JP3027514B2 - 静電容量式アルコール濃度測定装置 - Google Patents

静電容量式アルコール濃度測定装置

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JP3027514B2
JP3027514B2 JP6292224A JP29222494A JP3027514B2 JP 3027514 B2 JP3027514 B2 JP 3027514B2 JP 6292224 A JP6292224 A JP 6292224A JP 29222494 A JP29222494 A JP 29222494A JP 3027514 B2 JP3027514 B2 JP 3027514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばメタノール混合
燃料を用いた内燃機関の燃料噴射制御装置等に適用され
る静電容量式アルコール濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車用内燃機関の燃料として、
純正ガソリンに代えてメタノールを含んだアルコール混
合ガソリン等が使用されるようになり、純正ガソリンと
アルコール混合ガソリンとでは当然に理論空燃比A/F
も異なり、内燃機関では燃料噴射量、点火時期等も異な
ってしまう。
【0003】まず、燃料噴射量について説明する。
【0004】ここで、アルコール濃度が0%の純正ガソ
リンを用いた場合の燃料噴射量Tiにおいては、次の数
1のように演算している。
【0005】
【数1】Ti =TP ×α×α′×Coef +TS 但し、TP :基本噴射量 α :空燃比A/Fフィードバック補正係数 α′ :基本空燃比A/F学習補正係数 Coef:各種補正係数 TS :バッテリ電圧補正係数
【0006】この際、酸素センサからの酸素濃度信号に
基づき、空燃比A/Fフィードバック補正係数αを補正
すると共に、基本噴射量TP と内燃機関回転数Nとから
基本空燃比A/F学習補正係数α′を学習補正すること
により、理論空燃比A/Fが14.7となるように制御
している。
【0007】このように、純正ガソリンの空燃比A/F
は14.7であるが、アルコール濃度が100%のメタ
ノールを用いた場合には空燃比A/Fが6.5となるよ
うに制御する必要があり、アルコール濃度が0〜100
%の範囲では理論空燃比A/Fは約2倍程度異なること
になる。
【0008】従って、アルコール混合ガソリンを使用す
る場合には、数1に基づいて補正した燃料噴射量Ti0を
次の数2のように演算している。
【0009】
【数2】Ti0=Mk ×TP ×α×α′×Coef +TS 但し、Mk :アルコール濃度によって定まる定数
【0010】このため、アルコール混合ガソリンを使用
する内燃機関にあっては、アルコールセンサと呼ばれる
アルコール濃度測定装置を備え、アルコール濃度に対応
した出力電圧を発生し、当該出力電圧値に基づいて数2
の演算を行なうようになっている。
【0011】そして、この種のアルコール濃度測定装置
としては、ガソリンとアルコールが有する導電率からア
ルコール濃度を検出する抵抗式アルコール濃度測定装
置、アルコール混合ガソリンの誘電率の変化を利用した
静電容量式アルコール濃度測定装置、さらに屈折率の変
化を利用した光学式アルコール濃度測定装置等が知られ
ている。
【0012】さらに、本出願人は鋭意実験した結果、静
電容量式アルコール濃度測定装置を用いた場合には、燃
料温度の変化に伴って検出信号が異なることを検知し
た。
【0013】そこで、本出願人は先に特開平3−237
353号(特願平2−140326号)に図9に示すよ
うな静電容量式アルコール濃度測定装置を出願してい
る。
【0014】そして、静電容量式アルコール濃度測定装
置の構成は、アルコールを混合した液体中のアルコール
濃度を電極間の静電容量(Cs )として検出する静電容
量検出器(a)と、該静電容量検出器(a)によって検
出した静電容量に基づいた周波数を発振する発振回路
(b)を、該発振回路(b)による発振周波数を電圧に
変換する周波数−電圧変換回路(c)とを備えてなる静
電容量式アルコール濃度測定装置において、前記前記ア
ルコールを混合した液体の温度を検出する感温センサ
(d)と、所定アルコール濃度値を基準点として、アル
