JPH0532613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、引違い引戸の屋内側引戸の横框に装
着して屋内側引戸の摺動を阻止するクレセント錠
を有する引違い引戸の補助錠に関する。

［従来の技術及びその解決すべき問題点］ 従来、引違い引戸には、クレセント等の本来の
錠以外に補助錠が設けられているが、これら従来
の補助錠においては、引違い引戸の閉鎖状態でし
か引戸を規制できず規制位置の選択が不可能であ
り不便であつた。

また、受け部を複数有し、引戸の規制位置を変
えることができるようにしたクレセントがある
が、受け部の部分が外部から見えて体裁が悪いと
共に、規制位置をわずかにしか変えることができ
なかつた。

［問題点の解決手段］ 上記従来の問題点を解決する本考案は、引違い
引戸の屋外側引戸の横框に装着して屋内側の引戸
の摺動を阻止する下記要件を備えたことを特徴と
するクレセント錠を有する引違い引戸の補助錠に
おいて、 屋外側引戸の横框の屋内側面に単一の筐体を取
付けると共に、該筐体内に対をなす阻止体と操作
体とを少なくとも２対横方向に並設してなり、 上記各阻止体は、上記屋内側引戸の走行部に対
しバネによつて見込方向に出没自在に付勢されて
なり、上記筐体内に没入状態で各々対をなす上記
操作体に係合保持されると共に、操作体の押圧操
作によつて上記阻止体の係合が解除され、上記走
行部に阻止体が突出自在としてなり、 上記一つの阻止体は、引違い引戸のクレセント
錠による閉鎖状態で屋内側引戸を係止する位置に
設けられ、少なくとも他の一つの阻止体は上記一
つの阻止体から横方向に一定距離だけ離れた位置
に設けられて構成されてなる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る補助錠を装着
した引違い引戸の屋内側から見た正面図、第２図
はその引違い引戸の補助錠付近の部分斜視図、第
３図は第１図の補助錠部分の断面図である。

本実施例の補助錠１は、図示の如く枠体２０に
屋外側引戸２１と屋内側引戸２２を建込んで成る
引違い引戸の上記屋外側引戸２１下部の横框２１
ａ部分に装着されている。なお、２５は上記屋内
側引戸２２に設けられたクレセントである。

上記補助錠１は、上記屋外側引戸２１の横框２
１ａに固定される筐体２と、該筐体２内に設けら
れた第１の阻止体５と第２の阻止体６、第１と第
２の阻止体５，６を夫々動作させる第１の操作体
７と第２の操作体８及びスライド部材９，９を備
えて構成されている。

筐体２は、第３図に示す如く横框２１ａの右端
部近傍に屋内側を向いた状態で嵌込まれて固定さ
れている。この筐体２には、上記阻止体５，６を
出没可能に保持する保持部３，３と、操作体７，
８を出没可能に保持する保持部４，４が一定の間
隔をおいて図示の如く交互に設けられている。そ
して、この保持部３，４は、夫々断面四角形状に
形成されている。

阻止体５，６は、夫々上記保持部３，３に適合
する中空の四角柱状を成し、下端に外方に突出す
る係止突部１０が設けられている。この阻止体
５，６は保持部３，３内に図示の如く出没可能に
保持され、かつ保持部３，３内に設けられたバネ
１１，１１によつて常に突出方向へ付勢されてい
る。このバネ１１の付勢によつて阻止体５，６
は、その係止突部１０が保持部３の係止縁部３ａ
に係止する位置まで屋内側引戸２２の走行部側に
突出する。そして、この突出した阻止体５，６の
何れかに屋内側引戸２２が衝突しその摺動が阻止
されるのである。

上記阻止体５，６は、バネ１１に抗して押し戻
すことにより、保持部３，３内に完全に没入させ
ることができる。また、上記阻止体５は引違い引
戸を閉鎖した状態で屋内側引戸２２を係止するよ
うに位置し、阻止体６は屋内側引戸２２を一定間
隔開いた状態で屋内側引戸２２を係止するように
位置している。

操作体７，８は、各々筐体２の保持部４，４に
適合する中空の四角形状に形成され、保持部４，
４内に没入可能に保持されている。また、阻止体
５，６と同様、保持部４，４内に設けられたバネ
１３，１３によつて常に外方に付勢されている。
この操作体７，８の両側部には、図示の如く傾斜
して伸びる傾斜溝１４，１４が夫々設けられてい
る。

スライド部材９，９は上記操作体７，８の下部
に組込まれて保持部４，４内に位置し、保持部
３，４間の開口部１５を介して保持部４側にスラ
イド可能となつている。スライド部材９，９の両
側部には、上記操作体７，８の傾斜溝１４，１４
に挿入案内される突出子９ａ，９ａが設けられて
いる。また、スライド部材９，９の保持部３，３
側の先端には、上記阻止体５，６の係止突部１
０，１０と係止する係止突部９ｂ，９ｂが形成さ
れている。

以上のような構造により操作体７，８が押され
ていない状態では、操作体７，８がバネ１３によ
つて没入方向に抗する方向に付勢されることから
突出子９ａ，９ａが傾斜溝１４，１４によつて案
内されて保持部３，３側に押される。この結果、
スライド部材９，９が保持部３，３側にスライド
し、その係止突部９ｂ，９ｂが開口部１５，１５
を介して案内部３，３内に突出する。この状態
で、阻止体５，６を押して保持部３，３内に没入
させると、係止突部１０，１０がスライド部材
９，９の係止突部９ｂ，９ｂを乗り越えると共
に、係止突部９ｂ，９ｂに係止する。これによ
り、阻止体５，６の保持部３，３への没入状態が
保持される。第３図では、阻止体６が没入してい
る状態を示している。

