JPH05331065A - セロトニン神経系関連疾患治療剤 - Google Patents

セロトニン神経系関連疾患治療剤

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JPH05331065A
JPH05331065A JP4326994A JP32699492A JPH05331065A JP H05331065 A JPH05331065 A JP H05331065A JP 4326994 A JP4326994 A JP 4326994A JP 32699492 A JP32699492 A JP 32699492A JP H05331065 A JPH05331065 A JP H05331065A
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JP
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piperazinyl
quinoxaline
butoxy
chloroform
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Withdrawn
Application number
JP4326994A
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English (en)
Inventor
Masao Yaso
昌夫 八十
Yukio Suzuki
幸男 鈴木
Satoru Saito
哲 斎藤
Daisuke Mochizuki
大介 望月
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I)で表される2−アルコキシキノ
キサリン誘導体またはその無毒性塩を有効成分とするセ
ロトニン神経系関連疾患治療剤。 (式中、nは2〜4の整数を、R1 は水素原子またはメ
チル基を、R2 は置換基を有するフェニル基を示す) 【効果】 化合物(I)およびその塩は、セレトニン1
A受容体に対し強い親和性を示し、抗不安薬、抗うつ
剤、制吐剤(抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等
を含む)等のセロトニン神経系関連疾患治療剤として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−アルコキシキノキ
サリン誘導体を有効成分とする抗不安剤、抗うつ剤、制
吐剤(抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等を含
む)等のセロトニン神経系関連疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】セロトニン1A受容体に親和性を有する
化合物が、抗不安剤、抗うつ剤、制吐剤(抗動揺病剤、
抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等を含む)等として有用なこ
とが知られており、これらの化合物について既に多くの
報告がなされている(日本臨床47巻、1989年増刊
号、第1241−1248頁;J.P.Feighne
v,W.F.Boyer,Psychopatholo
gy,22,21(1989);P.R.Saxen
a,C.M.Villalon,TiPS,11,95
(1990);N.Matsuki et al.,J
pn.J.Pharmacol.Suppl.,58
313(1992)等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既存の化合物
に比べ、より優れた上記の薬理作用を有する化合物を更
に広く検索、見出し、これを提供することが望まれてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の化
合物を合成し、それらの薬理作用について広く検索して
いたところ、下記式(I)で表される2−アルコキシキ
ノキサリン誘導体が優れたセロトニン1Aリセプター親
和性を有することを見出し本発明を完成した。従って、
本発明は、次の一般式(I)
【0005】
【化2】 (式中、nは2〜4の整数を、R1 は水素原子またはメ
チル基を、R2 は置換基有するフェニル基を示す)で表
される2−アルコキシキノキサリン誘導体またはその無
毒性塩を有効成分とするセロトニン神経系関連疾患治療
剤を提供するものである。
【0006】本発明においてセロトニン神経系関連疾患
とは、セロトニン1Aリセプターに高い親和性を有する
薬剤によって治療される疾患を意味し、セロトニン神経
系関連疾患治療剤としては、例えば、抗不安剤、抗うつ
剤、制吐剤(抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等
を含む)等が例示される。
【0007】本発明のセロトニン神経系関連疾患治療剤
の有効成分である2−アルコキシキノキサリン誘導体
(I)は、大部分が新規化合物であるが、一部には公知
化合物が含まれる。例えば前記式(I)中、R1 がメチ
ル、R2 がo−トリルでnが2である化合は特公昭48
−21949号に開示されている公知化合物である。し
かし、特公昭48−21949号は、数多くの化合物を
包含しているにもかかわらず、式(I)の化合物で開示
されているのは上記化合物のみである。更に、特公昭4
−21949号では、当該特許に含まれる数多くの化合
物について、α−交感神経遮断作用を示すとの一般的な
開示はあるものの、実験等の裏付けを持って記載されて
いる化合物はただ1つであり、前記の化合物についてこ
のような作用があるかどうかについては確認されていな
い。
【0008】従って、本発明の化合物(I)が優れたセ
ロトニン1Aリセプター親和性を有することはもとよ
り、これら化合物が抗不安作用、抗うつ作用、制吐剤
(抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等を含む)等
を有することはまったく予想しうるものではなかった。
本発明で用いる化合物(I)は、前記特公昭48−21
949号に開示の方法にしたがって合成できるものもあ
るであろうが、次に示す本発明者らの見出した方法によ
ることがより簡便である。この方法によれば化合物
(I)は、次の式(II)
【0009】
【化3】 (式中、nおよびR1 は前記と同じ意味を示し、Xは脱
離基を示す)で表される化合物と一般式(III)
【0010】
【化4】 (式中、R2 は前記と同じ意味を示す)で表される化合
物を、不活性溶媒中にて反応させることにより製造され
る。
【0011】前記の一般式(II)で表される化合物(以
下、化合物(II)という)は、文献未記載の新規化合物
であり、有用な中間体である。この化合物(II)におい
て、Xは脱離基を示すが、脱離基とは、化合物(III)と
の反応性を高め、脱離しうる基を意味し、例えばフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子のハロゲン原子
や、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオ
キシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアルキル
またはアリールスルホニルオキシ基等が例示される。ま
た、一般式(III)で表される化合物(以下、化合物(II
I)という)は、市販されており、例えば、アルドリッチ
社、東京化成社等より入手可能である。
【0012】化合物(II)と(III)との反応に用いられ
る不活性溶媒としては、反応に悪影響を与えない溶媒で
あれば良く、特に限定されないが、好ましいものとして
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリル、アセトン等が挙げられ
る。また、この反応においては、脱酸剤を存在させるこ
とが好ましく、この脱酸剤としては無機または有機の塩
基が挙げられ、具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム等のアル
カリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩または
