JPH06154191A - マイクロメカニズム装置 - Google Patents

マイクロメカニズム装置

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JPH06154191A
JPH06154191A JP4317061A JP31706192A JPH06154191A JP H06154191 A JPH06154191 A JP H06154191A JP 4317061 A JP4317061 A JP 4317061A JP 31706192 A JP31706192 A JP 31706192A JP H06154191 A JPH06154191 A JP H06154191A
Authority
JP
Japan
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micromechanism
frequency
resonance
vibrating
resonance frequency
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Withdrawn
Application number
JP4317061A
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English (en)
Inventor
Hideo Adachi
日出夫 安達
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP4317061A priority Critical patent/JPH06154191A/ja
Publication of JPH06154191A publication Critical patent/JPH06154191A/ja
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】遠隔制御的に自走の方向、速度を決定し、移動
させることを可能としたマイクロメカニズム装置を提供
すること。 【構成】相異なる共振周波数を有する振動物体100
a,100bが連結部材102により保持されており、
該振動物体100a,100bのいずれか一方の共振周
波数と同一周波数の音響エネルギーを外部から放射する
と、該振動物体100a,100bに独立した振動変位
が共振励起し、それにより、マイクロメカニズム装置全
体の自走の方向及び速度が決定し、該装置全体が遠隔制
御的に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば医療、バイオテ
クノロジー、非破壊検査等の産業分野において、体腔
内、配管内等の隔絶された隠蔽部に配置され、走行動作
や隔絶された隠蔽部内部の状況検出、検出内視信号の外
部受信装置へのリモート送信等を行うワイヤレス構造の
マイクロメカニズム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばカプセル内視鏡、マイクロ
サージェリー等、先端技術装置の要素技術として、マイ
クロメカニズム装置の研究が進められており、特にカプ
セル内視鏡は医療技術、非破壊検査技術の進展に大きな
影響を及ぼすことが期待されている。そして、これら技
術を実現するのに必要な要素としては、主としてマイク
ロカプセルを移動させる為のマイクロアクチュエータ、
リモート信号の授受部、マイクロ画像センサが挙げられ
る。
【0003】しかしながら、従来、これらを一括登録し
た具体的なマイクロメカニズム装置の構造に関する提案
はされていない。それは、リモートマイクロアクチュエ
ータ、リモート信号の授受部、マイクロ画像センサ部を
一括搭載したマイクロメカニズムを実現しようとする
と、該リモートマイクロアクチュエータ、リモート信号
の授受部、マイクロ画像センサ部を動作させる為の駆動
エネルギーをリモート供給する技術が開発されていない
為である。
【0004】さらに、従来より研究が進められている静
電マイクロアクチュエータでは、確かに微小構造に於い
