JPH05330424A - マイクロマシン - Google Patents
マイクロマシンInfo
- Publication number
- JPH05330424A JPH05330424A JP17085592A JP17085592A JPH05330424A JP H05330424 A JPH05330424 A JP H05330424A JP 17085592 A JP17085592 A JP 17085592A JP 17085592 A JP17085592 A JP 17085592A JP H05330424 A JPH05330424 A JP H05330424A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- micromachine
- sound wave
- piezoelectric
- energy
- source
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000010248 power generation Methods 0.000 claims description 10
- 239000002861 polymer material Substances 0.000 claims description 4
- 230000010356 wave oscillation Effects 0.000 abstract description 7
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 9
- 239000000463 material Substances 0.000 description 7
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 5
- 239000002033 PVDF binder Substances 0.000 description 4
- 229920002981 polyvinylidene fluoride Polymers 0.000 description 4
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 3
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 3
- 230000005611 electricity Effects 0.000 description 2
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 2
- 230000010287 polarization Effects 0.000 description 2
- 230000000644 propagated effect Effects 0.000 description 2
- 230000008439 repair process Effects 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- 239000004698 Polyethylene Substances 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 1
- 229920001577 copolymer Polymers 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 239000011810 insulating material Substances 0.000 description 1
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- -1 polyethylene Polymers 0.000 description 1
- 229920000573 polyethylene Polymers 0.000 description 1
- 230000001141 propulsive effect Effects 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 238000012827 research and development Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Micromachines (AREA)
- Manipulator (AREA)
- Electric Cable Installation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エネルギー源はマシンユニット外部に備え、
且つ該エネルギー源からのエネルギーは無線でマシンユ
