JPH05322844A - 炭化水素濃度測定方法及び炭化水素濃度測定装置 - Google Patents

炭化水素濃度測定方法及び炭化水素濃度測定装置

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JPH05322844A
JPH05322844A JP4125093A JP12509392A JPH05322844A JP H05322844 A JPH05322844 A JP H05322844A JP 4125093 A JP4125093 A JP 4125093A JP 12509392 A JP12509392 A JP 12509392A JP H05322844 A JPH05322844 A JP H05322844A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被測定ガス中の炭化水素の濃度を好適に測定
するとともに、三元触媒の劣化を検出できる炭化水素濃
度測定方法及び炭化水素濃度測定装置を提供すること。 【構成】 HC濃度測定装置1は、検出ガスの濃度に応
じて起電力を発生する一対のHCセンサ部1A,1Bを
備えており、この両HCセンサ部1A,1Bの検出素子
部2A,2Bは電気的に接続されている。つまり、両検
出素子部2A,2Bの固体電解質基体3A,3Bの検出
電極6A,6B同士を接続してアースするとともに、固
体電解質基体3A,3Bの基準電極4A,4B同士を接
続して、両HCセンサ部1A,1Bの起電力の差を検出
する様に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定ガスに含まれる
炭化水素(HC)の濃度を測定する炭化水素濃度測定方
法及び炭化水素濃度測定装置に関し、例えば内燃機関の
排気の浄化に使用される三元触媒コンバータの下流の排
気管に装着し、この触媒コンバータのHC浄化性能の低
下を検知することができる炭化水素濃度測定方法及び炭
化水素濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、環境保護及び大気質改善の観
点から、内燃機関の排気エミッション(HC,CO,N
Ox)の抑制要求が次第に強まっており、米国では’9
4年の製造車から三元触媒コンバータの劣化診断を含む
新しい自己診断規制(略称OBD−II);「排気エミッ
ション抑制関連部品の故障を検知しドライバーに認識さ
せ修理を義務づける規制」の開始が決定している。
【0003】この様な排気エミッションを改善する技術
として、従来より、混合気の空燃比を理論空燃比にフィ
ードバック制御した後に、三元触媒コンバータによっ
て、排気中のHC,CO,NOxを同時に浄化する排気
エミッション抑制技術が採用されている。
【0004】ところが、この三元触媒コンバータは、長
期間使用しているうちに浄化能力が低下してくるので、
最近では、三元触媒コンバータの劣化を診断するため
に、各種の診断技術が開発されている。この劣化診断の
技術のうち、現在最も信頼性の確認された方法として、
触媒コンバータの上流及び下流の排気管にそれぞれ酸素
センサを装着し、これら2本の酸素センサの信号比較に
よって三元触媒コンバータの浄化率の変化を検知するい
わゆる2O2センサシステムがある。
【0005】このシステムの検知原理は、三元触媒内に
触媒物質として担持されている白金,ロジウム,パラジ
ウム等の貴金属の触媒活性と、自身の酸素吸着能力とが
良い相関関係にある点に着目し、即ち三元触媒の浄化率
の低下は酸素吸着能力の低下を意味することに着目し、
三元触媒劣化時の下流側酸素センサの周波数や振幅が三
元触媒正常(新品)時と比較して、より上流側酸素セン
サの周波数や振幅に近くなってきた場合に触媒が劣化し
たと判断するものである。
