JPH05329788A - マスタ・スレーブマニピュレータシステム制御装置 - Google Patents

マスタ・スレーブマニピュレータシステム制御装置

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JPH05329788A
JPH05329788A JP13517192A JP13517192A JPH05329788A JP H05329788 A JPH05329788 A JP H05329788A JP 13517192 A JP13517192 A JP 13517192A JP 13517192 A JP13517192 A JP 13517192A JP H05329788 A JPH05329788 A JP H05329788A
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JP
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manipulator
tip
master
acceleration
slave
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Application number
JP13517192A
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English (en)
Inventor
Koichi Yoshida
耕一 吉田
Tetsuo Yabuta
哲郎 藪田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オペレータに高度の臨場感を与えることので
きるマスタ・マニピュレータシステムを加速度センサを
用いることなく実現し、マニピュレータに含まれる未知
のダイナミクスを補償する。 【構成】 マスタマニピュレータ10m 、スレーブマニ
ピュレータ10s の先端加速度がそれぞれ先端加速度推
定部33m ,33s で推定される。加速度外乱推定部3
m ,34s で加速度外乱がマニピュレータ先端位置、
先端速度、3軸力センサ信号から推定される。マスタ・
スレーブ制御則計算部35はマニピュレータ先端位置、
先端速度、先端加速度推定値から両マニピュレータ10
m ,10sの先端位置、先端速度を一致させる加速度指
令値を出力する。この加速度指令値と加速度外乱推定値
が減算器36m ,36s で減算され、関節トルク計算部
37 m ,37s で関節入力トルクに変換され、マニピュ
レータ10m ,10s に出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各々が先端に力センサ
を有し、関節角度検出器と関節角速度検出器を有するマ
スタマニピュレータとスレーブマニピュレータからなる
マスタ・スレーブマニピュレータシステムの制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】マスタ・スレーブマニピュレータシステ
ムにおける望ましい応答特性は、オベレータがあたかも
対象環境中で実際に作業しているかのような高度な臨場
感の実現であると考えられる。マスタ・スレーブマニピ
ュレータの制御法として、従来から対称型、力逆送型、
力帰還型の制御アルゴリズムが提案されているが、これ
らの制御法はマスタマニピュレータやスレーブマニピュ
レータのダイナミクスがオペレータに影響して必ずしも
理想的な制御性能を示すものではなかった。これに対し
て日本ロボット学会誌vo1.8,no.3,1990
の舘らの文献“インピーダンス制御型マスタ・スレーブ
・システム(1)”や第27回SICE学術講演予稿
集,1988の吉川らの文献“マスタ・スレーブマニピ
ュレータの動的制御の提案”に示されているようなオペ
レータに高度の臨場感を与えることのできる制御法が提
案されている。これらの制御法を実システムへ適用する
際には、マニピュレータの正確な数学モデルとともにマ
ニピュレータ先端の加速度センサが高度な臨場感を実現
するためには必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、実際のマスタ及
びスレーブマニピュレータの数学モデルを求める際には
誤差を含むことは避けられないし、粘性摩擦といったマ
ニピュレータに含まれる未知のダイナミクスの影響によ
り制御性能の劣化を招いたり、あるいはシステム全体の
安定性にまで影響を及ぼす可能性も考えられる。また、
