JPH05329123A - 生体電極及びこれを用いた心電計 - Google Patents

生体電極及びこれを用いた心電計

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JPH05329123A
JPH05329123A JP4164079A JP16407992A JPH05329123A JP H05329123 A JPH05329123 A JP H05329123A JP 4164079 A JP4164079 A JP 4164079A JP 16407992 A JP16407992 A JP 16407992A JP H05329123 A JPH05329123 A JP H05329123A
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adhesive layer
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electrode
skin
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Kazuji Takemoto
和司 竹本
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、生体電極において、皮膚に粘着す
る粘着層又は電解質ペーストのうち少なくとも粘着層に
吸水性ポリマーを含有させることにより、被検者の運動
中や長時間モニター中に発生した汗を吸水性ポリマーが
速やかに吸収して皮膚表面をドライにし、これによっ
て、生体電極と皮膚との密着性を維持すると共に電解質
ペーストの組成変化を極力抑えることにより、常に、正
確な心電図が得られるようにした、生体電極及びこれを
用いた心電計を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、外皮に粘着し得る粘着層を有する
柔軟な支持体と、この支持体に保持され、且つ生体から
の電気信号を伝えるリード体と、このリード体の先端部
に設けた電極素子と、この電極素子の先端部に設けた電
解質ペーストからなる生体の電極であって、上記の粘着
層又は電解質ペーストのうち少なくとも粘着層には吸水
性ポリマーが含有されていることを特徴とする生体電
極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は運動時の心臓の状態を検
出する心電図検査に好適に用いられる生体電極及びこれ
を用いた心電計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の医療技術の発達、特に心臓に関す
る診療レベルの向上に伴い、重症の心臓疾患はもとより
軽症の心疾患も数多く発見され心症の治療などが行われ
ているが、この心症の治療には、まず生体からの生体電
圧(心電図)を正確に検出する必要が有る。
【0003】ところで、生体電極から取り出される生体
電圧(心電図)には、当該電極素子と電解質ペーストの
間で形成される局部電池に起因する分極電圧(直流電
圧)が重畳されている。
【0004】この分極電圧が生体電圧に比べて著しく高
くなると、この分極電圧の重畳によって、心電計での測
定が不可能になる。
【0005】このため、この局部電池の形成を極力抑
え、生体から発する電気信号を一層正確に検出するため
に、銀ー塩化銀電極、銀を飽和食塩水に浸して形成した
電極、カーボン電極等、種々の生体電極が開発され、医
療分野で利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの生体電圧は安
静診断では殆ど問題が無いが、被検者の体動が激しいス
ポーツ医学などの領域では心電図の記録が不可能になる
ことが有る。
【0007】即ち、被検者の運動中は体動が激しい上、
発汗し易く、この汗が粘着部における粘着層と皮膚の間
に溜まって粘着力が低下する上、被検者は激しく運動し
ているため電極が浮いて電極のズレが発生し、図5に示
すように、記録中に心電図の基軸が動揺したり、心電図
の乱れが生じ、更に、図6に示すように、電極が浮いて
記録が不可能な状態になる。
【0008】一方、長時間モニター用電極の場合、電極
を付けている時間が8時間以上になることがあるが、こ
の間の発汗により電極と皮膚の密着性が低下して正確な
心電図が得られない場合がある。
【0009】又、このように長時間モニター用電極の場
合、電極を付けている時間が長時間に及ぶため、ムレた
り、痒みが発生し、被検者が不快感を感じ、このストレ