【0006】また、最近では、上述した三元触媒コンバ
ータの触媒である活性貴金属の担持量低減と浄化率の向
上をはかるために、酸素吸着能力を他の物質、例えば酸
化セリウム(CeO2)等の酸素貯蔵能力を持つ物質の
添加によって補う方法が採用されており、この傾向は今
後排気エミッション規制が厳しくなると、より強まる方
向にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記酸
化セリウム等の他の物質を添加した場合には、下記の様
な問題があった。即ち、三元触媒コンバータにおいて
は、酸化セリウム自身の熱劣化による酸素吸着能の低下
と、活性貴金属の被毒劣化による酸素吸着能の低下との
区別がつけ難いので、三元触媒の酸素吸着能力の低下
が、そのまま浄化率低下を示すとは言い難い。よって、
前記2O2センサシステムで、三元触媒コンバータの劣
化を正確に判別することが難しく、結果として三元触媒
コンバータの故障診断に誤差をもたらす恐れがある。
【0008】この問題を解決する手段としては、三元触
媒コンバータの下流に、炭化水素(HC)のエミッショ
ンの濃度を測定できるHCセンサを装着し、三元触媒コ
ンバータの劣化の最も直接的かつ敏感な尺度であるHC
の排出量の増加を直接判別する方法が考えられるのに対
し、この用途に適した高性能のHCセンサは未だ開発さ
れていない。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れ、被測定ガス中の炭化水素の濃度を好適に測定すると
ともに、三元触媒の劣化を的確に検出できる炭化水素濃
度測定方法及び炭化水素濃度測定装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1の発明は、酸素イオン導電性の固体電解質の
表面に電極を形成した検出部を用い、該検出部の検出側
電極を被測定ガスに晒して、該被測定ガス中のガス濃度
を測定する方法であって、前記被測定ガス側面の炭化水
素に対する酸化触媒活性を違えた少なくとも2部の検出
部を用い、該各検出部の出力を比較することによって、
前記被測定ガス中の炭化水素の濃度を測定することを特
徴とする炭化水素濃度測定方法を要旨とする。
【0011】請求項2の発明は、酸素イオン導電性の固
体電解質の両面に電極が形成された検出部を備え、該検
出部の一方の面を基準酸素側に配するとともに他方の面
を被測定ガス側に配した濃度測定装置において、前記検
出部を少なくとも2部設けるとともに、各々の検出部の
被測定ガス側面の炭化水素に対する酸化触媒活性を違
え、該各検出部の炭化水素に対する起電力の差に基づい
て、前記被測定ガス中の炭化水素の濃度を測定すること
を特徴とする炭化水素濃度測定装置を要旨とする。
【0012】ここで、前記請求項1及び請求項2におけ
る異なる酸化触媒活性の被測定ガス側面を有する検出部
は、1つの素子内に少なくとも2部形成されていてもよ
く、或は1つのセンサハウジング内に少なくとも2部配
置されていてもよい。また、別個のセンサの中に各検出
部が形成され、各センサからの起電力をコンパレータの
電気回路やマイコン等を使用して比較することによっ
て、炭化水素の濃度を検出してもよい。
【0013】請求項3の発明は、酸素イオン導電性を有
する固体電解質の表面に少なくとも一対の電極を形成す
るとともに、該各々の電極側の炭化水素に対する酸化触
媒活性を違えた検出部を設け、該両電極を被測定ガスに
晒した際に両電極間に発生する電圧に基づいて、前記被
測定ガス中の炭化水素濃度を測定することを特徴とする
炭化水素濃度測定装置を要旨とする。
【0014】請求項4の発明は、白金を主成分とする前
記被測定ガス側の電極に加える添加物の種類及び/又は
量の調節によって、前記両電極の炭化水素に対する酸化
触媒活性を違えたことを特徴とする前記請求項2又は請
求項3記載の炭化水素濃度測定装置を要旨とする。