また、上記没入状態において操作体７，８を押
すと、スライド部材９，９が傾斜溝１４，１４の
案内によつて後退するため、係止突部９ｂ，９ｂ
が阻止体５，６の係止突部１０，１０から外れ、
阻止体５，６はバネ１１の付勢によつて突出す
る。第３図では、操作体７が押されて阻止体５が
突出している状態を示している。このように、極
めて簡単な操作で阻止体５，６の突出と没入動作
を行わせることができる。

そして、引違い引戸を閉鎖している状態で操作
体７によつて阻止体５を突出させると、屋内側引
戸２２が阻止体５に係止して、その摺動が阻止さ
れる。従つて、閉鎖状態では、クレセント２５と
補助錠１の阻止体５によつて２重に戸締すること
ができ、引違い引戸の戸締がより強固となる。阻
止体５を没入させ阻止体６を突出させた状態で
は、阻止体５から阻止体６までの所定距離だけ離
れた位置で屋内側引戸２２が阻止体６に係止す
る。従つて、阻止体５，６の間隔だけ屋内側引戸
２２を開いた状態で係止することができるもので
ある。

なお、上記実施例では、阻止体を２個設け２箇
所で引戸を係止する場合を示したが、阻止体を３
個以上設け３つ以上の位置で引戸の規制を行うよ
うにすることも可能である。また、上記阻止体
５，６の間隔は任意に定めることができる。さら
に、補助錠１の構造についても、阻止体が出没可
能に設けられていればよく、例えば操作体７，８
等は必ずしも必要ない。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、屋外側引
戸の横框に装着する筐体内に少くとも２つの阻止
体を出没自在に設け、引違い引戸の閉鎖状態とそ
こから一定距離離れた位置で屋内側引戸を係止す
ることにより、屋内側引戸の規制位置を阻止体を
出没させる簡単な操作で自由に選択できる極めて
便利な補助錠を提供できる。

しかも上記阻止体は操作体の押圧操作によつて
見込方向に出没させる構成としたことにより、同
一筐体内に複数の阻止体を並設することができ、
そして一つの阻止体は、クレセント錠による閉鎖
状態で屋内側引戸の摺動を阻止してクレセント錠
の補助錠として防犯機能を十分に果し、また他の
一つの阻止体は、クレセント錠の開錠状態におい
て、引戸を少しだけ開放した状態を維持できて、
引戸の摺動阻止において二種の利用効果がある。

しかもまた上記阻止体の没入係合操作は、阻止
体自体を押圧操作し、一方係合解除操作は操作体
を押圧操作する構成としたので、上記係合・解除
動作が明確に区別されて確実に動作させることが
でき、またその係合・解除操作が判りやすいとい
う特徴がある。

更に離間させて設けた各阻止体の間に操作体を
位置させて構成できるので合理的であり、かつコ
ンパクトに納まる効果がある。

更にまた、各阻止体及び各操作体を横並びにし
て単一筐体に納める構成であるので、筐体の見付
方向の幅が大きくならず、また見付幅の小さい横
框にも取付けることができる。

また上記各阻止体は、屋外側の引戸の横框の屋
内側面に装着することから、従来の複数受部を有
するクレセント等のように屋外側に露出して目視
されることがないので、防犯上好ましいと共に、
体裁を損なうこともないという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る補助錠を装着
した引違い引戸の平面図、第２図は第１図の補助
錠装着部分の部分斜視図、第３図は本考案の一実
施例に係る補助錠の横断面図、第４図は一実施例
に係る補助錠の阻止体、操作体及びスライド部材
の分解斜視図である。 １……補助錠、２……筐体、３，４……保持
部、５，６……阻止体、７，８……操作体、９…
…スライド部材、９ａ……突出子、１０……係止
突部、１１，１３……バネ、１４……案内溝、２
０……引違い引戸、２１……屋外側引戸、２１ａ
……横框、２２……屋内側引戸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 引違い引戸の屋外側引戸の横框に装着して屋内
   側の引戸の摺動を阻止する下記要件を備えたこと
   を特徴とするクレセント錠を有する引違い引戸の
   補助錠。 (イ) 屋外側引戸の横框の屋内側面に単一の筐体を
   取付けると共に、該筐体内に対をなす阻止体と
   操作体とを少なくとも２対横方向に並設してな
   る。 (ロ) 上記各阻止体は、上記屋内側引戸の走行部に
   対しバネによつて見込方向に出没自在に付勢さ
   れてなり、上記筐体内に没入状態で各々対をな
   す上記操作体に係合保持されると共に、操作体
   の押圧操作によつて上記阻止体の係合が解除さ
   れ、上記走行部に阻止体が突出自在としてな
   る。 (ハ) 上記一つの阻止体は、引違い引戸のクレセン
   ト錠による閉鎖状態で屋内側引戸を係止する位
   置に設けられ、少なくとも他の一つの阻止体は
   上記一つの阻止体から横方向に一定距離だけ離
   れた位置に設けられてなる。