オペレータに高度な臨場感を与えるための両マニピュレ
ータ先端の力制御に必要な力センサに加えて加速度セン
サも装備することになれば装置全体が複雑化する。
【0004】本発明の目的は、マニピュレータのモデル
化誤差や未知のダイナミクスによる影響を極力抑制して
マニピュレータが見かけ上数学モデルとほぼ同じ挙動を
示すようになることにより、理論的に設計されたマスタ
・スレーブ制御アルゴリズムの適用が容易で、また、先
端加速度情報についても加速度センサを用いることなく
推定により求めることが可能なマスタ・スレーブマニピ
ュレータシステム制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のマスタ・
スレーブマニピュレータシステム制御装置は、マスタマ
ニピュレータの先端位置を関節角度検出器の出力から計
算するマスタマニピュレータ先端位置計算部と、スレー
ブマニピュレータの先端位置を関節角度検出器の出力か
ら計算するスレーブマニピュレータ先端位置計算部と、
マスタマニピュレータの先端速度を関節角速度検出器の
出力から計算するマスタマニピュレータ先端速度計算部
と、スレーブマニピュレータの先端速度を関節角速度検
出器の出力から計算するスレーブマニピュレータ先端速
度計算部と、マスタマニピュレータ先端位置計算部、マ
スタマニピュレータ先端速度計算部それぞれで求められ
たマスタマニピュレータの先端位置、先端速度および力
センサからの情報を利用してマスタマニピュレータが含
む未知のダイナミクスに起因してマスタマニピュレータ
先端に発生する加速度誤差を外乱として推定するマスタ
マニピュレータ加速度外乱推定部と、スレーブマニピュ
レータ先端位置計算部、スレーブマニピュレータ先端速
度計算部それぞれで求められたスレーブマニピュレータ
の先端位置、先端速度および力センサからの情報を利用
してスレーブマニピュレータが含む未知のダイナミクス
に起因してスレーブマニピュレータ先端に発生する加速
度誤差を外乱として推定するスレーブマニピュレータ加
速度外乱推定部と、力センサの情報を利用してマスタマ
ニピュレータ先端の加速度を計算するマスタマニピュレ
ータ先端加速度推定部と、力センサの情報を利用してス
レーブマニピュレータ先端の加速度を計算するスレーブ
マニピュレータ先端加速度推定部と、加速度指令値を入
力し、関節入力トルクに変換してマスタマニピュレータ
に出力するマスタマニピュレータ関節トルク計算部と、
加速度指令値を入力し、関節入力トルクに変換してスレ
ーブマニピュレータに出力するスレーブマニピュレータ
関節トルク計算部と、マスタマニピュレータ先端位置計
算部、スレーブマニピュレータ先端位置計算部で求めら
れた両マニピュレータの先端位置と、マスタマニピュレ
ータ先端速度計算部、スレーブマニピュレータ先端速度
計算部で求められた両マニピュレータの先端速度、マス
タマニピュレータ先端加速度推定部、スレーブマニピュ
レータ先端加速度推定部で求められた両マニピュレータ
の加速度推定値と、両力センサからの情報を用いて両マ
ニピュレータの先端位置、両マニピュレータの力を一致
させるマスタマニピュレータ用加速度指令値、スレーブ
マニピュレータ用加速度指令値を出力するものであり、
その演算の周期がマスタマニピュレータ加速度外乱推定
部、スレーブマニピュレータ加速度外乱推定部の演算周
期の定数倍であるマスタ・スレーブマニピュレータ制御
則計算部とを有する。
【0006】本発明の第2のマスタ・スレーブマニピュ
レータシステム制御装置は、マスタマニピュレータの先
端位置を関節角度検出器の出力から計算するマスタ・マ
ニピュレータ先端位置計算部と、スレーブマニピュレー
タの先端位置を関節角度検出器の出力から計算するスレ
ーブマニピュレータ先端位置計算部と、マスタマニピュ
レータの先端速度を関節角速度検出器の出力から計算す
るマスタマニピュレータ先端速度計算部と、スレーブマ
ニピュレータの先端速度を関節角速度検出器の出力から
計算するスレーブマニピュレータ先端速度計算部と、角
度検出器、角速度検出器それぞれの出力から得られたマ
スタマニピュレータの関節角度、関節角速度および力セ
ンサの情報を利用してマスタ・マニピュレータが含む未
知のダイナミクスに起因してマスタ・マニピュレータの
関節軸に発生する外乱トルクを推定するマスタマニピュ
レータトルク外乱推定部と、角度検出器、角速度検出器
それぞれの出力から得られたスレーブマニピュレータの
関節角度、関節角速度および力センサの情報を利用して
スレーブマニピュレータが含む未知のダイナミクスに起
因してスレーブマニピュレータの関節軸に発生する外乱