ニットへ供給して、該エネルギーをマシンユニット内に
蓄えることの出来るマイクロマシンを提供する。 【構成】 エネルギー供給源となる音波発振源1は、マ
イクロマシンユニット2の外部に配置し、マイクロマシ
ンユニット2の内部には、音波発振源1からの音波を受
けて該音波を電力に変換する圧電変換器3と、圧電変換
器3の発生電力を蓄える蓄電装置4とを備えている。
且つ該エネルギー源からのエネルギーは無線でマシンユ
ニットへ供給して、該エネルギーをマシンユニット内に
蓄えることの出来るマイクロマシンを提供する。 【構成】 エネルギー供給源となる音波発振源1は、マ
イクロマシンユニット2の外部に配置し、マイクロマシ
ンユニット2の内部には、音波発振源1からの音波を受
けて該音波を電力に変換する圧電変換器3と、圧電変換
器3の発生電力を蓄える蓄電装置4とを備えている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数ミリ、或るいはそれ
以下の大きさの微小機械であるマイクロマシンに関し、
特に外部から供給される音波を受けて振動する圧電変換
器を用いて発電させるマイクロマシンに関するものであ
る。
以下の大きさの微小機械であるマイクロマシンに関し、
特に外部から供給される音波を受けて振動する圧電変換
器を用いて発電させるマイクロマシンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、発電施設等の各種プラントや航空
機エンジン等の機械システムの高度化、複雑化に伴っ
て、これらの装置の信頼性の向上、メンテナンスコスト
の低減等が大きな課題となっている。
機エンジン等の機械システムの高度化、複雑化に伴っ
て、これらの装置の信頼性の向上、メンテナンスコスト
の低減等が大きな課題となっている。
【0003】かかる状況の下、プラントの配管系統や航
空機エンジン内部の様に著しく制約された空間内におけ
る検査や補修作業に、小型のロボットを利用することが
検討されている。
空機エンジン内部の様に著しく制約された空間内におけ
る検査や補修作業に、小型のロボットを利用することが
検討されている。
【0004】例えば、マイクロマシンと称して数ミリ、
或るいはそれ以下の大きさの微小機械が提案され、様々
な研究開発が試されている。このマイクロマシンは、図
8に示すように、エネルギーを外部から受ける固定式
(a)と、内部にエネルギー源を持つ自走式(b)とに
大別される。
或るいはそれ以下の大きさの微小機械が提案され、様々
な研究開発が試されている。このマイクロマシンは、図
8に示すように、エネルギーを外部から受ける固定式
(a)と、内部にエネルギー源を持つ自走式(b)とに
大別される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】固定式のマイクロマシ
ンにおいては、制御系9からの制御信号とエネルギー源
8からのエネルギー(電力)がケーブル81を介してマ
イクロマシンユニット7へ供給するので、マイクロマシ
ンユニット7自体の小型化が可能であると共に、駆動エ
ネルギー量に制限を受けないため、マイクロマシンの設
計の自由度が大きい等の利点を有しているが、その反
面、ケーブル81が不可欠であるので、マシンユニット
の動作範囲や動きに制限がある。
ンにおいては、制御系9からの制御信号とエネルギー源
8からのエネルギー(電力)がケーブル81を介してマ
イクロマシンユニット7へ供給するので、マイクロマシ
ンユニット7自体の小型化が可能であると共に、駆動エ
ネルギー量に制限を受けないため、マイクロマシンの設
計の自由度が大きい等の利点を有しているが、その反
面、ケーブル81が不可欠であるので、マシンユニット
の動作範囲や動きに制限がある。
【0006】一方、自走式(b)のマイクロマシンは、
電池等のエネルギー源8がマイクロマシンユニット7に
搭載されているので、制御系9からの制御信号のみを無
線でマイクロマシンユニット7へ供給すればよく、マシ
ンユニットの動きには制限はなくなる。しかし、エネル
ギー源8に蓄えることの出来る電力量には限りがあるた
め、動作時間に制限がある。大容量のエネルギー源8を
ユニットに搭載すれば、ユニット全体の大きさや重量が
増して、マイクロマシン本来の機能を損なう問題が生じ
る。
電池等のエネルギー源8がマイクロマシンユニット7に
搭載されているので、制御系9からの制御信号のみを無
線でマイクロマシンユニット7へ供給すればよく、マシ
ンユニットの動きには制限はなくなる。しかし、エネル
ギー源8に蓄えることの出来る電力量には限りがあるた
め、動作時間に制限がある。大容量のエネルギー源8を
ユニットに搭載すれば、ユニット全体の大きさや重量が
増して、マイクロマシン本来の機能を損なう問題が生じ
る。
【0007】本発明の目的は、エネルギー源はマシンユ
ニットの外部に備え、且つ該エネルギー源からのエネル
ギーは無線でマシンユニットへ供給して、該エネルギー