水素化物、またはトリエチルアミン、ピリジン等の第3
級アミン等が例示される。
【0013】化合物(II)と化合物(III)は基本的には
当量反応せしめればよいが、通常は化合物(III)を1〜
5当量、特に好ましくは1. 2〜2.0当量用いられ
る。また、脱酸剤は、通常化合物(III)と当量を用いる
ことが好ましい。上記反応は、室温でも進行しうるが、
通常は加熱条件、例えば、溶媒還流条件下にて行うこと
が好ましい。反応時間は、化合物の組合せや反応温度等
により適宜選択し、十分反応が進行したことを確認して
終了すればよいが、通常1時間から数日で反応が完了す
る。溶媒量は適宜の量を選択すればよいが、化合物
(I)の10〜200倍の容量が例示される。出発原料
である化合物(II)は、例えば一般式(IV)
【0014】
【化5】 (式中、R1 は前記と同じ意味を示す)で表される化合
物(以下、化合物(IV)という)と一般式(V)
【0015】
【化6】 (式中、nは前記と同じ意味を示し、Yはハロゲン原
子、X' は水酸基またはハロゲン原子を示す)で表され
る化合物(以下、化合物(V)という)とを不活性溶媒
中にて反応せしめて一般式(VI)
【0016】
【化7】 (式中、n、R1およびX'は前記と同じ意味を示す)で
表される化合物とし、X' が水酸基である場合には、該
水酸基を脱離基Xと変換せしめることにより得られる。
【0017】ここで使用される化合物(IV)は、公知の
化合物であって、例えばアルドリッチ社から市販されて
いる。また、化合物(V)において、基Yと基X' とが
ともにハロゲン原子である場には、基Yと基X' とは同
一のハロゲン原子であっても、また異なっていてもいい
が、基Yは、基X' より高反応性基であることがより好
ましい。具体的に好しい化合物(V)としては、基Yが
臭素で基X' が水酸基または塩素原子、基Yが塩素原子
で基X' が水酸基等の組合せを持つ化合物が例示され
る。これらの化合物は例えば東京化成社等の市販品を有
利に利用できる。
【0018】化合物(IV)と化合物(V)との反応に用
いられる不活性溶媒としては、反応に悪影響を与えない
溶媒であれば特に限定されないが、好ましいものとして
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、アセトン、t−ブチルア
ルコール等が挙げられる。この反応においては、脱酸剤
を存在させることが好ましく、この脱酸剤としては、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水
素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸
塩、水素化物または水酸化物、またはトリエチルアミ
ン、ピリジン等の第3級アミン等の無機または有機の塩
基が挙げられる。
【0019】しかし、本反応においては、目的生成物で
あるカルボニル基の酸素原子への置換体(O−置換体と
いう)と、副反応物である窒素原子への置換体(N−置
換体という)とが条件により種々の比率で生成されるの
で、反応条件への留意が必要である。特に1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下BU
と略することもある)を用いると、O−置換体の生成率
が増加するので好ましい。また、逆に溶媒に水分を添加
すると、N−置換体が多くなるので好ましくない。
【0020】
【化8】
【0021】化合物(IV)と化合物(V)は、基本的に
は当量で反応せしめればよいが、通常は化合物(V)を
1〜10当量、特に好ましくは1〜5当量用いるとよ
い。また脱酸剤は、通常化合物(V)と当量を用いるこ
とが好ましい。上記反応は、室温から加熱条件下にて行
えばよく、例えば50〜120℃が例示される。反応時
間は、化合物の組合せや反応温度等により適宜選択し、
充分反応が進行したことを確認して終了すればよいが、
通常、1時間から1日で反応が完了する。溶媒量は適宜
の量を選択すればよいが、化合物(IV)の10〜200
倍の容量が例示される。
【0022】さらに上記化合物(VI)において、基X'
が水酸基である場合には、該水酸基を脱離基Xへと変換
せしめる反応を行うが、水酸基を前述の脱離基Xへと変
換するには、従来公知の方法を用いればよい。例えば、
水酸基をハロゲン原子と変換するには、チオニルクロラ
イド、五塩化リン等のハロゲン化剤により処理すればよ
く、また水酸基をメタンスルホニルオキシ基、ベンゼン
スルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基
等のアルキルまたはアリールスルホニルオキシ基へと変
換するには、それぞれに対応するアルキルスルホニルク
ロライドまたはアリールスルホニルクロライド、例えば
メタンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニル
クロライド等を用いればよい。
【0023】これらの変換反応は、不活性溶媒、例えば
塩化メチレン、クロロホルム等中にて行なえばよく、ハ
ロゲン化剤は、水酸基を有する出発化合物の1〜1.2
当量程度を使用すればよい。この変換反応は、室温また
はそれより低い温度、例えば氷冷下の条件で、通常1時
間から一夜行なえばよい。溶媒量は適宜の量を選択すれ
ばよいが、好ましくは水酸基を有する出発化合物の5〜
100倍の溶量が例示される。また、本発明の化合物
(I)は、化合物(II)と化合物(III)の反応物中から
精製しても、また、精製しなくともよいが、例えばシリ
カゲルなどの担体を用いるカラムクロマトグラフィーな
どの公知の精製法により精製することが好ましい。
【0024】本発明において、必要に応じて、化合物
(I)はその医薬上許容される非毒性塩とし用いること
ができる。このような塩の例としては、塩酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、酒石
酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、
リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスル
ホン酸などの有機酸との塩などが挙げられる。これらの
塩を本発明化合物(I)から得るには、公知の遊離塩基
から塩を得る方法によって製造することができる。例え
ば、本発明化合物(I)に当量の塩/メタノール溶液を
加え塩酸塩を析出させ、これを回収すればよい。塩が析
出し難い場合には、これにジエチルエーテルなどの有機
溶媒を加えてもよい。
【0025】斯くして得られた化合物(I)およびそれ
らの塩は、後記の通り、セロトニン1Aリセプターに高
い親和性を有し、さらに動物実験によって抗不安作用等
のセロトニン神経系が関与する疾患に作用を有すること
が確認されたので、セロトニン神経系関連疾患治療剤と
なしうるものであるが、このような治療剤を調製するに
は、化合物(I)またはそれらの塩と薬学的に許容され
る医薬担体とを組み合わせ、公知方法により製剤化すれ
ば良い。
【0026】本発明のセロトニン神経系関連疾患治療剤
は、通常経口投与もしくは点滴を含む注射等の非経口投
与すれば良く、その投与量は、投与経路、被投与者の年
齢、体重、症状等によって異なるが、一般には成人1日
あたり、化合物(I)として0.1mg〜200mg/
kg程度とすれば良い。上記製剤化のための剤型として
は、注射剤、点滴剤、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプ
セル剤等が挙げられるが、その製造のためには、これら
の製剤に応じた薬学的に許容される各種医薬担体等を用
いることができる。
【0027】例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの
経口剤の調製に当たっては、澱粉、乳糖、白糖、マンニ
ット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、
無機塩類などの賦形剤、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセル
ロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、マクロゴールなどの結合剤、澱粉、ヒド
ロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロースなどの崩壊剤、ラウリル硫酸ナト
リウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソ
ルベート80などの界面活性剤、タルク、ロウ、水素添
加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤、流動性
促進剤、矯味剤等を用いることができる。また、本発明
の薬剤は、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤
としても使用することができる。
【0028】非経口剤を調製するには、希釈剤として一
般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射
用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどを用いることができる。さらに必要に応じ、殺
菌剤、防腐剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加え
てもよい。
【0029】
【作用】次に、本発明化合物について、その薬理作用を
検討した結果を示す。 1. セロトニン1A(5HT1A)リセプターに対する
親和性 −実験方法− (A)ラット海馬膜画分の調製 SD系雄性ラット(7週令、チャールス・リバー)を断
頭後、すばやく脳を取り出し、これに氷冷下50mMト
リス・塩酸緩衝液(pH7.4)を加えて懸濁し、ホモ
ジネートした。このホモジネートを遠心分離(4800
0g、15分)し、その沈渣を上記緩衝液で再懸濁し
た。内在性のセロトニンを分解するために、この懸濁液
を30℃で20分間保温した後、遠心分離(48000
g、15分)し、その沈渣を海馬膜画分とした。
【0030】(B) 3H−8−ヒドロキシ−ジプロピル
アミノテトラリン( 3H−8−OH−DPAT)結合能
の測定方法 上記で調製したラット海馬膜画分(約100〜200μ
g蛋白質)と 3H−8−OH−DPAT(ニューイング
ランド・ニュークレア社、NEN)(最終濃度0.5n
M)およびパージリン(pargyline、シグマ社
製)(最終濃度10μM)を30℃で30分間反応させ
た後、反応液をワットマンGF/Cフィルターで吸引ろ
過することにより反応を停止させ、フィルターに吸着し
た放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定
し、得られた測定値を総結合量(TB)とした。上記組
成にセロトニン(最終濃度10μM)を加えて同様に反
応させたものの測定値を非特異的結合量(NB)とし
た。セロトニンの代わりに適宜の濃度の各化合物の検体
を加えて反応させ、測定値(DTB)を得た。
【0031】(C)Ki値計算法 ある一定濃度における検体の結合阻害率を次の計算式で
算出した。
【0032】
【数1】 各検体毎に適宜の濃度(高濃度から低濃度まで)におけ
る結合阻害率を求め、横軸に濃度の対数値、縦軸に結合
阻害率をプロットし、非線型最小2乗法にて曲線を引
き、各検体のIC50値(50%結合阻害する濃度)を求
めた。Ki値は次の計算式で算出した。
【0033】
【数2】 〔L〕;実験に用いた放射性リガンド濃度(0.2n
M) Kd;放射性リガンドのリセプターに対する親和性を表
す濃(0.7174nM) IC50;リセプターと放射性リガンドとの結合を50%
阻害する薬物濃度 なお、検体とする各化合物は、予め塩酸塩としたものを
用いた。測定結果は表1の通りである。
【0034】
【表1】
【0035】2. 動物実験(抗うつ作用評価) −実験方法− ICR系雄性マウス(5週令)を用い、水車式強制水泳
法により測定した(参考文献;European Jo
urnal of Pharmacology83
(1982),171−173)。即ち、槽の水面に回
転可能な水車が出ており、マウスが溺れないように水車
に上がろうとしても、水車が回転して登れない構成の実
験装置を用い、この実験装置の水車をマウスが回転させ
る数を測定した。 試験の前日に、マウスをこの実験装
置に投じ、水車回転数の著しく低いまたは高い個体は除
いた。なお、一群を6匹として実験を行った。評価対象
の化合物は、化合物(I)の塩酸塩(10mg/kg)
を、0.5%ルボキシメチルセルロースナトリウム塩
(CMC−Na)に懸濁して使用し、腹腔内投与の場合
には試験の30分前に投与し、経口投与の場合には試験
の60分前に投与した。結果は表2に示す通りである。
【0036】
【表2】 この実験の結果、本目的化合物が抗うつ作用を有するこ
とが確認された。
【0037】3. 動物実験(抗不安作用評価) −実験方法− ウイスター(wistar)系雄性ラット一群6匹を用
い、ウオーター・リック・テスト(water lic
k test)(参考文献;Psycopharmac
ology 104,432−438(1991))を
行った。即ち、金属製の給水チューブが装着されてるボ
ーゲル(vogel)型実験装置であって、その床面は
ステンレススチール製のグリットで出来ていて、金属製
の給水チューブとグリットの間が電気刺激装置に通じて
おり、金属製の給水チューブから水を飲むと、直流通電
をすることにより罰刺激を与えられる構成の実験装置を
用いた。この実験装置に24時間絶水させたラットを入
れ、10分間当たりの罰刺激回数を測定した。なお、使
用するラットは、予めこの試験を行い、その回数に差の
ないように群分けした。評価対象の試験化合物は、その
塩酸塩(10mg/kg)を、0.5%カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)に懸濁して
使用し、試験の30分前に腹腔内投与した。結果は表3
に示す通りである。
【0038】
【表3】 この実験の結果、本目的化合物が抗不安作用を有するこ
とが確認された。
【0039】なお、いずれの化合物(I)もマウス3匹
に50mg/kg腹腔内投与で死亡例を認めず、安全性
の高いことが確認された。
【0040】4.動物実験(抗嘔吐作用評価) −実験方法− 実験動物としてスンクスを使用した。スンクスはトガリ
ネズミ科の小型動物であり、動揺病や嘔吐を起こす動物
として知られている(生体の科学、42、538(19
90))。スンクスは単純な加速度刺激を加えられる
と、人での乗り物酔いに相応する症状(動揺病)を呈
し、最終的に嘔吐を引き起こす。また、シスプラチン等
の薬物を投与すると嘔吐を引き起こすことも知られてい
る。従って、この嘔吐を抑えることができれば、制吐剤
として有力であり、また抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗
めまい剤等としても有用である。スンクスに被検化合物
を腹腔内投与し、その30分後に振幅4cm・頻度1H
zの加速度刺激を与え、嘔吐の発現有無を観察した。そ
の結果は表4に示す通りである。
【0041】
【表4】
【0042】上記の測定結果によれば、生理食塩水投与
群は、100%動揺病を呈し、刺激開始後の5分以内に
嘔吐を引き起こした。ところが、予め本発明化合物
(I)を投与すると嘔吐の発現は、完全に抑制されるこ
とにより、本発明化合物(I)は制吐剤(抗動揺病剤、
抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等を含む)として有用であ
る。
【0043】
【発明の効果】上記の結果の通り、本発明の化合物
(I)およびその塩は、セレトニン1A受容体に対し強
い親和性を示し、抗不安薬、抗うつ剤、制吐剤(抗動揺
病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい剤等を含む)等のセロト
ニン神経系関連疾患治療剤として有用である。
【0044】
【実施例】次に、本発明の目的化合物(I)およびその
塩酸塩、その製造の例とその中間体に関し実施例および
製造例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
【0045】製造例 1 2−(2−ヒドロキシエトキシ)キノキサリンの製造:
2−ヒドロキシキノキサリン14.6g(100m m