コール濃度に対する前記周波数−電圧変換回路(c)で
電圧変換された後の出力電圧の傾きを、該感温センサ
(d)による検出温度に基づいて温度補正する温度補正
回路(e)とを有し、前記感温センサ(d)を含む温度
補正回路(e)を、前記静電容量検出器(a)、発振回
路(b)および周波数−電圧変換回路(c)と一体に組
込んだことを特徴とする(以下、これを「従来技術」と
いう)。
【0015】そして、従来技術においては、周波数−電
圧変換回路(c)からの出力電圧は所定アルコール濃度
値、即ち8%の点を中心としてほぼ0〜12%の範囲内
にある点では燃温の変化に拘らずほぼ一定の出力とな
り、温度依存性が少なく、感温センサ(d)による検出
温度と周波数−電圧変換回路(c)からの出力電圧を温
度補正回路(e)に入力し、前記所定アルコール濃度値
を基準点として出力電圧の傾きを検出温度に対応して補
正することにより、標準温度での出力電圧値を得るもの
である。
【0016】かくして、従来技術によるアルコール濃度
測定装置からは温度依存性のない出力電圧を出力するこ
とができるばかりでなく、装置単体としての品質検査が
可能となり、他機種にわたる製造管理、品質管理が容易
となり、さらに感温センサ(d)は装置内に組込まれる
からコントロールユニット側とを接続するハーネスの本
数を減らすことができ、低廉安価に製造することができ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による静電容量式アルコール濃度測定装置では、
所定アルコール濃度値の設定、出力電圧の傾き補正等の
複雑な補正が必要になるという問題がある。
【0018】また、内燃機関では、ホットリスタート制
御やエバポ制御等において燃温の検出が必要条件となっ
ている。しかし、従来技術による静電容量式アルコール
濃度測定装置では、アルコール濃度を温度依存性のない
出力電圧を発生することができるものの、別個に燃温を
出力することができないため、別個に燃温センサを設け
なければならないという問題がある。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は簡単な電気回路の構成で温度依
存性のないアルコール濃度を検出することができる静電
容量式アルコール濃度測定装置を提供することを目的と
している。
【0020】また、本発明の他の目的は、燃料温度を別
個の信号として出力することができる静電容量式アルコ
ール濃度測定装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による静電容量式アルコール濃
度測定装置は、アルコールを混合した燃料中のアルコー
ル濃度を電極間の静電容量として検出する静電容量式セ
ンサと、該静電容量式センサによって検出した静電容量
に基づいた周波数を発振する発振手段と、該発振手段か
らの周波数に基づいてパルス波形のデューティ比を設定
するデューティ比設定手段と、前記燃料の温度を感温セ
ンサで検出した信号を基準電圧に基づいた直流の燃温電
圧として出力する燃料温度検出手段と、前記デューティ
比設定手段からのパルス波形の波高値を該燃料温度検出
手段からの燃温電圧に変更する波高値変更手段と、該波
高値変更手段により波高値の変更されたパルス波形を直
流化することにより仮のアルコール濃度電圧を出力する
パルス波形整流手段と、該パルス波形整流手段からの仮
のアルコール濃度電圧と前記燃料温度検出手段からの燃
温電圧を特定の割合で変圧した電圧との差を演算して真
のアルコール濃度電圧を出力する濃度演算手段とから構
成したことにある。
【0022】また、請求項2の発明では、前記発振手段
とデューティ比設定手段との間に分周手段を設けたこと
にある。
【0023】
【作用】請求項1の発明では、発振手段からは静電容量
センサの静電容量に基づいた周波数が発振され、この周
波数に基づいてデューティ比設定手段によってデューテ
ィ比が設定される。このデューティ比は、燃料温度の変
化に伴って変化する周波数によって設定されるため温度
依存性を有し、該デューティ比はアルコール濃度が所定
濃度(例えば、0%)のときのデューティ比が切片とな
り、温度依存性を有するアルコール濃度に対応したデュ
ーティ変換係数が傾きとなる1次関数となる。一方、燃
