JPH05330553A - 特殊λ形鋼およびこれを用いた入れ子式ラック - Google Patents

特殊λ形鋼およびこれを用いた入れ子式ラック

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JPH05330553A
JPH05330553A JP4137280A JP13728092A JPH05330553A JP H05330553 A JPH05330553 A JP H05330553A JP 4137280 A JP4137280 A JP 4137280A JP 13728092 A JP13728092 A JP 13728092A JP H05330553 A JPH05330553 A JP H05330553A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】断面性能と積み重ね性の良い特殊山形鋼と、こ
れを用いた入れ子方式ラックの提供。 【構成】(1) 図1(a) に示す断面形状において、二辺
(1、1)のなす角(2θ)が35°〜60゜であり、各辺
の連結部の外側には二辺の対称軸(Z)に直角な直線部
(2)を有し、解放端からこの直線部までの高さHと、
解放端から二辺の外側直線の延長線の交点までの高さH
1 との比(H/H1)が 0.5〜0.9 であって、各辺の解放
端の外側に膨らみ部(3)を有する特殊Λ形鋼。 (2) 上記の特殊Λ形鋼を柱材として用いたネスティング
効率の良い入れ子式ラック。更に上下のレール材も上記
の特殊Λ形鋼にすれば、積み重ねの効率と安定性も高ま
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、横断面形状が特殊な
形状〔Λ(ラムダ) 形〕を有する形鋼およびこれを構造
部材とする入れ子式のラックに関する。
【0002】
【従来の技術】形鋼の中で最も一般的なものは、図2
(a) に示すような等辺山形鋼である。標準型の等辺山形
鋼は、同図に示す断面二次半径を持っている。即ち、等
辺山形鋼の断面二次半径は偏平な楕円形であり、短軸
(弱軸)と長軸(強軸)の長さが大きく異なる。このよ
うに強軸と弱軸の強度差が大きいために、圧縮または曲
げ応力を受ける構造部材として山形鋼を単体で使用する
には制約が多い。
【0003】表1は、一例として各辺の肉厚(T)が5
mmで、各辺の長さ(L)が65mmの山形鋼(イ)と、これ
と同程度の許容圧縮力(安全率を見込んだ設計許容圧縮
力)を有する等辺角管(以下、単に「角管」という)
(ロ)、および後に詳しく説明する本発明の特殊Λ形鋼
(ハ、ニ)の断面性状の計算値を示す。また、図3に上
記の山形鋼(イ)、角管(ロ)および特殊Λ形鋼(ハ)
の断面形状と、それらの断面二次半径を対比して示す。
【0004】表1に示すように、等辺山形鋼(イ)の断
面二次半径は最大(iu ) で 2.51cm、最小 (iv ) で
1.28cmである。この最大値に対する最小値の比、即ちi
v /iu を「強弱比」と定義すれば、等辺山形鋼の強弱
比は 0.510である。表に示すように、断面二次モーメン
トも最大値(Iu ) と最小値(Iv ) とに大きな差があ
る。一方、角管には上記の強弱軸がない。言い換えれば
強弱比は1である。図3で見れば角管(ロ9の断面二次
半径(二点鎖線)は真円である。これらの鋼材を構造物
の柱材として用いる場合には、弱軸を基準にして設計し
なければならないから、等辺山形鋼の場合は角管に較べ
て厚肉で全幅寸法(図3に示すW1)の大きなものを使用
しなければならない。
【0005】上記の理由から、柱材としては角管が理想
的である。しかし、角管は、帯鋼をロール成形し、溶接
して製造するものであり、熱間圧延のみで製造する山形
鋼に対しては製造コストが嵩むという難点がある。ま
た、後述するように複数本を重ねて搬送したり保管した
りするには不便である。この点、山形鋼は図2(b) に示
すような積み重ねができるから有利であるが、標準型の