トルクを推定するスレーブマニピュレータトルク外乱推
定部と、力センサの情報を利用してマスタマニピュレー
タ先端の加速度を計算するマスタマニピュレータ先端加
速度推定部と、力センサの情報を利用してスレーブマニ
ピュレータ先端の加速度を計算するスレーブマニピュレ
ータ先端加速度推定部と、マスタマニピュレータ先端位
置計算部、スレーブマニピュレータ先端位置計算部で求
められた両マニピュレータの先端位置と、マスタマニピ
ュレータ先端速度計算部、スレーブマニピュレータ先端
速度計算部で求められた両マニピュレータの先端速度
と、マスタマニピュレータ先端加速度推定部、スレーブ
マニピュレータ先端加速度推定部で求められた両マニピ
ュレータの加速度推定値と、両力センサからの情報を用
いて、両マニピュレータの先端位置、両マニピュレータ
の力を一致させるマスタマニピュレータ用加速度指令値
およびスレーブマニピュレータ用加速度指令値を出力す
るものであり、その演算の周期がマスタマニピュレータ
加速度外乱推定部、スレーブマニピュレータ加速度外乱
推定部の演算周期の定数倍であるマスタ・スレーブマニ
ピュレータ制御則計算部と、マスタ・スレーブマニピュ
レータ制御則計算部から出力されたマスタマニピュレー
タ用加速度指令値を関節トルクに変換するマスタマニピ
ュレータ関節トルク計算部と、マスタ・スレーブマニピ
ュレータ制御則計算部から出力されたスレーブマニピュ
レータ用加速度指令値を関節トルクに変換するスレーブ
マニピュレータ関節トルク計算部とを有する。
【0007】
【作用】外乱推定オブザーバ(加速度外乱推定部、トル
ク外乱推定部)を用いて、粘性摩擦といったマニピュレ
ータに含まれる未知のダイナミクスの影響をなくし、ま
た先端加速度推定部を用いてマスタマニピュレータ、ス
レーブマニピュレータの先端に発生する加速度を推定す
ることにより、マニピュレータに含まれる未知のダイナ
ミクスを補償し、かつ加速度センサを用いることなく、
オベレータに高度の臨場感を与えることのできるマスタ
・スレーブマニピュレータシステムを実現することがで
きる。
【0008】また、外乱推定オブザーバの演算周期をマ
スタ・スレーブ制御系(マスタ・スレーブ制御則計算
部)の演算周期よりも小さくすることにより、外乱推定
オブザーバの演算を高速に行なえるために、マスタ・ス
レーブマニピュレータシステム制御装置の制御性能が向
上する。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0010】図1は本発明の請求項1に対応する一実施
例のマスタ・マニピュレータシステム制御装置のブロッ
ク図である。
【0011】一般に、多関節マスタおよびスレーブマニ
ピュレータの運動方程式はそれぞれ次式(1),(2)
のように表すことができる。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】 ただし、qm ,qs はそれぞれマスタマニピュレータ1
m 、スレーブマニピュレータ10s の関節角度ベクト
ル、τm ,τs はそれぞれマスタマニピュレータ10
m 、スレーブマニピュレータ10s の各関節駆動トルク
ベクトル、Mm ,M s はそれぞれマスタマニピュレータ
10m 、スレーブマニピュレータ10s の慣性行列、h
m ,hs はそれぞれマスタマニピュレータ10m ,スレ
ーブマニピュレータ10s の求心力,コリオリカ,重
力,摩擦力等を表すベクトルである。F m はオペレータ
がマスタマニピュレータ先端に加える力、Fs はスレー
ブマニピュレータ先端が操作対象物体に作用する力を示
している。Fm ,Fs はそれぞれ3軸力センサ20m
20s によって検出される。また、Jm ,Js はそれぞ
れマスタマニピュレータ10m 、スレーブマニピュレー
タ10s のヤコビアン行列である。
【0014】図1に示される制御装置30Aはマスタ・
スレーブ制御系と外乱補償制御系に大別される。外乱補
償制御系に含まれるマニピュレータ先端位置計算部31
m ,31s 、マニピュレータ先端速度計算部32m ,3
s 、加速度外乱推定部34 m ,34s および関節トル
ク計算部37m ,37s は比較的高速な計算が可能であ
るのに対してマスタ・スレーブ制御系に含まれるマスタ
・スレーブ制御則計算部35の演算量は少なくない。ま
た、マスタマニピュレータ10m とスレーブマニピュレ
ータ10s が離れた場所にあってそれぞれのデータの転
送にある程度時間を要する場合、外乱補償制御系の演算
はマスタとスレーブそれぞれのシステムにおいて実行可
能であるのに対してマスタ・スレーブ制御系の演算はデ
