JPH0532968A - 環境保全・改善材 - Google Patents

環境保全・改善材

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JPH0532968A
JPH0532968A JP21410891A JP21410891A JPH0532968A JP H0532968 A JPH0532968 A JP H0532968A JP 21410891 A JP21410891 A JP 21410891A JP 21410891 A JP21410891 A JP 21410891A JP H0532968 A JPH0532968 A JP H0532968A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粉砕および熱処理して得られた平均粒径1m
m〜40mmの貝殻砕片からなる環境保全・改善材。 【効果】 河川、海、湖沼、池等の水質汚染や富栄養
化、大気汚染、酸性雨等の、通常酸性状態にある汚染環
境に施すと、その酸性状態の中和および緩和、酸性物質
の吸着作用等を果たし、汚染環境を改善し浄化すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の処理を施した貝
殻砕片からなる自然環境の改善および保全に適した環境
保全・改善材に関する。
【0002】
【従来の技術】貝類の養殖場や加工所等では、貝の身等
を取り出した後に多量の貝殻が残存する。この貝殻は、
難燃性であり、極めて硬く、且つ容易に微生物による分
解や化学分解を生じないために、通常の廃棄物のよう
に、燃焼、圧縮、腐敗や化学分解による資化等の処理を
施すことができない。しかもその特有の臭気によって、
そのまま放置したり廃棄した場合には周囲にくさい臭い
を放つところから、その取り扱いが苦慮されてきた。
【0003】かかる点から、貝殻をカルシウム補強の目
的で、家禽類や家畜用の飼料およびヒト用のカルシウム
補強剤として再利用することが行われている。しかしな
がら、そのようにして利用される貝殻の量は極めて少量
に過ぎないため、貝殻の大半が有効な処理方法や再利用
法のないままに放置されたり投棄されている。しかも、
貝殻をカルシウム補強剤や飼料として使用する場合は、
貝殻を通常1mm未満の粉末状または微粉末状に微粉砕
した後、高度に洗浄および滅菌処理する必要があり、そ
の処理に多大の手間や経費がかかるという問題があっ
た。
【0004】一方、近年になって、河川、海、湖沼、池
等の水質汚染や富栄養化、大気汚染、酸性雨等による環
境破壊がますます深刻になっており、環境の保全や改善
が地球的な規模で極めて重要な課題となっている。
【0005】本発明者は、廃水処理、自然環境の保全や
改善、美化等について長年研究を積み重ね、種々の技術
をそのために実用化して実施してきた実績を有してお
り、かかる点から、従来取り扱いが苦慮されてきた貝殻
の有効利用についても検討を行ってきた。その結果、貝
殻を特定の大きさに粉砕し熱処理して得た貝殻砕片が、
河川、海、湖沼、池等の水質汚染や富栄養化、大気汚
染、酸性雨等の改善作用を有し、環境の保全および改善
材として極めて有効に使用し得ることを見出して本発明
を完成した。
【0006】即ち、本発明は、粉砕および熱処理して得
られた平均粒径1mm〜40mmの貝殻砕片からなる環
境保全・改善材である。
【0007】本発明における貝殻としては、海水、淡
水、または海水と淡水の混合域中に生息する貝類の貝殻
のいずれでもよく、例えばホタテ、牡蛎、真珠貝、アサ
リ、シジミ、ハマグリ、アオヤギ、カラス貝、サザエ、
ミル貝等を挙げることができる。貝殻としては、貝類の
養殖場や加工所等において大量に且つ定常的に入手でき
るものが好ましい。また原料である貝殻は、1種類の貝
の貝殻からなっていても、2種類以上の貝類の貝殻が混
ざっているものであってもよく、特に1種類の貝の貝殻
からなると、処理加工が容易であり便利である。
【0008】本発明では貝殻を粉砕して貝殻砕片にす
る。この場合に、貝殻が海水、または海水と淡水の混合
域に生息する貝類から得られるものの場合は、貝殻に塩
分が付着している場合が多いので、環境保全・改善材と
して使用したときに塩害が生じないように、貝殻の粉砕
前または粉砕後に水で洗浄して塩分を除去するのが望ま
しい。
【0009】そして、本発明では貝殻をその平均粒径が
1mm〜40mm、好ましくは約5mm〜30mmにな
るように粉砕して貝殻砕片にする。ここで、「平均粒径
1mm〜40mm」とは、1個の貝殻砕片の最長部の長