山形鋼では辺の交点の外側の鋭角と内部の湾曲部の干渉
により、重ねた場合に隙間が生じ、積み重ねの安定性に
欠ける。形鋼は複数本を結束してバンドソウで定尺に切
断することが多いが、この隙間による「がた」のため、
斜め切り等が発生して切断精度が悪くなることが多い。
【0006】さて、近年、物流の合理化が産業界での大
きな課題になっている。特に、狭小なスペースにおける
物品の保管と物流作業の合理化は焦眉の問題とされてい
る。
【0007】このような要請に応えるのが、特公昭52−
48554 号公報および実公昭61−6816号公報等に提案され
ているような入れ子 (ネスティング) 式のラックであ
る。
【0008】図7に従来の入れ子式ラックの一例を示
す。このようなラックは、積み重ねて工場内や倉庫内で
の製品保管に使用した場合の安定性に優れ、不使用時に
はコンパクトにまとめて(ネスティングして)保管や輸
送ができるので、多方面で賞用されている。
【0009】図7に示すように入れ子式のラックは、長
方形の四隅に4本の柱を設け、それらの柱のうち後部に
位置する2本の柱11-1の間隔 (外法) を、前部に位置す
る2本の柱11-2の間隔 (内法) より狭くしてある。その
上部は、後部の柱間を結ぶ横梁15、前後の柱間を結ぶ上
レール16で構成されている。
【0010】ラックの下部には、横梁13と縦梁14、およ
びこれらの間に渡した桟17から構成される底部枠があ
り、この底部枠の上に保管すべき物品が積まれる。底部
枠の縦梁14には、等辺山形鋼の下レール12が連結材19で
取り付けられている。連結材19は、縦梁14と下レール12
との間にフォ−クリフトの爪が入る空間20を形成させる
スペーサの役割も果している。18は柱11-2と底部枠の横
梁13との結合を確実にする補強材である。
【0011】上記のラックを使用する場合には、同一構
造のラックを数段に積み重ねる。図9の(a) にその時の
レール部分の正面図を示す。図示のように、ラックを積
み重ねた時には下部のラックの上レール16は、上部のラ
ックの下レール12と嵌合する。前掲の実公昭61−6816号
公報に記載されているように、下レール12の角度θ
上レール16の角度θ2 よりも僅かに小さく (例えば、
θ1 =82°、θ2 =90°というように) し、重ね合わせ
たときの安定性を確保するという工夫もなされている。
【0012】前記のように、ラックの後部2本の柱11-1
の間隔は、前部2本の柱11-2の間隔より狭くしてあるか
ら、不使用時には第1のラックの内部に同じ形状の第2
のラックを、第2のラックの内部に第3のラックを、と
いうように順次挿入して収納し、小さなスペースに保管
することができる。このような構造のラックを入れ子式
ラックと呼び、上記のような収納をネスティングとい
う。
【0013】さて、上記のような入れ子式ラックの柱11
-1、11-2は、前述の理由から従来角管で構成されてい
た。従って、不使用時にネスティングしても、その柱の
厚みの分だけはどうしても前方へせり出してくる。その
状態を示したのが図6の (a)である。柱として一辺が50
mmの角管を使用した場合、8個のラックをネスティング
すれば一個のラックの場合に較べて50(mm)×7=350(m
m) だけ、前方のスペースが必要になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、断面二次半径の最大値と最小値の差が小さく、構造
物の柱材として角管に代えて使用でき、かつ、積み重ね
て保管したり、結束して運搬や切断を行うのにも便利な
断面形状の形鋼を提供することにある。更に具体的に
は、図3に示したように、占有断面積(山形鋼であれば
1 ×W2 、角管であればW0 2) がほぼ等辺角管のそれ
に近く、前記の強弱比がおよそ0.6 以上であり、しかも
熱間圧延で製造できる形鋼を提供するのが本発明の一つ
の目的である。
【0015】本発明のもう一つの目的は、少なくとも柱
材が上記の形鋼で構成されており、ネスティングした時
に前方へのせり出し幅が従来のラックよりも著しく小さ