ータ転送のための待ち時間も考慮されねばならない。そ
こで、図2のようにマスタ・スレーブ制御系のサンプリ
ング時間(演算が繰り返される周期)が外乱補償制御系
のサンプリング時間の整数倍(r倍)であるとすると
き、少なくとも両マニピュレータ10m ,10s の慣性
行列Mm ,Ms は既知であると仮定して両マニピュレー
タ10m ,10s の関節トルク計算部37m ,37s
それぞれ次式(3),(4)のように構成する。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】 ここで、Um ,Us はそれぞれ減算器36m ,36s
ら出力される、加速度の次元を持つ制御入力ベクトルで
あり、それぞれ次式(5),(6)のように与えられ
る。
【0017】
【数5】
【0018】
【数6】 cm[k],Ucs[k]はそれぞれマスタ・スレーブ制
御則計算部35から減算器36m ,36s に伝達される
制御信号(加速度指令値)、Udm[n],Uds[n]は
加速度外乱推定部34m ,34s からの出力信号を表
す。外乱補償制御系のサンプリング時間をTs (マスタ
・スレープ制御系はrTs )とするとき、T s が十分に
小さくこの間の関節角の変化が無視できるものとすれ
ば、(1),(2)式にそれぞれ(3),(4)式を代
入して整理すれば次式(7),(8)を得る。
【0019】
【数7】
【0020】
【数8】 ここで、Xm ,Xs は各マニピュレータ10m ,10s
の先端位置ベクトルである。先端位置ベクトルXm ,X
s はマニピュレータ10m ,10s の構造パラメータが
与えられれば、両マニピュレータ10m ,10s に設け
られた角度検出器(不図示)の各関節角度を用いてマニ
ピュレータ先端位置計算部31m ,31sにて計算され
る。
【0021】先端速度ベクトル
【0022】
【外1】 はマニピュレータ先端速度計算部32m ,32s におい
て各関節角速度が両マニピュレータ10m ,10s に設
けられた関節角速度検出器(不図示)によって直接得ら
れればヤコビアン行列Jm ,Js と関節角速度ベクトル
の積によって計算される。Γm ,Γs はそれぞれマスタ
及びスレーブマニピュレータ先端に関する慣性テンソ
ル、dm ,ds はhm ,hs 等の補償していないダイナ
ミクスや摩擦力等の未知のダイナミクスに起因する加速
度外乱ベクトルを示している。上式右辺が少なくとも時
間Ts の間零次ホールド(信号の出力値を一定に保つ)
されるものとみなして離散値システムに変換すれば次式
(9).(10)を得る。
【0023】
【数9】
【0024】
【数10】 先端位置ベクトルXm ,Xs と先端速度ベクトル
【0025】
【外2】 を用いれば時刻t=nTs における加速度外乱推定値U
dm[n],Uds[n]が次式(11),(12)のよう
に求められ、これが加速度外乱推定部34m ,34s
なる。
【0026】
【数11】
【0027】
【数12】 これらの外乱推定値は結果的に1サンプリング時間前の
加速度外乱dm [n−1],ds [n−1]を与えるの
で、(11),(12)式をそれぞれ(5),(6)式
に代入して(7),(8)式を評価すれば、Ts が十分
小さくdm [n−1]≒dm [n],ds [n−1]≒
s [n]と見なせる限り次の結果(13),(14)
を得る。
【0028】
【数13】
【0029】
【数14】 従って、Ucm[k],Ucs[k]とFm [k+1],F
s [k+1]を用いて加速度ベクトル
【0030】
【外3】 を推定でき、両マニピュレータ10m ,10s の先端加
速度推定部33m ,33 s が構成される。(13),
(14)式は外乱補償制御系を通してみた両マニピュレ
ータ10m ,10s の入出力関係を示しており、このと
きそれぞれのマニピュレータ10m ,10s の先端位置
ベクトルXm とXs 力Fm とFs を一致させるマスタ・
スレーブ制御則は、例えばProceedings o
f IEEE/RSJ International
Workshop on Intelligent R
obots and Systems,pp.929−
936,1991の吉田らの文献“Digital C
ontrol Stability Improvem
ent of Master−Slave Manip
ulator System”に示されているように、
p ,Kd をそれぞれ位置ベクトル,速度ベクトルに関
するフィードバックゲインとして次式(15),(1
6)のように与えられる。
【0031】
【数15】