て電気機械変換効率が他に比較して良好であるが、配線
が複雑である他、電気エネルギーを供給する必要もあ
り、更には電気的ノイズによって正常な動作をしないこ
ともある。そして、エネルギー源を搭載したとしても搭
載できるエネルギー量には限度があり、静電駆動の為の
動作電圧は一般的に高く、例えば人体内で用いる場合に
は安全面でも好ましくない。
【0005】一方、図9は、上下振動する台に対して載
置した物体を相対的に回転移動させることを目的とした
メカニズム装置に関する先行例の構成を示す図である
(打木等;日本音響学会講演論文集、平成3年3月、1
−1−14、P669)。
【0006】同図に示すように、本構成のメカニズム装
置は上下に振動するのだが、横方向には、固定された台
の上に載置した移動物体、即ち、回転体が該メカニズム
装置の骨格とそれを支える為に設けられている。そし
て、固定台に対し鉛直方向から傾いた角度を持って接
し、且つ屈曲変位可能な複数のばね性弾性部材201も
設けられている。
【0007】このような構成において、固定台の上下振
動が起こると骨格部の慣性力または押圧力で複数のばね
性弾性部材201は屈曲運動をする。この時、ばね性弾
性部材201の先端は鉛直方向から傾いた角度を持って
接しているので、一方向の回転円運動をする。従って、
この先端が固定台に接触する点においては、先端と固定
台との間に摩擦があれば固定台を蹴り弾くような力を固
定台に及ぼす。そして、ここでの固定台が上下方向にの
み変化し、水平方向に全く動かないものであれば、相対
的にこの載置した物体は水平方向へ移動することにな
る。
【0008】このように、本メカニズム装置では円周に
沿ってばね性弾性部材が配置されているので、このばね
性弾性部材が配設された円柱状荷重は回転することにな
る。また、図10は、他の従来例に係るメカニズム装置
の構成を示す図である(青島等;「超音波TECHN
O」8月号、P1〜P12)。
【0009】同図(a)に示すように、本構造のメカニ
ズム装置では、圧電素子を2枚張り合わせた圧電バイモ
ルフ204に4枚の導電性弾性板203を斜めに取り付
けており、管路内面に張り付けられた電極202A,B
に交流電圧を印加し、導電性弾性板を介して圧電バイモ
ルフ204に電圧がかかる。すると、同図(b),
(c)に示すような屈曲振動が起こり、該屈曲振動によ
り弾性板先端は図のように管路長手方向に振動する。こ
の時、弾性板先端が管路から受ける摩擦力は滑り方向に
よって異なり、本構成のメカニズム装置の場合には、弾
性板203の先端は左方に滑るよりも右方に滑る場合の
方が大きくなる。このようにして、メカニズム装置は左
方に走行することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、静電
力を用いたアクチュエータでは電力供給が直接必要とな
り、その為の配線構造も複雑となる。しかも、高電圧を
出力する回路や回転またはリニア移動モードを制御する
制御回路が必要となる。さらに、高電圧を用いることの
危険性の他、絶縁破壊または放電による破壊という危険
性があるため、医療、バイオ用、あるいは非破壊検査用
としては好ましくない。また、自走形としては電源搭載
の難しさがあった。一方、図9,10に示した構造にお
いては、圧電体の電気機械変換効果を用いているので、
基本的に電気エネルギーが必要となる。
【0011】しかも、図9に示した先行例では、リニア
方向の移動の為には移動経路全てにおいて同じ方向に上
下振動をさせる必要があり、大きな電気的エネルギーが
必要となる。また、図10に示した先行例においては、
圧電体に電圧を印加の為の摺動電極配線が必要であり、
そこからずれないようにするには管のようなガイドが必
要とある。そして、両方の先行例共に、移動体への直接
の配線は無いが、振動要素に対する電気エネルギーの供
給は実質的に配線があるのと同じであるので無線式とは
言い難いものである。
【0012】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、遠隔制御的に、自走の方
向及び速度を決定し、装置全体を移動させることを可能