くなる入れ子式ラックを提供することにある。 本発明
のその他の目的については、以下の説明中で触れる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の特殊Λ形鋼は図
1(a) に示すような断面形状を有し、その特徴は下記の
〜にある。
【0017】 二辺1、1のなす角(2θ)が35°〜
60゜である。
【0018】 各辺1、1の連結部 (喉部) の外側に
は二辺の対称軸(Z)に直角な直線部2を有する。
【0019】 二辺の解放端からこの直線部までの高
さHと、解放端から二辺の外側直線の延長線の交点まで
の高さH1 との比(H/H1)が 0.5〜0.9 である。
【0020】 各辺1、1の解放端の外側に膨らみ部
3を有する。
【0021】また、本発明の入れ子式ラックは、使用時
は上下に積み重ねることができ、不使用時は内部に同一
構造のラックを収納できるものであって、少なくともそ
の柱材が上記の特殊Λ形鋼であることを特徴とするもの
である。
【0022】このラックは、更に側面の上下レールも上
記の特殊Λ形鋼で構成されたものであってもよい。その
場合、側面の特殊Λ形鋼の下レールが、部分的に欠落し
て縦梁に取り付けられており、その欠落部において、ラ
ックを床に置いたときに床面とラックとの間にフォーク
リフトの爪が挿入できる空隙が形成されるような構造が
望ましい。
【0023】
【作用】以下、本発明の特殊Λ形鋼(以下、単にΛ形鋼
と言う)および入れ子式ラックについて順次説明する。
【0024】(I) Λ形鋼について 図1の(a) は、Λ形鋼の断面形状を示す図である。図示
のように、Λ形鋼は対称軸Zを挟んで左右同形であり、
二辺1、1の連結部の外側には二辺の対称軸に直角な直
線部2を有し、各辺の解放端の外側に膨らみ部3を有す
る。このΛ形鋼の特徴は、前記の〜にある。
【0025】上記のような形状を選んだのは、角管とほ
ぼ同じ占有断面積でもって角管と同等の断面性能を得る
ことを目標としたからである。先に説明した図3に
(ハ)として示すのは、本発明のΛ形鋼の一例の断面図
であり、その断面二次半径は実線で示すほぼ円形のもの
となる。等辺山形鋼の断面二次半径に較べれば、縦軸と
横軸の差が小さく、角管の断面二次半径に近いことがわ
かる。表1にこのΛ形鋼(各部寸法は、後に説明する図
5 (a)のとおり)の断面性能を示すが、強弱比 (iv/iu)
が 0.937であり標準山形鋼よりも遙に大きくなってい
る。
【0026】上記のようなΛ形鋼の特性は、前記〜
の特徴の組合せによって生じるのであるが、それぞれの
形状を特定した理由は次の通りである。
【0027】二辺のなす角度(2θ)を35〜60°とし
た理由:強軸と弱軸の強度差を縮小し、占有断面積が角
管のそれに近くなるように、詳細には、図1(a) のWと
Hがほぼ等しく、角管の一辺の長さに近くなるようにす
るために、2θは35〜60°の範囲とした。この幅Wと高
さHの寸法差は、強軸と弱軸との強度差を縮小させて構
造材としての適応範囲を広げるために、なるべく小さい
方がよいのである。
【0028】二辺の対称軸に直角な直線部2を設けた
理由:これは強軸と弱軸の強度差を縮小させ、かつ積み
重ね性を良くするための手段である。二辺のなす角度を
35°〜60°と鋭角にする場合には、その頂部は製品の製
造上からも取扱いの点からも鋭くないことが望ましい。
この直線部2の長さ、即ち、図1(a) のCは、積み重ね
性を考慮し、更に構造材として他の部材と組み合わせて
用いる場合に溶接代にもなることを考慮すると、断面性
能を損ねない範囲でできるだけ大きくするのがよい。ま
た、直線部の最小肉厚T1 は、喉部の強度を確保するた
めに、辺1の肉厚Tより大きくするのがよい。
【0029】 H/H1 を 0.5〜0.9 とした理由:形
鋼を柱材のような構造材として用いるには、前記のよう
に強軸と弱軸の強度差を縮小させる、言い換えると強軸
と弱軸の強度比をできるだけ1に近づけることが望まし
い。本発明のΛ形鋼においては、強弱比は、主に2辺の