【0032】
【数16】 図3は本発明の請求項2のマスタ・スレーブマニピュレ
ータシステム制御装置の一実施例のブロック図である。
【0033】ここでも制御装置30Bの外乱補償制御
系、マスタ・スレーブ制御系のサンプリング時間はそれ
ぞれTs ,rTs とする。(1),(2)式を
【0034】
【外4】 について解き、Ts が十分小さくその間のqm ,qs
変化が無視できる程度のものであり、入力トルクτm
τs は零次ホールドされるものとすれば、(1),
(2)式は次式(17),(18)のように離散値系に
変換できる。
【0035】
【数17】
【0036】
【数18】 少なくともマニピュレータ10m ,10s の慣性行列は
m ,Ms は既知であるとして、関節角度ベクトルq
m ,qs と関節角速度ベクトル
【0037】
【外5】 を用いれば時刻t=nTs におけるトルク外乱推定値τ
dm[n],τds[n]が次式(19),(20)のよう
に求められ、これがトルク外乱推定部39m ,39s
なる。
【0038】
【数19】
【0039】
【数20】 これらのトルク外乱推定値は結果的に1サンプリング時
間前のトルク外乱hm[n−1],hs [n−1]を与
える。よって、入力トルクτm ,τs を減算器40m
40s によって次式(21),(22)のように与えれ
ば、
【0040】
【数21】
【0041】
【数22】 m [n−1]≒hm [n],hs [n−1]≒hs
[n]と見なせる限り次の結果(23),(24)を得
る。
【0042】
【数23】
【0043】
【数24】 ここで、τcm,τcsは関節トルク計算部38m ,38s
からの出力信号であり、次式(25),(26)のよう
に与えられる。
【0044】
【数25】
【0045】
【数26】 (25),(26)式をそれぞれ(23),(24)式
に代入して変形し、Tsが十分小さくその間の関節角度
や関節角速度の変化が小さいと考えれば、結果的に(1
3),(14)式を得る。従って、加速度ベクトルの推
定やマスタ・スレーブ制御則の計算は図1の場合と同様
に行える。
【0046】次に、本発明の有効性を検証するため図4
(1),(2)に示す1自由度のマスタ・スレーブマニ
ピュレータシステムの実験結果について説明する。マス
タ及びスレーブマニピュレータとして、各関節がハーモ
ニックドライブによるACサーボモータで駆動され、先
端に3軸力センサを装着して3自由度マニピュレータを
用いた。ただし、図のように第1関節のみを用い第2,
3関節は固定したため xm =Lm θms =Ls θs なる一自由度系となっている。このときヤコビアンはそ
れぞれJm =Lm ,Js=Ls で与えられる。また、そ
れぞれの慣性モーメントをMm ,Ms とすれば、マニピ
ュレータの先端に関する等価的な慣性パラメータΓm
Γs は次のように与えられる。
【0047】Γm =Mm /Lm 2 Γs =Ms /Ls 2 ここでは、Lm ,Ls はΓs =9Γm となるように選ん
だ。オペレータはスレーブマニピュレータの先端をアク
リル板上に固定した発泡スチロールの薄板に衝突させ、
押し続ける。外乱補償制御系のサンプリング時間はTs
=5[msec],マスタ・スレーブ制御系のサンプリ
ング時間は10[msec]とした。フィードパックゲ
インはそれぞれkp =150,kd =20と選んだ。ま
た、速度信号は位置情報を数値微分している。図5
(1),(2)にxm ,xs とFm ,F s の時間応答を
示す。衝突の前後でシステムは安定で、マスタマニピュ
レータとスレーブマニピュレータの位置と力はほぼ一致
している様子がわかる。ただし、制御則の演算に必要な
加速度信号は推定誤差の影響を考慮して(13),(1
4)式による推定値の1/2の値を用いた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、マスタ・
スレーブ制御系の前段に外乱推定オブザーバ(加速度外
乱推定部、トルク外乱推定部)を配置することにより、
オペレータに高度の臨場感を与えることのできるマスタ
・スレーブマニピュレータシステムを実現でき、摩擦力
のようなマニピュレータに含まれる未知のダイナミクス
を補償可能であり、また、外乱推定オブザーバの演算周
期をマスタ・スレーブ制御系の演算周期よりも小さくす
ることにより、外乱推定オブザーバの演算を高速に行え
るために、マスタ・スレーブマニピュレータシステム制
御装置の制御性能が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応した一実施例のマスタ