料温度検出手段から出力される燃温電圧は、燃料の温度
を感温センサで検出して、この信号を基準電圧に基づい
た直流電圧として出力し、波高値変更手段によってこの
燃温電圧が波高値となるパルス波形とし、このパルス波
形をパルス波形整流手段で仮のアルコール濃度電圧とし
て直流化する。この仮のアルコール濃度電圧は、アルコ
ール濃度に対応した係数が傾きとなり、アルコール濃度
が所定濃度のときの直流電圧が温度依存性を有する切片
となる1次関数となる。そして、この仮のアルコール濃
度電圧と前記燃温電圧を特定の割合で変圧した電圧と
差を前濃度演算手段で演算することにより出力される真
のアルコール濃度電圧は、アルコール濃度に対応した係
数が傾きとなり、基準電圧が切片となる1次関数となっ
て、傾き,切片共に温度依存性のないアルコール濃度出
力として出力することができる。また、燃料温度は燃料
温度検出手段から別個に出力することができる。
【0024】また、請求項2のように、発振手段とデュ
ーティ比設定手段との間に分周手段を設けることによ
り、ノイズの重畳を防止できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図8に基
づき説明するに、図1は燃料噴射制御装置の全体構成を
示している。
【0026】図中、1は例えば4気筒の自動車用内燃機
関(1気筒のみ図示)を示し、該内燃機関1はシリンダ
1Aと、該シリンダ1A上に搭載されたシリンダヘッド
1Bと、前記シリンダ1A内を往復動するピストン1C
とから大略構成されている。2は各シリンダ1Aの上側
に位置してシリンダヘッド1Bに設けられた点火プラグ
(1個のみ図示)を示し、該各点火プラグ2は後述する
コントロールユニット18から点火信号が出力されたと
きに、シリンダ1A内の混合気に点火を行い、この混合
気を燃焼(爆発)させるようになっている。
【0027】3は基端側が分岐管となって内燃機関1の
シリンダヘッド1Bの吸気側に設けられたインテイクマ
ニホールドで、該インテイクマニホールド3の先端側に
は吸気フィルタ4が設けられ、途中には吸入空気量を計
測するエアフローメータ5、スロットルバルブスイッチ
6が付設されたスロットルバルブ7等が設けられ、さら
にシリンダヘッド1Bの近傍に位置して噴射弁8が設け
られ、該噴射弁8はコントロールユニット18からの噴
射信号によって内燃機関1内に燃料を噴射するものであ
る。
【0028】9は内部に燃料を貯える燃料タンクを示
し、該燃料タンク9内にはインタンク型燃料ポンプ10
が設けられている。11は燃料配管で、該燃料配管11
の一端は燃料フィルタ12を介して燃料ポンプ10の吐
出側と接続され、その他端は噴射弁8、圧力レギュレー
タ13の流入側と接続され、該圧力レギュレータ13の
流出側はリターン配管14を介して燃料タンク9と接続
されている。
【0029】15は例えば流路としての燃料配管11の
途中に設けられ、後述する検出処理回路17と共に静電
容量式アルコール濃度測定装置を構成する静電容量式セ
ンサとしてのアルコールセンサを示し、該アルコールセ
ンサ15は一対の平行平板型または同軸円筒状の電極な
らなり、静電容量Cs を数3によって演算する。
【0030】
【数3】Cs =εS/δ 但し、ε:ガソリンの誘電率 S:電極面積 δ:電極間距離
【0031】16はアルコールセンサ15内に位置し
て、燃料温度TX を検出する感温センサを示し、該感温
センサ16はサーミスタによって抵抗値RT 、温度係数
α1 を有するように構成されている。
【0032】17は感温センサ16とコントロールユニ
ット18との間に接続された検出処理回路を示し、該検
出処理回路17は図2に示すような後述する各回路によ
って構成されている。
【0033】18はコントロールユニットを示し、該コ
ントロールユニット18は例えばマイクロコンピュータ
等によって構成され、該コントロールユニット18はR
AM,ROM等からなる記憶エリア18Aを含んで構成
され、噴射量プログラム、点火時期制御プログラム(い
ずれも図示せず)等が内蔵されている。
【0034】ここで、図2に基づいて、前記検出処理回
路17について説明する。
【0035】19は電源回路を示し、該電源回路19は
定電圧レギュレータによって構成され、該電源回路19
にはバッテリ電圧VB が入力され、後述の基準電圧発生