スによって正確な心電図が得られなかったり、時には被
検者が電極を外す場合があった。
【0010】そして、このように発汗により粘着部の粘
着層と皮膚の間に汗が溜まると、電解質ペーストの組成
が変化し、分極電圧が大になり、この点からも、正確な
心電図が得難くなる。
【0011】ところで、被検者の運動中の心電図を測定
する理由は、 虚血性変化であるST低下、 運動中
に危険な不整脈の早期発見等、心臓障害を知るうえで極
めて重要である。
【0012】即ち、上記の場合、心筋梗塞に移行し、
至極危険な状態になる恐れが有り、又、上記に問題が
無くても、上記、つまり不整脈が現れるのは心臓に問
題が有ることを意味し、被検者が行っている運動が適性
か否か、つまり過激な運動になっていないかを知るうえ
でも至極重要である。
【0013】このため、被検者の運動中でも心電図を正
確に記録したり、長時間モニターでも被検者がさほど不
快感を感じない、生体電極の開発が急務になっている。
【0014】本発明は、上記技術的課題を解決するため
に完成されたものであって、この種生体電極において、
皮膚に粘着する粘着層又は電解質ペーストのうち少なく
とも粘着層に吸水性ポリマーを含有させることにより、
被検者の運動中や長時間モニター中に発生した汗を吸水
性ポリマーが速やかに吸収して皮膚表面をドライにし、
これによって、生体電極と皮膚との密着性を維持すると
共に電解質ペーストの組成変化を極力抑えることによ
り、常に、正確な心電図が得られるようにした、生体電
極及びこれを用いた心電計を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の生体電極においては、外皮に粘着し得る粘
着層を有する柔軟な支持体と、この支持体に保持され、
且つ生体からの電気信号を伝えるリード体と、このリー
ド体の先端部に設けた電極素子と、この電極素子の先端
部に設けた電解質ペーストからなる生体の電極であっ
て、上記の粘着層又は電解質ペーストのうち少なくとも
粘着層には吸水性ポリマーが含有されていることを特徴
とするものである。
【0016】本発明においては、外皮に粘着し得る粘着
層と電極素子の先端部に電解質ペーストを有する生体電
極の総てに適用される。
【0017】この場合、この電解質ペーストは、生体電
極の流通の際に設けてなくても、心電図を測定する際に
結果的に設けられるものであっても良いのである。
【0018】この生体電極のうち、特に、支持体に貫通
孔が穿設されており、この貫通孔にリード体が挿通され
ているものが一般的である。
【0019】即ち、この生体電極においては、外皮に接
着し得る粘着層を有する柔軟な支持体と、この支持体に
穿設された貫通孔と、この貫通孔に挿通されたリード体
と、このリード体の先端部に設けた電極と、この電極の
先端部に設けた電解質ペーストからなる生体の電極であ
って、上記の粘着層又は電解質ペーストのうち少なくと
も粘着層には吸水性ポリマーが含有されていることを特
徴とするものである。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる支持体としては柔軟性を有し、しかも使用中
に破損しないものであれば特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば合成樹脂製フィルム又は合成樹
脂製多孔質フィルム或いはこれらの発泡フィルム、不織
布、織布又は紙が挙げられるが、特に運動中に用いられ
る生体電極用の支持体としては伸縮性を有し、体の動き
に追従するものが望ましい。
【0021】又、この合成樹脂製フィルム又は合成樹脂
製多孔質フィルム或いはこれらの発泡フィルム等に用い
られる合成樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン、ポリウレタン、セロファン、ポリ塩
化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアル
コール、塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等が挙げられる。
【0022】このポリオレフィン系樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のホモポ
リマー、或いはコポリマー、又はこれらのブレンドポリ
マーが挙げられるが、特に、ポリプロピレン(PP)、
高密度ポリエチレン(HDPE)、線状底密度ポリエチ
レン(L・LDPE)がコストや強度等の観点より好ま
しい。
