JPH05325211A - 光スポット位置決め方法 - Google Patents
光スポット位置決め方法Info
- Publication number
- JPH05325211A JPH05325211A JP12862892A JP12862892A JPH05325211A JP H05325211 A JPH05325211 A JP H05325211A JP 12862892 A JP12862892 A JP 12862892A JP 12862892 A JP12862892 A JP 12862892A JP H05325211 A JPH05325211 A JP H05325211A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- positioning
- light spot
- drive device
- target track
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】精密位置決め用駆動装置では、目標トラックの
位置33と光スポットの位置32の差である偏差量12
を位相補償3を通して参照し、粗位置決め用駆動装置で
は、精密位置決め用駆動装置の変位34と、前記偏差量
12を位相補償5を通した信号との和を位相補償4を通
して参照してトラック追従動作を行い、光スポットの位
置32を目標トラックの位置33へ位置決めする。 【効果】安定で交差周波数が高い粗位置決め用駆動装置
のサーボ系を構成でき、振動等の外乱に強い光スポット
のトラック追従制御が可能になる。
位置33と光スポットの位置32の差である偏差量12
を位相補償3を通して参照し、粗位置決め用駆動装置で
は、精密位置決め用駆動装置の変位34と、前記偏差量
12を位相補償5を通した信号との和を位相補償4を通
して参照してトラック追従動作を行い、光スポットの位
置32を目標トラックの位置33へ位置決めする。 【効果】安定で交差周波数が高い粗位置決め用駆動装置
のサーボ系を構成でき、振動等の外乱に強い光スポット
のトラック追従制御が可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置におい
て光スポットを所定の目標トラックに高精度に位置決め
させるための光スポット位置決め方法に係わり、特に、
サーボ系の交差周波数が高い粗位置決め用駆動装置を用
いて制御系を安定させた光スポット位置決め方法に関す
る。
て光スポットを所定の目標トラックに高精度に位置決め
させるための光スポット位置決め方法に係わり、特に、
サーボ系の交差周波数が高い粗位置決め用駆動装置を用
いて制御系を安定させた光スポット位置決め方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク装置における光スポッ
トのトラック追従動作では、その要求される位置決め精
度が1ミクロン以下と極めて厳しいために、光スポット
位置決め装置は粗位置決め用駆動装置及び精密位置決め
用駆動装置の2つ駆動装置から構成されている。その位
置決め方法を図3及び図14を用いて以下に説明する。
図3は位置の関係を説明するためのモデル図である。図
14は位置決め方法の従来例を示すブロック線図であ
る。
トのトラック追従動作では、その要求される位置決め精
度が1ミクロン以下と極めて厳しいために、光スポット
位置決め装置は粗位置決め用駆動装置及び精密位置決め
用駆動装置の2つ駆動装置から構成されている。その位
置決め方法を図3及び図14を用いて以下に説明する。
図3は位置の関係を説明するためのモデル図である。図
14は位置決め方法の従来例を示すブロック線図であ
る。
【0003】まず、図3を用いて、本発明の説明の中で
用いる位置の関係及び記号を説明する。27は光ディス
ク、28はベース、23は粗位置決め用駆動装置であ
る。精密位置決め用駆動装置22、例えば光偏向器によ
り偏向された光束21はミラー24により反射し、レン
ズ25へ入射する。レンズ25は、フォーカスアクチュ
エータ26により光ディスク27上に光束が焦点を結ぶ
ように制御されている。30は絶対位置の基準である。
絶対基準30からレンズ中心の位置31までの距離をX
cとし、レンズ中心の位置31から光スポットの位置3
2までの距離をXfとし、絶対基準30から光スポット
の位置32までの距離をXsとする。その際、XsはXc
とXfの和で表される。絶対基準30から目標トラック
の位置33までの距離はXdとする。目標トラックの位
置33と光スポットの位置32の偏差はXdとXsの差で
表される。
用いる位置の関係及び記号を説明する。27は光ディス
ク、28はベース、23は粗位置決め用駆動装置であ
る。精密位置決め用駆動装置22、例えば光偏向器によ
り偏向された光束21はミラー24により反射し、レン
ズ25へ入射する。レンズ25は、フォーカスアクチュ
エータ26により光ディスク27上に光束が焦点を結ぶ
ように制御されている。30は絶対位置の基準である。
絶対基準30からレンズ中心の位置31までの距離をX
cとし、レンズ中心の位置31から光スポットの位置3
2までの距離をXfとし、絶対基準30から光スポット
の位置32までの距離をXsとする。その際、XsはXc
とXfの和で表される。絶対基準30から目標トラック
の位置33までの距離はXdとする。目標トラックの位
置33と光スポットの位置32の偏差はXdとXsの差で
表される。
【0004】次に、図14のブロック線図を用いて、従
来の光スポット位置決め方法を説明する。図14におい
て、目標値は目標トラックの位置Xdであり、制御量は
光スポットの位置Xsである。制御対象は精密位置決め
用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置である。図中のG
f及びGcはそれぞれ精密位置決め用駆動装置及び粗位置
決め用駆動装置のコンプライアンス伝達関数であり、簡
易化のためそれぞれ次式で表されるものとする。
来の光スポット位置決め方法を説明する。図14におい
て、目標値は目標トラックの位置Xdであり、制御量は
光スポットの位置Xsである。制御対象は精密位置決め
用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置である。図中のG
f及びGcはそれぞれ精密位置決め用駆動装置及び粗位置
決め用駆動装置のコンプライアンス伝達関数であり、簡
易化のためそれぞれ次式で表されるものとする。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】ただし、Wf,Wcはそれぞれ精密位置決め
用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置のサーボ系の交差
周波数、W0は精密位置決め用駆動装置の固有周波数、
ζは減衰比、Wは周波数、jは虚数単位である。
用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置のサーボ系の交差
周波数、W0は精密位置決め用駆動装置の固有周波数、
ζは減衰比、Wは周波数、jは虚数単位である。
【0008】また、図中のGpf及びGpcはそれぞれ精密
位置決め用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置の位相補
償であり、例えば安定性を向上させる位相進み補償であ
って、それぞれの交差周波数を中心に位相を進ませるも
のとすると、次式で表される。
位置決め用駆動装置及び粗位置決め用駆動装置の位相補
償であり、例えば安定性を向上させる位相進み補償であ
って、それぞれの交差周波数を中心に位相を進ませるも
のとすると、次式で表される。
【0009】
【数3】
【0010】
【数4】
【0011】ただし、af,acは0から1まで任意に
選択可能な係数であり、Tf,Tcは次式で表される。