【0015】ここで、前記請求項1ないし請求項3にお
いて、酸化触媒の活性を違える手段としては、前記請求
項4の様に、電極に活性の異なる触媒を担持させる手段
や、電極に担持させる触媒の量を違える手段が採用でき
るが、それ以外にも、電極を加熱する温度を違えて活性
を変えてもよい。
【0016】また、酸化触媒の活性を違えるための添加
物としては、酸化触媒活性を低下させるPbや酸化触媒
活性を向上させるRh等が挙げられるが、各々の電極に
加える添加物の量としては、例えばPbが0.01〜1
重量%に対して、Rhが1〜30重量%程度が好適であ
る。
【0017】前記酸素イオン伝導性の固体電解質として
は例えばジルコニアが挙げられる。前記電極、特に被測
定ガス側の電極は、耐久性と触媒性の観点から、通常、
白金,ロジウム,パラジウム等の白金族金属が使用さ
れ、特に白金を主成分とする多孔質電極が一般的であ
る。尚、この電極の上部には、被測定ガスからの被毒を
防止するために、スピネル等からなる保護層が形成され
ることが望ましく、また、この保護層等に触媒を担持さ
せて、酸化触媒活性を変更してもよい。
【0018】前記被測定ガスとしては、例えば内燃機関
から排出される排気が挙げられ、測定する対象となる炭
化水素としては、例えばC38等が挙げられる。
【0019】
【作用】本発明者らは、酸素センサの開発,生産及び実
使用での経験から、従来の固体電解質、例えばジルコニ
アを使用した酸素濃淡電池型酸素センサの応用によっ
て、炭化水素濃度測定方法及び炭化水素濃度測定装置の
発明に至ったものである。この従来の固体電解質、例え
ばジルコニアを使用した酸素濃淡電池型酸素センサの場
合には、ジルコニアの両面にそれぞれ電極を形成し、一
方の面を基準酸素側に配し、他方の面を排気に晒した場
合、基準酸素分圧と排気中の酸素濃度差によって生じる
起電力が検知原理となる。
【0020】本発明者らは、上記電極の改良を進める過
程において、種々の添加物を白金に添加した場合、未反
応炭化水素(HC),CO,H2に対する酸素センサの
出力挙動が、電極の種類によって微妙に異なることを見
いだした。即ち、白金の触媒活性をわずかに低下させる
添加物、例えば微量の鉛(Pb)を上記排気ガス側白金
電極に加えた場合には、触媒活性が低いので、未反応O
2ガスを含む未反応COやH2に対しては高い出力が出る
が、HCに対しては出力が出ない挙動がある。一方、白
金の触媒活性を逆に僅かに向上させる添加物、例えば微
量のロジウム(Rh)を加えた場合には、触媒活性が高
いので、未反応O 2ガスを含む未反応CO,H2,HCの
いずれに対しても高い出力が発生する。また、通常の白
金電極の場合は、HCに対して上記2種類の電極の中間
的な出力挙動を示す。
【0021】このことは、「排気ガス側白金電極のHC
に対する酸化触媒活性の異なる、少なくとも2種類の酸
素センサの出力比較によって、HCが選択的に検知でき
ること」、或いは、「上記2種類の酸素センサの基準酸
素側電極を省略し、酸素イオン導電性固体電解質の表面
にHCに対する酸化触媒活性の異なる一対の電極を形成
し、該一対の電極を検出ガス中に晒し、この電極間に発
生する電位差を直接測定することによりHCが選択的に
検知できること」を明確に示しており、この知見に基づ
いて、本発明が完成された。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した炭化水素濃度測定
方法及び炭化水素濃度測定装置の実施例について説明す
る。 (第1実施例)図1は炭化水素(以下HCと記す)濃度
測定装置1の全体のシステム構成を示し、図2はHC濃
度測定装置1を構成するHCセンサ部1A,1Bを示し
ている。また、図3はHCセンサ部1A,1Bに用いら
れる検出素子部2A,2Bの先端部分を示す。尚、本装
置1に使用される一対のHCセンサ部1A,1Bは、ほ