【0023】上記合成樹脂製多孔質フィルムとは、上記
合成樹脂で得られたフィルムを延伸、針穿孔或いは電子
線照射等の方法で多孔質にしたものをいう。
【0024】上記発泡フィルムとしては、例えばポリエ
チレンフォーム、ビニルフォーム又はポリウレタンフォ
ーム等が挙げられる。
【0025】又、この支持体の厚さとしては外皮に貼着
した際、破損したり、違和感がない範囲であれば特に限
定されるものではなく、通常のフィルムでは一般に10
〜500μm、特に20〜300μmとするのが望まし
く、この厚さが、10μm未満と薄すぎると強度や取り
扱い性に問題が生じるので好ましくなく、又、500μ
mを超えると厚くなり過ぎて人体の適用部位との密着性
が低下したり、取り扱い性に問題が生じる上、経済的に
も不利になるので好ましくない。
【0026】又、発泡フィルムの場合、同様の理由よ
り、100〜2000μmとするのが望ましい。
【0027】本発明においては、上記支持体には外皮に
接着し得る粘着層が形成されるが、この粘着層は水分を
含まない状態で感圧接着性を発現する粘着剤と吸水性ポ
リマーからなる。
【0028】この粘着剤成分が外皮に粘着し、又、吸水
性ポリマーが汗などの生体から分泌される水分を効果的
に吸収し、粘着部における皮膚と粘着層の間に汗が溜ま
るのを防止し、剥がれや痒みの発生を防ぐのである。
【0029】この粘着剤としては、例えばクロロプレン
系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着
剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポ
リイソブチレン、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセ
タール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着
剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、ニト
ロセルロース、酢酸セルロース又はエチルセルロースな
どのセルロース系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤又
はポリビニルエーテルが挙げられる。
【0030】本発明で用いられるリード体、電解質ペー
スト(導電性ゲルや導電性粘着性物質)及び電極素子と
しては公知のものが用いられるのである。
【0031】又、本発明で用いられる吸水性ポリマーと
しては水分を吸収するものであれば特に限定されるもの
ではない。
【0032】この吸水性ポリマーのうち、特に自重の2
0倍以上の水分を吸収する高吸水性ポリマーが含有され
ているものが、以下に述べる理由より、至極有益であ
る。
【0033】即ち、このように高吸水性ポリマーを用い
ると、少量で汗を確実に、且つ速やかに吸収して、皮膚
面をドライにし、この結果、粘着層と皮膚との密着性が
著しく良好になるのである。
【0034】この高吸水性ポリマーとしては自重の20
倍以上の水分を吸収するもの、特に自重の100倍以上
の水分を吸収するものであれば特に限定されるものでは
なく、具体的には、例えば澱粉ーポリアクリロニトリル
共重合体、架橋ポリアルキレンオキシド、ビニルエステ
ルーエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架
橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール系重合体と
環状無水物との反応生成物又はポリアクリル酸塩架橋物
等が挙げられる。
【0035】そして、本発明においては、粘着層又は電
解質ペーストのうち、粘着層、特に粘着層又は電解質ペ
ーストの両方に、吸水性ポリマー、特に高吸水性ポリマ
ーが含有されているものが、一層安定した心電図が得ら
れるので、至極有益である。
【0036】更に、本発明においては、皮膚との粘着力
を一層確実にするために、吸水性ポリマーが汗などの水
分を吸収して粘着性が発現するものが望ましい。
【0037】この吸水性ポリマーとしては、汗などの水
分を吸収して粘着性が発現するものであれば特に限定さ
れるものではない。
【0038】この具体例としては、例えばポリビニルア
ルコール系粘着剤、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金
属塩、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、メ
チルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース等が挙
げられる。
【0039】本発明において、上述の粘着剤(A)と吸
水性ポリマー(B)の配合割合は、(A)が100重量
部に対し、(B)が10〜300重量部、特に20〜1
00重量部の範囲とするのが望ましく、(B)が10重
量部未満では所要の汗吸収能力が得られない恐れが有
り、一方、300重量部を超えると、所要の皮膚粘着性
が得られない恐れが有るので望ましくない。
【0040】この(A)と(B)との混練には、例えば
ニーダーミキシングロール、バンバリーミキサー、二軸
型混練機又はヘンシェルミキサー等の公知の混練機が用
いられる。
【0041】ところで、この場合、所望により、上記粘
着性組成物に、安定剤、可塑剤又は溶剤、例えば鉱油ま
たはペトロラタム、鉱油やテルペン樹脂等の粘着性付与
剤等の添加剤を配合しても良いのである。
【0042】この添加剤の配合割合は、上記(A)と
(B)の全体の0.5〜15重量%、特に2〜10重量
%の範囲とするのが望ましく、この配合割合が0.5重
量%未満では配合する意味がなく、一方、15重量%を
超えると粘着性組成物の組成変化が大となって所望の汗
吸収効果が得られない恐れが生じるので望ましくない。
この混練には上述の公知の混練機が好適に用いられる。
【0043】又、本発明において、上述の電解質ペース
ト(C)と吸水性ポリマー(B)の配合割合は、(C)
が100重量部に対し、(B)が10〜300重量部、
特に20〜100重量部の範囲とするのが望ましく、
(B)が10重量部未満では所要の汗吸収能力が得られ
ない恐れが有り、一方、300重量部を超えると、電解
質ペーストと生体との接触が悪くなって正確な心電図が
得られない恐れが有るので望ましくない。
【0044】この(A)と(B)との混練には、例えば
ニーダーミキシングロール、バンバリーミキサー、二軸
型混練機又はヘンシェルミキサー等の公知の混練機が用
いられる。
【0045】本発明においては、支持体に電極取り付け
用の貫通孔が形成されるが、この貫通孔の部位は特に限
定されるものではない。
【0046】しかし、外皮に対してバランス良く接着
し、電極を皮膚に確実に固定するために、この貫通孔は
支持体の中央部或いはほぼ中央部に穿設されているもの
が望ましい。
【0047】又、本発明においては、粘着層と電解質ペ
ーストの両方に吸水性ポリマーが含有されているもの
が、一層安定した心電図が得られ、心臓の状態をより正
確に把握できるので望ましい。
【0048】又、上記目的を達成するために、本発明の
心電計においては、心電計に本発明の生体電極を用いた
点に特徴を有するのである。
【0049】本発明で用いられる心電計の計器本体は公
知のものが挙げられる。
【0050】
【作用】本発明は、上記構成を有し、心電計に用いられ
る生体電極において、皮膚に粘着される粘着層又は電解
質ペーストのうち少なくとも粘着層に吸水性ポリマーを
含有させることにより、被検者の運動中や長時間モニタ
ー中に発生した汗を吸水性ポリマーが速やかに吸収して
粘着部における皮膚と粘着層の間に汗が溜まるのを防止
し得る作用を有するのである。
【0051】又、このように、粘着部における皮膚と粘
着層の間に汗が溜まるのが防止されるので、常に、皮膚
表面がドライになって、生体電極と皮膚との密着性を維
持し、電極の浮き上がりを防ぐ作用を有するのである。
【0052】更に、吸水性ポリマーが汗を速やかに吸収
するので、電解質ペーストの組成変化を極力抑えて分極
電圧を極力抑え、常に、正確な心電図が得られる作用を
有するのである。
【0053】以上述べたように、吸水性ポリマーが汗な
どの生体から分泌される水分を効果的に吸収し、粘着部
における皮膚と粘着層の間に汗が溜まるのを防止し、剥
がれや痒みの発生を防ぐ作用を有するのである。
【0054】従って、本発明の心電計では、被検者の運
動中であったり、被検者が長時間モニターであっても、
正確な心電図が得られる作用を有するのである。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】本発明の生体電極の構造例 図1は本発明の一実施例に係る生体電極及びリード線の
組み合わせの一例を示す斜視図である。
【0057】図1において、1は心電計本体に接続され
る接続端子であり、この接続端子1には3本の各リード
線2が接続され、且つこの各リード線2の先端部には生
体電極3が接続されている。
【0058】この各生体電極3は、この場合、図2及び
図3に示すように、外皮に接着し得る粘着層4を有する