さをその貝殻砕片の「粒径」として測定した時に、貝殻
砕片集合物の平均粒径が1mm〜40mmであることを
いう。貝殻砕片の平均粒径が1mm未満であると、粉砕
に時間や手間がかかり、しかも得られた貝殻砕片は軽く
て、施したときに離散し易い。また、平均粒径が40m
mを超えると、流動性が悪くなり取り扱い性に劣ったも
のとなり、重くなって施しにくくなる。貝殻を粉砕する
に当たっては、1mm〜40mmの平均粒径にできるも
のであればどのような粉砕装置を使用してもよい。ま
た、ジシミ等におけるように、粉砕する前の貝殻の平均
粒径が40mm以下のものは、場合によっては粉砕せず
に次に説明する熱処理だけを行ってもよい。
【0010】また、本発明では貝殻を熱処理するが、こ
の熱処理によって、腐敗菌の繁殖や臭気の発生原因であ
る貝殻に残存付着しているタンパク質等の有機成分の分
解除去や炭化および湿分の除去乾燥するが行われる。熱
処理は、貝殻を粉砕する前に行うこともできるが、粉砕
した後に行うのが、完全乾燥や品質の安定化等の点から
望ましい。
【0011】熱処理は、タンパク質等の有機成分の加熱
分解除去および/または炭化、並びに貝殻の脱湿乾燥を
行う目的から、通常、約500℃以上の温度で行うのが
よい。熱処理に当たっては、タンパク質等の有機成分の
分解除去や炭化、および貝殻の乾燥が行えるものであれ
ばどのような熱処理方法および装置も使用でき、例えば
ロータリーキルン、直火バーナー等を使用して行うこと
ができる。
【0012】そして、上記の粉砕および熱処理によっ
て、平均粒径が1mm〜40mmの乾燥した異臭のない
貝殻砕片からなる取り扱い性の良好な本発明の環境保全
・改善材が得られる。 この貝殻砕片からなる環境保全・改善材は、そのまま単
独で使用しても、バインダー等により適当な大きさに固
めて使用しても、他の材料と混合して使用しても、また
は他の材料と共に適当な大きさに結合して使用してもよ
く、したがって、本発明における「貝殻砕片からなる環
境保全・改善材」とは、貝殻砕片単独物、結合物、他の
材料との併用物等のすべてを包含する。上記した本発明
の環境保全・改善材は、包装せずにそのまま、または必
要に応じて湿分等を透さない袋や容器等により包装し
て、貯蔵、流通、販売および使用することができる。
【0013】河川、海、湖沼、池等の水質汚染や富栄養
化は過剰な窒素化合物やリン化合物等によってもたらさ
れることが多く、また大気汚染や酸性雨は空気中の窒素
酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素等によっ
て主としてもたらされることは広く知られており、いず
れの場合もその汚染環境は酸性状態になっていることが
多い。
【0014】それに対して、本発明の環境保全・改善材
は、貝殻の主要成分が弱アルカリ性の炭酸カルシウムで
あるところから、弱アルカリ性を有している。したがっ
て、本発明の環境保全材を酸性状態にあるそのような汚
染環境や汚染物質に施すと、その酸性状態の中和や緩
和、酸性物質の吸着作用等を果たし、汚染環境を改善し
浄化することができる。
【0015】本発明の環境保全・改善材の具体的な使用
例を挙げると以下のとおりである。 (1) 本発明の環境保全・改善材を、森林、畑、水田、
果樹園、ゴルフ場、牧草、公園等に散布、土壌への混
合、その他の方法により施すことにり、土壌の中和を図
り、酸性雨による植物やその他の生態系の被害を防止ま
たは減少させる。 (2) 本発明の環境保全・改善材を、畑地、水田、埋立
地等の土壌改良材や骨材として使用して、土壌の酸性化
を防止する。
【0016】(3) 本発明の環境保全・改善材を、河
川、湖沼、ダム、池、海底、河口沿岸、内湾、養殖池、
養浜等における底部土壌材、覆砂土壌材、軟弱地盤骨
格、覆砂基盤として、そのまま直接または袋等に充填し
て、敷設、投入、沈下させる。この場合に、本発明の環
境保全・改善材は、ある程度の重さを有しているので、
簡単に流失することなく上記した河川、湖沼等の水質環
境の底部に留まって、窒素やリン化合物等の酸性物質の
中和や吸着等の酸性環境の改善を行うことができ、それ
によって赤潮の発生やプランクトンの異常発生を防ぎ、
水棲生物の棲息環境の浄化、水質汚濁の改善を図ること
ができる。しかも、本発明の環境保全・改善材のこのよ
うな使用によって、ヘドロ埋立地等の軟弱地盤の強化、
漁場の拡大等をも図ることができる。更に、本発明の環
境保全・改善材は、それが施された河川等の水中で徐々
に摩耗して砂状になり、これは鉱物からなる通常の砂よ