選択可能な係数であり、Tf,Tcは次式で表される。
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】図14において、偏差量は目標トラックの
位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、これは位相
補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力と
なる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポット
を目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心位置からXf移動す
る。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用駆
動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポッ
トの位置までの距離Xfを位相補償Gpcを通して駆動入
力としている。その結果、粗位置決め用駆動装置は精密
位置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動され
る。上述したような構成により、2つの駆動装置を用い
て光スポットを目標トラックに位置決めすることができ
る。
位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、これは位相
補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力と
なる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポット
を目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心位置からXf移動す
る。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用駆
動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポッ
トの位置までの距離Xfを位相補償Gpcを通して駆動入
力としている。その結果、粗位置決め用駆動装置は精密
位置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動され
る。上述したような構成により、2つの駆動装置を用い
て光スポットを目標トラックに位置決めすることができ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、粗
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を高め、精
密位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数に近づけ
た場合、2つの駆動装置のサーボ系が干渉しあい、それ
ぞれの位相余裕が減少し、安定な制御系を構成すること
が困難である。その理由を図15及び図16を用いて説
明する。図15は従来の光スポット位置決め方法のボー
ド線図であり、図16は安定性を説明するための図であ
る。
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を高め、精
密位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数に近づけ
た場合、2つの駆動装置のサーボ系が干渉しあい、それ
ぞれの位相余裕が減少し、安定な制御系を構成すること
が困難である。その理由を図15及び図16を用いて説
明する。図15は従来の光スポット位置決め方法のボー
ド線図であり、図16は安定性を説明するための図であ
る。
【0016】図14に示したブロック線図で2つの駆動
装置から構成されるサーボ系全体の一巡伝達特性G
1(以後、全体一巡伝達特性とよぶ)は次式で表され
る。
装置から構成されるサーボ系全体の一巡伝達特性G
1(以後、全体一巡伝達特性とよぶ)は次式で表され
る。
【0017】
【数7】
【0018】図14に示したブロック線図で粗位置決め
用駆動装置のコンプライアンス伝達関数Gcの出力点で
の一巡伝達特性G2(以後、粗位置決め一巡伝達特性と
よぶ)は次式で表される。
用駆動装置のコンプライアンス伝達関数Gcの出力点で
の一巡伝達特性G2(以後、粗位置決め一巡伝達特性と
よぶ)は次式で表される。
【0019】
【数8】
【0020】図15(a),図15(b)はそれぞれ
G1,G2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、
Wcは1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。
また、位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさ
ない場合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませ
る位相進み補償とした。図15から、それぞれ位相余裕
が減少し、安定性が低下していることがわかる。
G1,G2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、
Wcは1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。
また、位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさ
ない場合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませ
る位相進み補償とした。図15から、それぞれ位相余裕
が減少し、安定性が低下していることがわかる。
【0021】図16はWfを4kHzに固定し、粗位置
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを100Hz
から2kHzまで変化させた際の全体一巡伝達特性の交
差周波数における位相、及び粗位置決め一巡伝達特性の
交差周波数における位相を表している。これらの値が大
きいほど系の安定性が向上する。図から、Wcが大きく
なるにつれ、それぞれの安定性が低下していることがわ
かる。このため、従来の光スポット位置決め装置ではW
cをWfの1/10程度にしており、低周波数領域におい
て高いゲインを確保できないという課題があった。
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを100Hz
から2kHzまで変化させた際の全体一巡伝達特性の交
差周波数における位相、及び粗位置決め一巡伝達特性の
交差周波数における位相を表している。これらの値が大
きいほど系の安定性が向上する。図から、Wcが大きく
なるにつれ、それぞれの安定性が低下していることがわ
かる。このため、従来の光スポット位置決め装置ではW
cをWfの1/10程度にしており、低周波数領域におい
て高いゲインを確保できないという課題があった。
【0022】本発明の目的は、粗位置決め用駆動装置の
サーボ系の交差周波数が高く、光スポットの目標トラッ
クへの追従精度を高るめことが可能な光スポット位置決
め方法を提供することにある。
サーボ系の交差周波数が高く、光スポットの目標トラッ
クへの追従精度を高るめことが可能な光スポット位置決
め方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、精密位置決め
用駆動装置は目標トラックと光スポットの偏差を参照
し、また粗位置決め用駆動装置は目標トラックと光スポ
ットの偏差、及び精密位置決め用駆動装置の位置情報を