ぼ同様な構造であるので、図2〜図3においては、まと
めて説明する。
【0023】まず、図1に示す様に、本実施例のHC濃
度測定装置1は、検出ガスの濃度に応じて起電力を発生
する一対のHCセンサ部1A,1Bを備えており、この
両HCセンサ部1A,1Bの検出素子部2A,2Bは電
気的に接続されている。つまり、両検出素子部2A,2
Bの固体電解質基体3A,3Bの外側面に設けられた検
出電極6A,6B同士を接続してアースするとともに、
固体電解質基体3A,3Bの内側面に設けられた基準電
極4A,4B同士を接続して、両HCセンサ部1A,1
Bの起電力の差を検出する様に構成されている。
【0024】以下各構成について、詳細に説明する。図
2に示す様に、HCセンサ部1A,1Bは、中空の試験
管状に成形された検出素子部2A,2Bを備え、この検
出素子部2A,2Bは、環状部材10A,10B及び滑
石の充填材11A,11Bを介して、ステンレス製のハ
ウジング12A,12Bに固定されており、検出素子部
2A,2Bの先端には、保護管13A,13Bが被せら
れている。
【0025】この検出素子部2A,2Bは、図3に示す
様に、主として安定化あるいは部分安定化ジルコニアか
らなる酸素イオン伝導性の固体電解質基体3A,3Bを
備え、この固体電解質基体3A,3Bの内側(基準ガス
側)には、導電性に富みかつ検出ガスの触媒作用を有す
る白金(Pt)の電極(基準電極)4A,4Bが形成さ
れ、一方、固体電解質基体3A,3Bの外側(検出ガス
側)には、平均粒径約50μmの安定化あるいは部分安
定化ジルコニアからなる球形粒子5A,5Bが固着され
ている。
【0026】この球状粒子5A,5Bの表面には、厚さ
0.5〜2μmの多孔質の白金の電極(検出電極)6
A,6Bが形成されており、各検出電極6A,6Bに
は、異なる酸化触媒活性を有する物質が担持されてい
る。即ち、一方のHCセンサ部1Aに形成された検出電
極6Aは、鉛(Pb)を微量(ここでは電極中0.5重
量%)含有しており、他方のHCセンサ部1Bに形成さ
れた検出電極6Bは、ロジウム(Rh)を微量(ここで
は電極中5重量%)含有している。
【0027】上記検出電極6A,6Bの表面には、検出
ガスによる検出電極6A,6Bの劣化を防止する目的
で、粒状組織を有する厚さ50〜200μmの多孔質の
保護層7A,7Bが設けられており、この保護層7A,
7Bはスピネル(Al23・MgO)から形成されてい
る。
【0028】次に、上述したHC濃度測定装置1の製造
方法について説明する。まず、HCセンサ部1A,1B
の主体となる固体電解質基体3A,3Bを形成するに
は、純度99%のジルコニア(ZrO3)の原料に、純
度99.9%のイットリア(Y23)を4mol%添加
し、湿式にて粉砕混合して1300℃にて2時間仮焼結
を行う。次に、この仮焼結体を、湿式にて粒子の80%
が2.5μm以下の粒径になるまで粉砕する。更に、こ
の粉体に水溶性バインダを加え、スプレードライヤーに
て粒径約70μmの球状の2次粒子からなる材料に調整
し、所定の試験管状に成形する。
【0029】そして、別途スプレードライヤーにて、球
状粒子5A,5Bとなる平均粒径約60〜70μmの2
次粒子を形成し、固体電解質基体3A,3Bの外表面上
に該2次粒子が一層に並び置かれるよう筆で塗布する。
その後、約1500℃で約4時間焼成する。
【0030】次に、上記固体電解質基体3A,3Bの両
面に、それぞれ基準電極4A,4B及び検出電極6A,
6Bを形成するには、まず、白金を周知の化学メッキに
よって、固体電解質基体3A,3Bの両面に白金を析出
させて白金の層とする。しかる後、例えば1000℃以
上で、望ましくは1300℃にて大気中で熱処理するこ
とによって、白金を収縮させ多孔層の白金層とする。
【0031】次に、両HCセンサ部1A,1Bの酸化触