olアルドリッチ社製、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン(DBUと略す、アドリッチ
社製)29.9ml(200m mol)とエチレンク
ロロヒドリン(京化成社製)13.4ml(200m
mol)をジメチルホルムアミド(DMと略す)240
mlに溶解し、60℃にて22時間加熱撹拌した。この
反応液を減圧濃縮し得られた残渣をクロロホルムに溶解
し、炭酸カリウム水溶液にて洗浄した。このクロロホル
ム溶液を芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体;ワ
コーゲルC200、300g、溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=300:1)で精製してフラクション
し、Rf=0.4付近(シリカゲルTLC、展開溶媒;
クロロホルム:メタノール=20:1)のフラクション
を集め、表題の化合物(O−置換体)を得た。
【0046】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=300:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.3付近(シリカゲルTLC、展開溶
媒;クロロホルム:メタノール=20:1)のフラクシ
ョンを集め、副生成物のN−置換体である1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−1,2−ジヒドロ−2−オキソキノ
キサリンを得た。
【0047】O−置換体: 収 量;8.34g(43.9%)1 H−NMR(CDCl3 );4.1−4.2(2H,
m)、4.6−4.7(2H,m)、7.4−8.1
(4H,m)、8.54(1H,s) Fab−Mass;191,147 N−置換体: 収 量;6.55g(34.5%)1 H−NMR(CDCl3 );2.25(1H,t,J
=5)、4.0−4.2(2H,m)、4.49(2
H,t,J=6)、7.3−8.0(4H,m)、8.
33(1H,s) Fab−Mass;191,154,136
【0048】製造例 2 2−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルキノキサ
リンの製造:2−ヒドロキシ−3−メチルキノキサリン
8.00g(50m mol、アドリッチ社製)、DB
U15.0ml(100m mol)およびエチレンク
ロヒドリン6.70ml(100m mol)をDMF
120mlに溶解し、0℃にて20時間加熱撹拌した。
この反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をクロロホルム
に溶解し、炭酸カリウム水溶液にて洗浄した。このクロ
ロホルム溶液を、芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(担体;ワコーゲルC200、1Kg、溶出溶媒;クロ
ロホルム:メタノール=300:1)で精製してフラク
ションし、Rf=0.4付近(シリカゲルTLC、展開
溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)のフラク
ションを集め、表題の化合物(O−置換体)を得た。
【0049】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=300:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.3付近(シリカゲルTLC、展開溶
媒;クロロホルム:メタノール=20:1)のフラクシ
ョンを採取して、副生成物のN−置換体である1−(2
−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1,2−ジヒドロ
−2−オキソキノキサリンを得た。
【0050】O−置換体: 収 量;3.28g(32.2%)1 H−NMR(CDCl3);2.67(3H,s)、
3.18(1H,t,J=6)、4.0−4.1(2
H,m)、4.6−4.7(2H,m)、7.4−8.
0(4H,m) Fab−Mass;205,154,136 N−置換体: 収 量;3.46g(33.9%)1 H−NMR(CDCl3 );2.34(1H,t,J
=5)、2.60(3H,s)、4.51(2H,t,
J=6)7.3−7.9(4H,m) Fab−Mass;205
【0051】製造例 3 2−(3−クロロプロポキシ)キノキサリンの製造:2
−ヒドロキシキノキサリン14.60g(100m m
ol)、DBU17.9ml(120m mol)およ
び1−ブロモ−3−クロロプロパン11.ml(120
m mol東京化成社製)をDMF240mlに溶解
し、60℃て3時間加熱撹拌した。この反応液を減圧濃
縮し、得られた残渣をクロロホルムに溶解し、炭酸カリ
ウム水溶液にて洗浄した。このクロロホルム溶液を、芒
硝にて乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(担体;ワコーゲルC
200、1Kg、溶出溶媒;クロロホルム:メタノール
=300:1)で精製してフラクションし、Rf=0.
93〜0.96近(シリカゲルTLC、展開溶媒;クロ
ロホルム:メタノール=20:1)のフラクションを採
取し、表題の化合物(O−置換体)を得た。
【0052】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=500:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.84〜0.88付近(シリカゲルTL
C、開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)の
フラクションを採取して、副生成物のN−置換体である
1−(3−クロロプロピル)−1,2−ジヒドロ−2−
オキソキノキサリンを得た。
【0053】O−置換体: 収量;6.04g(27.1%)1 H−NMR(CDCl3 );2.34(2H,qui
nt,J=6)、3.75(2H,t,J=6)、4.
65(2H,t,J=6)、7.5−8.1(4H,
m)、8.47(1H,s) Fab−Mass;225,223,187 N−置換体: 収量:6.57g(29.5%)1 H−NMR(CDCl3 );2.2−2.4(2H,
m)、3.70(2H,t,J=6)、7.3−8.0
(4H,m)、8.34(1H,s) Fab−Mass;225,223,187,154
【0054】製造例 4 2−(4−クロロブトキシ)キノキサリンの製造:2−
ヒドロキシキノキサリン7.30g(50m mo
l)、DBU8.97ml(60m mol)および1
−ブロモ−4−クロロブタン6.9ml(60m mo
l東京化成社製)をDMF120mlに溶解し、60℃
にて3時間加熱撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、得
られた残渣をクロロホルムに溶解し、炭酸カリウム水溶
液にて洗浄した。このクロロホルム溶液を、芒硝にて乾
燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(担体;ワコーゲルC200、
450g、溶出溶媒;クロロホルム)で精製してフラク
ションし、Rf=0.90〜0.95付近(シリカゲル
TLC、展開溶媒;クロホルム:メタノール=20:
1)のフラクションを採取し、表題の化合物(O−置換
体)を得た。
【0055】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=500:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.83〜0.88の付近(シリカゲルT
LC展開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)
のフラクションを採取して、副生成物としてN−置換体
である1−(4−クロロブチル)−1,2−ジヒドロ−
2−オキソキノキサリンを得た。
【0056】O−置換体: 収量;4.45g(37.6%)1 H−NMR(CDCl3 );1.9−2.3(4H,
m)、3.65(2H,t,J=6)、4.53(2
H,t,J=6)、7.4−8.1(4H,m)、8.
