JPH0533054U - アルコール濃度検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】アルコール混合燃料中に含まれる複数種類のア
ルコールの濃度を其々検出する。 【構成】アルコール混合燃料中のアルコール濃度センサ
１と並列に電極２を接続し、定電流回路３を電極２に直
列に接続する。そして電極２間の電圧Ｖ_S を導電率対応
値として測定してアルコール混合燃料の導電率を検出す
る。そしてアルコール濃度センサ１の静電容量とアルコ
ール混合液体の導電率とから、メタノール、エタノール
の其々の濃度及びアルコール成分比を検出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はアルコール混合液体中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検 出装置に関し、特に複数種類のアルコールを含んだアルコール混合液体において 、其々のアルコール濃度を検出する技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動車用内燃機関の代替燃料としてガソリンにメタノールやエタノール 等のアルコールを混合したアルコール混合燃料が提案されている。 このようなアルコール混合燃料を内燃機関用の燃料として用いる場合、アルコ ール濃度に応じて理論空燃比が変化するために、供給されたアルコール混合燃料 のアルコール濃度を検出し、このアルコール濃度に基づいて燃料供給量制御や点 火時期制御を行う必要がある（例えば特開昭５６−９５８５４０号公報等参照） 。

【０００３】 従来のアルコール濃度検出装置では、静電容量型のアルコール濃度センサとコ イルとによりＬＣ共振回路を形成している。アルコール濃度センサの静電容量は アルコール濃度に応じた値となり、ＬＣ共振回路で発生した共振波の周波数はア ルコール濃度センサの静電容量の変化に応じて変化する。この共振波の周波数を 周波数−電圧変換して、この電圧値を測定することによりアルコール濃度を検出 するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のアルコール濃度検出装置では、アルコール混合燃料中に例え ば２種類のアルコールが含まれていても、その成分比までは検出していなかった 。しかし、アルコール混合燃料に含まれているアルコールの種類は１種類とは限 らない。またアルコール混合燃料中に含まれている２種類のアルコール濃度の其 々が分からないと例えば燃料噴射制御等において精度の良い制御を行うことが出 来ないおそれがあった。

【０００５】 本考案ではこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、アルコール混合液 体中に含まれる複数種類のアルコール濃度の其々が検出可能なアルコール濃度検 出装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、アルコールの濃度に基づいて静電容量が変化するアルコー ル濃度センサによって、アルコール混合液体中のアルコールの濃度を検出するア ルコール濃度検出装置において、前記アルコール混合液体の導電率を検出する導 電率検出手段と、該導電率検出手段で検出されたアルコール混合液体の導電率と 前記アルコール濃度センサの静電容量とに基づいて、前記アルコール混合液体中 に含まれるアルコールの濃度及び成分比を検出する濃度・成分比検出手段と、を 備えるようにした。

【０００７】

【作用】

上記の構成によれば、アルコール濃度センサによりアルコール混合液体中のア ルコール濃度が検出され、導電率検出手段によりアルコール混合液体の導電率が 検出される。アルコール混合液体中に複数種類のアルコールが混合している場合 、アルコール混合液体の導電率は複数種類のアルコールの成分比に応じた値とな ることが知られている。したがって、導電率検出手段により検出された導電率と アルコール濃度センサの静電容量とに基づいて、濃度・成分比検出手段により複 数種類のアルコールの其々の濃度及びアルコール成分比を検出することが可能と なる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１及び２に基づいて説明する。 本実施例を示す図１において、アルコール濃度センサ１の静電容量はアルコー ル濃度に基づいて変化する。このアルコール濃度センサ１と直列にコンデンサＣ １、コイルＬが接続することにより、ＬＣ共振回路が形成されている。トランジ スタＱは抵抗Ｒ１と共にエミッタ・フォロワ回路を構成し、ベースでコンデンサ Ｃ２を介して交流カップリングしているＬＣ共振回路から入力した共振波を出力 する。この共振波の周波数が静電容量対応値であり周波数−電圧値変換される。 コンデンサＣ３、Ｃ４はトランジスタＱの特性を調整する為のものであり、トラ ンジスタＱのベースとアース間で直列に接続している。

【０００９】 電極２はアルコール濃度センサ１と並列に接続し、所定の間隔で互いに対向す る２枚の電極板からなり、この電極板は所定の面積を有している。そして定電流 回路３はこの電極２と直列に接続され、定電流を電極２に通電することにより、 電極２間の電圧が導電率対応値として出力される。この電極２と定電流回路３と が導電率検出手段に相当する。