なす角度(2θ)とH/H1 の値によって決ってくる。
この角度2θと高さ比H/H1 の2つの組合せを適正に
選択することにより、望ましいΛ形鋼の基本的な断面形
状を決めることができる。
【0030】図4は、上記の高さ比H/H1 を 0.5、
0.6、 0.7、 0.8および 0.9と一定にして、2θを35°
から60°まで変化させた場合の強弱比(iv/iu) の計算結
果の一例をグラフにしたものである。図示のように、同
じ強弱比 (例えば 0.8) を得ようとすれば、2θが小さ
い場合(35°に近い場合) にはH/H1 も小さく(0.5に
近く)し、2θが大きい場合(60°に近い場合) にはH
/H1 も大きく(0.9に近く)しなければならない。しか
しながら、図示のように、2θが35°〜60°で、H/H
1 が0.5 〜0.9 の領域であれば、強弱比はほぼ 0.6以上
となる。なお、図4において、強弱比 (縦軸) に 1.0を
超える数値があるが、これは強軸と弱軸が入れ変わった
ことを意味し、前の強軸が弱軸になるだけであるから、
結局 1.0を超える領域ではその数値の逆数が強弱比にな
る。例えば、図の縦軸の1.5 の強弱比は 1/1.5=0.666
・・である。
【0031】 二辺の解放端に膨らみ部3を設けた理
由:この膨らみ部は、重心の位置を断面中心に近づける
役割および断面二次モーメントを大きくする役割をも
つ。さらにこの膨らみ部は、後述するように積み重ね性
および溶接性の向上にも役立つ。図1の (a)に示すこの
膨らみ部3の高さA、および厚みDは、Λ型鋼に要求さ
れる断面性能に応じ、また、積み重ね性等の付加的な要
求に応えるように適宜決定すればよい。なお、圧延の容
易性の面から、膨らみ部3の外側直線部は正垂直ではな
く、上部をやや内側(対象軸Z側)に傾斜させておくの
が望ましい。
【0032】本発明のΛ型鋼は、図1の (b)と(c) に示
すように喉部の内側形状によって二つのタイプに分けら
れる。以下、それぞれのタイプについてΛ型鋼の各部の
寸法を決定する具体的な方法の一つを説明する。
【0033】(1) タイプIの場合 まず目標とする強弱比に応じて、前述の図4のような指
標から2θとHおよびH1 を決める。また、Λ形鋼の許
容圧縮力等から辺の肉厚Tを決定する。そうすると全幅
Wと喉部の幅Cはそれぞれ下記(A) および(B) の式から
求められる。
【0034】W=2H1tanθ ・・・・(A) C=W−2H tanθ ・・・・(B) 喉部の肉厚T1 および内側の曲率Rは喉部の強度に影響
する。強度確保のためにはT1 ≧Tとするのがよい。T
1 が決まれば必然的にRも決まる。
【0035】膨らみ部3の高さAは、後述する図6の
(b) に示すΛ型鋼の積み重ねピッチPに等しいか、また
はそれよりも小さくする。この積み重ねピッチPは、 P=T/sinθ ・・・・(C) で求められるから A≦P=T/sinθ ・・・・(D) となる。
【0036】膨らみ部3の幅Dは、 D=Atan θ ・・・・(E) で算出される。
【0037】以上によって、基本の断面形状を決定した
のち、各コーナー部のアール (r2、r3 、r4 、r5 )
を適宜決定して行けばよい。
【0038】(2) タイプIIの場合 前記のタイプIの場合と同じようにして二辺のなす角2
θ、喉部の厚さT1 、およびr3 を決定すれば、図1
(c) のr1 の寸法は、 r1 ≦(T−T1 sin θ)/ (1−sin θ)sinθ +r3 ・・・(F) となる。この(F) 式を満足するようにr1 を決定すれば
よい。膨らみ部の寸法の決定方法はタイプIと同じであ
る。
【0039】図5の (a)と(b) にΛ形鋼の実際のサイズ
の例を示す。 (a)は、表1にロとして示した一辺が50m
m、辺の肉厚が 2.3mmの角管とほぼ同じ占有断面積で、
ほぼ同じ程度の断面性能を得ることを目標として設計し
たタイプIのΛ形鋼の例である。ここでは、H=50mm、
T=4mm、2θ=50°、W=55mmを基準として、各部の