をマシンユニット内に蓄えることの出来るマイクロマシ
ンを提供し、これによってマイクロマシンの軽量化、小
型化を図ることである。
ニットの外部に備え、且つ該エネルギー源からのエネル
ギーは無線でマシンユニットへ供給して、該エネルギー
をマシンユニット内に蓄えることの出来るマイクロマシ
ンを提供し、これによってマイクロマシンの軽量化、小
型化を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロマ
シンは、エネルギー源としてマシンユニット外部に配置
した音波発振源を用い、マシンユニットには、前記音波
発振源からの音波を受けて該音波を電力に変換する発電
手段と、発電手段の発生電力を蓄える蓄電手段とを備え
たものである。
シンは、エネルギー源としてマシンユニット外部に配置
した音波発振源を用い、マシンユニットには、前記音波
発振源からの音波を受けて該音波を電力に変換する発電
手段と、発電手段の発生電力を蓄える蓄電手段とを備え
たものである。
【0009】
【作用】音波発振源からの音波は、光、マイクロ波等の
他のエネルギー源と比べて、液中における減衰が少な
く、曲がった管内でも効率よく伝搬し、然も障害物の存
在によっても影響を受け難い等、優れた伝達特性を有し
ているため、マイクロマシンユニットの発電手段へ高い
エネルギーレベルを維持したまま到達する。
他のエネルギー源と比べて、液中における減衰が少な
く、曲がった管内でも効率よく伝搬し、然も障害物の存
在によっても影響を受け難い等、優れた伝達特性を有し
ているため、マイクロマシンユニットの発電手段へ高い
エネルギーレベルを維持したまま到達する。
【0010】発電手段は、前記音波を電力に変換して蓄
電手段へ供給する。
電手段へ供給する。
【0011】蓄電手段は、発電手段からの電力を蓄えつ
つ、アクチュエータ等の負荷へ連続的に電力を供給し、
或るいは一定の蓄電量に達した段階で、又は外部からの
指令に応答して、間欠的に負荷へ電力を供給する。
つ、アクチュエータ等の負荷へ連続的に電力を供給し、
或るいは一定の蓄電量に達した段階で、又は外部からの
指令に応答して、間欠的に負荷へ電力を供給する。
【0012】
【実施例】以下、本発明のマイクロマシンについてその
一実施例を示す図に基づいて説明する。
一実施例を示す図に基づいて説明する。
【0013】図1に示す如く、マイクロマシンユニット
2には、音波発振源1からの音波を受けて共振する圧電
変換器3が装備されており、該圧電変換器3を構成する
圧電素子31の両側に設けられた一対の電極32、33
は蓄電装置4の入力端へ接続されて、圧電変換器3の発
生電力を常時充電する様に構成されている。
2には、音波発振源1からの音波を受けて共振する圧電
変換器3が装備されており、該圧電変換器3を構成する
圧電素子31の両側に設けられた一対の電極32、33
は蓄電装置4の入力端へ接続されて、圧電変換器3の発
生電力を常時充電する様に構成されている。
【0014】又、蓄電装置4の出力端は、マイクロマシ
ンの各種機能を実現するための負荷5へ接続されてい
る。
ンの各種機能を実現するための負荷5へ接続されてい
る。
【0015】負荷5としては、マイクロマシン自体の移
動のための推進機構、配管系統や機械システム内におけ
る点検、補修作業などを行うためのアクチュエータの動
力発生装置、温度、圧力等を検知するセンサーの電源回
路等が挙げられるが、上記マイクロマシンによれば、一
定時間の発電、充電動作によって、蓄電装置4には比較
的大きな電力を蓄えることができるから、圧電変換器3
の発生電力を直接負荷へ供給する場合に比べて、大きな
負荷を駆動することが可能である。
動のための推進機構、配管系統や機械システム内におけ
る点検、補修作業などを行うためのアクチュエータの動
力発生装置、温度、圧力等を検知するセンサーの電源回
路等が挙げられるが、上記マイクロマシンによれば、一
定時間の発電、充電動作によって、蓄電装置4には比較
的大きな電力を蓄えることができるから、圧電変換器3
の発生電力を直接負荷へ供給する場合に比べて、大きな
負荷を駆動することが可能である。
【0016】蓄電装置4としては周知の種々の装置を採
用できるが、例えば図2に示す如く、整流器とコンデン
サを組み合わせることによって極めて小型軽量に構成す
ることが可能である。
用できるが、例えば図2に示す如く、整流器とコンデン
サを組み合わせることによって極めて小型軽量に構成す
ることが可能である。
【0017】図2に示すマイクロマシンユニット2にお
いては、例えば外部から制御信号によってスイッチ6を
閉じれば、蓄電装置4のコンデンサが放電して、負荷5
に電力が供給されることになる。
いては、例えば外部から制御信号によってスイッチ6を
閉じれば、蓄電装置4のコンデンサが放電して、負荷5
に電力が供給されることになる。
【0018】図3は、音波発振源1からの音波によっ
て、小口径管10内に装入した上記マクロマシンユニッ