としたマイクロメカニズム装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のマイクロメカニズム装置は、相異なる共振
周波数を有する少なくとも第1及び第2の機械的振動手
段と、上記第1及び第2の機械的振動手段を保持する保
持手段とを具備し、上記第1及び第2の機械的振動手段
のいずれか一方の共振周波数と同一周波数の音響エネル
ギーを外部から順次放射すると、該第1及び第2の機械
的振動手段に独立した振動変位が共振励起し、自走の方
向及び速度が決定し、遠隔制御的に移動することを特徴
とする。
【0014】
【作用】即ち、本発明のマイクロメカニズム装置では、
相異なる共振周波数を有する少なくとも第1及び第2の
機械的振動手段が保持手段により保持されており、該第
1及び第2の機械的振動手段のいずれか一方の共振周波
数と同一周波数の音響エネルギーが外部から順次放射さ
れると、該第1及び第2の機械的振動手段に独立した振
動変位が共振励起し、自走の方向及び速度が決定し、遠
隔制御的に移動する。
【0015】
【実施例】先ず、本発明の実施例について説明する前
に、図2を参照して、音響高周波リモート信号により微
小物体が振動する原理について説明する。
【0016】図2(a)乃至(c)は、微小物体の具体
例の形状を示す図であり、図2(a)は一辺aの立方
体、或いは直径a,高さhの直方体,円柱を示し、図2
(b)は直径dの球を示し、図2(c)は長さl,厚さ
t,幅wの板を示す。そして、これら微小物体が密度
ρ,ヤング率Eの材質からなるとすれば、該微小物体は
各寸法に対応した固有の機械的共振周波数を有すること
になる。例えば、図2(a)乃至(c)の各形状に対応
する共振周波数は次式で示される。
【0017】
【数1】 ここで、n(n≧2)は振動の次数を示し、高調波に対
応している。
【0018】上記微小物体に、上記共振周波数に等しい
周波数の超音波を照射すると、該振動物体は共振し、振
動物体の端部は振動変位する。尚、この共振周波数とは
自由振動をさせた時のものであり、実際に用いる時には
これらの振動要素を保持する腕が接続されている場合が
多い。そして、この場合、振動物体と腕の各々の音響イ
ンピーダンスに大きな差がある場合や物体の共振周波数
よりかなり小さな共振周波数を有する腕であれば、物体
の共振周波数は腕の接続によって殆どずれることはな
い。
【0019】しかしながら、このような条件に無い場
合、即ち、腕の音響インピーダンスが振動物体の音響イ
ンピーダンスに近かったり、各々の共振周波数が近接し
ている場合には、振動は該腕を通して腕を支える基体に
洩れ、同時に共振周波数も低下することになる。従っ
て、この腕の設計は特に重要となる。
【0020】例えば、図2(b)に示す球の場合のよう
に形状を表すパラメータが一つしか無い場合を除いて、
他の形状の物体では、複数の振動姿態を持つので、これ
らの共振周波数が高調波の関係に無かったり近接してい
ない関係に有ることが必要である。そして、機械的品質
係数Qm が小さいと、振動による機械的エネルギー損失
が大きくなり、発熱したり機械的な制動が大きくなる。
その結果、必要な振動振幅が得られず目的の動作ができ
なくなる場合がある。従って、振動物体として用いる材
料としては、機械的品質係数Qm の大きなものが好まし
いと言える。ここで、各種材料の密度、弾性定数、機械
的品質係数Qm の値は下記の表に示す通りである。
【0021】
【表1】
【0022】この表からも明らかであるように、一般
に、シリコン(Si)は機械振動によるエネルギーロ
ス、即ち機械的品質係数Qm の逆数の値が小さいので、
振動材料として適している。以下、図面を参照して、本
発明の実施例について説明する。図1(a)は、第1の
実施例に係るマイクロメカニズム装置の構成を示す図で
ある。
【0023】同図に示すように、本実施例は複数の振動
物体100a,100bを、音響インピーダンスが極端
に異なるか、或いは共振周波数が極端に異なる振動遮断
部材101を経て連結部材102で一体化された構成と
なっている。
【0024】この振動物体100a,100bは、互い