サイズを決定した。H/H1 は約0.85である。(b) は、
(a)のものと基本形状を同じにし、強弱比を一層1に近
づけるように設計した例である。
【0040】図5 (a)および(b) のΛ形鋼の断面性能を
表1にハ及びニとして示した。その性能を等辺山形鋼お
よび角管のそれと比較すると、Λ型鋼は従来の等辺山形
鋼に比べ、強弱比が著しく改善されて角管に近い性能を
持っていることが明らかである。特に (b)のΛ形鋼 (表
1のニ) の強弱比はほぼ1であり、許容圧縮力も角管よ
り大きい。なお、表1に示すイ〜ニの材質は全てJIS G3
101 のSS400 相当品である。
【0041】
【表1】
【0042】以上、本発明のΛ形鋼が等辺山形鋼に較べ
て断面性能の点で大きな利点をもつことを説明した。一
方、角管と比較した場合、熱間圧延のみで(溶接等の工
程を経ずに)製造できるということの外に、積み重ね性
に優れるという利点がある。
【0043】図6の (a)と(b) に、表1および図3に示
した角管とΛ形鋼を各8本づつ積み重ねたときの状態を
断面で示す。Λ形鋼の積み重ねの高さ(h2) は角管の積
み重ね高さ(h1)の1/5弱である。これが、後述する入
れ子式ラックの収納効率の向上にも寄与するのである。
【0044】図6の(b) に示すΛ形鋼の積み重ね状態
を、前述の図2(b) の等辺山形鋼のそれと較べれば、結
束した場合の「がた」が無く、形鋼そのものの保管、輸
送、切断等において等辺山形鋼に勝ることがわかる。
【0045】図6の(c) (d) および(e) は本発明のΛ形
鋼の使用例を示す図である。(c) は溝型鋼30との組合せ
例で、膨らみ部3を溝型鋼の開放端と溶接して用いる例
である。(d) は2本のΛ形鋼の組合せ例で、この場合は
直線部2を突き合わせ側面で溶接すればよい。このよう
な複合材料として、建造物の構造材として使用すること
もできる。(e) は、車輪40を受けるレールとしての使用
例であり、床板41に膨らみ部を溶接して固定することが
できる。このような用途に用いるのにも等辺山形鋼より
も車輪の安定性、走行性に優れていて有利である。
【0046】これまでに述べた本発明のΛ形鋼は、様々
な製品の柱や梁等の構造材として用いることができる
が、その用途として好適なのが入れ子式のラックであ
る。以下本発明のΛ型鋼を用いた入れ子式のラックにつ
いて説明する。
【0047】(II) 入れ子式のラックについて 図7に示したのが入れ子式ラックの基本的な形である
が、その柱材には強度的な優位性、軽量化などのため、
従来は角管が採用されている。この、柱材として角管を
用いたラックは、ネスティングした時に、先の図6(a)
に示すごとく角管の寸法分だけ前方へ迫り出してくる。
このことにより、ラックの重心位置もその分だけ前方に
移動することになり、荷役時および保管時に不安定にな
ると共に、その分だけ保管の面積を占めることになり、
省スペースの点でも不利である。
【0048】本発明の入れ子式ラックは、少なくとも柱
材を角形鋼管からΛ形鋼に代えたものである。
【0049】図8は、本発明のラックの柱の配置の例を
示す平面略図 (図7のラックの柱をΛ形鋼に代えた場合
の柱だけを抽出した図)である。後柱11-1の間隔W3は、
左右のレール幅W4より狭く、また前柱11-2の間隔W5は左
右のレール幅W4より広くなっている。即ち、同じ形のラ
ックを矢印方向に挿入したとき、前部の柱の間を通って
ネスティングできる構造になっている。従って、ネステ
ィングした場合には、後柱どうしで、また前柱どうし
で、図6(b) に示したような隙間のない密な収納ができ
ることになり、結局、ラック全体の収納効率が高まるこ
とになる。なお、図8のW3、W4、W5は、説明を簡単にす
るため柱 (Λ形鋼) の中心間距離で示したが、実際の設
計にあたっては柱 (Λ形鋼) 自体の幅も考慮してネステ
ィングができるように設計すべきことは言うまでもな
い。
【0050】上記のような収納効率の向上は、ラック使
用者のみならず、ラック製造者側での製品保管、トラッ