回路20、発振回路28、分周回路29およびf−D変
換回路30に第1の基準電圧Va (例えば、5.0V)
を印加するようになっている。
【0036】20は基準電圧発生回路を示し、該基準電
圧発生回路20は入力された第1の基準電圧Va を基準
電圧となる第2の基準電圧Vb に変圧し、該第2の基準
電圧Vb を後述の燃料温度検出回路21と濃度演算回路
38とに出力している。
【0037】21は燃料温度検出回路を示し、該燃料温
度検出回路21は、基準電圧発生回路20が非反転入力
端子に接続された第1のオペアンプ22と、該オペアン
プ22の出力端子がベース側に接続されたトランジスタ
23と、該トランジスタ23のコレクタ側が非反転入力
端子に接続された第2のオペアンプ24と、該第2のオ
ペアンプ24の非反転入力端子とアースとの間に接続さ
れた抵抗値R1 を有する半固定抵抗25と、前記トラン
ジスタ23の反転入力端子とアースとの間に接続された
抵抗値R1 を有する固定抵抗26と、前記トランジスタ
23の反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗
値R3 を有する負帰還抵抗27とから構成されている。
そして、トランジスタ23はPNP型トランジスタとし
て構成され、エミッタ側は第1のオペアンプ22の反転
入力端子と感温センサ16の一側にそれぞれ接続され、
感温センサ16の他側は電源回路19の出力側に接続さ
れている。
【0038】ここで、当該燃料温度検出回路21から出
力される燃温電圧VT は次の数4のようになる。なお、
実施例においては、基準温度を25℃としている。
【0039】
【数4】
【0040】さらに、Kは回路係数を示し、該回路係数
Kは次の数5のようになる。
【0041】
【数5】
【0042】また、感温センサ16はサーミスタによっ
て構成され、かつ外付け抵抗等により負のリニアな特性
を持つように設定されているから、図3に示すように、
燃料温度Tに対する燃温電圧VT は負の傾きα1 とな
る。
【0043】28は発振手段としてのLC型の発振回路
を示し、該発振回路28は前記電源回路19の出力側に
接続され、アルコールセンサ15の静電容量CS に基づ
いた周波数fを数6のようにして発振するものである。
【0044】
【数6】
【0045】さらに、この周波数fの燃料温度Tに対す
る特性は、図4に示すような特性となる。
【0046】29は発振回路28と後述するf−D変換
回路30との間に接続された分周回路を示し、該分周回
路29は前記発振回路28から出力される周波数fを分
周することにより、周波数をf0 にしてノイズ低減を図
っている。
【0047】30は分周回路29の出力側に接続され、
該分周回路29から出力される周波数f0 に基づいてパ
ルス波形のデューティ比を設定するデューティ比設定回
路としての周波数−デューティ変換回路(以下、「f−
D変換回路30」という)を示し、f−D変換回路30
から出力される電圧V1 は波高値がVa ,デューティD
が次の数6のように設定されるパルス波形を出力する。
なお、本実施例においては、アルコールの基準濃度M0
は0%としている。
【0048】
【数7】D=A25(1−α2 )X+D(M0) 但し、X :アルコール濃度 A25 :25℃時のDuty変換係数 α2 :Duty変換係数の温度係数 D(M0):アルコール濃度がM0 %時のデューティ
【0049】そして、このデューティDの特性は図5に
示すようになり、切片がD(M0)、傾きがA25(1−α
2 )となる1次関数としてパルス波形のデューティ比が
設定されるもので、このデューティDは周波数fに依存
するために、燃料温度Tが高くなると傾きが小さくなる
方向に切片のD(M0)を中心として移動する。
【0050】31は波高値変更手段としての波高値変更
回路を示し、該波高値変更回路31は、ベースが前記f
−D変換回路30の出力側に接続され、コレクタが抵抗
値R4 を有する抵抗32を介して前記燃料温度検出回路
21の出力側に接続され、エミッタ側がアースに接続さ
れたトランジスタ33と、該トランジスタ33のコレク
タと抵抗32との間の接続点と後述のパルス波形整流回
路35との間に接続され、印加電圧が燃温電圧VT とな
るインバータ34とから構成されている。
【0051】そして、波高値変更回路31からは、図6