・スレーブマニピュレータシステム制御装置のブロック
図である。
【図2】ディジタル制御を行う際の、システムの状態変
数と制御変数の時間的経過を示す図である。
【図3】本発明の請求項2に対応した一実施例のマスタ
・スレーブマニピュレータシステム制御装置のブロック
図である。
【図4】1自由度マスタ・スレーブマニピュレータシス
テムの実験系を示す図である。
【図5】実験結果を示す図である。
【符号の説明】
10m マスタマニピュレータ 10s スレーブマニピュレータ 20m ,20s 3軸力センサ 30A,30B 制御装置 31m ,31s アーム先端位置計算部 32m ,32s アーム先端速度計算部 33m ,33s 先端加速度推定部 34m ,34s 加速度外乱推定部 35 マスタ・スレーブ制御則計算部 36m ,36s ,40m ,40s 減算器 37m ,37s ,38m ,38s 関節トルク計算部 39m ,39s トルク外乱推定部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が先端に力センサを有し、関節角度
    検出器と関節角速度検出器を有するマスタマニピュレー
    タとスレーブマニピュレータからなるマスタ・スレーブ
    マニピュレータシステムの制御装置であって、 マスタマニピュレータの先端位置を前記関節角度検出器
    の出力から計算するマスタマニピュレータ先端位置計算
    部と、 スレーブマニピュレータの先端位置を前記関節角度検出
    器の出力から計算するスレーブマニピュレータ先端位置
    計算部と、 マスタマニピュレータの先端速度を前記関節角速度検出
    器の出力から計算するマスタマニピュレータ先端速度計
    算部と、 スレーブマニピュレータの先端速度を前記関節角速度検
    出器の出力から計算するスレーブマニピュレータ先端速
    度計算部と、 前記マスタマニピュレータ先端位置計算部、前記マスタ
    マニピュレータ先端速度計算部それぞれで求められたマ
    スタマニピュレータの先端位置、先端速度および前記力
    センサからの情報を利用してマスタマニピュレータが含
    む未知のダイナミクスに起因してマスタマニピュレータ
    先端に発生する加速度誤差を外乱として推定するマスタ
    マニピュレータ加速度外乱推定部と、 前記スレーブマニピュレータ先端位置計算部、前記スレ
    ーブマニピュレータ先端速度計算部それぞれで求められ
    たスレーブマニピュレータの先端位置、先端速度および
    前記力センサからの情報を利用してスレーブマニピュレ
    ータが含む未知のダイナミクスに起因してスレーブマニ
    ピュレータ先端に発生する加速度誤差を外乱として推定
    するスレーブマニピュレータ加速度外乱推定部と、 前記力センサの情報を利用してマスタマニピュレータ先
    端の加速度を計算するマスタマニピュレータ先端加速度
    推定部と、 前記力センサの情報を利用してスレーブマニピュレータ
    先端の加速度を計算するスレーブマニピュレータ先端加
    速度推定部と、 加速度指令値を入力し、関節入力トルクに変換してマス
    タマニピュレータに出力するマスタマニピュレータ関節
    トルク計算部と、 加速度指令値を入力し、関節入力トルクに変換してスレ
    ーブマニピュレータに出力するスレーブマニピュレータ
    関節トルク計算部と、 前記マスタマニピュレータ先端位置計算部、前記スレー
    ブマニピュレータ先端位置計算部で求められた両マニピ
    ュレータの先端位置と、前記マスタマニピュレータ先端
    速度計算部、前記スレーブマニピュレータ先端速度計算
    部で求められた両マニピュレータの先端速度、前記マス
    タマニピュレータ先端加速度推定部、前記スレーブマニ
    ピュレータ先端加速度推定部で求められた両マニピュレ
    ータの加速度推定値と、前記両力センサからの情報を用
    いて両マニピュレータの先端位置、両マニピュレータの
    力を一致させるマスタマニピュレータ用加速度指令値、
    スレーブマニピュレータ用加速度指令値を出力するもの
    であり、その演算の周期が前記マスタマニピュレータ加
    速度外乱推定部、前記スレーブマニピュレータ加速度外
    乱推定部の演算周期の定数倍であるマスタ・スレーブマ
    ニピュレータ制御則計算部とを有するマスタ・スレーブ
    マニピュレータシステム制御装置。
  2. 【請求項2】 各々が先端に力センサを有し、関節角度