柔軟な支持体5と、この支持体5に穿設された貫通孔6
と、この貫通孔6に挿通されたリード体7と、このリー
ド体7の先端部に設けた電極素子8と、この電極素子8
の先端部に設けた電解質ペースト9からなる基本的構造
を有する。
【0059】そして、この例では、このリード体7は磁
石性の電極結合部とされ、このリード体7と貫通孔6と
の間に形成される隙間は合成樹脂製のシール材10によ
り密閉されている。
【0060】そして本発明においては、上記の粘着層4
又は電解質ペースト9のうち少なくとも粘着層4、この
場合、粘着層4のみに吸水性ポリマーが含有されてい
る。
【0061】この粘着層4は以下の方法で得たものを用
いた。
【0062】この構成において、この各生体電極3を生
体の皮膚面の適宜箇所に貼着し、被検者が運動したり、
長時間モニター用として使用すると、この運動中や長時
間モニター中に発生した汗を吸水性ポリマーが速やかに
吸収して粘着部における皮膚と粘着層の間に汗が溜まる
のが防止される。
【0063】又、このように、粘着部における皮膚と粘
着層の間に汗が溜まるのが防止されるので、常に、皮膚
表面がドライになって、生体電極と皮膚との密着性を維
持し、電極の浮き上がりが防止されたり、電解質ペース
トの組成変化を極力抑えて分極電圧を極力抑え、常に、
正確な心電図が得られるのである。
【0064】従って、本発明の心電計では、被検者の運
動中であったり、被検者が長時間モニターであっても、
正確な心電図が得られるので、虚血性変化であるST低
下、運動中に危険な不整脈の早期発見等、心臓障害を知
るうえで極めて重要な情報が得られるのである。
【0065】実施例 ポリアクリル酸ナトリウム25重量部、澱粉ーポリ
アクリロニトリル共重合体5重量部、カルボキシメチル
セルロース10重量部及びポリオキシエチレンヒマシ油
10重量をニーダーで充分に混合して吸水性ポリマーを
得た。
【0066】 次に、この吸水性ポリマー50重量部
に、アクリル酸エステル100重量部を投入し、ニーダ
ーで充分に混合して、粘着層用の接着剤組成物を得た。
【0067】上記で得られた粘着層組成物を用い、こ
れを支持体上に500μmの厚さになるように塗工して
粘着層を得た。
【0068】このようにして得られた、生体電極3を生
体の皮膚面の適宜箇所に貼着し、被検者が、心電図を測
定する際に行われる運動したところ、図4に示すよう
に、正確な心電図が得られることが認められた。
【0069】又、この運動後、生体電極3を剥離したと
ころ、粘着部における粘着層と皮膚との間には汗の滞留
がなく、皮膚との密着性が至極良好であることが認めら
れた。
【0070】尚、比較例として、市販されている生体電
極を用い、実施例と同様に、運動中の心電図検査を行っ
たところ、汗によって正確な心電図を得ることができ
ず、図5に示すように、記録中に心電図の基軸が動揺し
たり、心電図の乱れが生じ、更に、図6に示すように、
電極が浮いて記録が不可能な状態になる。
【0071】
【発明の効果】本発明は、上記構成を有し、心電計に用
いられる生体電極において、皮膚に粘着される粘着層又
は電解質ペーストのうち少なくとも粘着層に吸水性ポリ
マーを含有させることにより、被検者の運動中や長時間
モニター中に発生した汗を吸水性ポリマーが速やかに吸
収して粘着部における皮膚と粘着層の間に汗が溜まるの
を防止し得るので、生体電極と皮膚との密着性を維持
し、電極の浮き上がりを防ぐことができる結果、常に、
正確な心電図が得られるのである。
【0072】又、このように、吸水性ポリマーが汗など
の生体から分泌される水分を効果的に吸収し、粘着部に
おける皮膚と粘着層の間に汗が溜まるのを防止し得るの
で、剥がれや痒みの発生を防き、安全に使用できる効果
を有するのである。
【0073】従って、本発明の心電計では、被検者の運
動中であったり、被検者が長時間モニターであっても、
正確な心電図が得られるので、虚血性変化であるST低
下、運動中に危険な不整脈の早期発見等、心臓障害を知
るうえで極めて重要な情報が得られる効果を有するので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は生体電極及びリード線の組み合わせの一
例を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の一実施例を示す生体電極の断面
図である。
【図3】図3はその平面図である。
【図4】図4は生体電極が運動時に皮膚に密着している
状態の正常な心電図である。
【図5】図5は生体電極が運動時の発汗によって皮膚と