クなどによる搬送の効率向上にもつながる。このような
収納効率の向上のためには少なくとも4本の柱の全てを
Λ型鋼にする必要がある。なお、等辺山形鋼を柱材とし
た場合も、収納効率の向上は期待できるが、等辺山形鋼
には前述のように強弱比が小さいという大きな欠点があ
るため、同程度の強度に設計しようとすれば柱の幅寸法
が大きくなり、材料の重量も増加する。即ち、等辺山形
鋼は柱材には不適当である。Λ型鋼の場合は、角管と占
有断面積がほぼ同じで、かつ断面性能が角管とほぼ同じ
ものにできるから、柱材として角管に代えて使用できる
のである。
【0051】本発明のラックは、少なくとも柱材をΛ型
鋼としたものであるが、それに加えて図7に示す下レー
ル12および上レール16をもΛ形鋼とすることができる。
これらのレールは従来は等辺山形鋼で作られていた。
【0052】図9の(a) に従来のラックの下部構造(片
側の正面図)を示す。この図に示すとおり、従来のラッ
クでは下レール12は床の縦梁14に連結材19で取り付けら
れている。先に図7によって説明したように、連結材19
は、縦梁14と下レール12との間にフォ−クリフトの爪が
入る空間20を形成させるスペーサの役割も果している。
図9には、ラックを積み重ねた場合の下側のラックの上
レール16も付記してある。下レール12の山形鋼の2辺の
交叉角θ1 を上レール16の交叉角θ2 よりもやや小さく
して、積み重ねたときの安定を図ることも可能である
が、それでもラックの底枠部に荷重がかかった場合、両
レール間に荷重の移動、即ち、片効きが発生するのは避
け難い。Λ形鋼は嵌合性が良好なので、これをレール材
とした場合には柱上部を拘束する役割を果たすことにな
り荷重点において下部柱材への曲げ荷重の負荷を小さく
することができる。
【0053】図9の (b)は、上下レールをΛ形鋼にした
本発明のラックの下部構造を示す正面、(c) はその側面
図である。この例では、下レール12は溝形鋼30を介して
床の縦梁14に取り付けられている。この組合せは、図6
(c) に示した構造である。溝形鋼30と縦梁14との結合も
溶接で行えばよい。なお、下レールを全長にわたって設
けると、ラックを床に置いたときに床面との間に空間が
無くなる。もし、フォークリフトの爪をラック側面から
も入れるようにするのであれば、下レール12およびこれ
を取り付けるための溝形鋼30の長さ方向の一部を、図9
(c) に示すように切り欠いて、そのための空間を設けれ
ばよい。
【0054】図9の (a)図と (b)図とを対比すれば分か
るように、縦梁14の上端からラック設置面 (床面) まで
の距離は (b)の方が短い。従って、ラックを高さ方向に
積み重ねたとき、およびネスティングしたときに高さ方
向のスペースの節約になる。
【0055】下レールとなるΛ形鋼は、図7に示した連
結材19を使用して取り付けてもよい。この場合には前記
の高さ方向のスペースの節約の効果はなくなるが、以下
に述べる積み重ねの安定性という効果は同じである。
【0056】図9(b) に示したように、ラックを積み重
ねた場合、下レール12とその下にあるラックの上レール
14とは全く同形であるから、ぴったりと嵌合する。そし
て、Λ形鋼の2辺の交点(頂点)は平坦になっているか
ら、等辺山形鋼の場合のような頂点部の干渉もない。従
って、積み重ねたラックに横方向の力が作用しても、
「ずれ」や傾きが発生するおそれがない。このような使
い方をするためにも、膨らみ部の高さ(図1に示した
A)は、先に述べたように、積み重ねピッチ(図6(b)
のP)と同じか、またはそれよりも小さい方がよい。
【0057】
【発明の効果】これまでの説明から明らかなとおり、本
発明の特殊Λ形鋼は、従来の等辺山形鋼に比べて断面性
能が良好で、複数本を積み重ねるときの積み重ね性がよ
いため強度部材としての応用範囲が広く、保管その他の
取扱い性に優れている。また角管に較べてコンパクトに
積み重ねることができ、製造も容易である。
【0058】この特殊Λ形鋼を柱材、または更にレール
