管にニオブ−チタン線を巻きつけて形成、ある
いはフレキシブルな基板で形成する。超伝導包囲体が包
囲する空間の形状は円、三角形、少なくとも4辺を有す
る多角形、正多角形とする。
【0008】機能性超伝導磁気シールドにSQUID磁
束計を超伝導包囲体の一方の面に密着して配置し、SQ
UID磁束計の超伝導体からなる磁気検出部の外郭部分
の形状が超伝導包囲体の形状と等しくし、磁気検出部を
なす超伝導体と超伝導包囲体を形成する超伝導体の最短
の距離が、これら超伝導体のいずれかの断面の最大寸法
より小さくする。磁気検出部の外郭部分の超伝導体と超
伝導包囲体を形成する超伝導体とが、外郭部分で連続し
てこれら超伝導体の少なくとも一部分が重なって配置さ
れる。SQUID磁束計は、例えばSQUIDリングを
並列分割した構造を有するダイレクトカップリング型S
QUIDとする。また、機能性超伝導磁気シールドは、
超伝導体が柱状体に沿って巻きつけられながら柱状体の
軸方向に進み形成された螺旋状超伝導体の一方の端と他
方の端が、螺旋状超伝導体の外部で連結され全体で1本
の超伝導閉ループをなし、雑音磁場を選択的に遮蔽する
ことを特徴とする。この機能性超伝導磁気シールドの中
に、SQUIDリングを並列分割した構造を有するダイ
レクトカップリング型SQUID磁束計を、その磁気検
出部を含む平面を螺旋状超伝導体の軸に垂直に1個ある
いは複数個配置する。この柱状体の軸に垂直な断面の形
状は、円、三角形、少なくとも4辺を有する多角形、正
多角形のいずれかとする。
【0009】
【作用】本発明の機能性超伝導磁気シールドを構成する
2つの円環を貫く磁束について以下説明する。磁場源が
遠方にある場合、2つの円環に加わる磁束の量が等しい
ため、マイスナー効果による磁気遮蔽は2つの円環にお
いて等しい。一方、磁場源が近傍にあり、円環までの距
離が2つの円環で各々異なる場合は、2つの円環に加わ
る磁束の量が異なるため、その差の磁束は円環を貫らぬ
くように動作する。一次微分コイルの場合と同様に、遠
方の磁場源は雑音源、近傍の磁場源は信号源と考える
と、機能性超伝導磁気シールドにおいてはシールドの内
部あるいは周囲において、信号磁場と雑音磁場に分布が
生じていることになる。ここで信号磁場の雑音磁場に対
する比の最も高い位置にSQUID磁束計の磁気検出部
を配置すれば信号磁場を選択的に検出することができ
る。このSQUIDの配置は超伝導結合を必要とせず、
信頼性が高い上に脱着が容易である。また検出コイルが
不要のため、磁束伝達率も向上する。要約すれば従来の
超伝導体の磁気シールドが信号磁場、雑音磁場をともに
遮蔽するのに対して、本発明の機能性超伝導磁気シール
ドは雑音磁場を選択的に遮蔽するという機能を有するこ
とに特徴がある。
【0010】
【実施例】本発明による機能性超伝導磁気シールドの一
実施例を図1に示す。2つの円環状超伝導体11、12
が超伝導結線13によって結合され、全体で1本の超伝
導閉ループをなし、機能性超伝導磁気シールド10を形
成している。ここで同方向の磁場に対して流れる電流の
方向は各々の円環で同方向になるように結線されてい
る。図1の実線で示された機能性超伝導磁気シールド1
0の製造方法としては、石英管にニオブ−チタン線を巻
きつけてもよく、またフレキシブルな基板上に成膜して
折り曲げてもよい。図1で点線は円柱であり、2つの円
環状超伝導体11、12は、円柱の中心軸に垂直で断面
積が円柱の断面積に等しく、超伝導結線13は円柱の外
面上にある(図1では、形状の理解をしやすくするた
め、点線と実線の円形部分は意識的に径を変えて示して
ある)。なお、図1では、円形の平面空間を超伝導体が
囲み、二つの超伝導包囲体11、12を形成する。超伝
導包囲体が囲む空間は円形に限らず、予め定められた平
面上、あるいは曲面上の空間を超伝導体で包囲して形成
された同じ面積を有する二つの空間であってもよいこと
は言うまでもない。超伝導包囲体の形状は任意でよく、
例えば、3角形あるいは4、6、8角形等の多角形、正
多角形とする。とくに、多チャンネル磁気計測装置で
は、機能性超伝導磁気シールドとSQUID磁束計を組
み合わせた磁束計を多数、密に配列するために、3、
4、6角形等の正多角形とするのが望ましい。
【0011】また、いうまでもなく本発明の機能性超伝
導磁気シールドは必要に応じて液体ヘリウムまたは液体
窒素などの寒剤に漬けられる。図1に示した機能性超伝
導磁気シールドの円環の1つを被検体に接近させる。こ
こで被検体に近い円環11には雑音磁束An1と信号磁