【００１０】 次に動作を説明する。 アルコール混合燃料中に２種類のアルコールが混合されている場合、アルコー ルの導電率は２種類のアルコールの成分比に基づいた値となることが知られてい る。図２は、例えばメタノールとエタノールとの２種類のアルコールが混合され ているアルコール混合燃料において、メタノールとエタノールとの全アルコール 濃度と２種類のアルコールの成分比とを予め設定して測定した時のアルコール濃 度センサ１の静電容量とアルコール混合燃料の導電率との関係を示す特性図であ る。図２において、Ａ、Ｂ、Ｃは、アルコール中のメタノール成分比が其々０、 50、 100％（エタノール成分比が其々 100、50、０％）である時のアルコール混 合燃料の特性を示す。したがって、アルコール濃度センサ１の静電容量値とアル コール混合燃料の導電率とを検出すれば、図２の特性図より、アルコール混合燃 料中の２種類のアルコールの其々の濃度及びアルコール成分比を検出出来る。こ の図２の特性図が濃度・成分比検出手段に相当する。

【００１１】 アルコール濃度センサ１の静電容量を検出するには、静電容量型のアルコール 濃度センサ１とコイルＬとで形成されたＬＣ共振回路において発生した共振波を 、静電容量対応値としてトランジスタＱから出力する。この共振波の周波数を周 波数−電圧変換してこの電圧値を測定することによりアルコール濃度センサ１の 静電容量が検出される。そして例えば図２において、アルコール濃度センサ１の 静電容量値が例えばＣx であれば、静電容量値Ｃx に基づいたアルコール混合燃 料中の全アルコール濃度が検出される。

【００１２】 次に、アルコール混合燃料の導電率を検出するには、定電流回路３によりアル コール混合燃料中の電極２に定電流を通電して、電極２間の電圧Ｖ_S を導電率対 応値として測定する。この電圧Ｖ_S と定電流回路３の定電流値とから電極２間の 抵抗成分値が検出され、この抵抗成分値、及び電極２の対向している電極板の間 隔と電極板の面積とから抵抗率が算出される。導電率はこの抵抗率の逆数となる 。図２において、例えばアルコール混合燃料の導電率がＫ₁ であれば、導電率Ｋ ₁ と静電容量値Ｃx との交点はＢ特性上であり、Ｂ特性よりアルコール中のメタ ノール、エタノール成分比はともに50％となる。また全アルコール濃度は静電容 量値Ｃx から検出されるので、アルコール混合燃料中のメタノール、エタノール の其々の濃度が検出される。

【００１３】 かかる構成によれば、アルコール濃度センサ１の静電容量を検出すると共に、 アルコール濃度センサ１に並列に接続した電極２間の電圧Ｖ_S を測定してアルコ ールの導電率を検出することにより、メタノール、エタノールが含まれたアルコ ール混合液体中のアルコールの其々の濃度及びアルコール成分比を検出すること が出来る。そしてメタノール、エタノールの其々の濃度及びアルコール成分比が 検出出来れば、例えば燃料噴射制御等の制御を精度良く行うことが出来る。

【００１４】 尚、本実施例では、導電率対応値を検出する方法として、定電流回路を電極と 直列に接続したが、これに限らず、抵抗を前記電極に直列に接続し、電源電圧を 抵抗を介して電極に印加するようにしてもよい。この場合、検出した導電率対応 値、及び抵抗値と電源電圧値とから導電率を検出することが出来る。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、アルコール濃度センサの静電容量を検出 すると共に、アルコール混合液体の導電率を検出することにより、複数種類のア ルコールが含まれたアルコール混合液体におけるアルコールの其々の濃度及びア ルコール成分比を検出することが出来、この検出値に基づいて各制御を精度良く 行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す回路図

【図２】図１の特性図

【符号の説明】

１ アルコール濃度センサ ２ 電極 ３ 定電流回路 Ｃ１〜Ｃ４ コンデンサ Ｌ コイル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アルコールの濃度に基づいて静電容量が変
   化するアルコール濃度センサによって、アルコール混合
   液体中のアルコールの濃度を検出するアルコール濃度検
   出装置において、 前記アルコール混合液体の導電率を検出する導電率検出
   手段と、 該導電率検出手段で検出されたアルコール混合液体の導
   電率と前記アルコール濃度センサの静電容量とに基づい
   て、前記アルコール混合液体中に含まれるアルコールの
   濃度及び成分比を検出する濃度・成分比検出手段と、 を備えたことを特徴とするアルコール濃度検出装置。