に低次(例えば、5次以下)の高調波の関係にない周波
数を共振周波数とした各々の寸法を有している。そし
て、これらを載置する他面に対する鉛直面から一定の角
度互いに逆方向に傾くように構成されている。このよう
な逆方向の傾きは、この移動体の動作によって決めるこ
とができ、本実施例は左右両方向に移動させるのに対応
した構成をとっている。このような構成において、振動
物体100aの共振周波数faの超音波を該メカニズム
に放射すると、振動物体100aは共振するが振動物体
100bは共振しないので、このメカニズム装置は図
中、aの方向に移動する。一方、振動物体100bの共
振周波数fbの超音波を該メカニズムに放射すると、振
動物体100bは共振するが振動物体100aは共振し
ないので、このメカニズム装置は図中、bの方向に移動
する。従って、上記共振周波数fa,fbの超音波を交
互に、このメカニズム装置に照射すれば、該メカニズム
装置を左右に交互に移動させることができる。次に、図
1(b)は、本発明を回転子の振動源に応用した第2の
実施例に係るマイクロメカニズム装置の構成を示す図で
ある。
【0025】同図に示すように、本実施例のマイクロメ
カニズム装置は、回転軸103と回転子104と、その
周囲に配置された2種類の異なる共振周波数を有する駆
動子100とで構成されている。そして、上記2種類の
駆動子100は、回転子104に対して、それぞれの駆
動子100が所定の角度を有するように基板105に固
定されており、且つ、共振周波数が異なるこの2種類の
駆動子100は一つおきに配置されている。
【0026】このような構成において、駆動子100の
共振周波数を有する超音波を照射し、該駆動子100が
共振すると、駆動子100がその振動方向が回転子10
4の径方向に対し傾斜して回転子104の周囲に接触し
ているので、駆動子100の先端は回転子104の周囲
を突き回転子104を回転させる。尚、照射する共振周
波数を変えることで、上記2種類の駆動子の振動を制御
することができるので、回転方向を任意に制御すること
ができる。
【0027】以上説明した第1及び第2の実施例の動作
は、これらの物体の寸法が極めて小さく、振動させるの
に必要な機械的エネルギーはその体積に比例するが、機
械的品質係数Qm に反比例するので、シリコンのような
機械的品質係数Qm が高い材料を用いてこそ、それほど
大きくない超音波エネルギーの照射で動作させることが
できるのである。そして、このシリコン材料は、高集積
度半導体デバイスのプロセス技術を用いれば容易にこれ
らの構造を製造することができる。次に、図1(c)
は、第3の実施例に係るマイクロメカニズム装置の構成
を示す図である。
【0028】同図に示すように、非常に軽量な細長い物
体の細長部側胴部106には無数の繊毛構造が少し傾け
て配置されている。そして、この無数の繊毛構造は、こ
の軽量な細長い物体と一体的に形成されており一本一本
は細いが堅く、屈曲変位に対するバネ性があり、且つ付
け根の傾斜は殆ど変化しないようになっている。この
為、母体部全体を上下に振動させると、無数の繊毛構造
の一本一本はその屈曲バネ性によって撓み、次の瞬間に
この撓みが戻ると同時に、この繊毛構造を備えたメカニ
ズムは矢印の方向へ移動する。
【0029】このような構成は、一方向への移動のみで
よい場合は有効なものであると言える。また、相対的に
上下の揺動があれば矢印の方向への移動は可能であり、
特に音響エネルギー照射がなくてもある程度は移動可能
で、このメカニズムを載置した台地の表面の凹凸状態の
時間的変化によっても移動することができるので、この
分だけ、照射音響エネルギーは少なくすることができ
る。尚、前述のような構成の場合、それが持つ固有振動
周波数より高い周波数の音響エネルギーの照射が必要と
なる。次に、第4の実施例に係るマイクロメカニズム装
置について説明する。
【0030】本実施例のマイクロメカニズム装置では、
強誘電体素子の圧電効果や焦電効果を用いて、振動エネ
ルギーや熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、該エ
ネルギーを使用することを特徴としている。