に示すパルス電圧V1 が出力され、このパルス電圧V1
は、前記f−D変換回路30によって設定されたデュー
ティDに対して波高値を燃温電圧VT とするパルス波形
となる。
【0052】35はパルス波形整流手段としてのパルス
波形整流回路を示し、該パルス波形整流回路35は抵抗
値R5 を有する抵抗36と静電容量C1 のコンデンサ3
7からL型のローパスフィルタとして構成され、波高値
を第1の基準電圧Va から燃温電圧VT に変換したパル
ス電圧V1 をローパスフィルタによって直流化して仮の
アルコール濃度電圧V2 を出力するものである。
【0053】即ち、パルス波形整流回路35からの出力
される仮のアルコール濃度電圧V2は次の数8のように
なる。
【0054】
【数8】
【0055】ここで、α1 =α2 と設定することによ
り、数9のようになる。
【0056】
【数9】
【0057】ここで、この数9により仮のアルコール濃
度電圧V2 のアルコール濃度Xに対する特性は、図7の
ような1次関数となり、傾きとなるβには温度依存性の
ないアルコール濃度に対する電圧値となり、切片となる
VT ×D(M0)に燃温電圧VT による温度依存性を有し
ていることがわかる。このため、燃温電圧VT は燃料温
度Tに対して反比例するために、温度上昇することによ
って仮のアルコール濃度電圧V2 は下側にシフトするこ
とになる。また、未だに温度依存性を持ってるためにこ
の電圧V2 を仮のアルコール濃度電圧という。
【0058】38は燃料温度検出回路21とパルス波形
整流回路35との出力側に接続された濃度演算手段とし
ての濃度演算回路を示し、該濃度演算回路38は、第3
のオペアンプ39と、該オペアンプ39の反転入力端子
と前記燃料温度検出回路21の出力端子との間に接続さ
れ抵抗値R6 の入力抵抗40、抵抗値R7 の入力抵抗4
1と、該入力抵抗40,41の接続点とアースとの間に
接続された抵抗値R8を有するレベル調整用の半固定抵
抗42と、前記オペアンプ39の非反転入力端子とパル
ス波形整流回路35の出力端子との間に接続された抵抗
値R9 を有する抵抗43と、前記オペアンプ39の非反
転入力端子と第2の基準電圧Vb との間に接続された抵
抗値R10を有する抵抗44と、前記オペアンプ39の出
力端子と非反転入力端子との間に接続された抵抗値R11
の負帰還抵抗45と、前記オペアンプ39の出力端子に
非反転入力端子が接続された第4のオペアンプ46と、
該オペアンプ46の反転入力端子と第2の基準電圧Vb
との間に接続された抵抗値R12を有する抵抗47と、前
記オペアンプ46の出力端子と比反転入力端子との間に
接続された傾きを設定する抵抗値R13を有する半固定抵
抗48とからなり、前記第3のオペアンプ39によって
差動増幅回路を構成し、前記第4のオペアンプ46によ
って増幅回路を構成している。
【0059】ここで、入力抵抗40と半固定抵抗42と
の抵抗値によって燃温電圧VT は次の数10の電圧V3
ように変圧される。
【0060】
【数10】
【0061】一方、オペアンプ39の出力端子から出力
される電圧V4 は差算されるから、数11のようにな
る。
【0062】
【数11】
【0063】さらに、D(M0)=R8 /(R6 +R8 )
に設定することにより、数11は数12のようになる。
【0064】
【数12】
【0065】さらに、オペアンプ46から出力される真
のアルコール濃度電圧VS は、次の数13のようにな
る。
【0066】
【数13】
【0067】そして、この真のアルコール濃度電圧VS
は図8に示すように、アルコール濃度Xに対して傾きが
γ、切片が第2の基準電圧Vb となる1次関数となり、
該真のアルコール濃度電圧VS は燃料温度Tの変化に拘
らず安定した出力をコントロールユニット18に出力す
ることができる。
【0068】さらに、49は燃料温度検出回路21の出
力側に接続された取出しラインを示し、該取出しライン
49は、燃温電圧VT を真のアルコール濃度電圧VS と
は別個にコントロールユニット18に導出するものであ
る。
【0069】このように構成されるアルコール濃度測定
装置においては、検出処理回路17を構成する各回路の
動作で詳述したように、アルコールセンサ15で燃料中
のアルコール濃度Xを静電容量CS として検出し、発振
回路28でこの静電容量CSに基づいた周波数fを発振