ト2を推進移動させるための構成を示している。
て、小口径管10内に装入した上記マクロマシンユニッ
ト2を推進移動させるための構成を示している。
【0019】マイクロマシンユニット2の後部には、音
波発振源1からの音波によって共振する複数マイクロマ
シンの振動板21が取り付けられており、該振動板の振
動によって推進力が発生して、マイクロマシンユニット
2が管内を前進するのである。
波発振源1からの音波によって共振する複数マイクロマ
シンの振動板21が取り付けられており、該振動板の振
動によって推進力が発生して、マイクロマシンユニット
2が管内を前進するのである。
【0020】ところで、図4は、前記圧電変換器3を長
さL、厚さHの断面矩形の片持ち振動板としてモデル化
した場合の固有振動数を表している。一般的なマイクロ
マシンの大きさに対応させて振動板の長さLを5mm以下
とし、振動板の厚さHを長さLの10分の1よりも小さ
く且つ1000分の1よりも大きく形成すると、ハッチ
ングの領域を該振動板の固有振動数として設定し得る。
さL、厚さHの断面矩形の片持ち振動板としてモデル化
した場合の固有振動数を表している。一般的なマイクロ
マシンの大きさに対応させて振動板の長さLを5mm以下
とし、振動板の厚さHを長さLの10分の1よりも小さ
く且つ1000分の1よりも大きく形成すると、ハッチ
ングの領域を該振動板の固有振動数として設定し得る。
【0021】ここで、音波として超音波を用いる場合、
図中破線よりも上のハッチング領域が、振動板の固有振
動数として採用出来ることになる。
図中破線よりも上のハッチング領域が、振動板の固有振
動数として採用出来ることになる。
【0022】従って、図4から、振動板の形状寸法につ
いては比較的自由に設計出来、又、使用できる音波の周
波数範囲も広いことが分かる。
いては比較的自由に設計出来、又、使用できる音波の周
波数範囲も広いことが分かる。
【0023】一方、マイクロマシンユニット2の外部に
設けられるエネルギー源としては、音波発振源1の他
に、レーザ光、及びマイクロ波を発生するものが考えら
れる。
設けられるエネルギー源としては、音波発振源1の他
に、レーザ光、及びマイクロ波を発生するものが考えら
れる。
【0024】ここで、表1に、音波、レーザ光、及びマ
イクロ波の水中での減衰係数、及び曲がった管内や障害
物に対する伝搬の可否を比較したもの結果を示す。この
表から明らかなように、音波が最も減衰が小さく、しか
も曲がった管内での伝搬が可能であり、障害物の存在も
問題とならない。
イクロ波の水中での減衰係数、及び曲がった管内や障害
物に対する伝搬の可否を比較したもの結果を示す。この
表から明らかなように、音波が最も減衰が小さく、しか
も曲がった管内での伝搬が可能であり、障害物の存在も
問題とならない。
【0025】
【表1】
【0026】従って、特に液中のマイクロマシンへエネ
ルギーを伝達するには、音波が最も効率的であると言え
る。
ルギーを伝達するには、音波が最も効率的であると言え
る。
【0027】以上のように、管内や狭隘部に装入された
マシンユニットへエネルギーを無線で供給する場合、音
波は、管内や狭隘部の壁面で反射されつつ伝搬するの
で、音波発振源の位置から遠く離れた箇所においてもマ
シンユニットの圧電変換器3は十分なエネルギーレベル
の音波を受け取って、蓄電装置4を十分に充電すること
が可能である。
マシンユニットへエネルギーを無線で供給する場合、音
波は、管内や狭隘部の壁面で反射されつつ伝搬するの
で、音波発振源の位置から遠く離れた箇所においてもマ
シンユニットの圧電変換器3は十分なエネルギーレベル
の音波を受け取って、蓄電装置4を十分に充電すること
が可能である。
【0028】次に、音波の供給によって発生し得る電力
の大きさを確認する実験を行ったので、以下に説明す
る。
の大きさを確認する実験を行ったので、以下に説明す
る。
【0029】音波発振源として、発振器からの12KHz
の高周波を30Wのアンプを経てスピーカへ供給して
0.4Wの音波を発生すると共に、長さ10mm、幅2m
m、厚さ0.5mmのPZTバイモルフ片持ち梁を構成
し、前記音波によって該PZTバイモルフ片持ち梁を振
動させた。このときの片持ち梁が受けた音強度は10-3
W/cm2であって、PZTバイモルフの発生電力をオシロ
スコープで測定したところ、0.7nWの出力が得られ
た。
の高周波を30Wのアンプを経てスピーカへ供給して
0.4Wの音波を発生すると共に、長さ10mm、幅2m
m、厚さ0.5mmのPZTバイモルフ片持ち梁を構成
し、前記音波によって該PZTバイモルフ片持ち梁を振
動させた。このときの片持ち梁が受けた音強度は10-3
W/cm2であって、PZTバイモルフの発生電力をオシロ
スコープで測定したところ、0.7nWの出力が得られ
た。
【0030】従って、スピーカからの音波を周知の超音
波集束技術を用いて集束させたり、或るいは音波の発生