【0031】図3は、第4の実施例に係るマイクロメカ
ニズム装置の構成を示す図である。同図において、移動
脚共振振動子群1,2は、複数の移動脚共振振動子4乃
至7からなり、移動時の動力源となる機械的振動要素で
ある。そして、圧電型エネルギー変換部3は、上記移動
脚共振振動子1,2の音響共振部以外の部位に形成され
ておりマイクロメカニズム装置に搭載した諸回路の動力
用電源を供給する。そして、この圧電型エネルギー変換
部3には、強誘電体素子8乃至10が一体的に形成され
ており、AC/DC変換器11は、これら強誘電体素子
8乃至10から圧電効果により発生する振動電圧を直流
電圧に変換する。
【0032】さらに、センサ回路14に接続された圧電
(焦電)型赤外線センサ16,17は、本マイクロメカ
ニズム装置と一体的に構成されており、圧電、焦電効果
を利用している。そして、高周波発振回路15、周波数
変調器18、アンテナ19はセンサ信号送波のためのも
のであり、この送波信号22は受信機21側の受信アン
テナ20により受信される。
【0033】このように本実施例のマイクロメカニズム
装置は、外部からの超音波信号23によって起動し移動
方向も決められ、マイクロメカニズムの環境情報をセン
サシングして、該センサシング信号を受信機21に送信
するものである。尚、上記センサ回路14の動作電力も
外部からの超音波信号23を圧電変換、整流をすること
によって得られる。図4は、第4の実施例に係るマイク
ロメカニズム装置の具体的な構造を示す図である。
【0034】同図において、基板27にシリコン(S
i)プロセスを用い、共振周波数faを有する移動脚共
振子28a、28b、faと異なる共振周波数fbを有
する移動脚共振子29a,29b、図4に示した構造を
したチョッパ用回転体が2つ一体に付設されている。そ
して、該回転体に設けられた窓33、34によって、こ
の回転体の下に配置した強誘電体への入射赤外線をオン
/オフさせる。
【0035】さらに、これにより発生する焦電電力、又
は電力変換用共振振動子からの信号を電源としたセンサ
回路14、高周波発振回路15、周波数変調器18がシ
リコン基板に一体的に形成されている。更に、アンテナ
48も併設された構造となっている。
【0036】この移動脚共振子29a、29bを図4の
AA´で断面としてを見ると、図5に示すようになって
おり、基板27に腕部30で係持された同一材料の移動
脚共振振動部材29a、29bがシリコンプロセスを用
いて形成されている。さらに、上記チョッパ用回転体の
断面構造は図6に示すようになっている。
【0037】同図に示すように、チョッパ用回転体は、
固定軸35,36、窓33,34が開いていて、複数の
共振振動子37a乃至37d,38a乃至38dをその
周囲に配した回転体からなっている。そして、複数の共
振振動子は先に図4に示したように、回転体の径方向に
対し僅かに傾いた角度を有して一体化している。さら
に、その先端は共振していない状態ではその周囲壁には
接していず、共振している時は周囲壁を一周期毎に突く
動作をする構造となっている。ここで、第4の実施例の
マイクロメカニズム装置の寸法は、次式により設計する
ことができる。
【0038】
【数2】
【0039】そして、材料をシリコンとすると、ρ=
2.33g/cm3 、E=1.9×1012dyn ・cm-2なの
で、t= 10μm ,h=l=100μm のとき、次式の
ようになる。
【0040】
【数3】 一般に、超音波が媒体中を伝播するとき、周波数の上昇
と共に減衰が大きくなり、この減衰を考慮すると超音波
の周波数は5MHz 〜10MHz が上限である。体外に超音
波探触子を配置する超音波診断装置では、この周波数で
侵入距離は約10cmであり、肋骨、皮下脂肪に妨害され
なければ超音波が侵入できる。
【0041】従って、自走用アクチュエータとしての共
振振動子の寸法は500μm 以上となる。また、図3の
回転子に取り付けられた共振振動子の寸法は厚さが10
μm、長さ100μm の屈曲振動子とする。この回転子
の寸法は直径1mmである。
【0042】これらの寸法から解るように、図3に示し