参照し、光スポットの目標トラックへの追従制御を行わ
せるようにしたものである。
用駆動装置は目標トラックと光スポットの偏差を参照
し、また粗位置決め用駆動装置は目標トラックと光スポ
ットの偏差、及び精密位置決め用駆動装置の位置情報を
参照し、光スポットの目標トラックへの追従制御を行わ
せるようにしたものである。
【0024】
【作用】上記構成により、2つの駆動手段を用いる光ス
ポットの位置決めサーボ系において、精密位置決め用駆
動装置のサーボ系と粗位置決め用駆動装置のサーボ系が
影響を及ぼし合いにくいため、位相余裕を減じることな
く、安定で交差周波数の高い粗位置決め用駆動装置のサ
ーボ系を構成できる。その結果、振動等の外乱に強い光
スポットのトラック追従制御が可能となり、光スポット
を目標トラックに高精度で位置決めすることができる。
ポットの位置決めサーボ系において、精密位置決め用駆
動装置のサーボ系と粗位置決め用駆動装置のサーボ系が
影響を及ぼし合いにくいため、位相余裕を減じることな
く、安定で交差周波数の高い粗位置決め用駆動装置のサ
ーボ系を構成できる。その結果、振動等の外乱に強い光
スポットのトラック追従制御が可能となり、光スポット
を目標トラックに高精度で位置決めすることができる。
【0025】また、本発明によれば、2つの駆動手段を
用いるもののほか、3つの駆動手段を用いる光スポット
の位置決めサーボ系においても、同様な効果が得られ
る。
用いるもののほか、3つの駆動手段を用いる光スポット
の位置決めサーボ系においても、同様な効果が得られ
る。
【0026】
【実施例】本発明による光スポット位置決め方法の実施
例を図面を用いて説明する。
例を図面を用いて説明する。
【0027】実施例1:以下、本発明の第1の実施例を
図1〜図8を参照して説明する。図1は本実施例に基づ
く光スポット位置決め方法を示すブロック線図、図2は
制御対象である光スポット位置決め装置の斜視図、図3
は位置の関係を示すモデル図、図4は全体一巡伝達特性
及び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図、図5は
本実施例に基づきパラメータを変えた光スポット位置決
め方法を示すブロック線図、図6は図5のブロック線図
に示されたサーボ系の全体一巡伝達特性及び粗位置決め
一巡伝達特性を示すボード線図、図7は全体一巡伝達特
性の安定性を説明するための図、図8は粗位置決め一巡
伝達特性の安定性を説明するための図である。
図1〜図8を参照して説明する。図1は本実施例に基づ
く光スポット位置決め方法を示すブロック線図、図2は
制御対象である光スポット位置決め装置の斜視図、図3
は位置の関係を示すモデル図、図4は全体一巡伝達特性
及び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図、図5は
本実施例に基づきパラメータを変えた光スポット位置決
め方法を示すブロック線図、図6は図5のブロック線図
に示されたサーボ系の全体一巡伝達特性及び粗位置決め
一巡伝達特性を示すボード線図、図7は全体一巡伝達特
性の安定性を説明するための図、図8は粗位置決め一巡
伝達特性の安定性を説明するための図である。
【0028】まず、図2を用いて本発明の制御対象であ
る光スポット位置決め装置について説明する。固定光学
系20より出射した光束21は、精密位置決め用駆動装
置22、例えば光偏向器により偏向され、粗位置決め用
駆動装置23、例えばリニアモータに搭載されたミラー
24により反射され、レンズ25に入射する。レンズ2
5はフォーカスアクチュエータ26により光ディスク2
7上に光束が焦点を結ぶように制御されている。このよ
うな光スポット位置決め装置では、2つの駆動装置、す
なわち精密位置決め及び粗位置決め用駆動装置を協調さ
せ光スポットを目標トラックに位置決めする。
る光スポット位置決め装置について説明する。固定光学
系20より出射した光束21は、精密位置決め用駆動装
置22、例えば光偏向器により偏向され、粗位置決め用
駆動装置23、例えばリニアモータに搭載されたミラー
24により反射され、レンズ25に入射する。レンズ2
5はフォーカスアクチュエータ26により光ディスク2
7上に光束が焦点を結ぶように制御されている。このよ
うな光スポット位置決め装置では、2つの駆動装置、す
なわち精密位置決め及び粗位置決め用駆動装置を協調さ
せ光スポットを目標トラックに位置決めする。
【0029】なお、図では固定光学系20及び精密位置
決め用駆動装置22を粗位置決め用駆動装置23に搭載
しない光スポット位置決め装置となっているが、固定光
学系20及び精密位置決め用駆動装置22を粗位置決め
用駆動装置23に搭載した光スポット位置決め装置でも
構わない。また、精密位置決め用駆動装置22としてレ
ンズ駆動装置を用いても構わない。
決め用駆動装置22を粗位置決め用駆動装置23に搭載
しない光スポット位置決め装置となっているが、固定光
学系20及び精密位置決め用駆動装置22を粗位置決め
用駆動装置23に搭載した光スポット位置決め装置でも
構わない。また、精密位置決め用駆動装置22としてレ
ンズ駆動装置を用いても構わない。
【0030】次に、図1を用いて本実施例の光スポット
位置決め方法を説明する。図において、偏差量は目標ト
ラックの位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位
相補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力
となる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポッ
トを目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心位置からXf移動す
る。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用駆
動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポッ
トの位置までの距離Xfと、偏差量を位相補償Gpsを通
した信号との和を位相補償Gpcを通して駆動入力として
いる。このGpsは新たに加えた位相補償であり、例えば
安定性を向上させる位相進み補償であって、精密位置決
め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を中心に位相を進
ませるものとすると、次式で表される。
位置決め方法を説明する。図において、偏差量は目標ト
ラックの位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位
相補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力
となる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポッ
トを目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心位置からXf移動す
る。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用駆
動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポッ
トの位置までの距離Xfと、偏差量を位相補償Gpsを通
した信号との和を位相補償Gpcを通して駆動入力として
いる。このGpsは新たに加えた位相補償であり、例えば
安定性を向上させる位相進み補償であって、精密位置決
め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を中心に位相を進
ませるものとすると、次式で表される。
【0031】
【数9】
【0032】ただし、asは0から1まで任意に選択可
能な係数であり、Tsは次式で表される。