源として超磁歪発振素子を用いることにより、前記音強
度を103〜104W/cm2のオーダに増大させることは可
能であって、これによって1〜10mWのオーダの電力を
取り出すことが可能となる。
波集束技術を用いて集束させたり、或るいは音波の発生
源として超磁歪発振素子を用いることにより、前記音強
度を103〜104W/cm2のオーダに増大させることは可
能であって、これによって1〜10mWのオーダの電力を
取り出すことが可能となる。
【0031】以上の考察から、音波発振源1からマイク
ロマシンユニット2へ至るまでの音波の減衰を考慮した
としても、圧電変換器3の発生電力を蓄電装置4に一定
時間蓄えれば、かなり大きな負荷を駆動できることは明
らかである。
ロマシンユニット2へ至るまでの音波の減衰を考慮した
としても、圧電変換器3の発生電力を蓄電装置4に一定
時間蓄えれば、かなり大きな負荷を駆動できることは明
らかである。
【0032】次に、図1の圧電変換器3の種々の構成に
おける、エネルギー変換効率、及び耐久性について考察
する。
おける、エネルギー変換効率、及び耐久性について考察
する。
【0033】圧電変換器3として、長さl、幅h、厚さ
aの絶縁材料からなる基板の両側に、長さl、幅h、厚
さbの圧電材料を貼付けた3層構造の圧電素子から構成
し、音強度Iの音波によって圧電素子を振動させた場
合、ε0を真空中の誘電率、εTは比誘電率、Tは振動周
期、d31は圧電定数、Cは単位長さ当りの静電容量、ρ
cは音響インピーダンス、E1は基板の弾性率、E2は圧
電材料の弾性率とすると、音強度Iにおける電気出力P
は、次式で表される。
aの絶縁材料からなる基板の両側に、長さl、幅h、厚
さbの圧電材料を貼付けた3層構造の圧電素子から構成
し、音強度Iの音波によって圧電素子を振動させた場
合、ε0を真空中の誘電率、εTは比誘電率、Tは振動周
期、d31は圧電定数、Cは単位長さ当りの静電容量、ρ
cは音響インピーダンス、E1は基板の弾性率、E2は圧
電材料の弾性率とすると、音強度Iにおける電気出力P
は、次式で表される。
【0034】
【数1】
【0035】また、この際の圧電変換器3に生じる最大
変位Yは、次式で表される。
変位Yは、次式で表される。
【0036】
【数2】
【0037】尚、圧電変換器3を上記3層構造の圧電素
子から構成したのは、圧電素子の振動時における圧電材
料の分極の極性が橈み方向の内側と外側において異なる
ため、圧電材料のみであると発生電圧が相殺されるの虞
れがあるためである。
子から構成したのは、圧電素子の振動時における圧電材
料の分極の極性が橈み方向の内側と外側において異なる
ため、圧電材料のみであると発生電圧が相殺されるの虞
れがあるためである。
【0038】次に、圧電変換器3として、図5に示すよ
うに、長さ5mm、幅5mm、厚さ14μmのポリエチレン
からなる基体51の両側に、長さ5mm、幅5mm、厚さ2
8μmの圧電材料52を貼付けた3層構造の圧電素子
を、(a)片持ちはり形状、(b)両端支持はり形状、(c)
両端固着はり形状とした構成のものについて、上記数
1、数2に基づいて、音強度に対する電気出力特性、及
び電気出力に対する変位特性の試算を行った。尚、圧電
材料52として、PZTバイモルフなどの圧電性セラミ
ックスに比べて、誘電率、及び音響インピーダンスが小
さく、発電特性に有利な圧電性高分子材料であるポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)から構成したものとして試
算を行った。
うに、長さ5mm、幅5mm、厚さ14μmのポリエチレン
からなる基体51の両側に、長さ5mm、幅5mm、厚さ2
8μmの圧電材料52を貼付けた3層構造の圧電素子
を、(a)片持ちはり形状、(b)両端支持はり形状、(c)
両端固着はり形状とした構成のものについて、上記数
1、数2に基づいて、音強度に対する電気出力特性、及
び電気出力に対する変位特性の試算を行った。尚、圧電
材料52として、PZTバイモルフなどの圧電性セラミ
ックスに比べて、誘電率、及び音響インピーダンスが小
さく、発電特性に有利な圧電性高分子材料であるポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)から構成したものとして試
算を行った。
【0039】図6に音強度に対する出力特性、図7に出
力に対する変位特性の試算結果をに示す。
力に対する変位特性の試算結果をに示す。
【0040】図6に示すように、エネルギー変換効率は
片持ちはり形状が一番高く、次に両端支持はり形状が高
い値を有しており、これらの形状に比べて両端固着はり
形状の場合にはかなり低い値となっている。例えば、5
mWの出力を得るのに必要とされる音強度は、両端固着は
り形状の場合には37.8W/cm2であるのに対し、両端
支持はり形状の場合には9.45W/cm2、片持ちはり形