たメカニズムは5mm×3mm程度、厚さ0.5mm程度の寸
法となる。このように、メカニズム全体の寸法は、mm寸
法となるが、メカニズムの心臓部である共振子はμm 寸
法となる。尚、このような寸法が、十分体腔内に入る寸
法で、内視鏡医療に寄与できるものであることは勿論で
ある。次に、図7を参照して、第4の実施例に係るマイ
クロメカニズム装置の製造プロセスについて説明する。
【0043】図7(a)に示すようにシリコン基板49
の表面を酸化する。そして、図7(b)に示すように、
該シリコン基板49の表面に強誘電体薄膜の下部電極と
なる白金50をスパッタなどによって全面に成膜する。
さらに、図7(c)に示すように、該白金下部電極をR
IEやイオンビームミリングなどの手段で電極部、配線
部にエッチングし、その後、ジルコンチタン酸鉛(PZ
T)などの強誘電体薄膜をスパッタ、ゾルゲル法、CV
Dなどの方法で成膜し上部電極52を施す。そして、図
7(d)に示すように、RIEや、イオンビームミリン
グなどの手段で電極部、配線部の形状になるようにエッ
チングし、LPCVD法で構造膜53としてポリシリコ
ンを形成する。そして、図7(e)に示すように、回転
子を納めこみ、回転子の周囲に配置した共振振動子37
の先端が突く相手の側壁となる構造を形成する為にポリ
シリコン53の表面にLPCVD法などの手段でSiO
2 膜を形成し、フォトリソグラフィで、先に形成したポ
リシリコン53をエッチングする為のマスクになるよう
にエッチングを行う。
【0044】さらに、図7(f)に示すように、このマ
スクを通してエッチングを行い、強誘電体上の電極面ま
で到達する深さの円柱状の窪みを形成する。そして、図
7(g)に示すように、イオンビーミリング方法等でリ
ング状くぼみ54、円柱状くぼみ55を形成する。そし
て、図7(h)に示すように、円柱状くぼみ55部に回
転羽の軸とする為の柱状部材56をポリシリコンを用い
て形成する。
【0045】次いで、図7(i)に示すように、最後に
除去し犠牲層としての役割を果たす酸化膜層57をLP
CVD,プラズマCVDなどで形成し、その上に膜層を
回転子の羽とその周辺に形成する共振振動子になる材料
部分58としてポリシリコンをLPCVD法を用いて形
成する。
【0046】そして、図7(j)に示すように、このポ
リシリコンに窓部59、振動子部61をRIE、イオン
ビーミリング方法を用いてエッジングする。そして、図
7(k)に示すように、最後に犠牲層57を湿式エッチ
して除去する。こうして、図4に示す可動構造マイクロ
メカニズム装置が実現できる。
【0047】この構造の実現により、焦電センサと焦電
形エネルギー変換装置を搭載し、焦電信号、即ち赤外線
検出信号をリアルタイムでワイヤレス送信でき、且つ外
部からのリモート音響波の照射で移動可能なマイクロメ
カニズム装置を提供することができるようになる。尚、
強誘電体薄膜としては、ジルコンチタン酸鉛系(PZ
T)、ビスマス層状構造強誘電体系(BLSF)、チタ
ン酸バリウム、チタン酸鉛のうちの一つまたは複数の酸
化物強誘電体が挙げられる。次に、図8を参照して、第
5の実施例に係るマイクロメカニズム装置について説明
する。
【0048】図8(a)はマイクロメカニズム装置の裏
面から移動脚部分を見た図である。同図に示すように、
移動脚63a,63bは比較的周辺近傍に形成されてお
りセンサ回路などの諸回路64a,64b,64cは基
体にシリコンプロセスなどを用いて一体的に形成されて
いる。尚、図中、AA´部の断面図は図8(b)に示す
通りである。さらに、図8(c)は、移動脚部の拡大図
であり、移動脚ビーム固定台67に屈曲振動し売る多数
のビーム65とその空隙部66とからなっている。
【0049】今、この基体67全体が上下揺動したり、
ビーム67の有する屈曲姿勢の共振周波数に相当する周
波数を有する音響波が入射したり、あるいはマイクロメ
カニズムを載置した台地のビーム67の有する屈曲姿態
の共振周波数以上の速さのうねり運動があればビーム6
7は屈曲し、屈曲変位がビーム67の先端に台地をつつ
く動作をさせることになり、台地に対してマイクロメカ
ニズム装置内を移動させる力となる。