させ、f−D変換回路30では該発振回路28からの周
波数fを分周した周波数f0 に基づいてパルス波形のデ
ューティを設定する。一方、前記燃料の温度を感温セン
サ16で検出し、燃料温度検出回路21で第2の基準電
圧Vb に基づいた燃温電圧VT を出力し、波高値変更回
路31では前記f−D変換回路30から出力されるパル
ス波形の波高値を第1の基準電圧Va から燃温電圧VT
に変更してパルス電圧V1 とし、パルス波形整流回路3
5でこのパルス電圧V1 を直流化した仮のアルコール濃
度電圧V2 として出力する。そして、濃度演算回路38
で仮のアルコール濃度電圧V2 と前記燃料温度検出手段
からの燃温電圧VT との差を演算して真のアルコール濃
度電圧VS を得る。
【0070】この結果、前記真のアルコール濃度電圧V
S は、前記数13および図8に示すように、アルコール
濃度Xに対する1次関数となり、燃料温度Tに依存する
因子は除去されているために、真のアルコール濃度電圧
VS には燃料温度Tに拘らずアルコール濃度Xを正確に
検出することができる。
【0071】従って、本実施例によるアルコール濃度検
出装置はハード回路のみによってアルコール濃度Xと燃
料温度Tとを正確に検出することができる。
【0072】さらに、前述した如く、燃料温度検出回路
21の半固定抵抗25によって燃温電圧VT を調整し、
濃度演算回路38の半固定抵抗42によって真のアルコ
ール濃度電圧VS の大きさを調整し、半固定抵抗48に
よって傾きβを調整することができる。このように、3
ケ所の半固定抵抗25,42,48を調整することによ
り、燃温電圧VT と真のアルコール濃度電圧VS との微
調整を可能とし、コントロールユニット18における誤
検出を防止することができる。
【0073】一方、燃温電圧VT は、燃料温度検出回路
21の出力側と外部とを接続する取出しライン49によ
って真のアルコール濃度電圧VS とは別個にコントロー
ルユニット18に導出できるから、別個に燃温センサを
設けることなく、燃料温度Tを検出することができる。
そして、コントロールユニット18では、この燃温電圧
VT による燃料温度Tによって、内燃機関1のホットリ
スタート制御やエバポ制御等を行うことができる。
【0074】かくして、本実施例によるアルコール濃度
測定装置においては、燃料の温度変化に拘らず正確にア
ルコール濃度Xを検出してコントロールユニット18に
出力することができると共に、燃温を燃料温度検出回路
21によってコントロールユニット18に別個に出力す
ることができる。そして、検出されたアルコール濃度X
によって内燃機関1の噴射量制御、点火時期制御等を正
確に行うことができる。さらに、検出された燃料温度T
によって内燃機関1のホットリスタート制御,エバポ制
御等を行うことできる。
【0075】なお、前記実施例では感温センサ16をサ
ーミスタを用いるものとして述べたが、本発明はこれに
限らず、ポジスタを用いてもよく、さらに、白金,ニッ
ケル等の感温抵抗を用いてもよい。
【0076】また、前記実施例では感温センサ16をア
ルコールセンサ15に設けるようにしたが、本発明はこ
れにに限らず、燃料配管11に別個に設けてもよいもの
である。
【0077】さらに、前記実施例では、検出処理回路1
7中の波高値変更回路31にインバータ34を用いるも
のとして述べたが、本発明はこれに限らず、バッファを
用いてもよいことは勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の本発明に
よれば、発振手段からは静電容量センサの静電容量に基
づいた周波数が発振され、この周波数に基づいてデュー
ティ比設定手段によってデューティ比を設定する。ま
た、このデューティ比は、燃料温度の変化に伴って変化
する周波数によって設定されるため温度依存性を有し、
該デューティ比はアルコール濃度が所定濃度(例えば、
0%)のときのデューティ比が切片となり、温度依存性
を有するアルコール濃度に対応したデューティ変換係数
が傾きとなる1次関数となる。一方、燃料温度検出手段
から出力される燃温電圧は、燃料の温度を感温センサで
検出して、この信号を基準電圧に基づいた直流電圧とし
て出力し、波高値変更手段によってこの燃温電圧が波高
値となるパルス波形とし、このパルス波形をパルス波形