46(1H,s) Mass(Ei);238,236,201 N−置換体: 収量;5.44g(46.0%)1 H−NMR(CDCl3 );1.8−2.1(4H,
m)、3.63(2H,t,J=6)、4.30(2
H,t,J=6)、7.3−8.0(4H,m)、8.
31(1H,s) Mass(EI);238,236,146
【0057】実施例 1 2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
ピペラジニル}エトキシ〕キノキサリンの製造:製造例
1で得られた2−(2−ヒドロキシエトキシ)キノキサ
リン0.96(5.0m mol)をクロロホルム10
mlに溶解し、氷冷下で、塩化チオル0.42mlを滴
下し、一夜撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、粗精製
の−(2−クロロエトキシ)キノキサリンを得た。次い
で、この2−(2−クロロエトキシ)キノキサリンをベ
ンゼン25mlに溶解し、これに2,3−ジメルフェニ
ルピペラジン(アルドリッチ社製)1.90g(10.
0m mol)よびトリエチルアミン2.80ml
(2.0m mol)を加えて24時間、熱還流した。
クロロホルムを加え、希炭酸カリウム水溶液で洗浄し、
水層はさらにクロロホルムで抽出した。このようにして
得たクロロホルム層を芒硝で乾燥した後、減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(担体;ワコーゲルC200、100g、溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=200:1)で精製して表
題の化合物を得た。なお、表題の化合物の塩酸塩は、表
題化合物を5N塩酸−メタノール溶液に溶解し、これに
エーテルを加えて結晶を析出させて得た。
【0058】実施例 2 2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
ピペラジニル}エトキシ〕−3−メチルキノキサリンの
製造:製造例2で得られた2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3−メチルキノキサリン1.13g(5.0m
mol)を塩化エチレン15mlに溶解し、トリルアミ
ン0.70ml(5.0m mol)を加え、氷冷下
で、メタンスルホクロライド0.39ml(5.0m
mol)を滴下し、一夜撹拌した。減圧濃縮して得た残
渣をベンゼン25mlに溶解し、2,3−ジメチルフェ
ニルピペラン1.90g(10.0m mol)および
トリエチルアミン1.4ml(10.0mmol)を加
え、39時間加熱還流した。クロロホルムを加え、希炭
酸リウム水溶液で洗浄し、水層はさらにクロロホルムで
抽出した。クロロホルム層を合わせ、芒硝にて乾燥した
後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(担体;ワコーゲルC200、100
g、溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=200:
1)で精製して表題の化合物を得た。
【0059】実施例 3 2−〔3−{4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラ
ジニル}プロポキシ〕キノキサリンの製造:製造例3で
得られた2−(3−クロロプロポキシ)キノキサリン
0.67g(3.0m mol)をベンゼン20mlに
溶解し、トリエチルアミン0.42(3.0m mo
l)と3−クロロフェニルピペラジン0.59g(3.
0m mol)を加え、120時間加熱還流した。反応
後、クロロホルムを加え、希炭酸カリウム水溶液で洗浄
し、水層はさらにクロロホルムにて抽出した。クロロホ
ルム層を合わせ、芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担
体;ワコーゲルC200、100g、溶出溶媒;クロロ
ホルム:メタノール=200:1)で精製して表題の化
合物を得た。
【0060】実施例 4 2−〔4−{4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
ラジニル}ブトキシ〕キノキサリンの製造:製造例4で
得られた2−(4−クロロブトキシ)キノキサリン2.
37g(10.0m mol)をアセトニトリル50m
lに溶解し、炭酸カリウム2.07g(15.0m m
ol)と2−メトキシフェニルピペラジン3.85g
(20.0m mol)を加え、21時間、加熱還流し
た。反応後、不溶物を濾去し、減圧にて濃縮して得た残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体;ワコ
ーゲルC200、100g、溶出溶媒;クロロホルム:
メタノール=200:1)で精製し、表題の化合物を得
た。
【0061】実施例 5 実施例1ないし4に記載の方法に従い、表5に示す化合
物を得た。またそれらの化合物(遊離塩基)の物性を表
6に示した。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】なお、上記各実施例に含まれる化合物の化
合物名およびその化合物番号は以の通りである。 2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
ピペラジニル}エトキシ〕キノキサリン(化合物番号2
68).2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニ
ル)−1−ピペラジニル}エトキシ〕−3−メチルキノ
キサリン(化合物番号272).2−〔3−{4−(2
−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル}プロポキ
シ〕キノキサリン(化合物番号122).2−〔3−
{4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル}プ
ロポキシ〕キノキサリン(化合物番号190).2−
〔3−{4−(3−メチルフェニル)−1−ピペラジニ
ル}プロポキシ〕−3−メチルキノキサリン(化合物番
号240).2−〔3−{4−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)−1−ピペラジニル}プロポキシ〕キノキ
サリン(化合物番号245).2−〔3−{4−(3−
トリフルオロメチルフェニル)−1−ピペラジニル}プ
ロポキシ〕−3−メチルキノキサリン(化合物番号24
6).
【0065】2−〔4−{4−(2−メトキシフェニ
ル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン(化
合物番号155).2−〔4−{4−(2−メトキシフ
ェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチル
キノキサリン(化合物番号156).2−〔4−{4−
(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキ
シ〕キノキサリン(化合物番号193).2−〔4−
{4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル}ブ
トキシ〕キノキサリン(化合物番号194).2−〔4
−{4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニ
ル}ブトキシ〕キノキサリン(化合物番号195).
【0066】2−〔4−{4−(2−クロロフェニル)
−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノキサ
リン(化合物番号196).2−〔4−{4−(3−ク
ロロフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−
メチルキノキサリン(化合物番号197).2−〔4−
{4−(3−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル}
ブトキシ〕キノキサリン(化合物番号247).2−
〔4−{4−(2−メチルフェニル)−1−ピペラジニ
ル}ブトキシ〕キノキサリン(化合物番号248).2
−〔4−{4−(3−メチルフェニル)−1−ピペラジ
ニル}ブトキシ〕キノキサリン(化合物番号249).