能な係数であり、Tsは次式で表される。
【0033】
【数10】
【0034】その結果、粗位置決め用駆動装置は精密位
置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動される。
置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動される。
【0035】図1に示したブロック線図で全体一巡伝達
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
【0036】
【数11】
【0037】
【数12】
【0038】式(数11),(数12)は、前記した式
(数7),(数8)に比べGpsが新たなパラメータとな
っている。例えばasを1とし、Gpsを1とした場合、
すなわち位相補償Gpsを通さない場合には、全体一巡伝
達特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表さ
れる。
(数7),(数8)に比べGpsが新たなパラメータとな
っている。例えばasを1とし、Gpsを1とした場合、
すなわち位相補償Gpsを通さない場合には、全体一巡伝
達特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表さ
れる。
【0039】
【数13】
【0040】
【数14】
【0041】式(数14)から明らかなように、一巡伝
達特性G2は精密位置決め用駆動装置のサーボ系が粗位
置決め用駆動装置のサーボ系に影響を及ぼさないため、
位相余裕を減じることなく、安定で交差周波数の高い粗
位置決め用駆動装置のサーボ系を構成できる。
達特性G2は精密位置決め用駆動装置のサーボ系が粗位
置決め用駆動装置のサーボ系に影響を及ぼさないため、
位相余裕を減じることなく、安定で交差周波数の高い粗
位置決め用駆動装置のサーボ系を構成できる。
【0042】図4(a),図4(b)はそれぞれG1,G
2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、Wcは
1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。また、
位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさない場
合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる位相進
み補償とした。図4(b)から、粗位置決め用駆動装置
のサーボ系の位相余裕は干渉を受けず、安定性が向上し
ていることがわかる。
2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、Wcは
1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。また、
位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさない場
合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる位相進
み補償とした。図4(b)から、粗位置決め用駆動装置
のサーボ系の位相余裕は干渉を受けず、安定性が向上し
ていることがわかる。
【0043】次に、パラメータを変えた実施例を説明す
る。
る。
【0044】上記実施例において、asをafとして、
GpsをGpfとした場合、ブロック線図は簡素化され、図
5に示されるものとなる。この場合には、全体一巡伝達
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
GpsをGpfとした場合、ブロック線図は簡素化され、図
5に示されるものとなる。この場合には、全体一巡伝達
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
【0045】
【数15】
【0046】
【数16】
【0047】式(数15)中の以下の(数17)に示す
(1+Gf)は、WがWfにおいてほぼ0となり、一巡伝
達特性G1は粗位置決め用駆動装置のサーボ系が精密位
置決め用駆動装置のサーボ系に影響を及ぼさないため、
位相余裕を減じることなく、安定で交差周波数の高い精
密位置決め用駆動装置のサーボ系を構成できる。
(1+Gf)は、WがWfにおいてほぼ0となり、一巡伝
達特性G1は粗位置決め用駆動装置のサーボ系が精密位
置決め用駆動装置のサーボ系に影響を及ぼさないため、
位相余裕を減じることなく、安定で交差周波数の高い精
密位置決め用駆動装置のサーボ系を構成できる。
【0048】
【数17】
【0049】図6(a),図6(b)はそれぞれG1,G
2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、Wcは1
kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。また、位
相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさない場合
にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる位相進み
補償とした。図6(a)から、精密位置決め用駆動装置
のサーボ系の位相余裕がほぼWfで増加し、安定性が向
上していることがわかる。
2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、Wcは1
kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。また、位
相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさない場合
にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる位相進み
補償とした。図6(a)から、精密位置決め用駆動装置
のサーボ系の位相余裕がほぼWfで増加し、安定性が向
上していることがわかる。
【0050】上述したように、Gpsを付加したことによ
りそれぞれの一巡伝達特性の位相余裕を改善することが
できる。その効果を図7,図8を用いて説明する。
りそれぞれの一巡伝達特性の位相余裕を改善することが
できる。その効果を図7,図8を用いて説明する。
【0051】図7,図8は、Wfを4kHzに固定し、粗
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを10
0Hzから2kHzまで変化させた際の、全体一巡伝達特
性の交差周波数での位相、及び粗位置決め一巡伝達特性
の交差周波数での位相を表している。これらの値が大き
いほど系の安定性が向上する。パラメータasを小さく
した場合、全体一巡伝達特性の交差周波数での位相は増
加するが、粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位
相は減少する。逆に、パラメータasを大きくした場
合、全体一巡伝達特性の交差周波数での位相は減少する
が、粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位相は増
加する。すなわち、全体一巡伝達特性の交差周波数での
位相と粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位相
は、その大きさに関して相反する関係にある。
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを10
0Hzから2kHzまで変化させた際の、全体一巡伝達特
性の交差周波数での位相、及び粗位置決め一巡伝達特性
の交差周波数での位相を表している。これらの値が大き