媒活性を違えるための処理を行なう。即ち、一方の(酸
化触媒活性を低くする)検出電極6Aの白金上に、鉛を
1mg/cc含有する酢酸鉛水溶液を筆で塗布し、他方の
(酸化触媒活性を高める)検出電極6Bの白金上には、
ロウジムを10mg/cc含有する硝酸ロジウム水溶液を筆
で塗布する。その後、検出電極6A,6Bを乾燥した後
に、大気中にて800℃で熱処理することにより、白金
と鉛の合金化及び白金とロジウムの合金化を各々行な
う。
【0032】更に、上記の方法で形成された検出電極6
A,6Bを保護する目的で、検出電極6A,6Bの表面
に、厚さ100μmの多孔質の保護層7A,7Bを、ス
ピネルのプラズマ溶射にて付着させる。そして、上記製
造方法によって作成された両HCセンサ部1A,1B
を、図1に示す様に電気的に接続することにより、HC
濃度測定装置1を完成する。 (第2実施例)次に、第2実施例のHC濃度測定装置に
ついて、図4〜図6に基づいて説明する。
【0033】図4に示す様に、本実施例のHC濃度測定
装置10は、前記実施例とは異なり、1個のHCセンサ
部1Cを使用するものであり、このHCセンサ部1Cの
検出素子部2Cには、異なる酸化触媒活性を有する検出
電極6C,6Dが設けられている。そして、この両検出
電極6C,6Dを電気的に接続し、両検出電極6C,6
D間の電圧の差を検出する様に構成されている。
【0034】以下各構成について、詳細に説明する。図
5に示す様に、中空の試験管状に成形された検出素子部
2Cは、主として安定化あるいは部分安定化ジルコニア
からなる酸素イオン伝導性の固体電解質基体3Cから構
成され、この固体電解質基体3Cの外側表面に、検出電
極6C,6Dが各々分離して形成されている。そして、
前記検出素子部2Cは、環状部材10C,滑石の充填剤
11C及びセラミックリング8を介して、ステンレス製
のハウジング12Cに固定されており、検出素子部2C
の先端には、保護管13Cが被せられている。
【0035】また、図6に示す様に、固体電解質基体3
Cの外側(検出ガス側)には、平均粒径約50μmの安
定化あるいは部分安定化ジルコニアからなる球形粒子5
Cが固着されている。この球状粒子5Cの表面には、鉛
を微量(ここでは電極中0.5重量%)含有する厚さ
0.5〜2μmの多孔質の白金電極(検出電極)6C
と、ロジウムを微量(ここでは電極中5重量%)含有す
る多孔質の白金電極(検出電極)6Dが、分離して形成
されている。
【0036】更に、前記検出電極6C,6Dの表面に
は、検出ガスによる検出電極6C,6Dの劣化を防止す
る目的で、粒状組織を有する厚さ50〜200μmの多
孔質の保護層7Cが設けられており、この保護層7Cは
スピネル(Al23・MgO)から形成されている。
【0037】次に、本実施例のHC濃度測定装置10の
製造方法について説明する。まず、HCセンサ部1Cの
主体となる固体電解質基体3Cを形成するには、純度9
9%のジルコニアの原料に、純度99.9%のイットリ
ア4mol%を添加し、湿式にて粉砕混合して1300℃
にて2時間仮焼結を行う。次に、この仮焼結体を湿式に
て粒子の80%が2.5μm以下の粒径になるまで粉砕
する。
【0038】更に、この粉体に水溶性バインダを加え、
スプレードライヤーにて粒径約70μmの球状の2次粒
子からなる材料に調整し、所定の試験管状に成形する。
そして、別途スプレードライヤーにて、球状粒子5Cと
なる平均粒径約60〜70μmの2次粒子を形成し、固
体電解質基体3Cの外表面に約100μmの厚さに筆で
塗布する。
【0039】更に、該HCセンサ部1Cの出力を取り出
す為に、前記固体電解質基体3Cの外表面に白金のペー
ストでリード線を形成しておく。その後、約1500℃
で約4時間焼成する。次に、上記固体電解質基体3Cの
表面に、検出電極6C,6Dを形成するには、まず、白
金を周知の化学メッキによって、球状粒子5Cの表面に