束As1の和が加わり、被検体から遠い円環12には雑
音磁束An2と信号磁束As2の和が加わるものとす
る。この場合、超伝導磁気シールドのマイスナー効果に
より閉ループに電流が流れ、このループ電流による磁束
と印加磁束の和として、被検体から遠い円環、被検体に
近い円環をそれぞれ貫く磁束は以下のようになる(図1
の上方向を+方向とする。)
【0012】
【数1】 (An1−An2)/2+(As1−As2)/2 −(An1−An2)/2−(As1−As2)/2 ……(数1) (An1−An2)の値は1次微分コイルと同様に円環
11と円環12の面積の差の精度、2つの円環の面方向
の傾きの精度に依存してが決まり、現実的な値としては
通常、(An1−An2)≒An1/1000程度であ
る。極限の場合として、An1=An2、As2=0と
すると
【0013】
【数2】 被検体に近い円環で ;+As1/2 被検体から遠い円環で ;−As1/2 …………(数2) となる。以上の説明のように、本発明の機能性超伝導磁
気シールドを用いると、いずれの円環でも近傍の磁束の
S/Nが1000倍程度向上することがわかる。上記の
動作が十分に行われるためには、一方の円環による磁場
の歪が他方の円環に影響を与えないことが必要である。
このためには2つの円環の距離(1次微分コイルとの対
照から以下ベースラインと称する)が円環の直径の3倍
以上、即ち二つの超伝導包囲体の間の距離が超伝導包囲
体の最外寸法の3倍以上あれば十分である。
【0014】次に本発明による機能性超伝導磁気シール
ドを用いたSQUID磁束計の構成を述べる。SQUI
Dは従来技術で述べたダイレクトカップリング型SQU
ID(図3)を用いるのが適当である。ダイレクトカッ
プリング型SQUIDはいわゆるSQUIDリングが直
接磁場を検知する構造であり、SQUIDリングの自己
インダクタンスが過大になるのを防ぐため、SQUID
リングを並列分割した構造を有する。このダイレクトカ
ップリング型SQUID32を、図2(a)に示すよう
に一方の円環12に密着して配置する。この際、円環1
2を貫く磁束を、可能な限り漏れなく検知するため、図
2(b)の部分拡大断面図に示すように、ダイレクトカ
ップリング型SQUID32の外郭部分の超伝導体33
の内部端位置34または外部端位置35が、円環12の
超伝導体36の内部端位置37と外部端位置38の間に
入るようにする。例えば、本図のようにダイレクトカッ
プリング型SQUID32の磁気検出部の形状が超伝導
包囲体の形状と等しく、ダイレクトカップリング型SQ
UID32の外郭部分の超伝導体33の幅が円環12の
超伝導体36の幅より小さく、ダイレクトカップリング
型SQUID32の外郭部分の超伝導体33は円環12
の超伝導体36の上に重なっていればよい。また、ダイ
レクトカップリング型SQUIDの磁気検出部の外郭部
分の超伝導体と超伝導包囲体を形成する超伝導体とが、
外郭部分で連続してこれら超伝導体の少なくとも一部分
が重なって配置されていればよい。さらに、ダイレクト
カップリング型SQUID32の磁気検出部をなす超伝
導体と超伝導包囲体のをなす超伝導体の間の最短距離
が、ダイレクトカップリング型SQUID32の磁気検
出部をなす超伝導体と超伝導包囲体のをなす超伝導体の
いずれかの断面の最大寸法より小さくなるように密着さ
せる。この構成により、SQUIDリングを貫く磁束の
S/Nは機能性超伝導磁気シールドのない場合に比べて
1000倍程度向上する。そのため本SQUID磁束計
は遮蔽率1/1000程度の一般的なシールドルーム内
で使用可能である。しかもダイレクトカップリング型S
QUIDの磁束伝達率が高いという利点が活かされる。
数1から磁束伝達率は0.5である。
【0015】図2のSQUID磁束計において、本発明
による機能性超伝導磁気シールドは従来の1次微分コイ
ルと同様の役割をはたす。しかし磁気シールドとSQU
ID間には超伝導結合部を必要としない。従来用いられ
ている微分コイルとSQUID間の超伝導接合は一般に
異種金属間接合であり、例えば鉛、ニオブ等の超伝導体
を用いた場合では室温と液体ヘリウム温度間の熱サイク
ルに対して安定であることなど高い信頼性が要求されて
いた。本実施例では、超伝導結合部を必要としないため
装置が単純化され、信頼性が大幅に向上する。また、必
要に応じてベースラインの異なる機能性超伝導磁気シー
ルドに交換する場合も、本発明では超伝導結合部がない
ので、従来のように超伝導結合部を脱着する必要がな
く、簡便であり、さらに信頼性が維持できる。次に本発