いほど系の安定性が向上する。パラメータasを小さく
した場合、全体一巡伝達特性の交差周波数での位相は増
加するが、粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位
相は減少する。逆に、パラメータasを大きくした場
合、全体一巡伝達特性の交差周波数での位相は減少する
が、粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位相は増
加する。すなわち、全体一巡伝達特性の交差周波数での
位相と粗位置決め一巡伝達特性の交差周波数での位相
は、その大きさに関して相反する関係にある。
【0052】それぞれの交差周波数での位相をともにあ
る角度以上に設計しようとした場合、元々粗位置決め一
巡伝達特性の交差周波数での位相が60度あることを考
慮すると、図5に示したサーボ系が光スポット位置決め
装置には適するといえる。
る角度以上に設計しようとした場合、元々粗位置決め一
巡伝達特性の交差周波数での位相が60度あることを考
慮すると、図5に示したサーボ系が光スポット位置決め
装置には適するといえる。
【0053】また、本実施例では、精密位置決め用駆動
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、精密位
置決め用駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、精密位
置決め用駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
【0054】以上説明した方法及び構成により、粗位置
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光スポ
ットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能な
光スポット位置決め方法が提供される。
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光スポ
ットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能な
光スポット位置決め方法が提供される。
【0055】また、本実施例の位置決め方法は、磁気ヘ
ッドを2つの駆動装置を用いて位置決めする際にも同様
な効果を与える。
ッドを2つの駆動装置を用いて位置決めする際にも同様
な効果を与える。
【0056】実施例2:以下、本発明の第2の実施例を
図9〜図11を参照して説明する。図9は本実施例に基
づく光スポット位置決め方法を示すブロック線図、図1
0は全体一巡伝達特性及び粗位置決め一巡伝達特性を示
すボード線図、図11は粗位置決め一巡伝達特性の安定
性を説明するための図である。
図9〜図11を参照して説明する。図9は本実施例に基
づく光スポット位置決め方法を示すブロック線図、図1
0は全体一巡伝達特性及び粗位置決め一巡伝達特性を示
すボード線図、図11は粗位置決め一巡伝達特性の安定
性を説明するための図である。
【0057】本実施例の制御対象は、実施例1で説明し
た図2に示す光スポット位置決め装置であるので説明は
省略する。図2では固定光学系20及び精密位置決め用
駆動装置22を粗位置決め用駆動装置23に搭載しない
光スポット位置決め装置となっているが、固定光学系2
0及び精密位置決め用駆動装置22を粗位置決め用駆動
装置23に搭載した光スポット位置決め装置でも構わな
い。また、精密位置決め用駆動装置22としてレンズ駆
動装置を用いても構わない。
た図2に示す光スポット位置決め装置であるので説明は
省略する。図2では固定光学系20及び精密位置決め用
駆動装置22を粗位置決め用駆動装置23に搭載しない
光スポット位置決め装置となっているが、固定光学系2
0及び精密位置決め用駆動装置22を粗位置決め用駆動
装置23に搭載した光スポット位置決め装置でも構わな
い。また、精密位置決め用駆動装置22としてレンズ駆
動装置を用いても構わない。
【0058】次に、図9を用いて本実施例の光スポット
位置決め方法を説明する。図において、偏差量は目標ト
ラックの位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位
相補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力
となる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポッ
トを目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心の位置からXf移動
する。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用
駆動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポ
ットの位置までの距離Xfと偏差量との和を、ほぼ精密
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を中心とし
て局所的にゲインを低下する手段、例えばノッチフィル
タGn及び位相補償Gpcを通して駆動入力としている。
このノッチフィルタGnは、精密位置決め用駆動装置の
サーボ系の交差周波数Wfを中心にゲインを低下させる
ものとすると、次式で表される。
位置決め方法を説明する。図において、偏差量は目標ト
ラックの位置Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位
相補償Gpfを通して精密位置決め用駆動装置の駆動入力
となる。その結果、精密位置決め用駆動装置は光スポッ
トを目標トラックに一致させるように駆動される。その
際、光スポットの位置はレンズ中心の位置からXf移動
する。一方、粗位置決め用駆動装置は、精密位置決め用
駆動装置の出力、すなわちレンズ中心の位置から光スポ
ットの位置までの距離Xfと偏差量との和を、ほぼ精密
位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を中心とし
て局所的にゲインを低下する手段、例えばノッチフィル
タGn及び位相補償Gpcを通して駆動入力としている。
このノッチフィルタGnは、精密位置決め用駆動装置の
サーボ系の交差周波数Wfを中心にゲインを低下させる
ものとすると、次式で表される。
【0059】
【数18】
【0060】ただし、ζnは任意に選択可能な係数であ
る。
る。
【0061】その結果、粗位置決め用駆動装置は精密位
置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動される。
置決め用駆動装置の変位を零にするように駆動される。
【0062】図9に示したブロック線図で全体一巡伝達
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
特性G1及び粗位置決め一巡伝達特性G2は次式で表され
る。
【0063】
【数19】
【0064】
【数20】
【0065】式(数20)中のノッチフィルタGnは、
Wfにおいてほぼ0となり、一巡伝達特性G1は粗位置決
め用駆動装置のサーボ系が精密位置決め用駆動装置のサ
ーボ系に影響を及ぼさないため、位相余裕を減じること
なく、安定で交差周波数の高い精密位置決め用駆動装置
のサーボ系を構成できる。
Wfにおいてほぼ0となり、一巡伝達特性G1は粗位置決
め用駆動装置のサーボ系が精密位置決め用駆動装置のサ
ーボ系に影響を及ぼさないため、位相余裕を減じること
なく、安定で交差周波数の高い精密位置決め用駆動装置
のサーボ系を構成できる。
【0066】図10(a),図10(b)はそれぞれ
G1,G2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、