白金を析出させる。この際、検出電極6C,6Dを隔離
する為、球状粒子5Cの表面の一部を有機ペイント等で
マスキングすることが望ましい。
【0040】しかる後、例えば1000℃以上で、望ま
しくは1300℃で大気中にて熱処理することによっ
て、白金を収縮させ多孔質の白金層とする。次に、一方
の(酸化触媒活性を低くする)検出電極6Cの白金上
に、鉛を1mg/cc含有する酢酸鉛水溶液を筆で塗布し、
他方の(酸化触媒活性を高くする)検出電極6Dの白金
上には、ロジウムを10mg/cc含有する硝酸ロジウム水
溶液を筆で塗布する。次いで乾燥させた後、大気中にて
800℃で熱処理することにより、白金と鉛の合金化及
び白金とロジウムの合金化を各々行なう。
【0041】更に、上記の方法で形成された検出電極6
C,6Dを保護する目的で、検出電極6C,6Dの表面
に、厚さ100μmの多孔質の保護層7Cをスピネルの
プラズマ溶射にて付着させる。 (実験例1)次に、前記第1実施例のHC濃度測定装置
1が、HC濃度を確実に測定できることを確認した実験
例について示す。尚、第2実施例でも基本的に原理は同
一であり、主として電気回路のみ大きく異なるだけであ
るので、第2実施例についての説明は省略する。
【0042】ここで、検出するHCの代表例としてプロ
パン(C38)を採用し、通常検出ガス中に存在する他
の還元性ガスとしてCO及びH2を採用し、それぞれに
対する出力挙動を調べた。尚、ここでいうλとは、上記
還元性ガスに対する酸素過剰率(完全燃焼を行う為の理
論比に対する過剰率)をいう。
【0043】図7〜図9は、HC濃度測定装置1におけ
る各HCセンサ部1A,1Bの(温度に対応した)出力
をそれぞれ単独にとった場合、及び両者の出力を図1に
示す電気回路によって最終的に一つの出力として取り出
した場合の比較を示す。このうち図7は、C38−N2
−O2系ガス(C38:1000ppm一定,N2:50l/
min,O2:可変)に対する出力挙動を示し、図8は、C
O−N2−O2系ガス(CO:10000ppm一定,N2
50l/min,O2:可変)に対する出力挙動を示し、図
9は、H2−N2−O2系ガス(H2:10000ppm一
定,N2:50l/min,O2:可変)に対する出力挙動を
示している。尚、各図における(a)はHCセンサ部1
Aの出力を、(b)はHCセンサ部1Bの出力を各々比
較例として示し、(c)は、第1実施例のHC濃度測定
装置1の出力を示している。
【0044】よって、図7〜図9から、次の事実が認識
される。 (1)CO−N2−O2系ガス、及びH2−N2−O2系ガ
スにおいては、両HCセンサ部1A,1Bの出力挙動は
ほぼ同じであり、その結果、両者の出力差としてのHC
濃度測定装置1の出力は、CO濃度,H2濃度,λに関
係なく、ほぼOVで一定である。つまり、HC濃度測定
装置1は、COやH2には不感である。
【0045】(2)C38−N2−O2系ガスにおいて
は、両HCセンサ部1A,1Bの出力挙動は大きく異な
り、一方の(酸化触媒活性の低い)HCセンサ部1Aが
38濃度やλに関係なく出力ほぼOVなのに対して、
他方の(酸化触媒活性の高い)HCセンサ部1Bはλ<
1の領域(酸素不足,プロパン過剰)において1V近い
出力を発生する。
【0046】この結果、両HCセンサ部1A,1Bの出
力差としてのHC濃度測定装置1の出力は、C38濃度
過剰領域にてほぼ1Vを発生する。つまり、本実施例の
HC濃度測定装置1によって、HC濃度過剰を判別する
ことができる。即ち、このHC濃度測定装置1によっ
て、例えば内燃機関の排気中のHC濃度のみを選択的に
検出できることを示している。 (実験例2)次に、上記第1,2実施例とほぼ同様な構
成で、触媒の能力が異なるHC濃度測定装置を用いて行
った初期及び耐久後のHC濃度測定の実験例について説
明する。