2−〔4−{4−(3−トリフルオロメチルフェニル)
−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン(化合物
番号250).
【0067】2−〔4−{4−(3−メトキシフェニ
ル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノ
キサリン(化合物番号254)2−〔4−{4−(2−
メチルフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3
−メチルキノキサリン(化合物番号255).2−〔4
−{4−(3−メチルフェニル)−1−ピペラジニル}
ブトキシ〕−3−メチルキノキサリン(化合物番号25
6).2−〔4−{4−(2−フルオロフェニル)−1
−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノキサリン
(化合物番号257).2−〔2−{4−(2,3−ジ
メチルフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノ
キサリン(化合物番号283).2−〔2−{4−
(2,3−ジメチルフェニル)−1−ピペラジニル}ブ
トキシ〕−3−メチルキノキサリン(化合物番号28
5).
【0068】製剤例 1 カプセル剤: 下記の成分を1号カプセルに充填してカプセル剤を調製した。 化合物195(2塩酸塩) 20mg ラクトース 90mg 微結晶セルロース 70mg ステアリン酸マグネシウム 10mg ──────────────────────── 計 190mg
【0069】製剤例 2 錠剤: 下記の成分を常法により錠剤化し、錠剤を得た。 化合物122(2塩酸塩) 25mg 乳糖 135mg 結晶セルロース 30mg ステアリン酸マグネシウム 10mg ──────────────────────── 計 200mg
【0070】製剤例 3 注射剤:化合物245(2塩酸塩)1gを注射用蒸留水
50mlに溶解し、0.22μm以下のフィルターを通
した後、バイアルに500μlずつ分注し、凍結乾燥し
て注射剤を得た。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、nは2〜4の整数を、R1 は水素原子またはメ
チル基を、R2 は置換基有するフェニル基を示す)で
表される2−アルコキシキノキサリン誘導体またはその
無毒性塩を有効成分とするセロトニン神経系関連疾患治
療剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【化2】 (式中、nは2〜4の整数を、R1 は水素原子またはメ
チル基を、R2 は置換基有するフェニル基を示す)で
表される2−アルコキシキノキサリン誘導体またはその
無毒性塩を有効成分とするセロトニン神経系関連疾患治
療剤を提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明のセロトニン神経系関連疾患治療剤
の有効成分である2−アルコキシキノキサリン誘導体
(I)は、大部分が新規化合物であるが、一部には公知
化合物が含まれる。例えば前記式(I)中、R1 がメチ
ル、R2 がo−トリルでnが2である化合は特公昭4
8−21949号に開示されている公知化合物である。
しかし、特公昭48−21949号は、数多くの化合物
を包含しているにもかかわらず、式(I)の化合物で開
示されているのは上記化合物のみである。更に、特公昭
−21949号では、当該特許に含まれる数多くの
化合物について、α−交感神経遮断作用を示すとの一般
的な開示はあるものの、実験等の裏付けを持って記載さ
れている化合物はただ1つであり、前記の化合物につい
てこのような作用があるかどうかについては確認されて
いない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】従って、本発明の化合物(I)が優れたセ
ロトニン1Aリセプター親和性を有することはもとよ
り、これら化合物が抗不安作用、抗うつ作用、制吐作用
(抗動揺病作用、抗宇宙酔い作用、抗めまい作用等を含
む)等を有することはまったく予想しうるものではなか
った。本発明で用いる化合物(I)は、前記特公昭48
−21949号に開示の方法にしたがって合成できるも
のもあるであろうが、次に示す本発明者らの見出した方
法によることがより簡便である。この方法によれば化合
物(I)は、次の式(II)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】ここで使用される化合物(IV)は、公知の
化合物であって、例えばアルドリッチ社から市販されて
いる。、化合物(V)において、基Yと基X' とがと
もにハロゲン原子である場には、基Yと基X' とは同一
のハロゲン原子であっても、また異なっていてもいい
が、基Yは、基X' より高反応性基であることがより好
ましい。具体的に好しい化合物(V)としては、基Y
が臭素で基X' が水酸基または塩素原子、基Yが塩素原
子で基X' が水酸基等の組合せを持つ化合物が例示され
る。これらの化合物は例えば東京化成社等の市販品を有
利に利用できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】しかし、本反応においては、目的生成物で
あるカルボニル基の酸素原子への置換体(O−置換体と
いう)と、副反応物である窒素原子への置換体(N−置
換体という)とが条件により種々の比率で生成されるの
で、反応条件への留意が必要である。特に1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下
Uと略することもある)を用いると、O−置換体の生成
率が増加するので好ましい。また、逆に溶媒に水分を添
加すると、N−置換体が多くなるので好ましくない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】これらの変換反応は、不活性溶媒、例えば
塩化メチレン、クロロホルム等中にて行なえばよく、ハ
ロゲン化剤は、水酸基を有する出発化合物の1〜1.2
当量程度を使用すればよい。この変換反応は、室温また
はそれより低い温度、例えば氷冷下の条件で、通常1時
間から一夜行なえばよい。溶媒量は適宜の量を選択すれ
ばよいが、好ましくは水酸基を有する出発化合物の5〜
100倍の量が例示される。また、本発明の化合物
(I)は、化合物(II)と化合物(III)の反応物中から
精製しても、また、精製しなくともよいが、例えばシリ
カゲルなどの担体を用いるカラムクロマトグラフィーな
どの公知の精製法により精製することが好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明において、必要に応じて、化合物
(I)はその医薬上許容される非毒性塩とし用いること
ができる。このような塩の例としては、塩酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、酒石
酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、
リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスル
ホン酸などの有機酸との塩などが挙げられる。これらの
塩を本発明化合物(I)から得るには、公知の遊離塩基
から塩を得る方法によって製造することができる。例え
ば、本発明化合物(I)に当量の塩/メタノール溶液
を加え塩酸塩を析出させ、これを回収すればよい。塩が
析出し難い場合には、これにジエチルエーテルなどの有
機溶媒を加えてもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【数2】 〔L〕;実験に用いた放射性リガンド濃度(0.2n
M) Kd;放射性リガンドのリセプターに対する親和性を表
す濃(0.7174nM) IC50;リセプターと放射性リガンドとの結合を50%
阻害する薬物濃度なお、検体とする各化合物は、予め塩
酸塩としたものを用いた。測定結果は表1の通りであ
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】2. 動物実験(抗うつ作用評価) −実験方法− ICR系雄性マウス(5週令)を用い、水車式強制水泳
法により測定した(参考文献;European Jo
urnal of Pharmacology83
(1982),171−173)。即ち、槽の水面に回
転可能な水車が出ており、マウスが溺れないように水車
に上がろうとしても、水車が回転して登れない構成の実
験装置を用い、この実験装置の水車をマウスが回転させ
る数を測定した。 試験の前日に、マウスをこの実験装
置に投じ、水車回転数の著しく低いまたは高い個体は除
いた。なお、一群を6匹として実験を行った。評価対象
の化合物は、化合物(I)の塩酸塩(10mg/kg)
を、0.5%ルボキシメチルセルロースナトリウム塩
(CMC−Na)に懸濁して使用し、腹腔内投与の場合
には試験の30分前に投与し、経口投与の場合には試験
の60分前に投与した。結果は表2に示す通りである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】製造例 1 2−(2−ヒドロキシエトキシ)キノキサリンの製造:
2−ヒドロキシキノキサリン14.6g(100m m
olアルドリッチ社製、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン(DBUと略す、アド
リッチ社製)29.9ml(200m mol)とエチ
レンクロロヒドリン(京化成社製)13.4ml(20
0m mol)をジメチルホルムアミド(DMと略
す)240mlに溶解し、60℃にて22時間加熱撹拌
した。この反応液を減圧濃縮し得られた残渣をクロロホ
ルムに溶解し、炭酸カリウム水溶液にて洗浄した。この
クロロホルム溶液を芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(担体;ワコーゲルC200、300g、溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=300:1)で精製してフ
ラクションし、Rf=0.4付近(シリカゲルTLC、
展開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)のフ
ラクションを集め、表題の化合物(O−置換体)を得
た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】製造例 2 2−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルキノキサ
リンの製造:2−ヒドロキシ−3−メチルキノキサリン
8.00g(50m mol、アドリッチ社製)、D
BU15.0ml(100m mol)およびエチレン
クロヒドリン6.70ml(100m mol)をDM
F120mlに溶解し、0℃にて20時間加熱撹拌し
た。この反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をクロロホ
ルムに溶解し、炭酸カリウム水溶液にて洗浄した。この
クロロホルム溶液を、芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(担体;ワコーゲルC200、1Kg、溶出溶媒;ク
ロロホルム:メタノール=300:1)で精製してフラ
クションし、Rf=0.4付近(シリカゲルTLC、展
開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)のフラ
クションを集め、表題の化合物(O−置換体)を得た。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】O−置換体: 収 量;3.28g(32.2%)1 H−NMR(CDCl3);2.67(3H,s)、
3.18(1H,t,J=6)、4.0−4.1(2
H,m)、4.6−4.7(2H,m)、7.4−8.
0(4H,m) Fab−Mass;205,154,136 N−置換体: 収 量;3.46g(33.9%)1 H−NMR(CDCl3 );2.34(1H,t,J
=5)、2.60(3H,s)、4.0−4.2(2
H,m)、4.51(2H,t,J=6)7.3−
7.9(4H,m) Fab−Mass;205
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】製造例 3 2−(3−クロロプロポキシ)キノキサリンの製造:2
−ヒドロキシキノキサリン14.60g(100m m
ol)、DBU17.9ml(120m mol)およ
び1−ブロモ−3−クロロプロパン11.8ml(12
0m mol東京化成社製)をDMF240mlに溶解
し、60℃て3時間加熱撹拌した。この反応液を減圧濃
縮し、得られた残渣をクロロホルムに溶解し、炭酸カリ
ウム水溶液にて洗浄した。このクロロホルム溶液を、芒
硝にて乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(担体;ワコーゲルC
200、1Kg、溶出溶媒;クロロホルム:メタノール
=300:1)で精製してフラクションし、Rf=0.
93〜0.96近(シリカゲルTLC、展開溶媒;クロ
ロホルム:メタノール=20:1)のフラクションを採
取し、表題の化合物(O−置換体)を得た。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=500:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.84〜0.88付近(シリカゲルTL
C、開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)
のフラクションを採取して、副生成物のN−置換体であ
る1−(3−クロロプロピル)−1,2−ジヒドロ−2
−オキソキノキサリンを得た。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】O−置換体: 収量;6.04g(27.1%)1 H−NMR(CDCl3 );2.34(2H,qui
nt,J=6)、3.75(2H,t,J=6)、4.
65(2H,t,J=6)、7.5−8.1(4H,
m)、8.47(1H,s) Fab−Mass;225,223,187 N−置換体: 収量:6.57g(29.5%)1 H−NMR(CDCl3 );2.2−2.4(2H,
m)、3.70(2H,t,J=6)、4.43(2
H,t,J=6)、7.3−8.0(4H,m)、8.
34(1H,s) Fab−Mass;225,223,187,154
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】製造例 4 2−(4−クロロブトキシ)キノキサリンの製造:2−
ヒドロキシキノキサリン7.30g(50m mo
l)、DBU8.97ml(60m mol)および1
−ブロモ−4−クロロブタン6.9ml(60m mo
l東京化成社製)をDMF120mlに溶解し、60℃
にて3時間加熱撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、得
られた残渣をクロロホルムに溶解し、炭酸カリウム水溶
液にて洗浄した。このクロロホルム溶液を、芒硝にて乾
燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(担体;ワコーゲルC200、
450g、溶出溶媒;クロロホルム)で精製してフラク
ションし、Rf=0.90〜0.95付近(シリカゲル
TLC、展開溶媒;クロホルム:メタノール=20:
1)のフラクションを採取し、表題の化合物(O−置換
体)を得た。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】また前記のカラムを溶出溶媒;クロロホル
ム:メタノール=500:1にて溶出してフラクッショ
ンし、Rf=0.83〜0.88の付近(シリカゲルT
LC展開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:
1)のフラクションを採取して、副生成物としてN−置
換体である1−(4−クロロブチル)−1,2−ジヒド
ロ−2−オキソキノキサリンを得た。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例 1 2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
ピペラジニル}エトキシ〕キノキサリンの製造:製造例
1で得られた2−(2−ヒドロキシエトキシ)キノキサ
リン0.96(5.0m mol)をクロロホルム1
0mlに溶解し、氷冷下で、塩化チオル0.42ml
を滴下し、一夜撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、粗
精製の−(2−クロロエトキシ)キノキサリンを得た。
次いで、この2−(2−クロロエトキシ)キノキサリン
をベンゼン25mlに溶解し、これに2,3−ジメルフ
ェニルピペラジン(アルドリッチ社製)1.90g(1
0.0m mol)よびトリエチルアミン2.80ml
20m mol)を加えて24時間、熱還流した。
クロロホルムを加え、希炭酸カリウム水溶液で洗浄し、
水層はさらにクロロホルムで抽出した。このようにして
得たクロロホルム層を芒硝で乾燥した後、減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(担体;ワコーゲルC200、100g、溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=200:1)で精製して表
題の化合物を得た。なお、表題の化合物の塩酸塩は、表
題化合物を5N塩酸−メタノール溶液に溶解し、これに
エーテルを加えて結晶を析出させて得た。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】実施例 2 2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
ピペラジニル}エトキシ〕−3−メチルキノキサリンの
製造:製造例2で得られた2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3−メチルキノキサリン1.02g(5.0m
mol)を塩化チレン15mlに溶解し、トリエチ
アミン0.70ml(5.0m mol)を加え、氷冷
下で、メタンスルホニルクロライド0.39ml(5.