Wcは1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。
また、位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさ
ない場合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる
位相進み補償とし、ノッチフィルタGnのパラメータζn
は0.2とした。図10(b)から、精密位置決め用駆
動装置のサーボ系の位相余裕がほぼWfで増加し、安定
性が向上していることがわかる。
G1,G2のボード線図である。ここで、Wfは4kHz、
Wcは1kHz、W0は100Hz、ζは0.05とした。
また、位相補償Gpf及びGpcは、それぞれ干渉を起こさ
ない場合にはWfで50度、Wcで60度位相を進ませる
位相進み補償とし、ノッチフィルタGnのパラメータζn
は0.2とした。図10(b)から、精密位置決め用駆
動装置のサーボ系の位相余裕がほぼWfで増加し、安定
性が向上していることがわかる。
【0067】上述したように、Gnを付加したことによ
りそれぞれの一巡伝達特性の位相余裕を改善することが
できる。その効果を図11を用いて説明する。
りそれぞれの一巡伝達特性の位相余裕を改善することが
できる。その効果を図11を用いて説明する。
【0068】図11は、Wfを4kHzに固定し、粗位置
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを100Hz
から2kHzまで変化させた際の粗位置決め一巡伝達特
性の交差周波数での位相を表している。なお、全体一巡
伝達特性の交差周波数での位相は干渉を受けないため、
ほぼ130度である。パラメータζnの値が小さいほど
系の安定性が向上する。
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数Wcを100Hz
から2kHzまで変化させた際の粗位置決め一巡伝達特
性の交差周波数での位相を表している。なお、全体一巡
伝達特性の交差周波数での位相は干渉を受けないため、
ほぼ130度である。パラメータζnの値が小さいほど
系の安定性が向上する。
【0069】また、本実施例では、精密位置決め用駆動
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、精密位
置決め用駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、精密位
置決め用駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
【0070】以上説明した方法及び構成により、粗位置
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光スポ
ットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能な
光スポット位置決め方法が提供される。
決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光スポ
ットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能な
光スポット位置決め方法が提供される。
【0071】また、本実施例の位置決め方法は、磁気ヘ
ッドを2つの駆動装置を用いて位置決めする際にも同様
な効果を与える。
ッドを2つの駆動装置を用いて位置決めする際にも同様
な効果を与える。
【0072】実施例3:以下、本発明の第3の実施例を
図12〜図13を参照して説明する。図12は本実施例
に基づく光スポット位置決め方法を示すブロック線図、
図13は位置の関係を示すモデル図である。
図12〜図13を参照して説明する。図12は本実施例
に基づく光スポット位置決め方法を示すブロック線図、
図13は位置の関係を示すモデル図である。
【0073】まず、図13を用いて本実施例で用いる位
置の関係及び記号を説明する。27は光ディスク、28
はベースである。光スポットの位置32は3つの駆動装
置、すなわち第1の駆動装置121、第2の駆動装置1
22及び第3の駆動装置123によりトラッキング方向
に移動可能である。30は絶対位置の基準である。絶対
基準30から第3の駆動装置の位置113までの距離を
X3とし、第3の駆動装置の位置113から第2の駆動
装置の位置114までの距離をX2とし、第2の駆動装
置の位置114から光スポットの位置32までの距離を
X1とし、絶対基準30から光スポットの位置32まで
の距離をXsとする。その際、XsはX1とX2とX3の和
で表される。絶対基準30から目標トラックの位置33
までの距離はXdとする。目標トラックの位置33と光
スポットの位置32の偏差はXdとXsの差で表される。
このような光スポット位置決め装置では、3つの駆動装
置、すなわち第1,第2及び第3の駆動装置を協調させ
て光スポットを目標トラックに位置決めする。
置の関係及び記号を説明する。27は光ディスク、28
はベースである。光スポットの位置32は3つの駆動装
置、すなわち第1の駆動装置121、第2の駆動装置1
22及び第3の駆動装置123によりトラッキング方向
に移動可能である。30は絶対位置の基準である。絶対
基準30から第3の駆動装置の位置113までの距離を
X3とし、第3の駆動装置の位置113から第2の駆動
装置の位置114までの距離をX2とし、第2の駆動装
置の位置114から光スポットの位置32までの距離を
X1とし、絶対基準30から光スポットの位置32まで
の距離をXsとする。その際、XsはX1とX2とX3の和
で表される。絶対基準30から目標トラックの位置33
までの距離はXdとする。目標トラックの位置33と光
スポットの位置32の偏差はXdとXsの差で表される。
このような光スポット位置決め装置では、3つの駆動装
置、すなわち第1,第2及び第3の駆動装置を協調させ
て光スポットを目標トラックに位置決めする。
【0074】次に、図12のブロック線図を用いて本実
施例の光スポット位置決め方法を説明する。図12にお
いて、目標値は目標トラックの位置Xdであり、制御量
は光スポットの位置Xsである。制御対象は3つの駆動
装置である。図中のGa1,Ga2及びGa3はそれぞれ第
1,第2及び第3の駆動装置のコンプライアンス伝達関
数である。
施例の光スポット位置決め方法を説明する。図12にお
いて、目標値は目標トラックの位置Xdであり、制御量
は光スポットの位置Xsである。制御対象は3つの駆動
装置である。図中のGa1,Ga2及びGa3はそれぞれ第
1,第2及び第3の駆動装置のコンプライアンス伝達関
数である。
【0075】図において、偏差量は目標トラックの位置
Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位相補償Gp1を
通して第1の駆動装置の駆動入力となる。その結果、第
1の駆動装置は光スポットを目標トラックに一致させる
ように駆動される。その際、光スポットの位置は第2の
駆動装置の位置からX1移動する。第2の駆動装置は第
1の駆動装置の変位X1と、偏差量を位相補償Gs1を通
した信号との和を位相補償Gp2を通して駆動入力として
いる。第3の駆動装置は第2の駆動装置の変位X2と、
偏差量を位相補償Gs2を通した信号との和を位相補償G
p3を通して駆動入力としている。Gs1,Gs2は位相補
償、例えば安定性を向上させる位相進み補償であって、
それぞれ第1の駆動装置及び第2の駆動装置のサーボ系
の交差周波数を中心に位相を進ませるものとする。
Xdと光スポットの位置Xsの差であり、位相補償Gp1を
通して第1の駆動装置の駆動入力となる。その結果、第
1の駆動装置は光スポットを目標トラックに一致させる
ように駆動される。その際、光スポットの位置は第2の
駆動装置の位置からX1移動する。第2の駆動装置は第