明による機能性超伝導磁気シールドを用いた多チャンネ
ル生体磁気計測装置の一実施例を図4に示す。本図では
発明の主要部を拡大して図示している。図2で示したの
と同じ原理のSQUID磁束計が37個、プラスティッ
クの低温槽(デュワ)70内に配置されている。さらに
デュワは被検体とともにパーマロイの磁気シールド20
0に入れられている。本実施例においてはデュワの底面
にダイレクトカップリング型SQUID32が配置され
ておりバイアス電流供給、帰還変調磁束印加の線及び信
号線90はデュワの底面から壁面に沿って室温部につな
がっている。本発明の機能性超伝導磁気シールド10は
底面のダイレクトカップリング型SQUID32の上に
密着して配置する。ここでは対称性をよくするためダイ
レクトカップリング型SQUIDは6角形をしており、
機能性超伝導磁気シールドの形状もこれに合わせ6角柱
である。本図では機能性超伝導磁気シールド10は必要
な数37のうちの一部の配置の様子を示す。本実施例に
よれば生体磁気計測装置において測定対象部位や環境雑
音に応じてベースラインの変更が容易であるという効果
がある。例えば環境雑音に比べて信号量の大きい心臓磁
場の場合測定の場合は、機能性超伝導磁気シールドを取
り外してマグネトメータとして用いる。脳磁場測定にお
いて信号源が深い場合はベースラインの長い機能性超伝
導磁気シールドを用いる。信号源が浅い場合はベースラ
インの短い機能性超伝導磁気シールドを用いる。これら
の変更が超伝導結合部を脱着することなく行うことがで
きる。本実施例においては機能性超伝導磁気シールドと
ダイレクトカップリング型SQUIDの上下を反転して
も機能的に何ら変わりがない。
【0016】機能性超伝導磁気シールドの構造の他の実
施例を図5に示す。螺旋の超伝導線が一本の超伝導閉ル
ープをなし上下端が連結され、全体で1本の超伝導閉ル
ープをなしており、内部で信号磁場と雑音磁場の分布が
ある。この中でS/Nの高い位置にダイレクトカップリ
ング型SQUID32を1個配置する。ここで、ダイレ
クトカップリング型SQUIDの磁気検出部を含む平面
は螺旋の軸に垂直である。図5に示した機能性超伝導磁
気シールドは螺旋の形状であるが、超伝導体が柱状体に
沿って巻きつけられながら柱状体の軸方向に進み形成さ
れた螺旋状超伝導体の一方の端と他方の端が、螺旋状超
伝導体の外部で連結され全体で1本の超伝導閉ループを
なし、この柱状体の軸に垂直な断面の形状は、円、三角
形、少なくとも4辺を有する多角形、正多角形のいずれ
でもよく、さらに断面は任意でよい。本実施例では、S
QUIDを配置する位置を自由に選択できるほか、一つ
の機能性超伝導磁気シールドの中に複数個のSQUID
を配置して複数の点で同時に測定ができるという効果が
ある。また、本実施例の機能性超伝導磁気シールドを複
数用いて、多チャンネル生体磁気計測が可能なことは言
うまでもない。又、本発明による機能性超伝導磁気シー
ルドとダイレクトカップリング型SQUIDを組み合わ
せた磁束計は生体磁気計測のみならず、種々の極微小磁
気の検出にも適用できることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気遮蔽率1/1000程度のパーマロイ磁気シールド
中で動作するSQUID磁束計において、いわゆる検出
コイルが不要となり、同時に超伝導結合部が不要となる
効果がある。このため装置の構成が単純となり、信頼性
は大幅に向上する。また、SQUIDに入力する信号磁
束を従来の50倍程度に増加させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である機能性超伝導磁気シー
ルドを示す斜視図。
【図2】本発明の機能性超伝導磁気シールドを用いたS
QUID磁束計を示す(a)斜視図、(b)円環の円環
のなす面に垂直な方向での部分拡大断面図。
【図3】本発明の機能性超伝導磁気シールドを用いたS
QUID磁束計に適したダイレクトカップリング型SQ
UIDの平面図。
【図4】本発明の機能性超伝導磁気シールドを用いた多
チャンネル生体磁気計測装置の一実施例を示す斜視図。
【図5】本発明の他の実施例である機能性超伝導磁気シ
ールドを示す斜視図。
【図6】従来のSQUID磁束計を示す構成図。
【符号の説明】
10…機能性超伝導磁気シールド、11、12、円環、
13…結線、21…検出コイル、22…入力コイル、2
3…帰還変調コイル、30…SQUID、31…SQU
ID、32…ダイレクトカップリング型SQUID、3