材として使用した本発明の入れ子式ラックは、従来のも
のに比べて収納性が優れ、積み重ねの安定性も高く、物
流の合理化と安全性の確保に寄与するところが大きい。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の特殊Λ形鋼の基本断面形状を示
す図、(b) はその喉部形状の一つ(タイプI)、(c) は
他の一つ (タイプII) を示す図、である。
【図2】(a)は標準的な等辺山形鋼の断面と断面二次半
径を示す図、(b) はその積み重ね状態を示す図、であ
る。
【図3】従来の角管、等辺山形鋼および本発明の特殊Λ
形鋼の断面形状と断面二次半径を比較して示した図であ
る。
【図4】本発明の特殊Λ形鋼における2θおよびH/H
1 と強弱比との関係の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の特殊Λ形鋼の設計例である。
【図6】(a)および(b) はそれぞれ角管と本発明の特殊
Λ形鋼の積み重ね状態を示す図、(c) 〜(e) は本発明の
特殊Λ形鋼の使用例を示す図、である。
【図7】入れ子式のラックの基本形状を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の入れ子式ラックの柱の配置状態を示す
平面略図である。
【図9】(a) は従来の入れ子式のラックの下部構造の正
面図である。(b) と(c) はレールに本発明の特殊Λ形鋼
を使用した入れ子式のラックの下部構造の正面図と側面
図である。
【符号の説明】
1:特殊Λ形鋼の辺、 2:同じく直線部、 3:同じ
く膨らみ部、11-1:入れ子式ラックの後柱、 11-2:同
じく前柱、12:同じく下レール、 16:同じく上レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸井 偉雄 兵庫県西宮市松山町14番17号 (72)発明者 小西 健一 兵庫県尼崎市大庄西町2丁目10番1号 (72)発明者 布施 誠 大阪府豊中市上新田1丁目24番地D1104

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】図1(a) に示す断面形状において、二辺
    (1、1)のなす角(2θ)が35°〜60゜であり、各辺
    の連結部の外側には二辺の対称軸(Z)に直角な直線部
    (2)を有し、解放端からこの直線部までの高さHと、
    解放端から二辺の外側直線の延長線の交点までの高さH
    1 との比(H/H1)が 0.5〜0.9 であって、各辺の解放
    端の外側に膨らみ部(3)を有する特殊Λ形鋼。
  2. 【請求項2】使用時は上下に積み重ねることができ、不
    使用時は内部に同一構造のラックを収納できる入れ子式
    のラックであって、少なくともその柱材が請求項1記載
    の特殊Λ形鋼であることを特徴とする入れ子式ラック。
  3. 【請求項3】更に、側面の上下レールも請求項1記載の
    特殊Λ形鋼であることを特徴とする請求項2の入れ子式
    ラック。
  4. 【請求項4】側面の特殊Λ形鋼の下レールが部分的に欠
    落していて、この欠落部においてラックを床に置いたと
    き床面とラックとの間にフォークリフトの爪が挿入でき
    る空隙が形成されることを特徴とする請求項3の入れ子
    式ラック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5248554A (en) * 1975-10-16 1977-04-18 Sumitomo Electric Industries Method of and mold for producing curved surface of revolution
JPS6380001U (ja) * 1986-11-13 1988-05-26

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