【0047】この実験のために、第1実施例に相当する
構造(HCセンサ部2個別体)のHC濃度測定装置と、
第2実施例に相当する構造(HCセンサ部1個)のHC
濃度測定装置)とを製造するとともに、検出電極に含ま
せる添加物の種類や量を違えて酸化触媒活性の異なる2
種類の検出電極対を各々形成した。つまり、下記表1及
び表2に示す様な第1及び第2の検出電極対を各々製造
することによって、下記表3に示す合計4種類のHC濃
度測定装置を製造した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】尚、上記表1及び表2の検出電極6A,6
Cは、白金電極上に、Pbを1mg/cc含有する酢酸鉛水
溶液を塗布して、大気中にて800℃で熱処理して形成
した。表1の検出電極6B,6Dは、白金電極上に、R
hを10mg/cc含有する硝酸ロジウム水溶液を塗布し、
大気中にて800℃で熱処理して形成した。表2の検出
電極6B,6Dは、白金電極上に、Rhを50mg/cc含
有する硝酸ロジウム水溶液を塗布し、大気中にて800
℃で熱処理して形成した。
【0051】実験装置としては、図10に示す様に、実
際の内燃機関の排気(触媒コンバータ通過前の浄化率0
%排気)をシュミレートした合成ガス(CO:1.5
%,H 2:0.5%,C36:1000ppm,C38:5
00ppm,NO:1000ppm,SO2:20ppm,O2
1.65%(λ=1),N2:キャリアガス)を製造
し、HC濃度測定装置付近での流速が約10m/sとなる
ようセットした。尚、HC濃度測定装置の素子温は、内
蔵のヒータによって450℃に設定した。
【0052】この実験装置では、HC濃度検出装置の取
付け部の上流側には触媒が取付けられ、付属のヒータに
よって加熱することにより、その浄化率を変化させるこ
とができる。また、HC濃度測定装置の取付け部付近に
は、ガス分析用のパイプがあり、HCアナライザによっ
て、HC濃度分析が可能である。
【0053】また、HC濃度測定装置の耐久は、酸素セ
ンサの耐久と同じく、図11に示す所定の耐久パターン
にて1000時間(6万マイル走行相当)実施し、しか
る後、初期と同様の評価を行った。その結果を表3及び
図12に示す。
【0054】
【表3】
【0055】この表3及び図12から明かな様に、上記
各実施例のHC濃度測定装置においては、検出電極の構
成を変えることによって、任意のHC浄化率にてHC濃
度測定装置の出力が急変する様に調節することができ
る。しかも耐久後もその出力は極めて安定しており、例
えば500mVを閾値として触媒の劣化を判別すること
ができる。
【0056】よって、例えば自動車に上記HC濃度測定
装置を使用した場合には、(例えば時速20〜40マイ
ルにて)HC浄化率が60%を下回った時、図12
(a)に示す様に、第1の検出電極対の構成を採用した
装置の出力が急変するので、触媒コンバータの劣化を好
適に判断できる。また、(例えば時速40マイルで)H
C浄化率95%を下回った時、図12(b)に示す様
に、第2の検出電極対の構成を採用した装置の出力が急
変するので、触媒コンバータの劣化を好適に判断でき
る。
【0057】しかも、これ以外のHC浄化率の閾値に対
しても、検出電極の構成(酸化触媒活性の異なる電極の
組み合せ)を変えることによって任意にその感度を調節
することができることは明らかであり、本発明は極めて
有用なものである。尚、本発明は、上記実施例に何等限
定されず、本発明の要旨の範囲内において各種の態様で
実施できることは勿論である。
【0058】
【発明の効果】本発明の炭化水素濃度測定方法及び炭化
水素濃度測定装置では、被測定ガス中の炭化水素の濃度
を好適に測定することができる。つまり、本発明によれ
ば、例えば内燃機関の排気中の炭化水素濃度を選択的に
検知でき、しかも、本発明の装置は、排気中での長期間