1の駆動装置の変位X1と、偏差量を位相補償Gs1を通
した信号との和を位相補償Gp2を通して駆動入力として
いる。第3の駆動装置は第2の駆動装置の変位X2と、
偏差量を位相補償Gs2を通した信号との和を位相補償G
p3を通して駆動入力としている。Gs1,Gs2は位相補
償、例えば安定性を向上させる位相進み補償であって、
それぞれ第1の駆動装置及び第2の駆動装置のサーボ系
の交差周波数を中心に位相を進ませるものとする。
【0076】その結果、第2の駆動装置は第1の駆動装
置の変位を零にするように駆動され、第3の駆動装置は
第2の駆動装置の変位を零にするように駆動される。
置の変位を零にするように駆動され、第3の駆動装置は
第2の駆動装置の変位を零にするように駆動される。
【0077】また、本実施例では、第1及び第2の駆動
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、第1及
び第2の駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
装置の変位を検出する手段があるものとしたが、第1及
び第2の駆動装置の変位を推定する手段、例えばシミュ
レータを用いても同様の効果がある。
【0078】以上説明した方法及び構成により、第2及
び第3の駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光ス
ポットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能
な光スポット位置決め方法が提供される。
び第3の駆動装置のサーボ系の交差周波数が高く、光ス
ポットの目標トラックへの追従精度を高めることが可能
な光スポット位置決め方法が提供される。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
精密位置決め用駆動装置と粗位置決め用駆動装置を用い
て光スポットを所定の目標トラックに位置決めする際
に、粗位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を高
めることができ、その結果、振動等の外乱に強い光スポ
ットのトラック追従制御が可能となる。また、3つの駆
動装置を用いる場合にも、同様の効果が得られる。
精密位置決め用駆動装置と粗位置決め用駆動装置を用い
て光スポットを所定の目標トラックに位置決めする際
に、粗位置決め用駆動装置のサーボ系の交差周波数を高
めることができ、その結果、振動等の外乱に強い光スポ
ットのトラック追従制御が可能となる。また、3つの駆
動装置を用いる場合にも、同様の効果が得られる。
【図1】本発明の第1の実施例に基づく光スポット位置
決め方法を示すブロック線図である。
決め方法を示すブロック線図である。
【図2】本発明での制御対象である光スポット位置決め
装置を示す斜視図である。
装置を示す斜視図である。
【図3】第1の実施例における位置の関係を説明するた
めのモデル図である。
めのモデル図である。
【図4】図1に示されたサーボ系の全体一巡伝達特性及
び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
【図5】パラメータを変えた実施例の光スポット位置決
め方法を示すブロック線図である。
め方法を示すブロック線図である。
【図6】図5に示されたサーボ系の全体一巡伝達特性及
び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
【図7】全体一巡伝達特性の安定性を説明するための図
である。
である。
【図8】粗位置決め一巡伝達特性の安定性を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図9】本発明の第2の実施例に基づく光スポット位置
決め方法を示すブロック線図である。
決め方法を示すブロック線図である。
【図10】図9に示されたサーボ系の全体一巡伝達特性
及び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
及び粗位置決め一巡伝達特性を示すボード線図である。
【図11】粗位置決め一巡伝達特性の安定性を説明する
ための図である。
ための図である。
【図12】本発明の第3の実施例に基づく光スポット位
置決め方法を示すブロック線図である。
置決め方法を示すブロック線図である。
【図13】第3の実施例における位置の関係を説明する
ためのモデル図である。
ためのモデル図である。
【図14】従来の光スポット位置決め方法を示すブロッ
ク線図である。
ク線図である。
【図15】従来の光スポット位置決め方法のボード線図
である。
である。
【図16】従来の光スポット位置決め方法の安定性を説
明するための図である。
明するための図である。
1…精密位置決め用駆動装置のコンプライアンス伝達関
数Gf 2…粗位置決め用駆動装置のコンプライアンス伝達関数
Gc 3…精密位置決め用駆動装置の位相補償Gpf 4…粗位置決め用駆動装置の位相補償Gpc 5…位相補償Gps 6…ノッチフィルタGn 12…偏差量 20…固定光学系 21…光束 22…精密位置決め用駆動装置 23…粗位置決め用駆動装置 24…ミラー 25…レンズ 26…フォーカスアクチュエータ 27…光ディスク 30…絶対基準 31…レンズ中心の位置Xc 32…光スポットの位置Xs 33…目標トラックの位置Xd 34…精密位置決め用駆動装置の変位Xf 101…第1の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a1 102…第2の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a2 103…第3の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a3 104…第1の駆動装置用位相補償Gp1 105…第2の駆動装置用位相補償Gp2 106…第3の駆動装置用位相補償Gp3 107…位相補償Gs1 108…位相補償Gs2 111…第1の駆動装置の変位X1 112…第2の駆動装置の変位X2 113…第3の駆動装置の位置 114…第2の駆動装置の位置 121…第1の駆動装置 122…第2の駆動装置 123…第3の駆動装置
数Gf 2…粗位置決め用駆動装置のコンプライアンス伝達関数
Gc 3…精密位置決め用駆動装置の位相補償Gpf 4…粗位置決め用駆動装置の位相補償Gpc 5…位相補償Gps 6…ノッチフィルタGn 12…偏差量 20…固定光学系 21…光束 22…精密位置決め用駆動装置 23…粗位置決め用駆動装置 24…ミラー 25…レンズ 26…フォーカスアクチュエータ 27…光ディスク 30…絶対基準 31…レンズ中心の位置Xc 32…光スポットの位置Xs 33…目標トラックの位置Xd 34…精密位置決め用駆動装置の変位Xf 101…第1の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a1 102…第2の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a2 103…第3の駆動装置のコンプライアンス伝達関数G
a3 104…第1の駆動装置用位相補償Gp1 105…第2の駆動装置用位相補償Gp2 106…第3の駆動装置用位相補償Gp3 107…位相補償Gs1 108…位相補償Gs2 111…第1の駆動装置の変位X1 112…第2の駆動装置の変位X2 113…第3の駆動装置の位置 114…第2の駆動装置の位置 121…第1の駆動装置 122…第2の駆動装置 123…第3の駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬谷 英一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 森山 茂夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 米澤 成二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】光スポットをトラック追従動作を行う駆動