状の場合には2.65W/cm2となっている。
片持ちはり形状が一番高く、次に両端支持はり形状が高
い値を有しており、これらの形状に比べて両端固着はり
形状の場合にはかなり低い値となっている。例えば、5
mWの出力を得るのに必要とされる音強度は、両端固着は
り形状の場合には37.8W/cm2であるのに対し、両端
支持はり形状の場合には9.45W/cm2、片持ちはり形
状の場合には2.65W/cm2となっている。
【0041】また、図7に示すように、圧電変換器3の
同一出力発生時における変位量は、両端固着はり形状が
一番小さく、次に両端支持はり形状が小さい値を有して
おり、これらの形状に比べて片持ちはり形状の場合に
は、その変位量がかなり大きくなっている。例えば、5
mWの出力を得る際に発生する変位量は、片持ちはり形状
の場合には6.50mmであるのに対し、両端支持はり形
状の場合には1.28mm、両端固着はり形状の場合には
0.52mmとなっている。但し、片持ちはり形状の場合
には、変位量が非常に大きくなるため、実際には試算さ
れた変位量6.50mmになる前に、圧電変換器3が破壊
してしまうものと考えられる。
同一出力発生時における変位量は、両端固着はり形状が
一番小さく、次に両端支持はり形状が小さい値を有して
おり、これらの形状に比べて片持ちはり形状の場合に
は、その変位量がかなり大きくなっている。例えば、5
mWの出力を得る際に発生する変位量は、片持ちはり形状
の場合には6.50mmであるのに対し、両端支持はり形
状の場合には1.28mm、両端固着はり形状の場合には
0.52mmとなっている。但し、片持ちはり形状の場合
には、変位量が非常に大きくなるため、実際には試算さ
れた変位量6.50mmになる前に、圧電変換器3が破壊
してしまうものと考えられる。
【0042】従って、液体が充満するパイプなどに数ミ
リ程度のマイクロマシンを装入して、所定の動作位置に
て所定の動作(例えば薬液の噴出等)を行わしめる場合
には、その動作のために少なくとも1〜10mWのオーダ
の電力が必要であり、その出力範囲ではエネルギー変換
効率、及び耐久性の点から、両端支持はり形状が一番優
れていると言える。
リ程度のマイクロマシンを装入して、所定の動作位置に
て所定の動作(例えば薬液の噴出等)を行わしめる場合
には、その動作のために少なくとも1〜10mWのオーダ
の電力が必要であり、その出力範囲ではエネルギー変換
効率、及び耐久性の点から、両端支持はり形状が一番優
れていると言える。
【0043】尚、上記実施例では、圧電材料52とし
て、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた場合に
ついて説明したが、その他の圧電性高分子材料、例えば
フッ化ビニリデンとフルオロエチレンの共重合体などを
用いても略同様の効果を奏することができる。
て、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた場合に
ついて説明したが、その他の圧電性高分子材料、例えば
フッ化ビニリデンとフルオロエチレンの共重合体などを
用いても略同様の効果を奏することができる。
【0044】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、マシン
ユニットに搭載すべき発電手段、及び蓄電手段は夫々圧
電変換器、及びコンデンサ等の小型電子回路素子から構
成できるから、従来の電池等を搭載したマイクロマシン
に比べて、装置全体の小型軽量化が可能であり、然も動
作時間に制限がないから、マイクロマシン本来の機能を
十分に発揮せしめることが可能となる。
ユニットに搭載すべき発電手段、及び蓄電手段は夫々圧
電変換器、及びコンデンサ等の小型電子回路素子から構
成できるから、従来の電池等を搭載したマイクロマシン
に比べて、装置全体の小型軽量化が可能であり、然も動
作時間に制限がないから、マイクロマシン本来の機能を
十分に発揮せしめることが可能となる。
【0045】また、上記実施例に記載のように、音波を
電力に変換するマイクロマシンの圧電変換器を両端支持
はり形状の圧電素子から構成した場合には、その他の構
成のものに比べて、エネルギー変換効率、及び耐久性が
優れたマイクロマシンを実現することができる。更に、
圧電素子を圧電性高分子材料から構成することにより、
圧電変換器のエネルギー変換効率を一層向上させること
が可能となる。
電力に変換するマイクロマシンの圧電変換器を両端支持
はり形状の圧電素子から構成した場合には、その他の構
成のものに比べて、エネルギー変換効率、及び耐久性が
優れたマイクロマシンを実現することができる。更に、
圧電素子を圧電性高分子材料から構成することにより、
圧電変換器のエネルギー変換効率を一層向上させること
が可能となる。
【図1】本発明に係るマイクロマシンの構成例を示す図
である。
である。
【図2】蓄電装置の具体的な回路構成を示す図である。