の密着性が低下している状態の心電図である。
【図6】図6は生体電極が運動時の発汗によって浮きが
生じた状態の心電図である。
【符号の説明】
1 接続端子 2 リード線 3 生体電極 4 粘着層 5 支持体 6 貫通孔 7 リード体 8 電極素子 9 電解質ペースト 10 シール材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外皮に粘着し得る粘着層を有する柔軟な
    支持体と、この支持体に保持され、且つ生体からの電気
    信号を伝えるリード体と、このリード体の先端部に設け
    た電極素子と、この電極素子の先端部に設けた電解質ペ
    ーストからなる生体の電極であって、上記の粘着層又は
    電解質ペーストのうち少なくとも粘着層には吸水性ポリ
    マーが含有されていることを特徴とする生体電極。
  2. 【請求項2】 支持体に貫通孔が穿設されており、この
    貫通孔にリード体が挿通されている請求項1に記載の生
    体電極。
  3. 【請求項3】 粘着層が水分を含まない状態で感圧接着
    性を発現する粘着剤と吸水性ポリマーからなる請求項1
    又は2に記載の生体電極。
  4. 【請求項4】 粘着剤がクロロプレン系粘着剤、ニトリ
    ルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、ブチルゴム系
    粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリイソブチレン、
    酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、
    塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系
    粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、ニトロセルロース、酢
    酸セルロース又はエチルセルロースなどのセルロース系
    粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ポリビニルエーテ
    ルである請求項3に記載の生体電極。
  5. 【請求項5】粘着層又は電解質ペーストの少なくともい
    ずれか一方に、自重の20倍以上の水分を吸収する高吸
    水性ポリマーが含有されている請求項1ないし4のいず
    れかに記載の生体電極。
  6. 【請求項6】 高吸水性ポリマーが澱粉ーポリアクリロ
    ニトリル共重合体、架橋ポリアルキレンオキシド、ビニ
    ルエステルーエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン
    化物、架橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール系
    重合体と環状無水物との反応生成物又はポリアクリル酸
    塩架橋物である請求項6に記載の生体電極。
  7. 【請求項7】 吸水性ポリマーが汗などの水分を吸収し
    て粘着性が発現するものである請求項1ないし6のいず
    れかに記載の生体電極。
  8. 【請求項8】 汗などの水分を吸収して粘着性が発現す
    る吸水性ポリマーがポリビニルアルコール系粘着剤、ポ
    リアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、カルボキシメチ
    ルセルロース、デキストリン、メチルセルロース又はヒ
    ドロキシエチルセルロースである請求項7に記載の生体
    電極。
  9. 【請求項9】 支持体が合成樹脂製フィルム又は合成樹
    脂製多孔質フィルム或いはこれらの発泡フィルム、不織
    布、織布又は紙である請求項1ないし8のいずれかに記
    載の生体電極。
  10. 【請求項10】 貫通孔が支持体の中央部或いはほぼ中
    央部に穿設されている請求項1ないし9のいずれかに記
    載の生体電極。
  11. 【請求項11】 粘着層と電解質ペーストの両方に吸水
    性ポリマーが含有されている請求項1ないし10のいず
    れかに記載の生体電極。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の生体電極を用いた心電計。
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