手段を用いて所定の目標トラックへ位置決めする光スポ
ット位置決め方法において、2つの駆動手段を用い、第
1の駆動手段は前記目標トラックと前記光スポットの偏
差を参照し、第2の駆動手段は前記目標トラックと前記
光スポットの前記偏差、及び前記第1の駆動手段の位置
情報を参照することによりトラック追従動作を行うこと
を特徴とする光スポット位置決め方法。 - 【請求項2】請求項1記載の光スポット位置決め方法に
おいて、第1の駆動手段を精密位置決め用駆動手段と
し、第2の駆動手段を粗位置決め用駆動手段とすること
を特徴とする光スポット位置決め方法。 - 【請求項3】請求項2記載の光スポット位置決め方法に
おいて、粗位置決め用駆動手段のサーボ系に、ほぼ精密
位置決め用駆動手段のサーボ系の交差周波数を中心とし
て局所的にゲインを低下させる手段を設けたことを特徴
とする光スポット位置決め方法。 - 【請求項4】光スポットをトラック追従動作を行う駆動
手段を用いて所定の目標トラックへ位置決めする光スポ
ット位置決め方法において、3つの駆動手段を用い、第
1の駆動手段は前記目標トラックと前記光スポットの偏
差を参照し、第2の駆動手段は前記目標トラックと前記
光スポットの前記偏差、及び前記第1の駆動手段の位置
情報を参照し、第3の駆動手段は前記目標トラックと前
記光スポットの前記偏差、及び前記第2の駆動手段の位
置情報を参照することによりトラック追従動作を行うこ
とを特徴とする光スポット位置決め方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12862892A JPH05325211A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光スポット位置決め方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12862892A JPH05325211A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光スポット位置決め方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05325211A true JPH05325211A (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=14989509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12862892A Pending JPH05325211A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光スポット位置決め方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05325211A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5801939A (en) * | 1995-03-03 | 1998-09-01 | Agency Of Industrial Science & Technology, Ministry Of International Trade & Industry | Precision positioning control apparatus and precision positioning control method |
-
1992
- 1992-05-21 JP JP12862892A patent/JPH05325211A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5801939A (en) * | 1995-03-03 | 1998-09-01 | Agency Of Industrial Science & Technology, Ministry Of International Trade & Industry | Precision positioning control apparatus and precision positioning control method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3089709B2 (ja) | 磁気ディスク装置のアクセスサーボ機構 | |
KR20010020409A (ko) | 가변 파라미터로 이산 슬라이딩 모드 제어를 이용하여 물체 위치를 결정하는 방법 및 장치 | |
JPH0863913A (ja) | ディスク装置のシーク制御方法及び装置 | |
US6798611B1 (en) | Disk storage system employing a discrete-time sliding mode controller for servo control | |
JPH05325211A (ja) | 光スポット位置決め方法 | |
US8284646B2 (en) | Objective lens driving device, control circuit, optical disc device and objective lens driving method | |
US5875162A (en) | Optical information recording and/or reproducing apparatus improved in servo characteristics | |
JPH0652563A (ja) | 光ディスク装置の制御方式 | |
US20120224464A1 (en) | Servo controller and servo system including the same | |
KR101120782B1 (ko) | 광디스크 장치 | |
JP2003006884A (ja) | 光ディスクドライブにおけるロングシークの制御システムおよびその方法 | |
JP4287842B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JP2538727B2 (ja) | サ―ボ安定化のためにフィ―ドバックの位相をシフトさせる周辺記憶装置 | |
JP2629650B2 (ja) | トラックアクセス装置 | |
JPH043373A (ja) | 光学ヘッドのアクセス制御装置 | |
US8035914B2 (en) | Hard disk drive and method for designing additional controller included in hard disk drive | |
JPH06124459A (ja) | 光スポット位置決め装置 | |
JPH05334818A (ja) | 制御ループ及び光学式情報記録再生装置 | |
JPWO2006043360A1 (ja) | 対物レンズ駆動装置 | |
JP3429337B2 (ja) | トラッキング制御装置 | |
JPS59119420A (ja) | 可動素子位置決め方式 | |
JPH01162279A (ja) | 磁気デイスク装置の制御回路 | |
JPH09320076A (ja) | 光ディスク装置のトラッキング制御装置 | |
JP2001209950A (ja) | フォーカス或いはトラッキングサーボ制御装置 | |
JPH03176705A (ja) | アクチュエータの駆動回路 |