0m mol)を滴下し、一夜撹拌した。減圧濃縮して
得た残渣をベンゼン25mlに溶解し、2,3−ジメチ
ルフェニルピペラン1.90g(10.0m mol)
およびトリエチルアミン1.4ml(10.0mmo
l)を加え、39時間加熱還流した。クロロホルムを加
え、希炭酸リウム水溶液で洗浄し、水層はさらにクロ
ロホルムで抽出した。クロロホルム層を合わせ、芒硝に
て乾燥した後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(担体;ワコーゲルC20
0、100g、溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=
200:1)で精製して表題の化合物を得た。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】実施例 3 2−〔3−{4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラ
ジニル}プロポキシ〕キノキサリンの製造:製造例3で
得られた2−(3−クロロプロポキシ)キノキサリン
0.67g(3.0m mol)をベンゼン20mlに
溶解し、トリエチルアミン0.42ml(3.0m m
ol)と3−クロロフェニルピペラジン0.59g
(3.0mmol)を加え、120時間加熱還流した。
反応後、クロロホルムを加え、希炭酸カリウム水溶液で
洗浄し、水層はさらにクロロホルムにて抽出した。クロ
ロホルム層を合わせ、芒硝にて乾燥した後、減圧濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(担体;ワコーゲルC200、100g、溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=200:1)で精製して表
題の化合物を得た。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【表5】
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 241/44 8615−4C (72)発明者 望月 大介 静岡県田方郡大仁町三福632番地の1 旭 化成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、nは2〜4の整数を、R1 は水素原子またはメ
    チル基を、R2 は置換基有するフェニル基を示す)で表
    される2−アルコキシキノキサリン誘導体またはその無
    毒性塩を有効成分とするセロトニン神経系関連疾患治療
    剤。
  2. 【請求項2】 抗不安剤である請求項1記載のセロトニ
    ン神経系関連疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 抗うつ剤である請求項1記載のセロトニ
    ン神経系関連疾患治療剤。
  4. 【請求項4】 制吐剤である請求項1記載のセロトニン
    神経系関連疾患治療剤。
  5. 【請求項5】 2−アルコキシキノキサリン誘導体が、
    2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−
    ピペラジニル}エトキシ〕キノキサリン、2−〔2−
    {4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−ピペラジニ
    ル}エトキシ〕−3−メチルキノキサリン、2−〔3−
    {4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル}
    プロポキシ〕キノキサリン、2−〔3−{4−(3−ク
    ロロフェニル)−1−ピペラジニル}プロポキシ〕キノ
    キサリン、2−〔3−{4−(3−メチルフェニル)−
    1−ピペラジニル}プロポキシ〕−3−メチルキノキサ
    リン、2−〔3−{4−(3−トリフルオロメチルフェ
    ニル)−1−ピペラジニル}プロポキシ〕キノキサリ
    ン、2−〔3−{4−(3−トリフルオロメチルフェニ
    ル)−1−ピペラジニル}プロポキシ〕−3−メチルキ
    ノキサリン、2−〔4−{4−(2−メトキシフェニ
    ル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン、2
    −〔4−{4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラ
    ジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノキサリン、2−
    〔4−{4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニ
    ル}ブトキシ〕キノキサリン、2−〔4−{4−(3−
    クロロフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノ
    キサリン、2−〔4−{4−(2−フルオロフェニル)
    −1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン、2−
    〔4−{4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニ
    ル}ブトキシ〕−3−メチルキノキサリン、2−〔4−
    {4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル}ブ
    トキシ〕−3−メチルキノキサリン、2−〔4−{4−
    (3−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキ
    シ〕キノキサリン、2−〔4−{4−(2−メチルフェ
    ニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン、
    2−〔4−{4−(3−メチルフェニル)−1−ピペラ
    ジニル}ブトキシ〕キノキサリン、2−〔4−{4−
    (3−トリフルオロメチルフェニル)−1−ピペラジニ
    ル}ブトキシ〕キノキサリン、2−〔4−{4−(3−
    メトキシフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−
    3−メチルキノキサリン、2−〔4−{4−(2−メチ
    ルフェニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メ
    チルキノキサリン、2−〔4−{4−(3−メチルフェ
    ニル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキ
    ノキサリン、2−〔4−{4−(2−フルオロフェニ
    ル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノ
    キサリン、2−〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニ
    ル)−1−ピペラジニル}ブトキシ〕キノキサリン、2
    −〔2−{4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−ピ
    ペラジニル}ブトキシ〕−3−メチルキノキサリンおよ
    びそれらの無毒性塩から選ばれたものである請求項1か
    ら4のいずれかに記載のセロトニン神経系関連疾患治療
    剤。
JP4326994A 1991-12-20 1992-12-07 セロトニン神経系関連疾患治療剤 Withdrawn JPH05331065A (ja)

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JP35430191 1991-12-20
JP3-354301 1991-12-20
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100889839B1 (ko) * 2007-09-21 2009-03-20 한국화학연구원 신규 2-치환아미노알킬레닐옥시-3-치환페닐에티닐 퀴녹살린유도체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100889839B1 (ko) * 2007-09-21 2009-03-20 한국화학연구원 신규 2-치환아미노알킬레닐옥시-3-치환페닐에티닐 퀴녹살린유도체

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