整流手段で仮のアルコール濃度電圧として直流化する。
この仮のアルコール濃度電圧は、アルコール濃度に対応
した係数が傾きとなり、アルコール濃度が所定濃度のと
きの直流電圧が温度依存性を有する切片となる1次関数
となる。さらに、この仮のアルコール濃度電圧と前記燃
温電圧を特定の割合で変圧した電圧との差を前記濃度演
算手段で演算することにより出力される真のアルコール
濃度電圧は、アルコール濃度に対応した係数が傾きとな
り、基準電圧が切片となる1次関数となる。この結果、
真のアルコール濃度電圧は温度依存性のないアルコール
濃度を正確に検出することができ、燃料噴射量制御、点
火時期制御等を正確に行うことができる。
【0079】一方、前記燃料温度は燃料温度検出手段か
らは燃温電圧を別個に出力することができ、別に燃温セ
ンサを設けることなく、1個の燃温センサによって内燃
機関のホットリスタート制御、エバポ制御等を容易に行
うことができる。
【0080】また、請求項2のように、発振手段とデュ
ーティ比設定手段との間に分周手段を設けることによ
り、ノイズの重畳を防止でき、より正確なアルコール濃
度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による燃料噴射制御装置の全体
構成図である。
【図2】図1中に示す検出処理回路の具体的回路を示す
回路構成図である。
【図3】燃料温度Tに対する燃温電圧VT を示す特性線
図である。
【図4】燃料温度Tに対する周波数fを示す特性線図で
ある。
【図5】アルコール濃度Xに対するデューティDを示す
特性線図である。
【図6】図2中の周波数−デューティ変換回路から出力
されるパルス電圧V1 を示す波形図である。
【図7】アルコール濃度Xに対する仮のアルコール濃度
電圧V2 を示す特性線図である。
【図8】アルコール濃度Xに対する真のアルコール濃度
電圧VS を示す特性線図である。
【図9】従来技術によるアルコール濃度検出装置を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
15 アルコールセンサ(静電容量式センサ) 16 感温センサ 17 検出処理回路 20 基準電圧発生回路 21 燃料温度検出回路(燃料温度検出手段) 28 発振回路(発振手段) 29 分周回路(分周手段) 30 周波数−デューティ変換回路(デューティ比設定
手段) 31 波高値変更回路(波高値変更手段) 35 パルス波形整流回路(パルス波形整流手段) 38 濃度演算回路(濃度演算手段) VT 燃温電圧 V2 仮のアルコール濃度電圧 VS 真のアルコール濃度電圧
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/22 G01R 27/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールを混合した燃料中のアルコー
    ル濃度を電極間の静電容量として検出する静電容量式セ
    ンサと 静電容量式センサによって検出した静電容量に基づい
    た周波数を発振する発振手段と 発振手段からの周波数に基づいてパルス波形のデュー
    ティ比を設定するデューティ比設定手段と 記燃料の温度を感温センサで検出した信号を基準電圧
    に基づいた直流の燃温電圧として出力する燃料温度検出
    手段と 記デューティ比設定手段からのパルス波形の波高値を
    該燃料温度検出手段からの燃温電圧に変更する波高値変
    更手段と 波高値変更手段により波高値の変更されたパルス波形
    を直流化することにより仮のアルコール濃度電圧を出力
    するパルス波形整流手段と パルス波形整流手段からの仮のアルコール濃度電圧と
    前記燃料温度検出手段からの燃温電圧を特定の割合で変
    圧した電圧との差を演算して真のアルコール濃度電圧を
    出力する濃度演算手段とから構成してなる静電容量式ア
    ルコール濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記発振手段とデューティ比設定手段と
    の間に分周手段を設けてなる請求項1記載の静電容量式
    アルコール濃度測定装置。
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