    検出器と関節角速度検出器を有するマスタマニピュレー
    タとスレーブマニピュレータからなるマスタ・スレーブ
    マニピュレータシステムの制御装置であって、 マスタマニピュレータの先端位置を前記関節角度検出器
    の出力から計算するマスタマニピュレータ先端位置計算
    部と、 スレーブマニピュレータの先端位置を前記関節角度検出
    器の出力から計算するスレーブマニピュレータ先端位置
    計算部と、 マスタマニピュレータの先端速度を前記関節角速度検出
    器の出力から計算するマスタマニピュレータ先端速度計
    算部と、 スレーブマニピュレータの先端速度を前記関節角速度検
    出器の出力から計算するスレーブマニピュレータ先端速
    度計算部と、 前記関節角度検出器、前記関節角速度検出器それぞれの
    出力から得られたマスタマニピュレータの関節角度、関
    節角速度および前記力センサの情報を利用してマスタマ
    ニピュレータが含む未知のダイナミクスに起因してマス
    タマニピュレータの関節軸に発生する外乱トルクを推定
    するマスタマニピュレータトルク外乱推定部と、 前記関節角度検出器、前記関節角速度検出器それぞれの
    出力から得られたスレーブマニピュレータの関節角度、
    関節角速度および前記力センサの情報を利用してスレー
    ブマニピュレータが含む未知のダイナミクスに起因して
    スレーブマニピュレータの関節軸に発生する外乱トルク
    を推定するスレーブマニピュレータトルク外乱推定部
    と、 前記力センサの情報を利用してマスタマニピュレータ先
    端の加速度を計算するマスタマニピュレータ先端加速度
    推定部と、 前記力センサの情報を利用してスレーブマニピュレータ
    先端の加速度を計算するスレーブマニピュレータ先端加
    速度推定部と、 前記マスタマニピュレータ先端位置計算部、前記スレー
    ブマニピュレータ先端位置計算部で求められた両マニピ
    ュレータの先端位置と、前記マスタマニピュレータ先端
    速度計算部、前記スレーブマニピュレータ先端速度計算
    部で求められた両マニピュレータの先端速度と、前記マ
    スタマニピュレータ先端加速度推定部、前記スレーブマ
    ニピュレータ先端加速度推定部で求められた両マニピュ
    レータの加速度推定値と、前記両力センサからの情報を
    用いて、両マニピュレータの先端位置、両マニピュレー
    タの力を一致させるマスタマニピュレータ用加速度指令
    値およびスレーブマニピュレータ用加速度指令値を出力
    するものであり、その演算の周期が前記マスタマニピュ
    レータトルク外乱推定部、前記スレーブマニピュレータ
    トルク外乱推定部の演算周期の定数倍であるマスタ・ス
    レーブマニピュレータ制御則計算部と、 前記マスタ・スレーブマニピュレータ制御則計算部から
    出力されたマスタマニピュレータ用加速度指令値を関節
    トルクに変換するマスタマニピュレータ関節トルク計算
    部と、 前記マスタ・スレーブマニピュレータ制御則計算部から
    出力されたスレーブマニピュレータ用加速度指令値を関
    節トルクに変換するスレーブマニピュレータ関節トルク
    計算部とを有するマスタ・スレーブマニピュレータシス
    テム制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998032990A1 (fr) * 1995-09-14 1998-07-30 Cim Manutique S.A. Dispositif de controle pour equilibrage et/ou positionnement de toute charge de poids variable ou non, en mouvement non uniforme

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998032990A1 (fr) * 1995-09-14 1998-07-30 Cim Manutique S.A. Dispositif de controle pour equilibrage et/ou positionnement de toute charge de poids variable ou non, en mouvement non uniforme

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