【図3】マイクロマシンを音波によって推進移動させる
ための構成を示す一部破断斜視図である。
ための構成を示す一部破断斜視図である。
【図4】片持ち支持した振動板の形状と固有振動数との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図5】圧電変換器の各種形状の構成を説明する概略図
である。
である。
【図6】図5に示す圧電変換器の音強度に対する出力特
性図である。
性図である。
【図7】図5に示す圧電変換器の電気出力に対する変位
特性図である。
特性図である。
【図8】マイクロマシンの一般的な構成を説明するブロ
ック図である。
ック図である。
1 音波発振源 2 マイクロマシンユニット 3 圧電変換器 4 蓄電装置 5 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02N 2/00 A 8525−5H (72)発明者 藤田 日出人 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 川合 毅 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 高見 正人 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 堤 健郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 福島 清司 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】外部から供給される音波を受けて該音波を
電力に変換する発電手段と、発電手段の発生電力を蓄え
る蓄電手段とを備えたマイクロマシン。 - 【請求項2】前記発電手段は、両端支持はり形状の圧電
素子から構成された圧電変換器であることを特徴とする
請求項1記載のマイクロマシン。 - 【請求項3】前記圧電素子は、圧電性高分子材料から構
成されたことを特徴とする請求項2記載のマイクロマシ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17085592A JPH05330424A (ja) | 1991-09-20 | 1992-06-29 | マイクロマシン |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-240081 | 1991-09-20 | ||
JP24008191 | 1991-09-20 | ||
JP17085592A JPH05330424A (ja) | 1991-09-20 | 1992-06-29 | マイクロマシン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05330424A true JPH05330424A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=17054205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17085592A Pending JPH05330424A (ja) | 1991-09-20 | 1992-06-29 | マイクロマシン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05330424A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11252945A (ja) * | 1998-03-06 | 1999-09-17 | Seiko Epson Corp | 発電装置及び電子機器 |
JP2006061344A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Samii Kk | 発光装置およびこれを適用した遊技機 |
JP2006166694A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-22 | Kohei Hayamizu | 圧電素子、音力発電装置および振動力発電装置 |
JP2011528185A (ja) * | 2008-07-17 | 2011-11-10 | ジャン−フレデリック・マルタン | 電圧を発生するための自律型圧電デバイス |
JP2013106276A (ja) * | 2011-11-15 | 2013-05-30 | Adc Technology Inc | 携帯電話端末 |
JP2019148503A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | Tdk株式会社 | 圧電磁歪複合型の磁界センサー及び磁気発電デバイス |