りも軽いために、魚介類の餌、浮石、有用プランクトン
の生育媒体としても機能する。
【0017】(4) 本発明の環境保全・改善材を、ダム
の放流地点等河川の上流やダム、湖沼等の流入部に散布
して、河川環境の保全や浄化等を図る。 (5) 本発明の環境保全・改善材を上水、下水、工業用
水、農業用水等に対する水中和処理材として用いる。
【0018】上記において、本発明の環境保全・改良材
の具体的な使用方法について例を挙げて説明したが、本
発明の環境保全・改善材は、既に汚染されている環境、
これから汚染が予想される環境に対して、並びに環境破
壊物質自体に対していずれも使用することができ、その
環境保全・改善材としての用途は上記したものに限定さ
れない。
【0019】
【発明の効果】本発明の環境保全・改善材は、その弱ア
ルカリ性の特性によって、河川、海、湖沼、池等の水質
汚染や富栄養化、大気汚染、酸性雨等の、通常酸性状態
にある汚染環境に施すと、その酸性状態の中和および緩
和、酸性物質の吸着作用等を果たし、汚染環境を改善し
浄化することができる。
【0020】本発明の環境保全・改善材は、森林、畑、
水田、果樹園、ゴルフ場、牧草、公園、埋立地等に散布
したり、土壌に混合するという簡単な施用方法によっ
て、土壌を中和し、酸性雨による植物やその他の生態系
の被害を防止または減少することができる。
【0021】本発明の環境保全・改善材は、ある程度の
重さを有しているので、河川、湖沼、ダム、湖沼、池、
海底、河口沿岸、内湾、養殖池、養浜等における底部土
壌材、覆砂土壌材、軟弱地盤骨格、覆砂基盤として、敷
設、投入、沈下させた場合に、簡単に流失することがな
く、それらの底部に留まって、窒素やリン化合物等の酸
性物質の中和や吸着等の酸性環境の改善を行うことがで
き、それによって赤潮の発生やプランクトンの異常発生
を防ぎ、水棲生物の棲息環境の浄化、水質汚濁の改善を
図ることができる。また、本発明の環境保全・改善材を
上記のように使用した場合には、ヘドロ埋立地等の軟弱
地盤の強化、漁場の拡大等をも図ることができる。
【0022】本発明では、無用の廃棄物として従来公害
発生源の一つとされていた貝殻を有効に利用するもので
あるため、この点からも公害防止に大きく寄与する。ま
た、本発明の環境保全・改善材は、貝殻を粉砕および熱
処理するだけで極めて簡単に且つ安価に得ることができ
るので、便利であり且つ経済的である。しかも、貝殻の
粉砕および熱処理時には、有害な薬物等を何ら使用する
ことがないので、新たな公害の発生を招かない。
【0023】本発明の環境保全・改善材は、異臭がな
く、流動性がよくて、極めて取り扱い易い。その上、本
発明の環境保全・改善材は、炭酸カルシウムをベースと
する天然の貝殻に由来していることによって、動植物に
とって害にならず、安全性が極めて高く、むしろ動植物
のカルシウム源として寄与する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 粉砕および熱処理して得られた平均粒径
    1mm〜40mmの貝殻砕片からなる環境保全・改善
    材。
JP21410891A 1991-08-01 1991-08-01 水質汚濁および富栄養化改善材 Expired - Lifetime JP3511141B2 (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004087834A3 (ja) * 2003-03-31 2004-12-23 Toshiaki Kudoh 水産資源利用土壌改良資材およびその製造方法
JP2006219604A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Ohbayashi Corp 土壌改良工法及び土壌改良材
JPWO2006057287A1 (ja) * 2004-11-25 2008-06-05 楠 敏明 活性汚泥生成抑制剤
JP2008266390A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 土壌改良剤
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JP2011147854A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Yanagida Sangyo Kk 海生貝類の処理方法及びシステム

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