【0050】以上詳述したように、本発明のマイクロメ
カニズム装置では、電池を搭載する必要が全く無く、外
部からの音響高周波リモート信号を用いて、これに機械
的共振運動させて該共振運動を直接的に自走駆動に用い
るものである。
【0051】また、マイクロメカニズム装置に強誘電体
素子を一体的に形成し、この圧電効果を用いて音響高周
波リモート信号を電気エネルギーに変換し、このエネル
ギーを自走装置に搭載したトランジスタへ供給し、搭載
した種々の動作回路を動作させるものである。さらに、
音響高周波リモート信号に重畳したアクチュエータ動作
制御信号を圧電効果を用いて復調しリモートで動作モー
ド命令出来るようになっている。
【0052】そして、強誘電体の圧電効果、焦電効果を
用いて超音波センサ、赤外線センサとし、更にマイクロ
メカニズム装置内に半導体プロセスによって形成した発
振回路、周波数変調回路、アンテナ回路等を用いてマイ
クロメカニズム装置の周囲環境の状況をリモート検出で
きるようになっている。
【0053】さらに、マイクロメカニズム装置と一体的
に機械的振動子を設け、該マイクロメカニズム装置の機
械的共振子に非接触で振動を与えることにより振動変位
させ、その結果、固定した台地に対し移動させることが
できる。
【0054】そして、静電アクチュエータのように、動
作の為の電極や配線が不要で、且つアクチュエータ動作
の為の電力供給をリモートで行えるので、マイクロメカ
ニズム装置の小型化及び軽量化を実現することができ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、遠隔制御的に、自走の
方向及び速度を決定し、装置全体を移動させることを可
能としたマイクロメカニズム装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は、第1乃至第3の実施例に
係るマイクロメカニズム装置の構成を示す図である。
【図2】(a)乃至(c)は、微小物体の具体的な形状
を示す図である。
【図3】第4の実施例に係るマイクロメカニズム装置の
構成を示す図である。
【図4】第4の実施例に係るマイクロメカニズム装置の
具体的な構造を示す図である。
【図5】図4におけるAA´での断面図である。
【図6】図4におけるチョッパ用回転部の断面構造を示
す図である。
【図7】(a)乃至(k)は、第4の実施例に係るマイ
クロメカニズム装置の製造プロセスについて説明するた
めの図である。
【図8】(a)乃至(c)は、第5の実施例に係るマイ
クロメカニズム装置について説明するための図である。
【図9】上下振動する台に対して載置した物体を相対的
に回転移動させることを目的としたメカニズム装置に関
する先行例の構成を示す図である。
【図10】他の先行例に係るメカニズム装置の構成を示
す図である。
【符号の説明】
1,2…移動脚共振振動子群、3…圧電型(焦電型)エ
ネルギー変換部、4,5,6,7…移動脚共振振動子、
8,9,10…強誘電体素子、11…A/D変換器、1
2…整流器用コンデンサ、13…エネルギー変換部、1
4…センサ回路、15…高周波発振回路、16,17…
赤外線センサ、18…周波数変調器、19…アンテナ回
路、20…受信アンテナ、21…受信機、22…送波信
号、23…超音波信号、24…円柱状共振振動子、25
…球状共振振動子、26…板状共振振動子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相異なる共振周波数を有する少なくとも
    第1及び第2の機械的振動手段と、 上記第1及び第2の機械的振動手段を保持する保持手段
    と、を具備し、 上記第1及び第2の機械的振動手段のいずれか一方の共
    振周波数と同一周波数の音響エネルギーを外部から順次
    放射すると、該第1及び第2の機械的振動手段に独立し
    た振動変位が共振励起し、自走の方向及び速度が決定
    し、遠隔制御的に移動することを特徴とするマイクロメ
    カニズム装置。
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