3…ダイレクトカップリング型SQUIDの外郭部分の
超伝導体、34…内部端位置、35…外部端位置、36
…円環の超伝導体、37…内部端位置、38…外部端位
置、60…超伝導結合部、70…低温槽(デュワ)、9
0…バイアス電流供給、帰還変調磁束印加の線及び信号
線、100…従来の超伝導磁気シールド、200…強磁
性磁気シールド。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面上、あるいは曲面上の所定の空間を超
    伝導体で包囲して形成され、同じ面積を有する二つの空
    間をそれぞれ包囲する二つの超伝導包囲体と、この二つ
    の超伝導包囲体を連結する超伝導連結体からなり、全体
    で1本の超伝導閉ループをなし、雑音磁場を選択的に遮
    蔽することを特徴とする機能性超伝導磁気シールド。
  2. 【請求項2】前記二つの超伝導包囲体を形成する超伝導
    体の巻線方向が等しくなるように前記超伝導連結体が形
    成されたことを特徴とする請求項1の機能性超伝導磁気
    シールド。
  3. 【請求項3】前記二つの超伝導包囲体の間の距離が前記
    超伝導包囲体の最外寸法の3倍以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の機能性超伝導磁気シールド。
  4. 【請求項4】前記超伝導包囲体が石英管にニオブ−チタ
    ン線を巻きつけて形成されたことを特徴とする請求項1
    の機能性超伝導磁気シールド。
  5. 【請求項5】前記超伝導包囲体がフレキシブルな基板で
    形成されたことを特徴とする請求項1の機能性超伝導磁
    気シールド。
  6. 【請求項6】前記超伝導包囲体が包囲する空間の形状が
    円であることを特徴とする請求項1の機能性超伝導磁気
    シールド。
  7. 【請求項7】前記超伝導包囲体が包囲する空間の形状が
    三角形であることを特徴とする請求項1の機能性超伝導
    磁気シールド。
  8. 【請求項8】前記超伝導包囲体が包囲する空間の形状が
    少なくとも4辺を有する多角形であることを特徴とする
    請求項1の機能性超伝導磁気シールド。
  9. 【請求項9】前記超伝導包囲体が包囲する空間の形状が
    少なくとも4辺を有する正多角形であることを特徴とす
    る請求項1の機能性超伝導磁気シールド。
  10. 【請求項10】平面上、あるいは曲面上の所定の空間を
    超伝導体で包囲して形成され、同じ面積を有する二つの
    空間をそれぞれ包囲する二つの超伝導包囲体と、この二
    つの超伝導包囲体を連結する超伝導連結体からなり、全
    体で1本の超伝導閉ループをなし前記二つの超伝導包囲
    体を形成する超伝導体の巻線方向が等しくなるように前
    記超伝導連結体が形成され、雑音磁場を選択的に遮蔽す
    ることを特徴とする機能性超伝導磁気シールド。
  11. 【請求項11】平面上、あるいは曲面上の所定の空間を
    超伝導体で包囲して形成され、同じ面積を有する二つの
    空間をそれぞれ包囲する二つの超伝導包囲体と、この二
    つの超伝導包囲体を連結する超伝導連結体からなり、全
    体で1本の超伝導閉ループをなし前記二つの超伝導包囲
    体を形成する超伝導体の巻線方向が等しくなるように前
    記超伝導連結体が形成され、前記二つの超伝導包囲体の
    間の距離が前記超伝導包囲体の最外寸法の3倍以上であ
    り、雑音磁場を選択的に遮蔽することを特徴とする機能
    性超伝導磁気シールド。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の機能性超伝導磁気シー
    ルドにSQUID磁束計を前記超伝導包囲体の一方の面
    に密着して配置したことを特徴とする磁束計。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の磁束計において、前
    記SQUID磁束計の超伝導体からなる磁気検出部の外
    郭部分の形状が前記超伝導包囲体の形状と等しいことを
    特徴とする磁束計。
  14. 【請求項14】請求項12に記載の磁束計において、前
    記磁気検出部をなす超伝導体と前記超伝導包囲体を形成
    する超伝導体の最短の距離が、これら超伝導体のいずれ
    かの断面の最大寸法より小さいことを特徴とする磁束
    計。
  15. 【請求項15】請求項12に記載の磁束計において、前