JP2021132436A (ja) * | 2020-02-18 | 2021-09-09 | 株式会社ディスコ | 発電機構 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP17085592A patent/JPH05330424A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11252945A (ja) * | 1998-03-06 | 1999-09-17 | Seiko Epson Corp | 発電装置及び電子機器 |
JP2006061344A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Samii Kk | 発光装置およびこれを適用した遊技機 |
JP2006166694A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-22 | Kohei Hayamizu | 圧電素子、音力発電装置および振動力発電装置 |
JP2011528185A (ja) * | 2008-07-17 | 2011-11-10 | ジャン−フレデリック・マルタン | 電圧を発生するための自律型圧電デバイス |
JP2013106276A (ja) * | 2011-11-15 | 2013-05-30 | Adc Technology Inc | 携帯電話端末 |
JP2019148503A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | Tdk株式会社 | 圧電磁歪複合型の磁界センサー及び磁気発電デバイス |
JP2021132436A (ja) * | 2020-02-18 | 2021-09-09 | 株式会社ディスコ | 発電機構 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7081699B2 (en) | Thermoacoustic piezoelectric generator | |
Pillai et al. | A review of acoustic energy harvesting | |
Muralt et al. | Micromachined ultrasonic transducers and acoustic sensors based on piezoelectric thin films | |
EP0724243B1 (en) | Apparatus and method for producing structural and acoustic vibrations | |
CN101254499B (zh) | 一种大开角叠堆晶片发射换能器 | |
CA2261505A1 (en) | Ultrasonic generator with supervisory control circuitry | |
EP0698298A1 (en) | Low voltage bender piezo-actuators | |
JP2008211925A (ja) | 圧電発電装置 | |
EP1204191A2 (en) | Wireless power supply method | |
Sherrit | The physical acoustics of energy harvesting | |
JPH05330424A (ja) | マイクロマシン | |
KR101930633B1 (ko) | 음압을 이용한 발전기 | |
JP2010063961A (ja) | 超音波発生装置及びそれを備えた設備機器 | |
JPS6022478A (ja) | 超音波リニアモータ | |
JP7527680B2 (ja) | 超音波デバイス、インピーダンス整合層及び静電駆動デバイス | |
JP6432069B2 (ja) | 集束超音波発生装置 | |
JP2985509B2 (ja) | 低周波水中送波器 | |
KR101973684B1 (ko) | 음향 에너지 수확 장치 | |
JPH05219588A (ja) | 低周波水中超音波送波器 | |
JPH06154191A (ja) | マイクロメカニズム装置 | |
US6188313B1 (en) | Device for generating sound | |
Xu | Piezoelectric transducer inventions in the last two decades | |
Lee et al. | Wireless and Stand-Alone Submarine Propeller Based on Acoustic Propulsion | |
US7157831B2 (en) | Energy efficient vibration driven motor | |
JP6248290B2 (ja) | 集束超音波発生装置 |