JPH0532440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、食品類の鮮度保持機能を有するチヤ
ツク付の合成樹脂製袋体に関するものである。

＜従来の技術＞ 魚肉果菜などの食品類を包装するには、その鮮
度の保持が要求される。この要求を満足するため
に鮮度保持の有機物質を混入したフイルム材によ
つて形成した袋体が提供されている。これは混入
物質が日時の経過とともにフイルム表面に溶出し
たり気化したりする機能を利用することによつて
包装食品類の鮮度を保持するものである。

また、近時において前記と同じ目的を有する非
溶出型の結晶構造の吸着機能を持つ多孔質材をフ
イルム材に混入したフイルムによつて形成された
袋体が提供されている。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし、前記溶出型あるいは非溶出型の混入物
質は、その何れの物質も粉粒状の物質体である。

そして、該物質はフイルム材に混入された場合
もフイルム樹脂と融合することがなく、粉粒形態
のままフイルムの肉質内に散在した状態におかれ
ている。

従つて、樹脂と融合しない物質の混入が多い
程、あるいは粒子が大きい程フイルム材の強度は
混入前のフイルム材に比べ当然のことながら弱め
られてしまうことになる。

特にフイルムの肉質が薄い場合は、混入された
物質の粒子が被膜を押し上げて膜面を凹凸にした
り、あるいは表面膜にしたりするのでフイルム強
度は極端に劣化してしまう。

それゆえに前記した薄肉フイルムによつて形成
された袋体は袋詰め作業、あるいは輸送時などに
おける各種の衝撃圧などによつて破袋し易いので
極めて危険である。

なお、袋本体部も底ガゼツト部も薄肉フイルム
によつて形成した場合は、底ガゼツト部における
剛性がないので物品を収納した場合は、底辺部が
横に広がつたり、垂れ下がつたりして袋体の型が
くずれてしまうため商品体裁が悪く実用的でなか
つた。

更に、また底ガゼツト部が薄肉フイルムによつ
て形成されている場合は、ガゼツト部に弾力性が
乏しく袋体を構成するフイルム膜が密着しあつた
状態にあるので、袋体内に物品を収納する場合
は、袋口より空気を吹き込んで袋底を広げるなど
の手間が必要である。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の問題点を解決した袋体を
提供するもので、その特徴とする構成は、合成樹
脂製の雌雄爪型チヤツクを開口部に有し、かつ底
ガゼツト部を備えた合成樹脂製袋体において、前
記底ガゼツト部のフイルム膜を袋本体のフイルム
膜より肉厚とし、この底ガゼツト部のフイルム膜
にエチレンガス、二酸化炭素ガス等を吸着する粉
粒状物質を混入して成るものである。

＜作用＞ 本考案は、上記の構成であるから、袋体開口部
のチヤツクの閉止により袋体内より押し出した空
気の侵入を阻止し、底ガゼツト部に混入されてい
る鮮度保持用の粉粒物質によるエチレンガス等の
吸着で食品類の鮮度を保持するとともに、袋本体
のフイルム膜より肉厚とした底ガゼツト部のフイ
ルム膜に鮮度保持用の粉粒状物質を混入してある
ため、粉粒状物質はフイルム肉厚内に埋没され、
しかも底ガゼツト部の強度を確保するものであ
る。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１は合成樹脂のフイルム膜
よりなる袋本体であり、その開口部２には雌雄爪
型のチヤツク３を有している。４は袋本体１の底
ガゼツト部である。

本考案は、第２図で示すように、前記底ガゼツ
ト部４のフイルム膜を袋本体１のフイルム膜より
数倍の肉厚とし、この底ガゼツト部４のフイルム
膜にエチレンガス、二酸化炭素ガス等を吸着する
粉粒状物質５を混入したものである。

この粉粒状物質５は、ゼオライト、大谷石、遠
赤外線高放射セラミツクス等の多孔質材である。

本考案は上記の通りの構造であるから、次のよ
うな作用を有する。

すなわち、上記したごとく鮮度保持用としての
粉粒状物質５の混入は、袋本体１における肉厚部
である底ガゼツト部４に限定して混入されてお
り、前記粉粒状物質５は肉厚部内に埋没した状態
におかれるので、底ガゼツト部４におけるフイル
ムの強度が確保されており、薄肉フイルムによつ
て形成されている袋本体１に粉粒状物質を混入し
た場合よりも破袋の恐れははるかに少なくなる。

また、上記のように粉粒状物質５の混入箇所
は、底ガゼツト部４のみであり粉粒状物質５を混
入するために袋全体を肉厚部にする必要もないの
で低コストの製品を提供することができる。

さらに、本考案においては、粉粒状物質５の混
入による鮮度保持の目的効果をより高めるため
に、袋本体１の開口部２に雌雄爪型のチヤツク３
を設けているので、袋本体１内における収納食品
の取り出し、残り食品の鮮度を鮮度保持の粉粒状
物質５の鮮度保持に加えて、袋本体１内における
空気を開口部より押し出し、かつ開口部からの空
気の侵入を防止し、袋本体１内における残存食品
の酸化を防止する。

また、底ガゼツト部４が肉厚フイルムであるた
めに、底ガゼツト部４は肉厚弾力によつて密着し
あうことなく広げられた状態となるので、物品を
収納する場合もわざわざエアーを注入し、底ガゼ
ツト部４を広げる必要がなく円滑な物品の収納を
行うことができる。

さらに、袋本体１が薄肉フイルムによつて、形
成されている場合でも、底ガゼツト部４は肉厚状
フイルムによつて形成されているので、肉厚弾力
性によつて底辺部における横張りが常に維持され
ており、従つて型くずれが起こり難く、商品体裁
が保持されるものである。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、生鮮食品類の鮮
度保持に適し、かつ内容物の保存、強度、形態を
向上した包装用袋体が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は第１図−
線断面図である。 １……袋本体、２……開口部、３……チヤツ
ク、４……底ガゼツト部、５……粉粒状物質。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の雌雄爪型チヤツクを開口部に有
   し、かつ底ガゼツト部を備えた合成樹脂製袋体に
   おいて、前記底ガゼツト部のフイルム膜を袋本体
   のフイルム膜より肉厚とし、この底ガゼツト部の
   フイルム膜にエチレンガス、二酸化炭素ガス等を
   吸着する粉粒状物質を混入して成る底ガゼツト部
   を有するチヤツク付の袋体。