    記磁気検出部の外郭部分の超伝導体と前記超伝導包囲体
    を形成する超伝導体とが、前記外郭部分で連続してこれ
    ら超伝導体の少なくとも一部分が重なって配置されたこ
    とを特徴とする磁束計。
  16. 【請求項16】請求項12に記載の磁束計において、前
    記SQUID磁束計の超伝導体からなる磁気検出部の外
    郭部分の形状が前記超伝導包囲体の形状と等しく、前記
    磁気検出部をなす超伝導体と前記超伝導包囲体を形成す
    る超伝導体の最短の距離が、これら超伝導体のいずれか
    の断面の最大寸法より小さいことを特徴とする磁束計。
  17. 【請求項17】請求項12に記載の磁束計において、前
    記SQUID磁束計の超伝導体からなる磁気検出部の外
    郭部分の形状が前記超伝導包囲体の形状と等しく、前記
    磁気検出部をなす超伝導体と前記超伝導包囲体を形成す
    る超伝導体の最短の距離が、これら超伝導体のいずれか
    の断面の最大寸法より小さく、かつ前記磁気検出部の外
    郭部分の超伝導体と前記超伝導包囲体を形成する超伝導
    体とが、前記外郭部分で連続してこれら超伝導体の少な
    くとも一部分が重なって配置されたことを特徴とする磁
    束計。
  18. 【請求項18】請求項12に記載の磁束計において、前
    記SQUID磁束計がSQUIDリングを並列分割した
    構造を有するダイレクトカップリング型SQUIDであ
    ることを特徴とする磁束計。
  19. 【請求項19】請求項10に記載の機能性超伝導磁気シ
    ールドにSQUID磁束計を前記超伝導包囲体の一方の
    面に密着して配置したことを特徴とする磁束計。
  20. 【請求項20】請求項11に記載の機能性超伝導磁気シ
    ールドにSQUID磁束計を前記超伝導包囲体の一方の
    面に密着して配置したことを特徴とする磁束計。
  21. 【請求項21】請求項12に記載の磁束計を複数個用い
    て成ることを特徴とする磁気計測装置。
  22. 【請求項22】請求項18に記載の磁束計を複数個用い
    て成ることを特徴とする磁気計測装置。
  23. 【請求項23】請求項19に記載の磁束計を複数個用い
    て成ることを特徴とする磁気計測装置。
  24. 【請求項24】超伝導体が柱状体に沿って巻きつけられ
    ながら柱状体の軸方向に進み形成された螺旋状超伝導体
    の一方の端と他方の端が、螺旋状超伝導体の外部で連結
    され全体で1本の超伝導閉ループをなし、雑音磁場を選
    択的に遮蔽することを特徴とする機能性超伝導磁気シー
    ルド。
  25. 【請求項25】請求項24に記載の機能性超伝導磁気シ
    ールドの中に、SQUIDリングを並列分割した構造を
    有するダイレクトカップリング型SQUID磁束計を、
    その磁気検出部を含む平面を前記螺旋状超伝導体の軸に
    垂直に1個配置したことを特徴とする磁束計。
  26. 【請求項26】前記柱状体の軸に垂直な断面の形状が円
    であることを特徴とする請求項25の機能性超伝導磁気
    シールド。
  27. 【請求項27】前記柱状体の軸に垂直な断面の形状が三
    角形であることを特徴とする請求項25の機能性超伝導
    磁気シールド。
  28. 【請求項28】前記柱状体の軸に垂直な断面の形状が少
    なくとも4辺を有する多角形であることを特徴とする請
    求項25の機能性超伝導磁気シールド。
  29. 【請求項29】前記柱状体の軸に垂直な断面の形状が少
    なくとも4辺を有する正多角形であることを特徴とする
    請求項25の機能性超伝導磁気シールド。
  30. 【請求項30】請求項24に記載の機能性超伝導磁気シ
    ールドの中に、SQUIDリングを並列分割した構造を
    有するダイレクトカップリング型SQUID磁束計を、
    その磁気検出部を含む平面を前記螺旋状超伝導体の軸に
    垂直に複数個配置し、複数の点で同時に磁気を測定する
    ことを特徴とする磁束計。
  31. 【請求項31】請求項25に記載の磁束計を複数個用い
    て成ることを特徴とする磁気計測装置。
  32. 【請求項32】請求項30に記載の磁束計を複数個用い
    て成ることを特徴とする磁気計測装置。
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