の使用に対しても優れた耐久性を発揮しうるものであ
る。又、この炭化水素濃度方法及び炭化水素測定装置を
採用することによって、特に触媒コンバータの劣化の検
知を的確に行なうことができるという顕著な利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の炭素水素濃度濃度装置の全体構
成を示すシステム図である。
【図2】 第1実施例のHCセンサ部を示す断面図であ
る。
【図3】 第1実施例の検出素子部を示す断面図であ
る。
【図4】 第2実施例の炭素水素濃度濃度装置の全体構
成を示すシステム図である。
【図5】 第2実施例のHCセンサ部を示す断面図であ
る。
【図6】 第2実施例の検出素子部を示す断面図であ
る。
【図7】 実験例1の測定ガス系に対する出力挙動を示
すグラフである。
【図8】 実験例1の比較ガス系に対する出力挙動を示
すグラフである。
【図9】 実験例1の比較ガス系に対する出力挙動を示
すグラフである。
【図10】 実験例2の実験装置を示す説明図である。
【図11】 実験例2に用いる耐久パターンを示すグラ
フである。
【図12】 実験例2の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,10…炭化水素濃度測定装置 1A,1B,1C…HCセンサ部 3A,3B,3C…固体電解質基体 4A,4B…基準電極 6A,6B,6C,6D…検出電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン導電性の固体電解質の表面に
    電極を形成した検出部を用い、該検出部の検出側電極を
    被測定ガスに晒して、該被測定ガス中のガス濃度を測定
    する方法であって、 前記被測定ガス側面の炭化水素に対する酸化触媒活性を
    違えた少なくとも2部の検出部を用い、該各検出部の出
    力を比較することによって、前記被測定ガス中の炭化水
    素の濃度を測定することを特徴とする炭化水素濃度測定
    方法。
  2. 【請求項2】 酸素イオン導電性の固体電解質の両面に
    電極が形成された検出部を備え、該検出部の一方の面を
    基準酸素側に配するとともに他方の面を被測定ガス側に
    配した濃度測定装置において、 前記検出部を少なくとも2部設けるとともに、各々の検
    出部の被測定ガス側面の炭化水素に対する酸化触媒活性
    を違え、該各検出部の炭化水素に対する起電力の差に基
    づいて、前記被測定ガス中の炭化水素の濃度を測定する
    ことを特徴とする炭化水素濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 酸素イオン導電性を有する固体電解質の
    表面に少なくとも一対の電極を形成するとともに、該各
    々の電極側の炭化水素に対する酸化触媒活性を違えた検
    出部を設け、該両電極を被測定ガスに晒した際に両電極
    間に発生する電圧に基づいて、前記被測定ガス中の炭化
    水素濃度を測定することを特徴とする炭化水素濃度測定
    装置。
  4. 【請求項4】 白金を主成分とする前記被測定ガス側の
    電極に加える添加物の種類及び/又は量の調節によっ
    て、前記両電極の炭化水素に対する酸化触媒活性を違え
    たことを特徴とする前記請求項2又は請求項3記載の炭
    化水素濃度測定装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10104200A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Nippon Soken Inc ガスセンサ
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